VR(Virtual Reality)が体験できる施設やゲームなどが普及するようになりました。
それと同時に、ゲーム開発会社を中心にVR開発ができるエンジニアの需要も高まりつつあります。
今回は、「VR体験」ではなく「VR開発」に焦点を当て、VR開発の基礎、おすすめのプログラミング言語、開発ソフトなどを解説します。
関連記事:【2018年版】初心者はどの言語が良い?おすすめプログラミング言語ランキングTOP10
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この記事の目次
VRの仕組み
まず、VR(英:Virtual Reality、日:仮想現実、以下VRと記載)とは、どういったものであるか、復習しましょう。
VRとは、ゴーグルなどを着用することで現実世界の視界を遮断した上で、そこに映し出される映像や音響などの効果によってあたかも現実世界にいるような体験ができる技術です。
ヘッドホンやスピーカーを通した聴覚からの刺激だけでなく、最近はグローブを用いた触覚的な刺激や空間全体を演出することによる空間感覚、嗅覚などへの刺激も導入されつつあります。
VRゲーム開発におすすめのソフトは「Unity」
VRゲームの開発環境は発展途中で、ゲーム会社などのプロのエンジニアであっても未だ試行錯誤の段階です。
現時点では、「Unity」というゲーム開発ソフトがおすすめです。
Unityは主要なモバイル端末・ゲーム機・パチスロ台などに提供するゲームは全て制作が可能です。初心者からプロレベルまで利用できる汎用度の高さから、ゲームエンジン(ゲーム開発ソフト)の分野ではトップシェアを誇っています。
Unityを利用したゲーム開発にプログラミング言語は必須ではなく、Unityに入っている「背景・素材・音楽・アクション」といった要素を組み合わせていくだけでゲームや映像の制作が可能です。
より高度で複雑な開発をしたい場合には、プログラミングと組み合わせて制作することもできます。
参照:Unity 2018のインストール手順を解説。入門におすすめのサイトや書籍も
家庭用ゲーム開発なら「Unreal Engine」
Unityと並んでVR開発でよく利用されるソフトに「Unreal Engine」があります。「UE」と略して表記されることもあります。
Unityがモバイルゲームに適している一方、Unreal Engineは家庭用ゲーム開発に適しています。家庭用ゲーム開発はモバイルゲームよりも開発難易度が高いため、Unreal EngineはUnityよりも高度なゲーム開発の時に利用されると一般的に区別されています。
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VR開発におすすめのプログラミング言語
Unityを利用する場合、プログラミングを利用しなくても簡単なゲーム開発は可能ですが、高度なVR開発を行う場合はプログラミングが必要です。
続いて、VR開発におすすめのプログラミング言語を解説します。
Unityを使うならC#かJavaScript
Unityとプログラミングを組み合わせてVR開発を行いたい場合、プログラミング言語はC#を利用します。
C#について詳しく見ていきましょう。
C#とは
C#はマイクロソフトによって開発されたプログラミング言語で、Javaなどと同じオブジェクト指向の言語です。
初心者にとっては少し難易度が高い言語ではありますが、有名な言語であるため学習サイトなども豊富にあります。文法がJavaと似ているためJavaの経験があればスムーズに修得できるでしょう。
C#を利用すると簡単なゲーム開発が可能になるため、C#を学ぶためにUnityを利用する、という使い方もあります。
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C#のおすすめ書籍「独習C# 第3版」
C#を学ぶための書籍は数多くありますが、一から学びたい方におすすめの本は「独習C# 第3版」です。
C#を用いたオブジェクト指向プログラミングに必要な基礎知識、概念、機能などをサンプルプログラムを例に解説してあります。
説明が丁寧であるため、プログラミングの基礎知識がない人にもおすすめです。
UNREAL ENGINEを使うならC++かBluePrint
Unreal Engineとプログラミングを組み合わせる場合は、C++かBluePrintという二つの言語を利用するのがおすすめです。
各言語について簡単に解説します。
C++とは
C++は、大規模な基幹システムや国の公共機関のシステムで用いられることが多い、世界的にも需要と共に人気も高いプログラミング言語です。
C#やJavaScriptと同じオブジェクト指向の言語で、VRゲーム開発、スマートフォンアプリやWebアプリの開発に利用されています。
参照:【初心者向け】ゲーム開発におすすめのプログラミング言語5選
C++のおすすめ書籍「やさしいC++ 第4版」
C++の入門本としておすすめなのが「やさしいC++ 第4版」です。
著者の「やさしいシリーズ」にはC++の他にも「やさしいJava オブジェクト指向編」などがあり、サンプルプログラム、わかりやすい説明、イラストを使った解説でプログラミング初心者でも理解ができる内容です。
BluePrintとは
BluePrintは視覚的にプログラミングができるビジュアルプログラミング言語です。
「ノード」と呼ばれる小さな箱を並べ、各ノードの実行順や受け渡しなどを線で繋いでいくことでプログラムを組んでいきます。
BluePrintはUnreal Engineのメイン画面から直接呼び出して利用することができ、他のプログラミング言語のように特別なツールなどを揃える必要がないため、初心者におすすめです。
BluePrintのおすすめ書籍「Unreal Engine 4で極めるゲーム開発」
「Unreal Engine 4で極めるゲーム開発」は、一本のサンプルゲームを開発する工程に合わせてUnreal Engine 4の機能を解説しており、実際の開発プロセスを体感しながら学ぶことができます。
機能と機能の組み合わせや実践的な使い方についても解説されているため、初心者からさらにスキルを高めたい経験者にとってもおすすめの本です。
VR技術を使って作られたゲームの事例
VR技術を活用したゲームは爽快感あふれるもの、スリリングなもの、ホラーものなど様々あります。今回はその一部を紹介します。
VRカレシ
あなたにとって完璧なカレシとはどのような人でしょうか。
「あなただけの『カレシ』に会える」をキャッチコピーに、完璧なユーザー好みのカレシに会えるVRゲームが「VRカレシ」です。
東京ゲームショウ2018に出展された際には、「真っ先に向かうべき」と大好評でした。
【大盛況】『VRカレシ』TGSで行列、整理券は1時間で完売https://t.co/W0jCFqOM1U
“カレシ”の容姿を自分好みにカスタマイズ可能。体験した女性は「どんどん距離が詰まってきてドキドキした」と感想を語った。 pic.twitter.com/PSBAfcx7Wh
— ライブドアニュース (@livedoornews) September 21, 2018
VRカレシをよろしくお願いします。
VRカレシ公式ツイッターや公式ホームページで情報を随時更新していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。— VRカレシ (@vrkareshi_IVR) September 27, 2018
参照:VRカレシが東京ゲームショウ2018にブース出展!VRで彼氏の筋肉量まで調整可能
BeatSaber
VRゲームだけでなく、PCゲームも合わさった最先端のリズムゲーム「Beat Saber」。
音楽に合わせて、正面からやってくる障害物を2本の剣で切り裂いていくゲームです。
爽快感やスピード感、エンターテイメント性からユーザーから圧倒的な高評価を記録しています。
VRゲーム #BeatSaber で2曲目の最高難度クリアできたー
ミスりまくりだけどw
・赤い箱は赤い剣で、青い箱は青い剣で切る
・矢印の方向に切る
・赤いバチバチ壁は体接触NG、鉄球は剣が接触NG pic.twitter.com/9dRgJuKefj— 赤髪のとも💎☺︎テキパキ (@tomo0723sw) September 28, 2018
参照:VRリズムゲームの最先端と話題の「Beat Saber」。バーチャルYouTuberもハマる魅力とは
VRテニス
自分の家にいながら、しかも一人で本当にテニスをしているような感覚で遊べるのがPlayStation VR(PSVR)専用ソフトの「VRテニス」です。
これまでのテレビゲームでは表現できなかったリアリティが表現されているとして、注目されています。
@kobako_diver VRテニスが気になってもう一回みてみたら。。制作会社が有限会社びんぼうソフトってww 応援したくなる会社꒰・◡・๑꒱w https://t.co/PDe8ieogYP
— VAFEL (カロ&ハロ) (@vafel_games) September 15, 2018
参照:社員1人の「びんぼうソフト」新作ゲーム『ドリームマッチテニスVR』を紹介
以下の記事でも、おすすめのVRゲームについて紹介しています。あわせてご覧ください。
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VRゲーム開発に必要なツール
VR開発を始めたい、と思った時、まずどのような環境を整えれば良いでしょうか。次はVRゲーム開発に必要な開発ツールについて解説します。
VR readyのPC
VR開発を行うためには、まず高性能のPCが必要です。
VR開発は、制作よりも開発物の実行(プレイ)時に高い性能を要求されます。通常の動画制作などに必要なスペックよりもかなり高く、目安としてはCPUはCore i7などの高速なもの、メモリは16GB程度です。
ストレージはHDDではなくSSDを用意し、常にCドライブに240GB~480GBの空き容量がある状態にしておきましょう。画像処理用のプロセッサ(GPU)は高性能(GeForce、Radeonなど)でより新しいバージョンを用意します。
ノートパソコンでも条件を満たす機種はありますが、多くの開発者はデスクトップパソコンを利用しています。性能について詳しくわからない、という方は「VR対応」「VR READY」と記載されているPCを選ぶと良いでしょう。
Unityなどの開発ソフト
開発ソフトは、すでに解説したUnityやUnreal Engineを利用します。
検証用のVRヘッドセット
VRの開発はPCとソフトが行えますが、開発したゲームを実際にプレイするためにはVRヘッドセットが必要です。
プレーヤーと同じ環境でテストしないと、バグが発生している箇所などを見逃してしまう可能性があります。
VRヘッドセットについてはこちらの記事で詳しく解説していまので、あわせてご覧ください。
参照:VRヘッドマウントディスプレイとは?おすすめのゴーグル(ヘッドセット)と人気のVRゲーム
VRの学習におすすめの本
プログラミングは自分で手を動かしながら覚えていくことが重要ですが、本などを活用して知識をインプットすることも合わせて重要です。
VR学習におすすめの本を3冊紹介します。
VRビジネスの衝撃―「仮想世界」が巨大マネーを生む
VR市場の将来の可能性を明らかにしている本書は、「なぜVRが流行っているのか」をアメリカの事例を交えながら詳しく解説しています。
VRのことを全く知らない人も、これからのVRビジネスに関心がある人にもおすすめの一冊です。
〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則
AI、IoT、ロボット、電子通貨など現在のテクノロジーの将来を12個に分類して解説している本書。
VR・ARは30年後の架空の未来でのAR教育アプリについて記述されている箇所で触れられています。
バーチャルリアリティ入門
この本は日本バーチャルリアリティ学会初代会長によって著されたVRの入門書籍です。
VRがどのようにして異空間をリアルに再現しているのか、人間の感覚・認知メカニズムなどの観点から解説しています。
プログラミングスクールを利用して学習するのもおすすめ
書籍を読んで独学でVR開発を行うこともできますが、本格的に開発を行いたいのであればスクールに通うこともおすすめです。
スクールでは、プログラミング初心者にも理解しやすいように改良を加えたテキストを使い、メンター(講師)によるアドバイスをもらいながら学習を進められます。
「どんな教材を使えばいいかわからない…」「1から勉強を始めても挫折してしまいそう…」とお考えの方は、スクールの受講も検討してみてみましょう。
次の記事では国内なVR開発が学べるプログラミングスクールを紹介しています。合わせてご覧ください。
参照:【VRスクール】国内でVR開発が学べるスクール6校を徹底比較
さいごに
VR開発を試しにやってみたい、ゲーム開発が初めて、という方は、まずはプログラミングなしで気軽に始められるUnityを使って開発体験をしてみることがおすすめです。
C#を扱えるようになると、さらに開発できるゲームの範囲が広がり、本格的なゲームが開発できるようになるでしょう。
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