「IoT(Internet of Things)」が注目を浴びています。
IoTとは具体的にどのようなことを指すのか、ご存知ですか?IoTとは何か?その仕組みは?などを実際の事例を交えて紹介します。IoTの今と将来の市場規模も解説します。
この記事の目次
IoT (Internet of Things) とは?
IoT(アイオーティー)と読み、Internet of Things(モノのインターネット)の略です。
モノのインターネット
Internet of Things を直訳すると、モノのインターネットという意味になります。
現代社会では、たくさんの製品がインターネットに簡単につながるようになりました。パソコンやスマートフォンだけでなく、プリンターや時計、家電製品・車・医療器具・工場設備など、仕事現場で使うモノから生活に使うモノまで、多くのモノがインターネットとつながる時代です。
インターネットとモノ(商品)をつなげることで、今まで以上の価値を提供できるようになったこの仕組みのを総称して、IoTと呼びます。
韓国のメーカー・LGはスマート冷蔵庫を開発。食品の賞味期限の管理機能などが実装されており、Alexaへの対応も発表されています。冷蔵庫の足りない食材を、冷蔵庫がamazonフレッシュで発注。配達用ドローンが即日配送を行う…という未来は遠くないかもしれません
IoTにおける「モノ」は家電をはじめとする電化製品を連想しがちです。しかし、実際にはIoTの対象はより幅広いものです。
IoTにおけるモノとはイスや机など、一見するとインターネットに接続する意味がなさそうなものも含まれます。
全てのものをモノと捉えることで、IoTの理解が深まることでしょう。
▼amazon Echoに先駆け、LINE発スマートスピーカー「Clova Wave」が発売!
amazon Echo、Google Homeといった製品に先駆け、LINEが日本市場向けに投入したスマートスピーカーが「Clova Wave」です。サードパーティのIoT開発者、開発会社向けにClova Interface Connectの提供も開始。API、SDKが利用できます。
IoT開発の一層の盛り上がりが期待されます。
M2Mとの違い
IoTと混同されがちなのが、「M2M」という言葉です。
M2MとはMachine To Machineの略であり、機械と機械をインターネットでむすびつけ人間を介さずに機械だけで働く仕組みのことをいいます。IoTはモノからデータを集めるのに対し、M2Mはモノ同士で人間を介さずに動作すると分けられます。
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IoTの市場規模
ここからは、IoTの市場規模についてみていきましょう。
IT専門調査会社 IDC Japanによると、2016年の国内IoT市場の支出額は5兆270億円。2021年には11兆円に達すると予測されています。市場規模の成長を踏まえると、IoTに関連した技術を持つエンジニアに対するニーズは当面、拡大し続ける可能性が大きいでしょう。
対して世界のIoT市場規模は、2017年に前年比16.7%増の8000億ドル強(約87兆6400億円)に達する見通しです。
日本だけでなく世界的にも、IoTのサービスやソフトウェアに対しての需要は爆発的に上がっていることがわかります。
さらにIoTをはじめとした、人工知能のAIなどの革新的技術を用いた産業を第4次産業と呼び、これらを用いて日本経済を成長させようという動きが第4次産業革命と呼ばれ、注目されています。
この第4次産業によって、新しいビジネスモデル・サービス・商品・雇用が生み出されることが期待されているからです。
以上のことから、IoTの市場規模はこれからも拡大していくと考えられます。
グローバル化やAI(人工知能)は、各業界にどういう影響を与えるのでしょうか。
下の記事では、これから伸びる業界・衰退する業界について解説しています。特に衰退が予想される業界を志望している方は「衰退産業で結果を残すには、どのようなスキルを身につけておくべきか」を考えながら、読んでみてください。
IoTの仕組み
IoTの仕組みについて具体的に説明します。情報の取得やインターネット上への集約に長けたIoTは、ビッグデータ解析やAI(人工知能)といった面からも注目を集めています。
センサーで情報を取得
IoT機器には必ずデバイスがあり、これがインターネットとつながる部分です。
このデバイスにはセンサーがついており、デバイスの状態やその周辺の情報を集める仕組みになっています。
センサーには、加速度センサー・湿度センサー・磁気センサー・画像センサー・光センサーなど、たくさんの種類があります。
このようなIoT機器の一番身近な例はスマートフォンです。スマートフォンにも、傾きセンサー・照度センサー・GPSセンサー・カメラ・マイクなどが付いています。
情報をインターネット上に集約
センサーによって集められた情報は、デバイスを通してネットワークに上げられ、データベースに蓄えられます。
こうして多くのIoT機器から集められた情報は膨大な価値のある情報、いわゆるビッグデータとされます。
集めた情報を解析。ビッグデータ解析やAI(人工知能)との連携も
ビッグデータはそのままでは活用が難しく、データサイエンティストが解析することで色々な情報を得られます。ビッグデータを解析することで得られた情報を基に、事業アイデアを検討することで新たなビジネスが生まれる可能性があります。
ビッグデータ解析の分野で注目されているのは、AI(人工知能)です。AI(人工知能)によるビッグデータ解析の自動化サービスの試みがいま各地で始まっています。
AIによる解析自動化が進めばビッグデータ収集はIoT機器が行い、解析はAI(人工知能)が行うという形での業務効率化が進む可能性があります。
IoTの応用事例7選
それでは、IoTを使ったサービスや商品の事例をご紹介しましょう。
スマートグリッド
スマートグリッドとは、電力が最適化された送電網のことです。家庭や工場、会社の自家発電量や電力消費量のデータを送りあい、詳細に電力の状態を把握できます。
どこにどれだけの電力が足りていて足りていないかが分かり、無駄を省いて効率を良くできるのです。
スマートグリッドは、無駄な送電をなくし安定供給を可能にするシステムとして注目されています。
スマート家電
スマート家電とは、家電製品とインターネットにつなぐことでもっと生活をスマートにする家電のことです。
たとえば炊飯器では、自分好み通りの硬さにうまくご飯が炊けない場合、スマートフォンに好きな硬さの炊き方を登録するだけで好み通りに炊いてくれる商品が登場しています。
炊飯器だけでなく、洗濯機や食洗機、掃除機などIoTを活用することで、人間が苦手だったところを克服できたり、手間が減り家事の負担が減ったりと、今までの課題が解決できるようになりました。
三菱の炭火炊釜シリーズ「NJ-VA107」はスマホアプリで米の種類や硬さなどを音声で設定できます。
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コネクテッドカー
コネクテッドカーは、ICTやインターネット接続などができる車のことです。
コネクテッドカーで道路情報や車の情報を集めることにより、自動運転や高度な運転支援の実現が期待されています。交通事故防止や新たなサービスの創出に繋がる可能性も大きいです。
車の走行距離や運転者の特性、性格といった細かいデータを把握できるようになると、それらの情報をもとにテレマティクス保険(※通信技術を活用したサービスにより収集したデータを保険料に反映させるタイプの自動車保険)などのサービスも可能になるでしょう。
ヘルスケア
ヘルスケアの分野でもIoTの活用は進んでいます。
例えば大塚製薬とNECは2016年9月「IoT錠剤入れ」の開発を発表しました。脳梗塞の患者が薬を飲み忘れないよう、薬を服用する時間になるとLEDが点滅、飲み忘れを未然に防止するもので薬を飲んだ時間も記録されます。
それらのデータを家族や薬剤師に転送する機能も、実装される予定です。
スマートファクトリー
スマートファクトリーとは工場をIoT化し、電力などのエネルギー使用量を可視化、故障・異常の監視、稼働状況の把握が可能になった工場のことです。生産管理・製造現場の先進化や効率化の実現を目指します。
ドイツの自動車メーカー・アウディは2017年10月10日「スマート・ファクトリー・ハッカソン」を開催するなど、スマートファクトリーのトレンドを強力に推進する企業の一つです。ハッカソンでは世界中の約80名の有能な学生が未来の工場用のソフトウェアソリューションを25時間の制限時間内に開発、発表しました。
Smart Factory Hackathon by AUDI Snapchat Story
優勝チームのソフトウェアソリューション「Defect mapping in body manufacturing」は今後、実用化に向けた支援がアウディによって行われるとのことです。
スマート農業
農場にセンサーを設置することで、湿温度・日光の量・土壌の水分などの環境情報を収集し、農業に適した環境を管理できます。
また、ビタミンなども今まで以上にコントロールして栽培できるようになったので、より栄養価の高い野菜も育てられるようになりました。
マーケティング
マーケティングでは、電子マネー決済が普及し始めたことで、いつ・どの商品が買われたのか把握でき、商品が売れやすい時期などの情報を集められます。
これにより、より正確なマーケティングができるようになり、商品開発や販促の新しい形がとれるようになりました。
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IoTの課題
IoTは、多くの分野に更なる利便性と利益を提供してきました。
これからもさらに便利なサービスが生まれるでしょう。しかし、一方でIoTにも課題があります。
プライバシー
IoTの特徴の一つにデータ収集があります。しかし、一方で危険な側面も持っています。
例えば音声会話を用いた製品の場合、何気なくプライベートな情報も口に出している可能性があります。また、提供されている製品やアプリのプライバシーポリシーがしっかりしているか確認する必要もあるでしょう。
IoTの学習に役立つ資格試験
さらにIoTについてもっと知りたいという方のために、IoTに関する試験の情報を紹介します。
IoT検定
IoT検定は、技術的な視点だけでなく、マーケティングやサービスの提供、ユーザーの視点から必要となるカテゴリ、スキル要件などを網羅し、それぞれの立場でIoTを企画・開発・利用するために必要な知識があることを認定します。
IoT検定には、企業や社会で評価されるという価値だけでなく、多くの魅力があります。引用元:IoT検定とは|特徴・メリット
IoTの技術的な知識だけでなく、商品企画や提案までを出題内容としている検定です。ビジネスに活用したい方にオススメです。公式サイトはこちら。
IoTシステム技術検定
「IoTシステム技術検定」は、IoTシステムを構築・活用するため基本的かつ実践的な技術知識の習得を目指す方を対象とし、IoTシステム構築・活用に関する技術知識を認定し、そのスキルを初級、中級、上級の3段階で構成されます。
引用元:IoTシステム技術検定試験とは
IoTシステムについての構築や活用法、運用の仕方などを学べる試験です。こちらは優れたIoTの技術者を育成することを目的としています。
検定を取得することで、下記のような認定を受けられます。
上級
・高度なIoTシステム、業界固有または業界をまたがるサービスを構築する実践的な専門技術を認定
中級
・IoTシステム構築に取り組むための基本技術を認定
初級
・IoTに関する基礎知識を保持していることを認定
引用元:IoTシステム技術検定試験
公式サイトはこちら。
IoTエンジニアを目指す方向けの資格として、IoTシステム技術検定は受験者数を伸ばしており、参考書も出版されています。IoTを体系的に学びたい方向けの参考書としてもおすすめです。
さいごに
IoTの基礎から簡単なサービスなどをご紹介してきました。
今まで何気なく利用していたモノにIoTのサービスが使えるようになると、世界のIoT化はこれから予想以上に、進んでいく可能性があります。
更にIoTは今まで以上に、私たちの日常生活において欠かせないものとなるでしょう。
安全にIoT技術・製品を使いこなすためにも、これからも注目していく必要があります。
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