テクノロジー
人工知能が作曲家に。Amper Musicとは?事例や仕組みを解説

「人工知能が作曲家になる」という話に興味はありませんか?

「良い音楽」という感覚的で抽象的な領域に人工知能(AI)がどのようにアプローチするのか気になる方も多いでしょう。

そこで今回は、人工知能(AI)による自動作曲をはじめ、話題を集めるAmper musicというソフトについて紹介します。

また、人工知能(AI)の音楽への幅広い活用方法やさまざまなツールについても知ることができます。音楽制作を行う方だけでなく、知識のない方でも作曲ができる面白さを体感してみてください。

2018年5月14日追記:「GoogleのMagentaプロジェクト」「Amper Musicが注目される理由」「Amper Musicの使い方」について追記しました。

人工知能(AI)の作曲とは

人工知能(AI)が作曲家になり、楽曲の生成を行うとはどういうことなのでしょうか?まず、以下でその概要と音楽の領域における人工知能(AI)の活用についてご説明します。

人工知能(AI)が自動で作曲

「作家ですのよ」による小説生成やGoogleによる「レンブラントの新作」など、さまざまな分野における人工知能(AI)を使った取り組みは大きく注目を集めています。

ビッグデータを活用した最適な答えを求める計算や、生活を豊かにするスマートスピーカーなど、AIが関わる領域はとても幅広いです。そのような人工知能(AI)を使った研究は、音楽の分野でも盛んに行われています。

その1つが、今回紹介する人工知能(AI)による自動作曲です。人工知能(AI)は人間によって提供された情報を学習して、その中から必要な組み合わせを選択して新たな楽曲を生成します。音楽に携わっている方からすれば、表現や美しさとは何かと言った観点から考えると賛否両論はあるでしょう。

しかし、人間以上に論理的に情報を活用して思いもよらない発想をする人工知能(AI)。その人工知能(AI)が今までにない音楽を生み出すこともあり得るのではないでしょうか。

作曲を補助するなど用途は幅広い

人工知能(AI)の音楽への活用は自動作曲だけではありません。

人間が基本を構築した音楽に対して人工知能(AI)がコード(和音)を選択したり、アレンジを行ったりするソフトもあります。また、鼻歌で入力したメロディを自動で楽譜にするといった人間の創作活動を補助する機能もとても便利です。

すべてを担うのではなく、部分的に人工知能(AI)が人間の創作をサポートします。これは、音楽に興味のある方が制作をはじめやすくするという役割も果たしています。

将来的には、ピアノが弾けない人を補助するアルペジエーターという機能のように、管楽器などの訓練が必要な楽器の演奏を補助する人工知能(AI)もあらわれるかもしれません。

さらに作曲の精度が上がれば、悲しい・うれしい・楽しいなどその日の気分に合わせて人工知能(AI)が音楽を生成するという使い方が一般家庭に普及することも夢ではないでしょう。このように、ロボットの音楽への活用はまだまだ広がりを見せることが予想され、そのアプローチの可能性はとても高いです。

音楽の聴き方で、昔の楽譜が生かされる余地もあると思います。「今日はビートルズをピアノ曲で、しかもモーツァルト風に聴いてみたい」というニーズがあれば、楽譜だけが流通して各家庭にある楽器のAIが自動的にアレンジして聴かせてくれるような時代が来てもいい。

引用元:世界最大楽器メーカー、ヤマハ社長がみるAI音楽の可能性

アメリカのミュージシャンが人工知能(AI)の楽曲を発表


アメリカのシンガーソングライターでYou TuberのTaryn Southernが2017年に『Break Free』を発表。この楽曲は、彼女の歌声を除く楽曲のほぼすべての部分を人工知能(AI)による楽曲制作アプリ「Amper music」を使って制作されました。

人工知能(AI)が作った曲を元にして、人間が部分的に手を加えるという例は今までにもありました。また、その逆ももちろんあります。しかし、ここまで人工知能(AI)が制作した曲を前面に押し出した作品は珍しいです。なぜ、彼女はロボットによる楽曲の制作を選択したのでしょうか?

彼女はYouTuberということもあり、最先端のテクノロジーに大きな興味があったと語っています。それを踏まえると、人工知能(AI)による楽曲制作やミュージックビデオへのVRへの導入もうなづけるでしょう。

Amper Musicとは

Taryn Southernが使用した「Amper music」は人工知能(AI)を活用した作曲アプリとして話題です。音楽が好きな方は、Amper musicを使ってみたいと感じた方もいらっしゃるでしょう。以下で、このAmper musicの概要と使い方についてご説明します。

400万ドルを調達して注目を集めたAmper Music

Amper Musicはスタートアップとして、400万ドルの資金を集めてアメリカのメディアから大きな注目を集めました。

Amper Musicを設立したDrew Silversteinは映画音楽を手がける作曲家です。彼はショートフィルムや動画などの短い映像に対して、簡単に早く安くライセンスフリーで作れるツールとしてAmper Musicを生み出しました。

Amper Musicは操作の容易さや、APIの提供など利便性の高さが魅力です。デベロッパーや企業にとって、創造性の高いツールとして利用されることをDrew Silversteinは期待しています。

現在のAmper Musicの状況を詳しく知りたい方は、スタートアップのデータベースを提供するCrunchBaseのWebサイトご覧ください。

ジャンルと曲の長さを指定して簡単に作曲

Amper Musicは現在はベータ版で登録を行えば、誰でも無料で利用可能です。使い方はとても簡単。ジャンルのカテゴリを選択して曲の長さを指定すれば簡単であっという間に曲ができます。コード(和音)やスケールなど、音楽の知識がなくても誰でも作成できます。

Amper Music® – AI Music Composer for Content Creators

楽曲は著作権フリー

Amper musicを実際に使ってみるとわかりますが、カスタマイズできる要素は少ないです。ベータ版ですので、これからさらに改善が行われていくことを期待しましょう。

しかし、音楽の制作経験がない方が動画・ゲームなどのBGMや効果音がほしいと考えた時に、Amper musicで製作した音源は著作権使用料無料(ロイヤリティフリー)なのでとても便利です。制作における選択肢の1つとして覚えておくと良いでしょう。

ただし、商用利用する際には連絡が必要な旨が記載されていますので注意してください。

Amper Musicの詳しい使い方について

Amper Musciの詳しい使い方を以下で解説していきます。

アカウントを作成

https://www.ampermusic.com/sign-up

ホームの画面から「GET STARTED」をクリック。サインアップの画面でユーザーネーム・メールアドレス・名前などを入力して、ユーザー情報の登録を行います。

現状は、無料でアカウントを作成できます。アカウントが作成できらた早速ログインしましょう。

プロジェクトの作成

https://www.ampermusic.com/

ログインして「CREATE NEW PROJECT」をクリック。「Pro」「Simple」と選択画面が表示されるので、まずは「Simple」で作成しましょう。下記の中かから好みのジャンルのカテゴリを選択

  • Hip Hop(ヒップホップ)
  • Cinematic(映画音楽)
  • Classic Rock(クラシックロック)
  • Modern Folk(モダンフォーク)
  • 90’s Pop(90年代ポップ)

さらに「クール」「チル」「サスペンス」「悲しい」「幸せ」などのイメージするムードを選びます。曲の長さを入力して「RENDER MUSIC」をクリックすれば楽曲の生成画面に遷移します。

エディット画面での操作

https://www.ampermusic.com/

曲の生成が終わると、エディット画面に変わります。まずは、作成した楽曲をチェックしましょう。

曲がイメージ通りであったなら、「DOWNLOAD」をクリックします。Mp3とWavのどちらもでもダウンロード可能です。また、曲が長い時にはZipに圧縮することもできます。イメージと違った場合には左上のイコライザのマークをクリックしましょう。使用する楽器を変えたり、テンポやキーの変更もできます。また、根本的なジャンルとムードを選び直すこともできます。選択が終わったら再度レンダリングを行って曲を生成しましょう。

「Pro」でより複雑な曲を作成する

https://www.ampermusic.com/

「Simple」で作った曲をより複雑に作り込みたい場合には、「Pro」にコンバートも可能です。「Convert to Pro Project」をクリックすると、「Pro」の画面に切り替わります。

「Pro」では、違うジャンルのカテゴリーの曲を組み合わせたり、曲を長くできるなど編集できることが多くなります。動画やゲームなどのBGMとして使う場合には、内容に合わせて調節を行うと良いでしょう。

アカウントにプロジェクトは保存される

作ったプロジェクトはダウンロードしなくても、自分のアカウントに保存されます。気軽に作って保存できるので、気になった方は使ってみることをおすすめします。

人工知能(AI)との相性が良い理由

どのように人工知能(AI)が音を選択して、楽曲を作成しているのか気になる方も多いでしょう。

抽象的で感覚的な表現に見える音楽とロジカルに思考する人工知能(AI)は、実は相性が良いのです。その理由についてご説明します。

スケールと和音

一般的な音楽はスケール(調)が決まれば、その構成音に合わせてコード(和音)も決まります。また、曲の中でのコード進行はセオリーがあり、良いとされる進行も数多くあるのです。

また、コード(和音)の響きの組み合わせとなるコード進行によって、悲しい・楽しい・明るい・暗いなどの雰囲気を持たせることもできます。そのようなさまざまなパターンをビッグデータとして人工知能(AI)が学び、状況に応じて音を選択して曲を自動生成するのは難しくないことはイメージしやすいでしょう。

メロディ

メロディも同様で、コード(和音)の構成音を選択してメインに使えば大きく外れることはないでしょう。人工知能(AI)が学んだデータと、求められているのがどのような曲かという紐付けができれば基本となるスケールやコード(和音)と同様にイメージに近いメロディの作成は可能です。

例えば、音のスペクトラムから誰の曲かを特定するShazamというアプリがあります。Sazamaはカフェやラジオなどで耳にした曲を、ビッグデータを活用して特定してくれます。人工知能(AI)がこのアプリの逆を行うことをイメージすれば、メロディの作成も難しくないことがおわかりいただけるでしょう。

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Kimura Hiroto Kimura Hiroto
音楽・ITをはじめとするさまざまなジャンルのライティングを行っています。ITエンジニアの経験を生かし、TECH::NOTEでの執筆を担当。好きな食べ物は豆腐。
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