GoogleのSNS「Google+(グーグルプラス)」の個人向けサービスの終了が発表されました。2019年2月4日に新規アカウント作成ができなくなり、2019年4月2日にサービス提供が終了します。
FacebookやTwitterにSNSの分野で遅れをとったGoogleが、満を持してスタートしたGoogle+。
そのような期待が高かったサービスであるGoogle+がなぜ終了してしまうのでしょうか。今回は、Google+のサービス終了の理由や、利用が低調だったその原因について紹介。また、Google+の終了によってGmailも使えなくなるのかという不安も解決できます。
2019年2月6日追記:「Google+のサービス提供終了日」「Gmailは使えなくなるのか」について追記。
この記事の目次
Google+(グーグルプラス)のコンシューマー向けサービス終了
Google+のコンシューマー向けサービスの終了が発表されました。人気の低迷だけではない、Google+終了の理由について以下で解説します。
「サービスの利用が低調」が終了の理由
コンシューマー向けのGoogle+が終了する理由として、最も大きいのが「サービスの利用が低調」であることです。
ソーシャルメディアラボによると、月間アクティブユーザー数は世界で3億人とあります。しかし、アクティブ率は20%台前半ととても低いです。Instagramの約85%と比較すると、その差は歴然と言えるでしょう。
その理由として、アカウントは持っているけれど使わないという人が多数であることが考えられます。Gmailを利用するためにGoogleアカウントを作成して、気づいたらGoogle+のアカウントも作成されていたという方も多いのではないでしょうか。
このデータからGoogle+はユーザーの登録数自体は多いけれど、使われていないSNSと言えるでしょう。その様子は、「ゴーストタウン」と揶揄されることもあります。
ユーザーがデータの移行などを行えるように、サービスの完全閉鎖は2019年8月末に予定されていましたが、Googleは前倒しとなる2019年4月2日にGoogle+のサービス提供を終了すると正式に発表しました。
サービスの終了は歴史の変わり目なのか
Google+だけでなく、インターネットの黎明期を支えたYahoo!ジオシティーズも2019年3月にサービスを終了します。大手サービスの終了は歴史の変わり目を意味しているのかもしれません。
最大で50万人の個人情報流出
サービスの低調をGoogleは終了の理由としてあげていますが、それよりも重要な問題として考えられているのがGoogle+の「Google People API」のバグによる個人情報の流出です。Googleによると、その数は最大で50万人のぼるとあります。
このバグは2018年3月に発見され、直ちに修正されましたが公表されませんでした。影響があったのは名前・メールアドレス・職業・性別・年齢などで、電話番号やGoogle+や接続しているアプリといったデータは含まれていないとされています。
また、Googleの分析によると、このAPIが使われていたアプリは最大438件。APIのログは2週間保存され、悪用されたという証拠は見つからなかったと発表しています。
個人情報の流出の可能性を認識しながらも、公表しなかったのは2018年3月に発覚したFacebookのプライバシー問題と同時期だったことも理由として考えられます。その当時に公表していれば厳しく追求されることが予想され、大きなダメージとなったでしょう。
しかし、今回の発表によりGoogleが批判されることは間違いなく、これがきっかけとなりGDPR(EU一般データ保護規則)のようにアメリカでも明確な規制が設けられる可能性も考えられます。
GmailはGoogle+が終了すると使えなくなるのか
Google+の終了のニュースを知り、Gmailも使えなくなるのか心配に感じた方もいらっしゃるでしょう。以下で、GmailとGoogle+は別サービスであることを解説します。
GmailはGoogle+とは別サービス
GmailとGoogle+は、Googleが提供する別のサービスです。そのため、Google+が終了しても、Gmailは変わらずに利用できます。もちろん、Googleフォトなどのサービスも利用可能です。
Google+のアカウントは「Googleのサービス利用に必要なアカウント」ではありませんので安心してください。
Google全体で利用しているのはGoogleアカウント
Googleのサービス利用に必要となる全体のアカウントは、Googleアカウントです。Google+はこのGoogleアカウントで使えるサービスの1つ。
名前が似ているので、「Googleのサービスが使えなくなるのか」と混乱した方も多いでしょう。
簡単に言えば、Googleが提供するサービスの内の1つが終了しただけです。Gmail・Googleフォト・YouTubeといったサービスで利用する共通のGoogleアカウントは残ります。
ただし、Google+が終了すると、Google+内で投稿した写真・動画やGoogle+ページが削除されます。必要に応じて、サービス終了前にコンテンツを別途保存する必要があることを覚えておきましょう。
また、Googleアカウントはなくなりませんが、Google+を使ってのログインやコメントの追加はできなくなります。
G Suiteアカウント用Google+は継続して使える
個人向けのGoogle+は終了しますが、G suiteアカウント用Google+は2019年4月2日以降も続けて利用できます。
G suiteはGoogleが提供する仕事に求められるビジネスツールがまとめられたパッケージ。G SuiteのGoogle+の新たなデザインや機能については、今後Googleから発表予定です。
公式Webサイト:G Suite: コラボレーションと生産性向上のためのビジネス用アプリ
Google+(グーグルプラス)とは
Google+は、Googleが2011年6月に提供を開始したSNSです。FacebookやTwitter に対抗するために、GoogleはGoogle Buzz・Google Waveといったサービスを提供していましたが、思うように利用者は増えませんでした。
SNSでの遅れを取り戻すために、1年の期間をかけて開発を行った期待のサービスが「Google+」だったのです。サークルやコレクションなどの独自の機能もありましたが、残念ながら日本では広く普及することはありませんでした。
Google+とは何かについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
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Google+(グーグルプラス)の人気が出なかった原因について
Googleが提供するSNSであるGoogle+はなぜ人気が集まらなかったのでしょうか。その原因について以下で解説していきます。
使っている人がいないのでつながらない
Google+ 、結局使ってる人知人友人に居ないまま終わってしまったな……個人的にもなんか色々複雑だし独自の用語がポンとUIに出てきて意味分からないし何か知らん人の投稿がメイン画面に出てくるし何より知人に使ってる人が居ないしで微妙だった印象がある
— にゃおきゃっと (@nyaocat) 2018年10月9日
まわりにGoogle+を使っている人がいないので、SNSとして魅力を感じなかったという意見が多く見られます。Facebook・Twitter・Instagramなどの人気を支えているのは、世界中の人々とつながることができるという魅力です。
UIが使いづらい
Twitter・Facebook・Google+は、ほぼ同時にアカウントを作ったのだけど、Google+だけ、すぐに使わなくなって放置しているのだった。もはや、忘れてた。
なんか、AKBだの芸能人だの、フォローしてない人の情報をどんどん表示されてイラッ????とした。「グーグルプラス」終了へhttps://t.co/N6bS7iXZwQ
— おーや (@va_ooya) 2018年10月9日
UIが使いづらく、複雑であることもユーザー利用するハードルになってしまいました。また、ログインすると他人のタイムラインが表示される仕様も不評でした。
「実名のみ」がハードルになった
Google+ついにというかやっと終了か。インターネットの覇王Googleが世界規模でmixiモドキやるみたいだぞ!ってのは期待したけどいかんせんサービス開始時の「実名以外は全部アカウントBAN」というバカな事さえやんなきゃSNSの覇権…は無理でも重要な一角にはなれたろうになあ…。
— たび (@mesotabi) 2018年10月9日
Google+といえば、「お前の名前が気に食わない」って言われてアカウント凍結されたことがありましてね pic.twitter.com/ayAjnnTFOy
— ✨私がういにゃんだ✨ (@ui_nyan) 2018年10月8日
Google+がスタートした当初は、実名でなければ登録できませんでした。実名でコミュニティに参加することに抵抗を感じる方も少なくなく、Google+が普及する上でネックになったと言えるでしょう。現在はニックネームでも登録可能になっています。
Google+(グーグルプラス)が役立てられた事例を紹介
Google+を利用している方は少なかったですが、0ではありません。以下で、Google+がどのように役立てられていたのか紹介していきます。
AKB48ファンから人気が高かった
Google+はCMにAKB48を起用したという経緯もあり、AKB48ファンからの人気が高かったSNSという側面があります。
ファンが直接コミュニケーションを取れた
ぐぐたす終了
世間的には
あまり普及しなかったSNSだけど
AKBファンとしては
想い出たくさんあるツールだし何よりこのツールがなければ
今の #宮脇咲良 はなかったかも
知れないしね????個人的には、やっぱり#ありがとうぐぐたす
って言いたいな ????
https://t.co/bMHnbo1qNx— 咲柱みんなで立てた (@sakubasira) 2018年10月9日
Google+のプロモーションは、2011年12月からAKB48が担当しました。それに伴いメンバーとファンが交流できるサービス「AKB48 on Google+」も開始。その当時を知るファンからは、悲しむ声も上がっています。
Google+が叩かれてますが、AKBメンバーの投稿に、天ぷらの作り方の長文コメントしちゃうような、コミュニケーションにちょっと難があるAKBオタを隔離するのに、日本のGoogle+はひと役買ってたんですけどね pic.twitter.com/nC7ZbxvLI6
— うにたんは人間以下です (@tana_p) 2018年10月9日
独特なコミュニケーションをはかるファンにとっても、Google+は役立っていたようです。2015年頃からAKB48のメンバーのGoogle+はあまり更新されていません。しかし、どのようなコミュニケーションが行われていたのか気になる方は閉鎖される前にご覧になってはいかがでしょうか。
Google+で「AKB48」と検索すると、関連した情報が表示されます。その中の「ユーザーとページ」の欄にまだアカウントが残っていればメンバーが表示されます。
『ぐぐたすの空』という名曲を生み出した
Google+から、『ぐぐたすの空』という名曲も誕生しました。2014年に発売されたシングル『真夏のSounds good!』のType-Bのカップリングとして収録。
前向きでスケールの大きい歌詞とさわやかな曲調の名曲です。しかし、Google+の終了が決まった今では、ほのかな哀愁が漂っています。
もちろんずっと使っているユーザーもいる
意外といるんすよ、今でもずっとgoogle+を更新し続けてる人。 pic.twitter.com/qBPKshupDe
— ataru@ぶちかました13期 (@ataru_mix) 2018年10月9日
もちろん、Google+を愛用しているユーザーもいます。このようなユーザーの方にとって、今回のGoogle+の終了のニュースは大きなダメージと言えるでしょう。
ファンや友人とのつながりをどのような形で継続していくのか、慎重な検討が必要です。
今までにもひっそりと終わっていったGoogleのSNSたち
Google Wave「Google+がやられたようだな…」
Google Buzz「奴は四天王の中でも最弱…」
iGoogle「情報漏洩如きにやられるとはGoogleのツラ汚しよ…」— Hideyuki Tanaka (@tanakh) 2018年10月9日
GoogleはこれまでにもSNSを提供して、ひっそりと終了させていった過去があります。
Google Wave
2009年5月にはじまり、2012年4月まで続いた「Google Wave」。コミュニケーションとコラボレーションに特化しており、リアルタイムでの共同編集やメール・Wiki・SNSといった豊富な機能が利用できるサービスでした。
orkut、Google wave、Google buzz、allo、そして今回のGoogle +
Googleのsocial network系サービスがまた今回も。Googleにとっては引き続き苦手な領域。
— 舛田淳 Jun Masuda @ LINE & Clova (@masujun) 2018年10月8日
Google Buzz
2010年2月から2011年10月まで提供されたTwitterに似たSNS「Google Buzz」。Google+と1つになる形でサービスが終了しました。
おじさんが若い頃は Google Wave ってのがあってな
おじさんが若い頃は Google Buzz ってのがあってな
おじさんが若い頃は Orkut ってのがあってな
おじさんが若い頃は Spaces ってのがあってな
おじさんが若い頃は Google Plus ってのがあってな ← NEW— mattn (@mattn_jp) 2018年10月9日
JaikuとDodgeball
Twitterに類似した機能を持つミニブログ「Jaiku」、携帯SNSサービス「Dodgeball」といったサービスをGoogleは買収した過去があります。残念ながらどちらも2009年に終了。
RCS(Rich Communication Services)の取り組みに注力するGoogle
GoogleはAndroidのプラットフォームで動作するメッセージングサービス「RCS(Rich Communication Services)」への取り組みに力を注いでいます。
RCSはSMSの代替となるメッセージングサービスで、メッセージの送受信・チャット・音声通話・ビデオ通話・コンテンツの共有など幅広い機能を備えています。RCSの一番の特徴は、SMSと同じように電話番号によってコミュニケーションが取れることです。異なるキャリア間でも互換性があるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
RCSが本格的に導入されれば、コミュニケーションツールの選択肢がさらに広がることになります。
まとめ
SNSの分野においてFacebook・Twitter・Instagramに及ばなかったGoogle。それでも、IT業界を牽引する企業であることに変わりはありません。Googleがコミュニケーションの分野において、どのようなアプローチを行っていくのか今後も注目しましょう。
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