「Pythonでできることを具体的に知りたい」
「Pythonを学ぶメリットを知りたい」
「初心者でもできるPythonの活用例を知りたい」
Pythonは近年急拡大している人工知能(AI)分野で注目される言語です。あなたも機械学習やビッグデータ解析といったワードを調べる中で、プログラミング言語Pythonにたどり着いたことと思われます。
しかしPythonでできることはAI開発だけではありません。Pythonを学べば、非エンジニアの方でも活用できる、業務効率化アプリを制作することも可能です。
今回はプログラミング言語Pythonの概要と、Pythonでできることや何が作れるのかを具体例とともに解説していきます。
2019年1月22日編集:この記事は、現役エンジニアによって監修済みです。
この記事は現役エンジニアによって監修済みです。
この記事の目次
プログラミング言語 Python(パイソン)とは
Pythonは人工知能や機械学習、データ解析領域で活用されるプログラミング言語です。文法がシンプルで分かりやすく、初心者でも学習しやすいプログラミング言語としても知られます。
コードが完結で読みやすい・書きやすいと言った特徴や、かつ今後発展していく領域(AIやビッグデータ)で用いられる言語であることから、近年一番初めに学ぶプログラミング言語として選ばれることも多いです。
このような背景から、Python=AIというイメージを強く持つ方も多いかもしれません。しかしPythonは汎用性の高いプログラミング言語で、活用シーンはWebアプリケーション開発や業務効率化・自動化ツール制作など幅広いです。
具体的な「Pythonができること」については後ほど詳しく解説します。
AI(人工知能)開発で注目されるPython
AI(人工知能)開発は今後ますます発展していくと考えられます。2018年に富士キメラ総研によって発表された「2018 人工知能ビジネス総調査」のデータによると、2016年度のAIビジネスの国内市場が2,704億円だったのに対し、2021年には11,030億円、2030年度には20,250億円にまで発展するとの予測が立てられています。
その人工知能の開発領域で注目されるのがPythonです。PythonはAI開発領域でもっとも高いシェアを誇るプログラミング言語として知られています。
Pythonの特徴として、豊富なライブラリが存在することが挙げられます。ライブラリとは、汎用性の高いプログラムを再利用できる形にまとめたもののことです。Pythonは数万個以上のライブラリが公開されています。そのためライブラリを活用した効率的なデータ分析や機械学習、ディープラーニングが行いやすいのです。
また前述した「2018 人工知能ビジネス総調査」では、人工知能の中でも特に注目の市場について言及されています。そこで挙がっているのが「RPA(ロボットによる業務自動化)×AI」と「チャットボット×AI」の2つ。このような分野でもPythonが用いられることが多いです。
PythonはAI開発領域だけでなく、プログラミング言語全体としても人気が高いです。例えば2018年にGitHub(ソフトウェア開発のプラットフォーム)が発表したレポートによると、Pythonは人気プログラミング言語の第3位にランクインしています。
また株式会社ビズリーチが運営するスタンバイによると、プログラミング言語別年収ランキング2018において、Pythonは3位(年収575.1万円)にランクインしています。
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Pythonでできること
Pythonは人工知能開発で注目されていますが、汎用プログラミング言語と言われ、用途は様々です。
ここからはPythonでできることを8つ挙げて解説します。
機械学習アプリの制作
Pythonができることの一つに機械学習が挙げられます。
機械学習とは人工知能による研究分野の一つ。私たち人間が無意識に行う学習の仕組みをコンピューターで実現させるものです。
機械学習アプリを一から作ろうとすると時間がかかりますが、前述したようにPythonには豊富なライブラリが存在します。
機械学習においてもGoogleのライブラリ「TensorFlow」があり、活用すると効率的な開発が可能となります。基本構造からカスタマイズするのもスムーズです。
統計解析アプリの制作
ビッグデータ時代と言われる現代。膨大なデータを活用するために求められるのが統計解析です。企業のマーケティングにおいても、このようなデータ分析が活用されています。
データの統計解析を行うアプリの制作にも、Pythonが用いられます。例えばPythonには数値計算を行うためのライブラリ「Numpy」があります。また「Pandas」というデータ分析を効率的に行えるライブラリもあります。
これらのライブラリを活用すれば、大量にあるデータの統計解析も、効率的にスムーズに行えるようになります。
Webアプリの制作
PythonはWebアプリ開発の分野でも活用されています。実は私たちにとって身近なアプリもPythonで開発されているものが多いのです。
例えば動画サイト「YouTube」。もちろん全てがPythonで構成されているわけではありませんが、大半をPythonが占めていると言われています。
この他にも「Instagram」「Dropbox」もPythonで開発されたWebアプリケーションです。
デスクトップアプリの制作
エンジニアの方なら、デスクトップアプリ開発と聞くとJavaやC++を挙げる方が多いかもしれません。しかしPythonでもデスクトップアプリを制作することは可能です。
Pythonでデスクトップアプリを作るメリットは、JavaやC++よりも効率的に開発できる点にあります。
豊富なライブラリや、デスクトップアプリ開発用のフレームワークも存在します。Pythonでおすすめのフレームワークについては、後ほど詳しく解説します。
例えばPythonには「Tkinter」という、標準で付属されたGUI(グラフィカルユーサーインターフェイス)ライブラリがあります。こちらは別途インストールする必要がなく、比較的日本語での情報も豊富です。Python初心者が一番はじめにデスクトップアプリを制作するのにおすすめのライブラリでしょう。
組込み系アプリの制作
家電製品などを制御する際の組み込み開発にも、Pythonは用いられています。組み込み開発は近年話題となっているIoT分野でも活用されています。
組み込み開発として有名な例がラズベリーパイ(Raspberry Pi)です。
ラズベリーパイはもともとは教育用ミニコンピューターとして開発されたもの。そのコンパクトさやシンプルさから、IoTとの相性が良いものとして知られています。
ラズベリーパイはPythonでコーディングが可能です。低価格で手に入るため、Pythonを活用したIoT開発に興味のある方は、アウトプットの場として候補に入れてみてはいかがでしょうか。
スクレイピング
スクレイピングとはWebページのデータから自分のほしいものを抜き出すこと。Pythonのスクレイピングでは、以下の2つのライブラリを活用できます。
- Beautiful Soup
- Requests
これらのライブラリを活用すると、Webページのデータを取得し、そのページを構築しているHTML・XML(Webページの見た目を構成するマークアップ言語)を解析し、欲しいデータを抜き出せるようになります。
スクレイピングの活用事例としては、ネットオークションの価格変動やインターネットでの検索順位を取得し、効率的なマーケティングに用いることなどが挙げられます。
ビッグデータ解析
前述したように、Pythonはデータ分析・解析の分野で活用されます。
ライブラリを活用することで、大量のデータをスピーディーに取得し、効率的に分析・解析を行うことができます。
そこで注目されるのがビッグデータ解析での活用です。ビッグデータとは、従来のデータベースでは扱えないほど大きなデータのこと。巨大なデータを利活用することで、企業が顧客の潜在ニーズを把握したり、売上増に繋げられたりします。
Pythonのおすすめフレームワーク
プログラミングにおいては、ソースコードを効率的に書くことができる機能「フレームワーク」というものがあります。フレームワークには「枠組み」や「構造」といった意味があります。
つまりフレームワークを活用することで、枠組みに沿ったプログラミングができるのです。これはプログラマーが実際に書くソースコードの量を少なくでき、開発スピードを上げることにもつながります。
Pythonには様々なフレームワークが存在しますが、中でもシェアの高いものが以下の4つです。
- Django
- Bottle
- Flask
- Tornado
Django
Djangoはもっとも人気の高いPython Webフレームワーク。Pythonでプログラミングを行う上でDjangoの知識は必須と言われるほどです。大規模な開発に向いています。
Bottle
BottleはPython Webフレームワークの学習におすすめです。この中でももっともシンプルで動作がスピーディーです。
Flask
FlaskもBottleと同様軽量なPython Webフレームワークとして知られます。小・中規模開発に向いており、比較的容易に扱うことができます。
Tornado
Tornadoはシンプルかつ高速なフレームワーク。非同期通信を行うライブラリでもあります。非同期通信とは送受信を行う片方がオンラインであれば通信が成立するものです。
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Pythonでできることを知るのにおすすめの本
Pythonはプログラミング初学者にも人気の言語で、参考書も多数出ています。今回はその中でも、Pythonの文法やできることなどが体系的に学べる一冊を紹介します。
退屈なことはPythonにやらせよう
「退屈なことはPythonにやらせよう」は、非エンジニアでも活用できる「Pythonでできること」が学べる本です。具体的にはExcelやPDFファイルの処理、Webデータのダウンロードなどです。
現在はプログラム開発に携わっていなくても、この本でPythonを学ぶと身近な処理にPythonを活用する場を設けられます。次の項目では実際にこの本を読んでできるようになることを紹介しますので、参考にしてください。
「退屈なことはPythonにやらせよう」を読んだらできるようになること
「退屈なことはPythonにやらせよう」の構成は、前半は文法の学習がメイン、後半は用途別の内容になっています。以下に本書を読むとできるようになることを挙げていきます。
現在IT業界でエンジニアの仕事をしていなくても、普段から「一気に済ませられたらな」と感じるケースがあったのではないでしょうか。
この本を読めばPythonの基本的な文法だけでなく、身の回りの面倒な作業をPythonで効率的に済ませる方法も学ぶことができます。
Pythonを身につけるには
Pythonを身につけるためには、大きく分けて以下の2つの方法があります。
独学で身につける
Pythonのみならず、プログラミングスキルは独学でも身につけられます。前述したようにPythonの参考書も多数販売されています。
今回紹介した「退屈なことはPythonにやらせよう」も前半は文法を学ぶ内容となっています。初めに購入するPythonの参考書としてもおすすめです。
しかしPythonを学んでPythonエンジニアを目指したい場合、実践的なアウトプットの場を設けることが大切です。
例えば実際の開発現場はチーム開発が基本です。プログラミングスキルだけでなくコミュニケーション能力や、キャリアアップのためにはマネジメント能力も必要となります。
このようなスキルが実践的に習得できる場に身を置くことが上達の早道です
プログラミングスクールに通う
Pythonは様々なプログラミングスクールで学習できます。通学やオンラインで学べるスクールや、通学とオンラインの両方で学習できるスクールも存在します。
Pythonを学ぶプログラミングスクールを選ぶ場合、あなたが学ぶシーンや得たいスキルのレベルを考えるべきです。
例えば現在すでにエンジニアとして仕事をしており、さらにPythonのスキルを身に付けたい場合、仕事をしながら効率的に学べるスクールを選ぶのがいいでしょう。
また現在学生で比較的時間の融通がきく場合は、長期休みなどを利用して集中的にPythonを学ぶコースを受講するのもおすすめです。
プログラミング未経験者はスクールがおすすめ
Pythonを学んで、未経験からエンジニア転職を目指す方もいるでしょう。そのような場合は特にプログラミングスクールがおすすめです。
なぜならプログラミングスクールの中には、転職サポートを受けられる社会人向けのコースを設けているところがあるからです。
このようなスクールでは、プログラミング未経験でも学びやすいカリキュラムで学習できる上、キャリアアドバイザーが未経験からのIT転職をサポートをしてくれます。
プログラミング学習とIT業界への転職を効率的に進めたいのであれば、転職サポート付きのコースがあるプログラミングスクール通学を検討してみましょう。
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さいごに
Pythonは急拡大が進むAI分野の活用で注目されるプログラミング言語です。しかしPythonでできることはそれだけではなく、Webアプリやデスクトップアプリ制作、業務効率化・自動化ツールにも活用できます。
あなたもこの機会にPythonを学んで、身近にある面倒な業務をPythonに任せてみませんか。
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