世の中にはさまざまな職業があり、仕事をする目的も人それぞれです。
働いて収入を得ることを目的とするだけでなく、最近では社会への問題意識を持ち、その課題解決をモチベーションに働く人も増えています。
ビジネスアイデアを形にして、社会に新しい価値を生み出す手段として起業があります。実際、社会的課題を解決しているスタートアップがどんどん出てきています。では、スタートアップを興すにはどのような方法があるのでしょうか?もし社会に対して何らかの問題意識を持ち、かつそれを解決するアイデアがあれば、それを社会のシステムに組み込む方法を考えてみましょう。その道筋は先人がすでに切り開いてくれています。
スタートアップにはどのようなものがあり、設立にはどういったプロセスを経るのかを紹介していきます。
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この記事の目次
スタートアップとは?
スタートアップとは、単にスモールビジネスを始めることではないです。社会に対する問題意識を持ち、その課題を解決するための手段を有し、大きく事業を展開します。
多くの場合には、イノベーションを加速するための手段としてインターネットやソフトウェアなどの技術が活用されます。
設立方法
イノベーションを起こすアイデアが浮かんだら、それを形にしていくためのスキルを持った少数精鋭メンバーを集います。売上が立つまでの運営資金は、自己資金やVC(ベンチャーキャピタル)、クラウドファンディング、個人投資家などから募る必要があります。
投資を受ける場合、アイデアや事業性に「資金提供の価値がある」と思ってもらうために実現性の高い事業計画を示すことが重要となります。
通常資金調達は段階的に行われVC等による最初の資金調達(シリーズA)と、本格的にIPO(株式上場)に向けた追加調達(シリーズB)のステージを経ます。
スタートアップとベンチャーの違い
日本では「スタートアップ」と「ベンチャー」という言葉が混同して使われることが多いですが、アメリカではベンチャーというとベンチャーキャピタルを指します。
アメリカでいうスタートアップは、日本で多くみられるベンチャー企業とは少々意味合いが異なります。
世の中の課題解決のための商品やサービスを創出する意味では共通ですが、アメリカのスタートアップでは、よりバイアウトやIPOによって収益を上げることを強く意識しており、スタートアップ側はこうした目標に向かって最適なビジネスモデルを模索し続けます。
スタートアップファウンダー一覧
堀江貴文
スタートアップ企業を成長させて、インターネット黎明期に日本においての「スタートアップ」、「ベンチャー」のイメージ定着にもっとも貢献したのは「ホリエモン」こと堀江貴文氏ではないでしょうか。
最初は東大在学時代にライブドアの前身、オン・ザ・エッヂを設立。球団やニッポン放送の買収に失敗し、証券取引法違反で逮捕されてからも、出所後再びファウンダーとして宇宙開発事業などに取り組んでいます。
生まれ持ってのファウンダー肌で、著書のなかでの「自分で会社を起こさない限り、搾取の対象になるのは一生まぬがれない」というフレーズが彼の価値観を表しています。
マーク・ザッカーバーグ
ハーバード大学在学中にFacebookを立ち上げたマークザッカーバーグ氏は、スタートアップ設立を志す人にとってのスターです。
在学中にも学生生活を便利にするプロジェクトをいくつも立ち上げていたことは有名ですが、大学のサーバーをハッキングして処罰されたこともあります。課題を解決するために技術で立ち向かうという徹底した姿勢が見られますよね。
彼は「完璧を目指すよりも、まずは終わらせろ」といっていて、ベータ版をリリースしてブラッシュアップするサイクルを迅速に回していくスタートアップの性質をよく表しています。
西村博之
2ちゃんねるの創始者として有名な「ひろゆき」こと西村博之氏は、いくつものネット関連企業を設立するファウンダーでもあります。
2ちゃんねるをマネタイズするうえで広告窓口として設立された東京プラスをはじめ、検索エンジンなどの開発を行う未来検索ブラジルという有限会社も立ち上げています。
多くのファウンダーが社会的課題解決などのミッションを持って起業するのに対して、ひろゆき氏の動機は一風変わっています。彼は「モラル抜きに、まずどういう選択肢があって、その選択肢にどんな未来があるのかを考えてから、行動に移すんです」といっています。また、留学中に作った2ちゃんねるも、「暇だから」おもしろそうなものを作ったとのことで、きれいごと抜きに、よりプリミティブな動機を実現している人だとわかりますよね。
日本のスタートアップ企業一覧
freee
画像出典:freee
ライフイズテック
MegaKaryon
PreferredNetworks
海外のスタートアップ企業一覧
SmartAsset
画像出典:SmartAsset
Udacity
画像出典:Udacity
MedHOK
画像出典:MedHOK
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スタートアップに必要なものとは?
マインド
・アイデアを人に話す
アイデアをできるだけ多くの人に話し、フィードバックを得て実現可能なものに近づけていくことが大切です。
できればプロトタイプやデモを用意し、アイデアのブラッシュアップを繰り返します。
・事業の展望を持つ
スタートアップでは事業領域以外の情報収集に割くリソースがなく、ついつい視野が狭くなりがち。
事業継続にあたって、思わぬ分野からの競合や周辺分野の制度に影響を受けることも。このため、産業の今後の見通しについての広い視野を保ち、事業についてのビジョンを描いておくことが大切です。
・情熱に身をささげる
スタートアップを成功に導くために、問題を根気よく解決するなどで常識はずれの仕事量が要求されます。このため、肉体的・精神的限界を乗り越えるだけの情熱を持つことが必須でしょう。
スキル
・適材適所の人員配置
まず、スタートアップで必要なすべてのスキルを自前で賄おうとする考えは捨ててください。
会社を経営していくにあたって求められるスキルはコア事業の開発に関わることだけでなく、法務・労務・財務など多岐にわたりますので、外注やリクルートも活用して適材適所で人員を配置すること重要になってきます。
・プレゼンスキル
資金調達でのプレゼンや商品・サービスの説明で、コンセプトや商品・サービス内容、事業計画を的確に伝えることがスタートアップ成功のカギとなります。
・資金繰り
財務面の資金繰りはスタートアップにとっての最重要項目のひとつ。アイデアや開発スキルがあっても、これがなければ企業の継続は難しいでしょう。資金繰り感覚以外にも、財務諸表づくりを税理士に任せるにしても、最低限決算書の数字を理解し戦略に活かせるスキルが必要です。
年齢は関係あるのか?
最高齢の起業家
起業もほかの業界と同じく高齢化が進んでいます。ちなみに、2013年に起業した人の平均年齢は42.1歳、最高齢では80代後半に起業する人もいて、日本では88歳のシニア起業家が、紅茶の有機栽培事業を立ち上げています。
一番若い起業家
企業の最年少記録に関しても更新され続けていて、日本で一番若い起業家は、15歳で映像演出事業を起業しています。
スタートアップのリスクは?
金銭的リスク
経営が悪化すれば、銀行などからの借入に返済の目途がたたなくなってしまいます。また、商品・サービスから発生する事故や著作権の侵害など外部からのクレームにも対処しなければなりません。
転職しにくい
スタートアップに携わることで、事業の方向性とのギャップや体力・精神力の限界を感じても、なかなか自分のポジションに穴を開けることができなくなるのもリスクのひとつでしょう。少数精鋭のスタートアップではメンバー一人ひとりにかかる責任やプレッシャーがとても重いものです。
VC(ベンチャーキャピタル)とは
VCのビジネスモデル
有望なスタートアップに対して出資し企業の株式を取得、上場したときの株式の差額がVCの利益となります。また、投資家から資金を集めて複数のスタートアップへの分散投資を行い、ファンドの固定手数料や成功報酬を得ています。
日本の主なVCとその出資先・オフィス
グロービス・キャピタル・パートナーズ
画像出典:グロービス・キャピタル・パートナーズ
・主な出資先
Quipper、Beyond、nanapi、aucfan、Lancersなど
産業革新機構
画像出典:産業革新機構
・主な出資先
ジャパンディスプレイ、BIC、ステラファーマ、ユニバーサルビューなど
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
画像出典:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
・主な出資先
アルバネットワークス、Box、クラウドワークス、セルシス、イー・ギャランティなど
ニッセイ・キャピタル
画像出典:ニッセイ・キャピタル
・主な出資先
ウェルスタイル、Aiming、うるる、IKEUCHI ORGANICなど
Infinity Venture Partners
画像出典:Infinity Venture Partners
・主な出資先
freee、グルーポン、ジモティー、App Annie、Goyooなど
NTTドコモ・ベンチャーズ
画像出典:NTTドコモ・ベンチャーズ
・主な出資先
アラタナ、トレタ、ジモティー、レピカ、サンパートナーテクノロジーズ…など
資金調達方法一覧
銀行から借りる
銀行から資金を借りる場合は窓口があちこちにあって便利ですが、実績のないスタートアップでは大型の融資は期待できないといったデメリットも。
VC(ベンチャーキャピタル)から出資を受ける
上場が期待できるようなスタートアップではVCから出資を受けるのが一般的です。経営手法のアドバイスが受けられたリ、顧客の紹介をうけることもできますので、ビジネス面でも有利に事が運ぶでしょう。
個人投資家・エンジェル投資家から出資を受ける
個人投資家・エンジェル投資家から出資を募るのもひとつの手段です。エンジェル投資家などによる出資は、元起業家が新世代の起業家支援やイノベーション推進の性格を持っていますので、事業内容に共感を持ってもらうことが大切です。
事業・ビジネスモデル一覧
広告収入
Webサービスを手掛けるスタートアップでは、Webサイトに表示される広告で収益を挙げるビジネスモデルが多く選択されています。GoogleやFacebook、Twitterなどが代表ですが、サービスを無料で使ってもらう替わりに広告を表示して事業を成り立たせています。
手数料
プラットフォームを提供するスタートアップでは、手数料で事業を成り立たせるビジネスモデルがあります。メルカリは売買が成立した商品の手数料が収入源ですし、海外ではUberなども配車マッチングプラットフォームを提供する替わりに、運転手から利用料金のうちの何パーセントかを手数料として徴収しています。
商品取引
FinTech系スタートアップ企業では、金融商品を取り扱うことでプラットフォーム利用料金や売買手数料で収益を挙げるビジネスモデルがあります。One Tap BUYやbitFlyerが一例になります。
起業家の社会に与える影響一覧
雇用が生まれる
事業の規模が大きくなるほどマンパワーが必要となり、雇用が生まれます。IT系のスタートアップなどでは場所を選ばず仕事ができるものもあるため、最近ではオフィスを地方に構える企業もよくあり、市町村によっては地方創生の一環としてスタートアップの誘致に力を入れるところもあります。
革新的技術が生まれやすくなる
スタートアップが切磋琢磨することで、革新的技術を生む可能性があります。起業家の画期的なアイデアを力技で形にするのがスタートアップです。多くのスタートアップは、一般企業にはないスピード感でイノベーションを実現しています。
社会問題が解決される
スタートアップの使命は何らかの社会問題の解決です。わかりやすいところでいえば駐車場が足りず路上駐車が蔓延する事態を解決しようとする、あきっぱや、輸血用の血液不足をiPS細胞由来の血小板製剤の実用化で補おうとするMegaKaryonなど、多くのスタートアップはテクノロジーやアイデアで社会問題を解決することをモチベーションとしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?スタートアップはうまくいけばイノベーションを起こすことが可能です。たしかに失敗のリスクもありますが、少なくとも失敗した起業家に対する社会の目は寛容になりつつあります。年齢は関係ありませんが、時期が早いほど失敗ができますので、思い立ったらとにかくアクションを起こしてみましょう。
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