現在は会社員として働いているものの、将来的にフリーランスとして独立したいと考えている人は、以下のような不安を抱えているものです。
「独立後も収入はしっかり得られるだろうか」
「仕事がなくなることはないのだろうか」
このような不安から独立できずにいる人は「まず会社員をしながら副業として仕事を受注する」ことをおすすめします。
会社員をしながら、フリーランスとして個人で仕事をするというのも充分可能です。
この記事では、以下の内容について解説します。
・会社員は副業が可能なのか
・会社員の副業事情
・会社員がフリーランスとして副業をするメリット
・副業でフリーランスとして働くおすすめの仕事
・副業の始め方
この記事の目次
フリーランスとは
フリーランスとは、企業や組織に所属することなく、仕事ごとに契約を行い働くスタイルです。
ライターやカメラマン、デザイナーなどクリエイティブ職に多いですが、マーケティングや広報など、ビジネス職のフリーランスも増えています。
副業フリーランスとは
クラウドソーシングサイト「ランサーズ」が定義するフリーランスは主に以下4つのタイプに分類されます。
・副業系
・自営業系
・複業系
・自由業系
「副業系フリーランス」とは、企業に正社員として雇用されながらも、終業後や土日を使いフリーランスとして活躍している人々のことを指します。
この中でも「副業系フリーランス」はもっとも人数が多く経済規模も大きいとされています。つまり、会社員として働きながらフリーランスとして仕事をこなしている人々は大勢いるということです。
会社員は副業が可能なのか
そもそも会社員は副業が可能なのでしょうか。
会社員と一言で表しても、民間企業に勤める会社員と公務員とでは制度に違いがあります。この違いを理解しておきましょう。
この記事もオススメ
民間企業に勤める会社員の場合
民間企業に勤める会社員の場合、勤務先となる企業の就業規定に記載されている副業の可否に従いましょう。
副業を許可している企業もあれば、「副業は全面的に禁止」「競合企業での副業禁止」などを取り決めている企業もあります。
近年は政府も副業を後押しする意向を示したことにより、副業を認める企業も増えています。ですが副業をする際は、念のため事前に確認を取っておくことをおすすめします。
公務員の場合
公務員の副業は原則的に禁止されています。
国家公務員法、地方公務員法など以下の項目で明記されており、基本的に公務員は副業ができないと考えるべきです。
・国家公務員法第103条:私企業からの隔離
・国家公務員法第104条:他の事業又は事務の関与制限
・地方公務員法38条:営利企業等の従事制限
公務員でもできる副業としては、不動産投資、株式投資・FXなどが挙げられます。資産運用に関するものは行っても問題ないようです。
また、最近では働き方改革の影響により、公務員の副業も解禁されてきています。ただし、「営利目的ではない活動」などその範囲は一般的な会社員と比較すると限定的です。
会社員の副業事情
会社員が副業をすることは、今の所あまり一般的とは言えません。あなたの同僚や上司を見ても副業をしている人は少ないでしょう。
これは先ほど説明した「企業規則による副業の禁止」が大きく影響していると思われます。
ここからは、会社員の副業事情に関連する企業や社会の動きについて解説します。
企業が副業を禁止している理由
現在でも副業を明確に禁止している企業は多いです。理由は一概には判断できませんが、主に以下のような理由が考えられます。
本業に集中してほしい
もっとも考えられものとしては「本業に集中してほしい」という理由です。
平日勤務の会社員が副業をするなら、基本的に仕事終わりや土日を使って行うことになるでしょう。本業と並行して副業にも取り組むのであれば、それなりの労力や気力が必要です。
また副業の仕事で気に掛かることがあると、本業の作業中も気になって仕事に手が付かないとなることも考えられます。
そのような事態を防ぐことが、副業禁止の理由となっているのです。
情報漏洩のリスクを防ぐ
企業は、社員の副業から情報漏洩のリスクなども危惧しているでしょう。
例えば、社員が自社と競合に当たる企業と取引し、副業を行っていたとします。この場合、社内の機密情報が社員から競合他社に渡ってしまうリスクも考えられるでしょう。
その結果、顧客を奪われたり、サービスを模倣されたりなど業務に大幅な支障が生まれる可能性があるのです。
このような理由から、副業を許可している企業でも「競合他社に雇用されたり、取引したりする副業」は禁止しているケースがあります。
副業による問題が飛び火しないことを防ぐ
副業は個人でもできる小規模なビジネスです。しかし取引にお金が絡む以上、問題が発生する可能性は0ではありません。
例えば、社員自身が勤務している企業名を明らかにしたまま副業をしていたとします。しかし、その副業がマルチ商法だったり、クライアントとの揉め事が絶えない仕事だったりしたらどうでしょう。社員個人だけでなく、勤め先となる企業にまで問題が波及してしまう恐れがあります。
近年はSNSを中心に、いわゆる「炎上」によって問題が拡散しやすくなり、大勢の人々に情報が届きやすくなっています。社員個人が副業で起こした問題が企業に飛び火し、企業ブランドや信用を落としてしまうリスクもあるのです。
このような事態を防ぐためにも、副業を禁止していることが考えられます。
就業規則に法的な拘束力はない
「副業を許可するということは、これらのリスクを増やすことにつながる」と考えている企業は未だに多いです。
ただ就業規則の副業禁止に関しては、法的な拘束力は持っていません。憲法および、その付属法(民法や商法など)において、会社員の副業を禁ずる旨の条文は定められていないのです。
基本的に、プライベートの時間をどのように使うかはその人の自由となります。
会社に副業がバレるタイミング
副業をするサラリーマンの中には、会社に報告せずに仕事をしている人もいます。やはり就業規則で明記されている以上、できれば会社に知られたくないと考えている人も多いです。
実際に副業が会社に知られる原因としては、住民税の徴収のタイミングがもっとも可能性が高いです。
会社員の場合、住民税は給与から天引きされる「特別徴収」になっています。
副業収入があった場合確定申告を行う必要があるのですが、その結果は税務署から所在地の市町村役場に送付されます。
この時点では、勤務先の会社から、市町村に給料の源泉徴収票が送付されています。そして、この源泉徴収票と確定申告の金額と合算し住民税を計算するのです。
この結果が勤務先に伝わることで、住民税は給与から天引きされることになります。
つまりこの段階で、あまりにも金額が多すぎるといった場合に、副業の可能性があると知られてしまうというわけです。
所得が20万円を超えたら確定申告をする必要がある
会社員の場合、副業の所得が年間20万円を超えた段階で確定申告をしなければなりません。確定申告とは1月1日から12月31日までの副業で得た所得を計算・申告し、納税する作業です。
副業がうまくいって稼ぐことができた場合、本業分に加えて納税する義務が発生する可能性があります。
会社に副業がバレたくないからといって確定申告をしないままでいると、税務署から追加徴収の連絡が届きます。結果的に確定申告と税金の支払いをする必要が出てくるのです。
副業解禁に踏み切る企業が増えている
近年、副業を認める企業の数は次第に増えています。これまでベンチャーなどの一部の企業でしか行われていませんでしたが、キャリア選択の一つとして副業が広まりつつあるのです。
厚生労働省が定めている「モデル就業規則」の副業項目はこれまで、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と記載されていました。
ですが2018年に厚生労働省は、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と方針を転換しました。
要するに、勤務時間外であれば副業をしても良いという指針を打ち出したのです。
副業を解禁する企業が増えている理由
企業が副業を認める理由としては、「優秀な人材を確保」するためと考えられます。
優秀な人材であるほど転職を行い、その度にキャリアアップを実現する傾向があります。またそういった人材は、様々な会社やチームから仕事の誘いなどを受ける機会も多くなります。
副業が禁止されている会社に勤めている場合、外部の仕事に携わるためには転職を行うしかありません。
ですが副業が認められている会社だと、そういった仕事に副業・兼業という形で取り組むことができるので、結果として企業は優秀な人材を失わずに済みます。
つまり副業を禁止していると、優秀な人材はより自由度の高い会社に行ってしまうことになります。
これは企業にとっても痛手ですので、「優秀な人材を車内に留めておくために、副業を認める」という流れになっているのです。
会社員がフリーランスとして副業をするメリット
会社員がフリーランスとして副業をするメリットは主に3つあります。
・収入が増える
・空いた時間を有効活用できる
・独立や起業につながる
収入が増える
フリーランスとして働くと、その分収入が増えます。
現在勤めている会社の収入に不満がある方は、まずは月数万円程度を目指して副業を始める場合が多いようです。月に数万円が月給に加算されるとなると、生活に余裕も出てくるでしょう。
会社員として働いていて月給が2~3万昇給するまでには時間がかかります。副業の場合だと、比較的容易に月々の収入を上げることができるのです。
空いた時間を有効活用できる
あまり趣味などがない人は、平日や土日に時間を持て余している場合もあるかもしれません。副業はそういった時間を有効活用することで、お金を稼ぐことができます。
フリーランスの副業は時間や場所の制限なく働けるので、スキマの時間をうまく活用できるでしょう。
独立や起業につながる
将来的に独立を考えている人が、まずは副業から仕事を始めるというパターンは非常に多いです。先ほど説明した「副業フリーランス」という働き方が当てはまります。
いきなり退職して独立する場合は、金銭面などで大きなリスクを抱えることになるでしょう。まずは副業から始めることで、独立しても金銭的に困窮することはあまりなく、精神的にも安定して働くことができるのです。
副業フリーランスとして働くのにおすすめの仕事
会社員が副業でできるフリーランスの仕事の例を紹介します。
システムエンジニア・プログラマー
システムの開発・コーディングなどを行う仕事です。Webサービスやスマートフォンアプリなど、様々な案件に携わることができます。
システムエンジニア・プログラマーの案件は、ある程度長期的な期間に設定されていたり、報酬も高めであることが多いので、安定的に仕事ができるでしょう。
IT人材不足の影響もあり、システムエンジニア・プログラマーの需要は今後もさらに増えると予想されています。
Webデザイナー
Webサイトのレイアウトやデザインを行う仕事です。HTMLやCSSなどのマークアップ言語、JavaScriptなどのプログラミング言語のスキルが求められることもあります。
今やほとんどの企業が自社のWebサイトを持っている時代であるので、Webデザイナーの需要も高くなっています。
Webライター
Webメディアやサイトの記事を執筆する仕事です。最低限の文章力があれば比較的スタートしやすい職種です。文章力の他に情報を整理するスキルや、ある分野の専門性などがあると仕事を受けやすいでしょう。
一般的に、Webライターの報酬は文字単価や記事単価という形で決定されます。文字単価の場合1文字=○円、記事単価の場合、1記事=○円という形で納品した分が収入になります。
「1文字=1円以上」の案件を受注できるようになると、独立を目指せるレベルになってきます。
ですが、駆け出しライターが1文字=1円以上で案件を獲得するのはやや難しく、始めのうちは単価の低い仕事をすることになるかもしれません。
動画編集
専門ソフトを使って動画を編集する仕事も、近年需要が高まっています。
動画メディア・プラットフォームの隆盛に伴い、誰でも簡単に映像表現を行うことができるようになりました。しかし見やすい動画を作るにはある種の専門スキルが必要となります。
Youtuberなどの動画表現を行うクリエイターの中には、動画編集などをアウトソーシングしている人も多いようです。
副業の始め方
副業の具体的な始め方を解説します。
まずはどんな副業をするかを決める
まずはどんな副業をするのはを明確にしましょう。おすすめは本業と近い、あるいは類似する部分のある副業です。
副業での経験が本業にいい影響を与えることもしばしばあります。一見関係のなさそうに見える仕事でも、本業に活かせるケースもあるのです。
例えば副業の時間を確保するためのタイムスケジューリングが本業にも活きることがあるでしょう。さらに副業のプログラミングの知識が、本業の業務効率化につながることも。
できるだけ本業にもメリットがあるような副業を選ぶと良いでしょう。
クラウドソーシングサービスで探す
副業を手軽に始める方法としてクラウドソーシングサービスがあります。
これは仕事をする側(フリーランス)と依頼する側(クライアント)をマッチングさせるサービスで、案件の募集が多数掲載されています。
未経験可の募集もあるので、副業が初めての人でも仕事を受けることができるでしょう。実績作りにも役立ちます。
友人・知人から紹介を受ける
フリーランスは、友人や知人からの紹介で仕事を得ることもあります。
ベンチャー企業は人手不足であるということも多く、個人で仕事をしているフリーランスで、協力者が欲しいと考えているケースがあるのです。
そのようなベンチャー企業に勤める知人のツテなどを辿って、仕事を紹介してもらうのもよい方法でしょう。
仕事を頼む側も、全く知らない人より安心感がありますし、クリーランス側もまずは手伝ってみるという感覚で始めやすいです。
さいごに
以下の内容について解説しました。
・会社員は副業が可能なのか
・会社員の副業事情
・会社員がフリーランスとして副業をするメリット
・副業でフリーランスとして働くおすすめの仕事
・副業の始め方
会社員でも副業フリーランスとして働く人は多いです。副業は本業では得られない経験をすることができ、キャリアの幅も広げるチャンスです。
将来独立を考えている方も、まずは副業からスモールスタートして、仕事を拡大していきましょう。
副業の収入が本業と遜色なくなり、安定してきたら、独立を考える機会かもしれません。以下の記事ではフリーランスとして独立前にやるべきことや、独立後にやるべきことを紹介しています。あわせて参考にしてください。
この記事もオススメ
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
・IT業界転職における“35歳限界説”は本当?
・手に職をつけて収入を安定させられる職種は?
資料では、転職でよくある疑問について丁寧に解説します。IT業界だけでなく、転職を考えている全ての方におすすめです。
「自分がIT業界に向いているかどうか」など、IT転職に興味がある方は無料カウンセリングにもお気軽にお申し込みください。