IT分野で起業を考えているあなた。エンジニアとしてプロダクトを作るべきか悩んでいませんか?
今成功しているスタートアップの起業家の多くがエンジニアとしてプロダクトを作るスキルを持っています。
しかし、中にはコードを1行も書けない方でも大成功を納めている起業家もいます。
そこで、本記事ではゼロからプログラミングを学んで起業することのメリットとデメリットを整理したいと思います。
また、エンジニアとしてのキャリアは起業家としての選択肢だけではなく、会社の雇用とは離れたフリーランスとしてのスタイルの働き方のメリットとデメリットのついてもご紹介します。
この記事の目次
IT分野で起業するメリット
アイデアをそのまま形にしやすい
多くの起業家はエンジニアとコミュニケーションをとって自分が考えたプロダクトを作成していきます。
多くの場合、方向性やイメージの違いから起業家が思い描いているものとは多少異なったプロダクトが完成してしまう場合もあります。
しかし、起業家自らがエンジニアとしてプロダクトを作っていれば、ニュアンスのズレがなく自分の思い描くプロダクトづくりに近づけることが可能です。
アイデアをそのまま自分の思い描く通りのプロダクトにすることは、多くの起業家の憧れです。その点だけでも起業家自身がエンジニアであることは1歩リードできます。
プロダクトを外注せずコスト最小限で起業することができる
起業家の中には自社内にエンジニアを持つことができず、エンジニアを外部で雇わざるを得ない場合があります。
外注は1回注文をすると簡単なプログラムとウェブサイトを製作するだけでも30万円ほどかかってしまいます。(イーユーオンライン価格)
このコストを自らエンジニアとしてプロダクトを作ることで最小限にとどめ、サービスを中止することになっても、大きな損失にはなりません。
そしてエンジニアスキルのない起業家より低リスクで再挑戦ができます。より多くチャレンジした方が成功に結びつきます。
何度もチャレンジできることは他の起業家より1歩リードしていると言えます。
IT分野で企業するデメリット
今からプログラミングを勉強することの時間的なロス
現時点で起業を考えていてアイデアもある程度決まっている方は、プログラミングを勉強することは時間的なロスを生んでしまいます。
せっかくの良いアイデアでもプログラミングを勉強している間に、他の起業家が同じようなアイデアを思いつき先にサービスを作ってしまうかもしれません。
全くプログラミングの知識はないけれど、ある程度ビジネスプランが決まっているような方は、時間的なコストとのバランスを今一度考えてみた方がいいです。
営業や財務関係の仕事がおろそかになる
コードを書くという作業は1つのプロダクトを作るために想像以上の時間を使います。
もし起業家がコードを書く作業をしていると、営業がうまくいかない時の方針の調整や、出資を受けるための事業計画書や財務諸表の作成に割く時間が短くなってしまいます。
もし営業の得意な仲間やファイナンスの得意な仲間がいれば、彼らにある程度頼むことは可能ですが、起業家として組織のトップになる以上はある程度は事業計画や財務に関しても把握しておく必要があります。
エンジニアで起業して失敗する人
コードを書くことしかしない
起業家自身がエンジニアであるとある程度コードを書くことに集中してしまいます。
しかし、起業家というのは組織のトップでもあるわけなので、コードを書く以外にもファイナンス関係の設計や、組織のマネジメント、他の会社の方との交流など、やるべきことはたくさんあります。
しかし、失敗しがちな起業家ほどコードを書き、プロダクトを書くことだけに集中しがちです。
どんなに質の良い製品を作ったからと言って、そこに対して興味を持ってもらえなければ、お金を生み出すことはできません。
起業家である以上、良いプロダクトを作ることと同じように、いかに顧客が満足してお金を出してくれるか、いかに多くの人に利用してもらえるか、を考えなければいけません。
自分のプロダクトへ愛着を持ちすぎている
プロダクトは個人の作品でもあるので、芸術家や職人さんが自分の作品に愛着を持つことと同様にエンジニアも自分のプロダクトに愛着を感じます。
しかし、それが思わぬ落とし穴になることもあります。
自分のプロダクトへの愛着が深いあまりに「これが絶対正しい。必ずヒットする」と思い込んでしまい、プロダクトの方向性の変更など、柔軟に対応できなくなってしまうのです。
せっかく長い時間かけて作ったプロダクトだからこそ簡単に捨ててしまうのは非常につらいですが、プロダクトを断ち切る勇気を持ちましょう。
そこでかたくなにとどまっていても負の連鎖が続いてしまい、成功からは遠ざかってしまいます。
ときとしてわれわれは、ひとりの人間の徳からよりも失敗から多くのことを学ぶだろう。ロングフェロー 「ハイビリアン-四部三章」
出典元:名言集及び格言集
自分の技術に過信して個人プレイが多い
自らエンジニアとして起業する方の多くはCTOに位置する人材がいないことも大きく、自分より優れたエンジニアが社内にいることは、創業期は考えにくいです。
そのような状況下では、自身の技術に過信し個人プレイが多くなってしまい、さらには周囲の仲間を活用できなくなります。
さらには営業、マーケティングなどその他の業務にも同じような現象が起きてしまうと業務の全てが完全に個人プレイになり、会社という組織が機能しなくなります。
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エンジニアで起業して成功する人
ビジョンに共感してくれる人が周りにいること
起業は当然ですが、1人では非常に難しいことです。会社を急成長させるためには、起業家をサポートできるスキルを持ち、起業家本人のビジョンに共感する仲間が必要です。
人間はあらゆる仕事を完璧にこなすことは難しいので、お互い得意な分野ごとに分担を決めてお互いの弱点を補完できることが理想です。
共同創業者を集めるプロセスは、アイデアの可能性を深めるプロセスでもあります。また、仲間にもビジョンを共感してもらえないようでは、お客様にも共感してもらえないビジネスになってしまいます。
もし、スキルの高い仲間が周りにいないと感じるのであれば、起業家志望の人が集まるイベントに参加して人脈を広げることをオススメします。
受託でしのぐ時期を耐えられるか
起業してサービスをリリースしても、最初は多くの場合思うように収益が出せない時期があります。
しかし、会社を作ってしまった以上、簡単に倒産させるわけにもいきませんし、全く業務をしなくても法人税や人件費など必要経費がかかります。
そんなとき、会社を維持していくために行うのが受託開発です。
たくさんの受託を請負えば、月に100万円弱の収入が入って来ることもあるので会社を維持しつつ、新たな方針を打ち立てる時間を十分に稼ぐことができます。
しかし、受託開発というのは大抵、自分が本来やりたい仕事とは関係ないです。情熱がわかない仕事に対して、淡々とパソコンに向かってコードをひたすら打ち込まなければいけない日々が続きます。
このつらい時期を仲間に必要以上の負担をかけずにやり抜くかが成功への重要な鍵となります。
スポーツでいうスランプのように先が見えない時間が続きますが、ここを耐えきれるかどうかが成功か失敗かの分かれ道といっても過言ではありません。
自分の技量を把握し、周囲を上手に活用できる
成功する人の多くは自分の力量を現実的に見定めています。
過小評価もしないし、過大評価もしません。自分に足りない部分をきちんと把握し、自分で習得するべきことなのか、仲間の力を借りて解決した方がいいのか見極めることができます。
そして仲間を頼る場合にも命令的な指示ではなく、誠意を持って課題を的確に説明できます。
エンジニアとして働くのではなく、起業家として組織のトップとして活動する際にはこれらの能力も養う必要があります。
世の中で成功を収めるには、人から愛される徳と、人を怖れさせる欠点とが必要であろう。ジューベル 「パンセ」
出典元:名言集及び格言集
コードを納期までに書き上げる根気がある
受託の際に納期をきちんと守りきっちりとした仕事を行うことは当たり前のことですが、徹底して行える人は多くはいません。
一方できちんと納期を守り、質のいいサービスを収め続けることは大きな信用を勝ち取ることができます。
きちんと信頼を積み上げていくことができれば、受託開発もより多くの仕事のオファーが入り、より質の高い仕事に着手できます。
期日まで時間がないからといって妥協し、滞納を願い出るような人は将来成功しません。納期を守ることは会社全体の信用に関わることなので徹底しましょう。
また自社内のことでも同様で、お互いのスキルを信頼しあって仕事を完成させようとする中で社長だからという理由で期限までにコードを書ききれないことは周囲への求心力も疑われてしまいます。
エンジニア出身の起業家5選
実際にエンジニア出身の起業家で大成功をおさめた方々を紹介していきます。しかし、彼らも初めから全てがうまくいったということはなく、多くの失敗を乗り越えて現在の位置にいます。
堀江貴文氏(SNS株式会社ファウンダー)
2006年1月にライブドア社長として絶頂期だった堀江氏は東京地検特捜部から強制捜査を受け、証券取引法違反で逮捕されました。
5年間の法廷闘争の末、2011年4月に2年6ヶ月の実刑判決がくだされました。本人は「僕は生まれ変わった訳ではないし、悔い改めた訳ではないがゼロに戻った。」言って前向きに現在の活動に取り組んでいらっしゃいます。
人間が考えたことは実現すると言われますが、口に出さなければ実現しません。だから僕は、まず口にする。
出典元:名言DB
西村博之氏(「2ちゃんねる」開設者・初代管理人)
2ちゃんねるの開設者として有名な西村氏ですが、過去には2ちゃんねるないのトラブルに関する民事訴訟をいくつも起こされ、賠償金が5億円以上に上ることもありました。
本人は未払いの姿勢を貫きましたが、自身の書籍の印税を国税局に回収され、賠償金を払うことになりました。
僕の場合、モラル抜きに、まずどういう選択肢があって、その選択肢にどんな未来があるのかを考えてから、行動に移すんです。普通の人はモラルとかがあるから、僕のような考え方をおかしいと言うんじゃないですか?
出典元:名言DB
川上量生氏(株式会社ドワンゴ 代表取締役会長)
株式会社ドワンゴの社長としてIT業界をこれまで引っ張ってきた川上氏ですが、川上氏も京都大学を卒業後に新卒で入った会社が倒産し、最初に自分で立てた会社では社員がうまく機能せず、苦労は絶えませんでした。
ドワンゴはエンターテインメントの会社だと思っています。だから、既存のメディアの人たちがやらないことを平然とやってみればおもしろいかなと。
出典元:名言DB
馬場功淳氏(株式会社コロプラ 代表取締役社長)
馬場氏は一度就職しています。正社員として働いてる中で携帯ゲームでパケットを気にせず遊べる「位置ゲー」を開発しました。それが今の「コロプラ」に繋がるものです。
しかし、正社員として働いた後に「コロプラ」の運用を一人で行うことはかなりの重労働で、1日3時間睡眠の生活が続きました。一大決心の末、勤めている会社をやめ、「コロプラ」の運用に24時間を注ぎ、成功を勝ち取りました。
先のことは、走りながら考えます。今までも、時には失敗しつつ成功に繋げてきた。
出典元:名言集及び格言集
山田進太郎氏(株式会社メルカリ 代表取締役会長兼CEO)
2005年にWeb2.0ブームが到来し、資金調達もしてベンチャー的に事業を進め、映画のサイトや写真共有のサイトと運用していましたが、あまり儲かりませんでした。次第に資金がなくなり、社内でも「このままでいいのか」と疑問視する声が上がりつらい時期が続きました。
きめ細かいサポートは、たしかにお金はかかります。でも、丁寧な対応をした結果、ファンがついてリピートしてくれたら、いずれ収益として返ってくる。
出典元:名言DB
フリーランスのメリット
自分の価値基準で仕事やプロジェクトを選択できる
個人の考えや関心以上に企業の方針や利益を優先した仕事ではなく、自分にとって有益なプロジェクトを選択できます。
フリーランスでの働き方はさまざまで、専門領域を絞って請け負うことや、広い分野で全体的に請け負うかでも異なりますし、得意分野、不得意分野などで分けて仕事を自由に選択できます。
仕事の判断基準を自分の価値観ではかれることが魅力の一つです。
人間関係の悩みがなくなる
会社に勤めるということは往々にして自分の苦手なタイプの人とも会話をせざるを得ません。
また、会社の勤務時間以外にも懇親会など業務以外の時間も拘束されてしまいます。
しかし、フリーランスになれば、必要以上に人間関係を気にすることなく仕事ができ、開放感を感じる人が多くいます。
また、人間関係の悩みが解消され、精神的な余裕が生まれるため、周囲との人間関係が良くなることもあります。
働く場所や時間が自由
フリーランスの最大のメリットは好きな時間にどこでも仕事ができることです。人によって効率よく仕事をこなせる時間は違います。
会社勤めでは朝の出勤時間と場所が決められており、会社の決めたルールで行動する必要がありますが、フリーランスでは自分が最も活動的になる時間帯にお気に入りの場所で仕事ができモチベーションが上がります。
さらに、自分から仕事のタイミングや場所の設定を行なっているため、仕事に対する主体性が生まれます。
収入が増える
収入源になる大きな仕事の選択に出会ったり、支出経費の削減の工夫であったり、自分の持っているお金のコントロールの決定権が全て自分にあります。
一見すると大変なことのように聞こえますが、お金の知識をきちんとつければ特別難しいことはなく、会社勤めに比べ効率よく収入を増やすことが可能です。
また、サラリーマンとは違い、仕事の量もコントロールできるので、自分の時間をより多く保ちたい場合には仕事量を減らしプライベートに当てることも可能です。
収入源を複数持つことが可能なので、一社と雇用契約を結んでいる正社員よりはリスクを分散することができると感じている人もいます。
フリーランスのデメリット
モチベーションを自分で管理しなければならない
フリーランスの最大の魅力でもある「自由な時間の確保」は同時に最大のデメリットになる可能性もあります。
1日24時間全てが拘束されない自分の時間なので、サボろうと思えばいくらでもサボれてしまいます。
また一定期間にある程度の成果を出さないと収入もゼロになりますし、顧客からの信用も失ってしまいます。
そんな状況でも会社であれば、同僚が手を貸してくれるなど打開策が講じられますが、フリーランスである以上、どんな状況でも一人でやり抜かなくてはいけません。
その中でも常に「自分は何を作りたいのか、どんな仕事をしたいのか」を常に意識して仕事をしないといつの間にか単なる下請け業者になってしまいます。
収入が不安定
多くのフリーランスの方が抱える不安が「来月収入があるかわからない」という不安定さです。
生活面に関しても不安やストレスの原因になりますが、心理的にかなり追い詰められることになります。
さらに大きな怪我や病気になった際に、仕事を継続しないと収入が途絶えてしまうフリーランスの方はピンチになるわけです。
仕事に関わる全てを自分で管理しなければならない
フリーランスは仕事を得るための交渉や営業から、入金してもらう経理的な業務、財務の管理まで自分で行う必要があります。
また、会社では会議や会話で気軽に入手していた情報も、自分から動いて積極的に入手しなければなりません。
技術も会社のように研修制度があるわけではありませんから、自分から学習できる環境を探して学んでいかなければなりません。
まとめ
エンジニアとして起業することはプログラミングを習得する期間分の時間的なロスや営業やマーケティング、財務系の業務へのしわ寄せが生じるデメリットもありますが、それ以上に自分のアイデアをそのまま形にできることや、業務自体が成功しなくても受託開発業務で一時的に窮地を救うことができます。
また起業家として組織のトップとしてマネジメントなどの業務をこなすことを望まない場合でもフリーランスとして独立し、時間に拘束されることなく自由な生活が手に入ることもあります。
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