IT系の仕事をしている方の中には、基本情報技術者試験の上位の資格となる応用情報技術者試験の受験を検討している人もいるでしょう。
応用情報技術者試験はしっかりと対策を行わければ、合格が難しい資格。しかし、試験内容について把握していないと勉強の計画も立てられないですよね。
この記事では、応用情報技術者試験について、試験内容やおすすめの勉強法を解説します。ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
応用情報技術者試験とは
応用情報技術者試験について、試験概要を解説します。
ワンランク上のITスキルを証明する国家資格
応用情報技術者試験は、国家資格である「情報処理技術者試験」の1つ。
情報処理推進機構によると、ワンランク上のエンジニアを目指すための資格として位置づけられています。
ITエンジニアとしてのレベルアップを図るには、応用情報技術者試験がおすすめです。技術から管理、経営まで、幅広い知識と応用力が身に付き、システム開発、IT基盤構築などの局面で、高いパフォーマンスを発揮することができます。
引用:情報処理推進機構
試験日程・試験時間
試験は毎年2回。4月と10月の第3日曜日に実施されます。
基本情報技術者試験と試験日程が被っているため、併願できない点に注意してください。
受験料・申し込み方法
受験料は5,700円(税込)。申込み方法としては「インターネット申込み」と「願書郵送申込み」の2つがあります。
申込み期限は試験日のおよそ2ヶ月前となっているため、注意が必要です。
応用情報技術者試験の出題範囲と問題例
午前問題
午前問題の出題範囲は以下の通り。
- テクノロジ系 50問
- マネジメント系 10問
- ストラテジ系 20問
知識内容に関しては「基本情報技術者試験」の内容とあまり変わりません。既にこちらの資格を取得している場合は、対策は不要でしょう。
テクノロジ系
テクノロジ系では、主に以下のような分野から出題されます。
- 基礎理論
- アルゴリズムとプログラミング
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- ソフトウェア
- ハードウェア
- ヒューマンインターフェイス
- マルチメディア
- データベース
- ネットワーク
- セキュリティ
- システム開発技術
- ソフトウェア開発管理技術
以下、問題例となります。
N進数・待ち行列・シフト演算など、数学的な思考が問われる問題も多いです。
もちろんこのような問題の対策は必要ですが、まずは暗記で対応できる知識問題の正答率を上げましょう。
マネジメント系
マネジメント系では、主に以下の分野から出題されます。
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
以下、問題例となります。
マネジメント系の問題は出題数が少なく、対策が疎かになりがちです。しかし出題の範囲が狭いため、短時間でも対策が可能。
しっかりと勉強して得点源にしましょう。
ストラテジ系
ストラテジ系では、主に以下の分野から出題されます。
- システム戦略
- システム企画
- 経営戦略マネジメント
- 技術戦略マネジメント
- ビジネスインダストリ
- 企業活動
- 法務
以下、問題例となります。
ストラテジ系の問題は、ビジネスの知識が必要となります。とくに法務系の問題は、多くの人にとって馴染みのないものが多いです。
暗記で十分対策できるので、参考書を使ってしっかりと覚えましょう。
午後問題
午後問題は、午前問題と異なり記述式の回答が含まれます。比較的問題文が長いため、集中して取り組む必要があるでしょう。
- 情報セキュリティ
- 経営戦略
- プログラミング
- システムアーキテクチャー
- ネットワーク
- データベース
- 組込みシステム開発
- 情報システム開発
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
問題例は、以下からご覧ください。
午後試験は、選択方式となっており、情報セキュリティは必須。その他の分野から4つ選択する必要があります。
個人的な見解となりますが、システムアーキテクチャ、ネットワーク、データベース、組込み開発システムは、出題範囲も狭く、対策が比較的容易です。
応用情報技術者試験のおすすめの勉強法
先述したように、応用情報技術者試験は比較的難易度が高い資格です。そのため、入念な対策が必要となります。
おすすめは、参考書で基礎知識を固めて、アプリでアウトプットをして、過去問で試験に慣れること。もし苦手な単元があれば、もう一度参考書を確認して知識を固めるとよいでしょう。
ひとつずつ苦手な単元をつぶすと過去問の正答率も上がるので、合格に近づくはずです。
以下で、おすすめの参考書・アプリなどを紹介します。
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参考書
参考書を選ぶ際は、単純な暗記ではなく「背景」や「仕組み」が解説されているものを選ぶのがおすすめです。
キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
こちらの参考書は、漫画やイラストを用いて非常に丁寧な説明なのが特徴。すべてのページで図解を用いた解説がされています。
800ページを超える分量ですが、イラスト付きでスラスラ読み進めることができるでしょう。
すぐ理解できるオールカラー ニュースペックテキスト
こちらの参考書はオールカラーの図解付き。考え方のプロセスもしっかりと書かれているため、苦手な分野もじっくりと考えれば理解できる構成となっています。
ポイント・基本用語・テクニックなど、細かく記載されているため、網羅性のある参考書を求めている方におすすめです。
情報処理教科書 出るとこだけ!応用情報技術者[午後]
こちらは、午後問題に特化した参考書です。午前問題は問題なく解ける方もいると思いますが、午後問題に苦戦してしまう方は圧倒的に多いでしょう。
午後は試験範囲が広いことに加えて、難易度も比較的高いです。
集中して対策をするためにも、本参考書で勉強をしてみてはいかがでしょうか。
アプリ
参考書でインプットをしたら、隙間時間を見つけてアプリでアウトプットをしましょう。
【iPhone向け】全問解説付 応用情報技術者 午前 一問一答問題集
こちらのアプリは、iPhoneユーザー向けの午前試験に対応した問題集です。約390問の問題が収録されており、網羅性が高いのが特徴。
午前試験は暗記問題が中心なので、こういった一問一答形式の問題集で知識を定着させましょう。
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【Android】応用情報処理暗記カード+過去問徹底対策
こちらのアプリはAndroidユーザー向けの問題集。苦手な問題をチェックして独自の問題集を作成することもできます。
学習記録もつけられるので、毎日コツコツと勉強する習慣が身につくでしょう。
過去問
参考書でインプットをしてアプリでアウトプットをしたら、実際に過去問を解いてみましょう。過去問は応用情報技術者試験ドットコムから、ご覧ください。
解いてみて正答率の低い分野があれば、再び参考書を使って知識をインプットしましょう。
苦手な分野をひとつひとつなくすことで、着々と合格に近づくはずです。
応用情報技術者試験の難易度と勉強時間の目安
難易度が高いと言われる応用情報技術者試験ですが、じつは知識問題のレベルは基本情報技術者試験とあまり変わらないです。しかし、午後試験が記述問題となるので、その点が難しいと感じる人も多いでしょう。
勉強時間の目安としては、基本情報技術者試験の合格者だと200時間ほど。まったくの初心者だとITパスポート・基本情報技術者試験の知識も必要なので、最低500時間は見込んだ方がよいでしょう。
応用情報技術者試験と基本情報技術者試験の違い
基本情報技術者試験との違いは、先述したように「記述問題があること」です。
一方、アルゴリズムやプログラミングに関する知識は基本情報技術者試験の方が多く問われるので、人によっては応用情報技術者試験の方が簡単だったという声も。
両試験は同日に開催されるため、併願ができません。エンジニアの方は応用情報技術者試験を、非エンジニアの方は基本情報技術者試験の受験をおすすめします。
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応用情報技術者の資格を取得するメリット
応用情報技術者試験を取得するメリットを3つ紹介します。
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就職・転職でアピールできる
応用情報技術者試験は情報系資格のなかでも難易度が高いので、就職や転職で有利に働くこともあります。
とくに新卒や第二新卒などのポテンシャル採用の方は、資格を持っているだけでも優遇されるケースが多いです。
資格手当や報奨金の対象になる場合も
企業によっては、資格手当や報奨金を支給するところもあります。
例えばソフトウェア開発会社のCarrotSoftwareでは、応用情報技術者試験の取得で、合格一時金32,000円、資格手当16,000円(月)が支給されます。
給与アップを狙っている人は受験を検討してみてはいかがでしょうか。
次の資格取得につながりキャリアの幅が広がる
IT系の資格は数多くあります。応用情報技術者試験よりもさらに専門性の高い「ITストラテジスト試験」や「プロジェクトマネージャー試験」など。
応用情報技術者試験を取得することで、これらの資格の土台となる知識を身につけることができます。これから専門的なIT資格を取得しようと検討している方は、まずは応用情報技術者試験の勉強をしてみてください。
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まとめ
繰り返しになりますが、応用情報技術者試験は比較的難易度の高い資格となります。
本記事で紹介した参考書やアプリを使ってコツコツと勉強しましょう。
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