1992年生まれ。ライフワークとして新卒2年目から朝活コミュニティ「朝渋」を立ち上げ、現在、全国約400人のコミュニティを運営。これまでに500人以上を夜型人間から朝型人間に変えてきた。起業家であるパートナーが始めた株式会社Morning Labo内で朝渋を事業化し、現在は夫婦で会社を経営している。
結婚の相乗効果は最強!?”夫婦のフォーメーション変化”で乗り越える出産と育児
更新: 2021.11.05
あなたは自分自身のライフプランについて具体的にイメージしたことがありますか?
もし、パートナーと結婚をして子どもを持ったなら「仕事と育児の両立」をどうするか不安に思うこともあるかもしれません。あるいは共働きなら「パートナーとすれ違わずにどう対話をするか」悩むこともあるかもしれません。
今回は、朝活コミュニティ「朝渋」代表で「昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です: 明日が変わる大人の早起き術(小学館)」という著書も出している5時こーじさんにお話を聞きました。
こーじさんには起業家のパートナーがいて、仕事とプライベートを分けずに2人で会社を経営しながら、子育てもしています。
経営者でなくても、パートナーを持った時、もしくは今のパートナーと子どもを持った時に仕事をどうするかについて不安に感じている方にとって、きっと参考になる内容です。
1992年生まれ。ライフワークとして新卒2年目から朝活コミュニティ「朝渋」を立ち上げ、現在、全国約400人のコミュニティを運営。これまでに500人以上を夜型人間から朝型人間に変えてきた。起業家であるパートナーが始めた株式会社Morning Labo内で朝渋を事業化し、現在は夫婦で会社を経営している。
この記事の目次
公私混同で行う会社経営だから実現できた「自分のやりたいこと」
— 最初に奥さんとの出会いや、公私混同で会社を経営をするに至った経緯について教えてください。
僕が運営している朝渋の運営メンバーに入ってもらったこと、それが妻との最初の出会いでした。付き合うようになって、色々話すなかで「私は起業家だし全力で仕事しなきゃいけない。仕事が忙しくて無理かもしれないけど、結婚や子育てをしたい夢はあるんだよね」ということを言われて。
それで、当時伸びていた朝渋を妻の会社である「Morning Labo」に入れ、自分も妻の会社に入社しようと思ったんです。僕は「結婚を前提に会社を一緒にやっていきましょう」というプロポーズプレゼンをしました。2年前ですね。
妻は即答ではありませんでした。彼女的には「公私混同で会社を経営することになると心の拠り所がなくなる。パートナーと同じ会社で働くと余白がなくなるから、うまくいかないかもしれない」という不安があったようです。
だけど、彼女自身の夢の1つ「子育てがしたい」など、5年後10年後の将来を見た時に考えが少し変わったようです。
また、経営的にみても、僕の営業経験や経営面でも力を合わせたほうが会社もうまくいくことから、彼女自身も納得してくれました。
そして、プロポーズプレゼンから1ヶ月後くらいに返事をもらうことができました。
— 確かにプライベートも仕事も一緒だと「余白がなくなる」「ワークライフバランスを保つことが難しい」と感じる人が多いと思います。そこは大丈夫でしたか?
はい。僕たちは2人で1つと考えています。一般的に仕事とプライベートの割合が、例えば50:50だとします。2年前の僕たちは2人ともその割合が90:10くらいでした。
つまり、仕事に対して合計180のリソースを使って取り組むことができます。一緒にやることで相乗効果が生まれ、より仕事にコミットできるんです。そのため、公私ともにやれることが増えたように思います。
夫婦で組むフォーメーション「2人のリソースをうまく配分」
— なるほど。2人のリソースを別々に考えるのではなく、「2人一緒」で考えるってことですね。夫は仕事、妻は家の仕事、と分けるのではなくチームでやっていく、という印象です。
そうですね、チームという表現は正しいと思います。
2人でよく話しているのが「フォーメーションを考えよう」ということです。例えば「来週大事なプレゼンがあるから、今週はお互い仕事にコミットしてよう。落ち着いたら来週はプライベートの時間を多めに取ろう」という感じで、いつも柔軟に動いています。
僕たちは日頃から、200のリソースをどのように配分するかということを心がけています。
妻の妊娠が分かった際、僕らのフォーメーションはがらりと変わりました。妻は仕事とプライベートのリソースが50:50になり、僕は80:20に変更しました。普段2人で180:20のところ、妊娠中は130:70という配分です。
それでも夫婦としてのチームの相乗効果で、仕事にリソースは割けているんです。そして、出産前後は妻が0:100でプライベートに専念し、僕が50:50くらいでした。フォーメーション的に仕事50で、プライベートが150くらいというイメージです。
— こんなにちゃんと数値化している人いないんじゃないですか?ざっくりと考えている人はいそうですが。
じつは、妻とリソース配分、何対何だよねという具体的数値の話は全然していないんです。「ざっくりこれくらいだよね」と聞いたら、妻は「確かに」って。それで、これを会社のメンバーにちゃんと伝えているという感じです。
今、Morning Laboは僕たち夫婦と社員合わせて4人の会社なんですが、現在は妻が育児を中心に動いており、さらに、僕も平常の半分しか働けていないので、2.5人が働いているという状態です。
だからこそ、リソースをうまく数値化し、配分しながらやっています。
今、ようやく徐々に妻が職場復帰に向けて動いているので、僕たち夫婦のリソースは、今後はお互い60:40くらいずつになりそうです。そうすると、仕事が120でプライベートが80になるんじゃないかなって考えています。
「会社はなんとかします」社員の一言が出産を後押し
— 共働きの育児に悩みを抱えている人は多いと思うのですが、共働きをしながらの育児について聞かせてください。
今は3時間おきの授乳のタイミングを考えて、僕と妻が交互に仕事をしてうまいことやっています。
授乳の時間は前後することはありますけど「仕事と育児の割合はだいたいこれくらいにしよう」と話し合って、出産後の復帰に向けたグラフを作りました。
— 出産後復帰のグラフとても細かく作られていますね。夫婦がバランスよく育児を担っているのは素晴らしい……。奥さんは育児と仕事の両立なかなか大変そう。
無認可の保育園に来年4月から入れるかどうか悩んでいるところです。そうそう、最近妻が「パートナー選びはパパ選び」って言っています。独身の時は「ちょっと優しい」「ちょっとかっこいい」という視点で、パートナーを選びがちです。
けど、出産や育児に直面すると、いかにパパとして“お手伝い”のレベルじゃなく自分事としてしっかりコミットしてくれるかが大切だなっていうことに気付いたーーそう言ってます。僕はいいパパになれてるといいんですけど。
— すでにいいパパだと思います!「パートナー選びはパパ選び」、そのとおりですね。恋愛中は全くその視点がない人も多いかと思います。実際に恋愛中ならうまくいってたことも、夫婦になって、妊娠し、子どもが生まれるとなると想像を超える大変さがありそうです。ところで、会社や仕事の不安はどのように乗り越えましたか?
「この1、2年でそろそろ子どもを考えているんだけど」というのを、事前に社員に言ったことがあって。そしたら社員から「会社はなんとかします。私も将来子どもがほしいと思っているので、先に、早めに産んでください!」みたいな感じで言われました。
その言葉が僕たち夫婦の背中を押してくれて、それで妊娠ってなったんです。
今、会社としてはリソースもないし大変な状況ですけど「小さな家族」のような感じで働いています。
この記事のハッシュタグ
社員も巻き込んで「暮らすように働く」
— それはとても心強い!すごくバランスのいい会社ですね。
はい、すごくいいチームです。だけど、リモート勤務だったこともあり、最初は育児で仕事できないことを申し訳ないと思い、コソコソと育児していました。
そうすると社員に「今こーじさんのリソースが半分くらいなの知っているので、むしろ育児をしっかりやってください」って言われちゃいました。
オフィス内でやっていることを共有する「25分チャレンジ」っていうスラックチャンネルがあって、今はそれを活用するようにしてます。結果的に「僕いま、赤ちゃん抱っこしています」とか「育児タイム入りました」とか育児のことを積極的に社員に伝えられるようになりました。
— 「コソコソ育児」はコロナによる自粛でリモートワークになった時、多くの親がやっていたはず(笑)やっている方もストレスだし「育児しっかりやってください」って言ってもらえるのって素敵ですね。
そうなんです。以前「こーじさんの仕事がいつ動いていて、いつ相談できるのかが分からないときつい」と社員に言われたことがありました。みんなが困っていたことって、僕が働けないことではなく、どのように動いているかが分からないことだったんです。
最近は「こーじさん育児しかしていませんよね」って言われています(笑)それでも会社はまわっているので、とても頼もしいチームだと感じています。
— こういう環境だと社員の方もこれから出産・育児がしやすくなりそうでいいですね。
「暮らすように働く」というのを全社員で考えています。だから、子どももオフィスに連れて行くし、誰かが産休に入るのは大歓迎です。
それこそ、1番最初に会社の代表である妻がチャレンジしているので、産休への理解はあります。社員のライフイベントへの選択肢が広がっているのではないかと思います。
仕事のリソース配分も「フェーズによって変えていきましょう」と言っています。会社自体がフォーメーションっぽくなっているので「今はあなたが最前線行って!それじゃ私は引っ込むよ」みたいなのをうまくやっています。育児しやすい環境だと思います。
「苦手な対話はビジネスフォーマットに置き換え」パートナーと円滑な関係を築く方法
— 仕事もプライベートもずっと一緒だとケンカしませんか?
自宅でケンカしても、朝、オフィスに出社すると社員がいるので、いつもそこでリセットされます。勤務中はプライベートのケンカは終了して、仕事の話に戻ります。だから、長いケンカはほぼほぼしていません。みんなに迷惑かけちゃいますから。
けど社員には「なんかおかしいの、バレてますけどね」とか言われます(笑)
— ケンカが長引かないのはよいですね。2人は対話が得意そうですし、日頃から対話を重ねてそうなイメージがあります。
じつは、僕は対話が苦手なんです。「あれしてほしい」「これしてほしい」と伝えるのが全然得意ではなくて。けど、本当に必要なことはちゃんと妻と対話して伝えます。
— こーじさんは対話がとても得意に見えるので意外です。対話が苦手な場合、パートナーとうまくコミュニケーションとるためにどうしていますか?
アジェンダとか作ってやっていくのは得意なので、ビジネスフォーマットにもっていけば対話できます。
僕がまだ1割しか言っていない時に、妻がワーッて反応することがあるんです。だから、最近は「言いたいこと全体を一旦文面で伝える」ということを心がけています。
あとは「あれしたい、これしたい」っていう言葉のシャワーを妻から浴びることがありますが、それに対して、傾聴するようにしています。
もともとは妻の言葉に反射的に答えて衝突していたことがあったので、ある時、妻に「議論したいんじゃないんだよね。言いたいだけだから反応しなくて大丈夫」と言われたことがきっかけです。
夫婦の時計は1つだからこそ「1人の時間も大切」
— 対話において一旦受け入れる姿勢は大切ですね。ちなみに仕事もプライベートもずっと一緒だと1人きりになりたい時、ありませんか?
仕事とプライベートの境目がないことによるストレスはもちろんあるので、たまにどこかに1人で行ったりもします。それこそ、2ヶ月に1回くらい1人合宿をしています。
今日もこちらに来る前カフェで仕事していたんですけど、やっぱり1人の時間は大切だと思います。
ちなみに、狭いスペースですが、自宅に1人で仕事ができる環境をこのリモート期間で整えました。そこにこもる時は、お互いが家にいても、メールでやり取りしています。
— 公私混同で働いているからこそ、1人の時間を積極的に作っているんですね。
そうなんですよ。一緒の会社で働いているので、僕たち夫婦の時計は常に1つなんです。だから、何時に帰るとかないし、全部一緒なので、やっぱり1人の時間は欲しくなります。
うまくいっているのか分かりませんが、1時間くらい外のカフェに行ったりとか、あえて散歩の時間を作ったりとか。意識して1人になる時間を作るようにします。
でも、子どもが生まれて初めて時計が3つになりました。1個だった時計が、急に赤ちゃんの時計と、奥さんの時計と僕の時計という3つになって。それはそれでけっこう大変だったりします(笑)だから、先程のようなスケジュール表を作っています。
理想のパートナーと出会う秘訣は「まずは自分のやりたいことを半年やること」
— こーじさんは、パートナーを選んだ決め手は何だったんですか?パートナー選びやパートナー探しを難しいと考えている人も多いと思うんですが。
僕の場合、パートナー選びの決め手は「自立している」ということでした。仕事も、パートナーも依存関係はお互いを不幸にすると思っているので、お互いを高めていける人がいいかなって考えていました。
あと、人前で話すのが得意ではないので、朝渋をやっている時、精神的にめちゃくちゃ辛かったんです。特に、有名な人をゲストに招くイベントだと前日からしんどくなることが多くて。でも、妻は「大丈夫大丈夫、私があなたの良さを知っている」と言ってくれて、絶対に気持ちをあげてくれるんです。
「大変だったね」という寄り添いではなく「大丈夫だよ!自信もって行ってこい!」と、まるで応援団長みたいな感じで。いつも「いけいけ」って背中を押してくれるんです。
寄り添いが嬉しい人もいると思いますが、僕の場合は妻の応援の仕方が1番嬉しいです。
— とてもいい関係ですね。料理ができるとか家事ができるとかよりもきっと大事ですよね。
妻も経営者なんで、自分で立ち上がっていかなきゃいけないので、やっぱりお互いの応援団長的な関係でいられるといいんじゃないかなって思っています。大変な時に支えてくれたり、応援してくれたりする人って大事です。
パートナー選びに関して言うと、まずは自分が自立することが大切かなと思います。「人は忙しい時にモテる」っていうじゃないですか。
モテるを考えるより「偏愛を持とう」
— 確かに、それはそうかも。
仕事でも趣味でも、自分が本当にやりたいことをやっている時に人はモテたり、輝いたりするのではないでしょうか。それは偏った愛でもいいと思うんです。
自分の好きなものがあると、自分の判断軸も持てますよね。だからパートナーを見つけたいと思うなら「偏愛を持つ」ということが一番大事かなと思います。
例えば、韓国歌手が好きで「どんな質問が来ても分かるくらい研究しています」とか、納豆が好きで「全国から納豆集めています」とか、そういうのがあると、その人らしさが出てくるし、面白くていいですよね。
— ただ多くの人と一緒っていうよりも、この人だからこそみたいな。確かにそれはあるかもしれないですね。
僕が、彼女彼氏欲しいという人に言っているのは「一旦半年間くらい彼女彼氏欲しいとか言わずに自分で旗あげよう」ということです。半年間あれば、毎日SNSに写真をアップすることもできるし、自分のタグが1つできるじゃないですか。
それが恋愛につながらなくても、その半年間は意味なくはないです。相性がいいだけで付き合って1年後に別れて時間を無駄にするよりかは、絶対今後の糧になるし、よっぽどいいですよ。
僕も早寝早起きというタグだけでここまで来ました。だからみんな旗をあげましょう!
【ライター・取材後の感想】結婚には幸せなイメージはあるけど、一方で「自分のやりたいことができなくなる」「子育てで余裕がなくなる」などネガティブな気持ちを持ってしまうこともあるでしょう。
今回、こーじさんのお話は、そのようなイメージをガラリと変えてくれました。夫婦を1つのチームとして考え、自分のやりたいことのために協力しあうことで、自分たちのやりたいことは1人の時以上にできるんだと確信できました。
今、結婚している人もそうでない人も「結婚=チームを結成する」という考え方を持ってみてはどうでしょうか?僕はまだパートナーがいないので、チームを結成するためにまずは旗揚げをやって、人として自立してみようと考えています。
この記事が、みなさんが新しい気づきを得るきっかけになればと思います。
Interviewer・Editor:桜口アサミ
Writer・Photographer: 藤原昇平
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
・IT業界転職における“35歳限界説”は本当?
・手に職をつけて収入を安定させられる職種は?
資料では、転職でよくある疑問について丁寧に解説します。IT業界だけでなく、転職を考えている全ての方におすすめです。
「自分がIT業界に向いているかどうか」など、IT転職に興味がある方は無料カウンセリングにもお気軽にお申し込みください。