ゲームエンジンとして世界NO.1のシェアを誇るUnity。その最新バージョンであるUnity 2018.2がどのように進化を遂げたのか興味はありませんか?
また、Unity 2018.2を使ってみたいけれど、Unity 2018.1からどのように変わったのかよくわからないと感じている方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、Unity 2018.2の改善点や新機能などの注目の情報についてまとめました。
アップデートを考えている方やUnityをはじめてみたいという方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
最新バージョンのUnity 2018.2が正式リリース
ベータ版がリリースされていた最新バージョンであるUnity 2018.2が、正式リリースされました。まずは、そのUnity 2018.2の概要とダウンロード先について紹介します。
Unity 2018.1で導入されたSRPなどのグラフィックス面の進歩をはじめ、「エディタの機能の向上」「2Dの機能の強化」「モバイルプラットフォームへの対応強化」など様々な機能のアップグレードや追加がされています。
Unity 2018のリリース日について
2018年7月10日にUnity 2018の新たなバージョンとなるUnity 2018.2が正式リリースされました。Unity Blogによると、次のバージョンとなるUnity 2018.3は秋にリリース予定とあります。
Unity 2018.1では、スクリプタブルレンダーパイプライン(SRP)とシェーダーグラフが導入され、クリエイティブな感性をより忠実に再現することが可能になりました。また、性能面ではC# Job Systemによってマルチスコアの性能を生かした作業環境を実現。
Unity 2018.2では、そのようなUnity 2018.1の新たな機能がさらに改善されています。また、2Dゲーム向けの新機能も多く追加されました。
Unityとは
Unityとは、世界でNo.1のシェアを誇るゲーム制作のプラットフォームです。ゲームのパーツやプラグインを使えば、プログラミングの知識なしでも簡単なゲーム制作が可能です。
Unityは、プログラミング初心者の方でもすぐに利用できる使いやすさと、プロフェッショナルなニーズに応える幅広い機能が魅力。そのため、ゲームだけでなく、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などのコンテンツの制作など、様々な用途にUnityは使われています。
Unity 2018.2をダウンロード
Unity 2018.2は下記の公式Webサイトからダウンロード可能です。新しいUnityを試したい方は早速ダウンロードしましょう。
また、はじめてUnityをご利用になる方はインストール方法や基本的な使い方などが理解できる下記の記事もご覧ください。 Unity 2018のインストール手順を解説。入門におすすめのサイトや書籍も
Unity 2018.2の改善点や新機能を解説
Unity 2018.2の正式リリースにおいて注目を集めている改善点や新機能について、以下にまとめましたので参考にしてみてください。
グラフィックスの進歩
スクリプタブルレンダーパイプライン(SRP)
Unity 2018.2では、グラフィックス面がさらに進歩しました。まず、SRPの改良点についてご説明します。
SRPは、オブジェクトのレンダリングの設定・実行をC#でコントロールを可能にする仕組みです。Unity 2018.2では、SRPバッチャーによってGPUに影響を与えずにCPUによるレンダリングの処理速度のアップが行えます。LWRP・HDRPとの併用も可能です。
また、ビルドにかかる時間やデータサイズに影響を与える、シェーダーバリアントの生成数をストリップ機能により管理できるようになりました。
確実に進歩を続けているSRPですが現状はプレビュー版なので、製品での利用は推奨されていませんので注意しましょう。また、AR・VRのプラットフォームにも非対応です。
スクリプタブルレンダーパイプラインの概要 – Unity Blog
HD レンダーパイプライン(HDRP)
Unity 2018.1で公開されたハイエンドなプラットフォームにおける高品質なグラフィックにフォーカスされたHDRP。このHDRPが、Unity 2018.2ではさらに進化しており、高い品質のグラフィックスの制作を強力にサポートするツールになりました。
上記の動画はHDRPによって制作されています。こちらをご覧いただくと、HDRPでどのようなグラフィックスが実現できるのかわかりやすいでしょう。
本バージョンでの改良点には、ボリューメトリック、光沢をもつ平面反射、ジオメトリックスペキュラーアンチエイリアシング、プロキシスクリーン空間反射・屈折、メッシュデカール、シャドウマスクなどが含まれます。
引用元:Unity 2018.2、リリース – Unity Blog
HDRPは、AR・VRのどちらにも対応していません。Unityは、2019年に対応を予定しています。
ライトウェイトレンダーパイプライン(LWRP)
高いパフォーマンスを実現するLWRPは、ローエンドな機器やリソースが限られたプラットフォームでの使用に最適です。
ただし、VRのプラットフォームでの使用はサポートされていますが、ARCore・ARKit・HoloLens・Magic LeapなどのARやMRのプラットフォームには非対応です。
シェーダーグラフの機能性もアップ
ノードを接続して視覚的な陰影処理のビルドが可能なシェーダーグラフ。Unity 2018.2では、HDRPに一部対応しました。これにより、シェーダーグラフはHDRP・LWRPのどちらでも使えます。
その他にも「頂点位置の修正」「マスターノードの設定」「コードの表示」などの新機能が備わり、シェーダーグラフによってさらにハイクオリティなグラフィックスを制作しやすくなりました。
2Dの機能の強化
Pixel Perfect Camera
Pixel Perfect Cameraのコンポーネントを使用すれば、イメージ通りの2Dのグラフィックスによるスプライトが制作ができます。スプライトは2Dゲームのキャラクターなどの2Dグラフィックスのオブジェクトのことです。
スプライトが動いたり、回転したりといった場合に自動でクリアなピクセル画に調整されます。動きをスムーズに見せるための作業が必要ありません。ドットの質感を生かした2Dゲームを制作する際にとても役立つでしょう。
SVG Importer
拡大や縮小を行なっても画質が損なわれない柔軟性を持ったSVG(Scalable Vector Graphics)ファイルの画像を、プロジェクトに直接インポートできる機能がSVG Importerです。
SVG Importerは、一般的なSVG1.1の機能に対応。ファイルをインポートすると、2Dで使用できるスプライトが作成されます。
ピポッドポイントによるソート
スプライトの回転の中心点であるピポッドポイントを幅広いソート方法を利用した参照方法で使えるようになりました。これにより、それぞれのゲームに適した基準を設定できます。
2Dの六角形タイルマップ(Hexagonal Tilemaps)
We’ve added Hexagonal Tile support to Tilemap. ???? Try them out in 2018.2: https://t.co/s5JwAYepLm Discover all the latest 2018.2 improvements here: https://t.co/QHfkoLQBMI pic.twitter.com/8ARDWdeOLK #unity3d #gamedev #tilemap https://t.co/tNwmv58gXM
— Rus Scammell (@rustumscammell) 2018年7月11日
2Dのタイルマップで、Flat top・Point topの六角形タイルが利用可能になりました。ストラテジー系・ボートゲーム・シミュレーションゲームなどの制作で、活躍するのではないでしょうか。
モバイルプラットフォームの強化
Android用ARM64を正式にサポート
Unity 2018.2でAndroid向けのARM64が正式にサポートされるようになりました。64bitのアプリ・ゲームにおいて、4GB以上のメモリ領域が使用可能になり、パフォーマンス面でのメリットが期待できます。
Google Play Instant Games
プラグインのGoogle Play Instant Gamesを使えば、Android向けのアプリをすぐにGoogle Play Instant向けのアプリに変換が可能です。
Google Play Instantは、インストールなしで10MBのアプリをすぐに試せます。インストールの手間なしでアプリを試せるのはユーザーにとってとても魅力的です。また、デベロッパーにとっても、ユーザーに制作したアプリを楽しんでもらいやすくなるでしょう。
Google Play Instant | Android Developers
APKの分割
x84・ARM64・ARM32など、対象とするアーキテクチャによってAPKを分割するオプション機能が追加されました。
Javaのファイルをプラグインのように扱える
Unity 2018.2では、「.java」「.cpp」「.a」のファイルがプラグインフォルダーに追加可能になりました。Unityのプラグインとしてファイルは認識され、APK(Android application package)としてコンパイルされます。
このようなファイルをAndroid Studioで別にライブラリをビルドする必要がなくなったことはとても便利な機能の追加と言えるでしょう。この機能に注目しているユーザーも多く見られます。
Unity2018.2にあるJavaソースをjarとかに纏めずにPluginとして扱うことが出来ると思われる機能、結構良さそうなので楽しみ。
詳細は分からんけどWebGLのjslibみたいな感じになるのかな?Support for using Java source files as plugins in Unity projecthttps://t.co/hRAiG2H80e
— mao (@TEST_H_) 2018年6月14日
エディターや性能の改善
スクリプト変更時の動作の設定が可能に
Unity 2018.2からスクリプトを変更した際の動作を下記の3つから選べるようになりました。
- Recompile And Continue Playing
- Recompile After Finished Playing
- Stop Playing And Recompile
これ意外とでかい!
【Unity】Unity 2018.2.0b1 から、エディタ再生中にスクリプトを変更した時の挙動を設定できるようになった https://t.co/ph5k8LireL— ゲーム????@専門学校デジタルアーツ仙台 (@gameDigitalarts) 2018年7月21日
HDPIディスプレイに対応
Unity 2018.2はHDPIディスプレイに対応。Windows・Linuxのパソコンで高DPIスケーリングができるようになりました。
Unity 2018.2 でようやくエディタがHDPIディスプレイに対応したので、2年くらいホコリかぶってた4Kディスプレイに移行。快適だ。
— Y. Motti (@y_motti) 2018年7月20日
Vulkanへの実験的な対応
Unity 2018.2では、WindowsとLinuxにおけるエディターでのValkanの実行に実験的に対応しています。
Vulkanは、PCやコンソールから、携帯電話や組込みプラットフォームに至るまで、あらゆるデバイスで使われる最先端のGPUに高効率かつクロスプラットフォーム型のアクセスを実現する、新世代のグラフィックス/コンピュートAPIです。 引用元:Vulkan – Industry Forged
Texture Mipmap Streaming
mipmapは、距離の遠いオブジェクトには荒いテクスチャを使用し、距離の近いオブジェクトには細かいテクスチャ使用することで、グラフィックスのクオリティとメモリーのセーブを両立します。
Texture Mipmap Streamingは実際に読み込むミップマップを制御できるので、テクスチャに使用するメモリの消費をさらに抑えることができます。また、GPUのメモリをセーブできる可能性も秘めているのです。
Holographic RemoteでUWPアプリ利用可能に
Windows上のUnityで作成したUWPアプリを、MRゴーグル「HoloLens」でもリモートで利用できる機能です。これによりパソコンの処理能力を生かしたHoloLens向けのアプリ開発が可能になります。
詳しい設定方法などは、以下のUnity Blogの記事をご覧ください。
Create enhanced 3D visuals with Holographic Remoting in UWP – Unity Blog
Unity 2018.2で発生している問題点とは
機能の追加や改善がある一方で、変化によって発生している問題もあります。以下で、ユーザーから言及されている問題や影響を与えそうな変更点について紹介します。
MacのVS CODEの問題
ソースコードエディタであるVS Code(Visual Studio Code)のMacでの利用に置いて、「入力補完が効かなくなる」「プロジェクトが正しく開けない」というバグが発生しているという報告が見られます。現状は、特に言及している方がいないことから、2018年7月26日にリリースされたUnity 2018.2.1f1でバグが解消された可能性も考えられます。
もしも、バグが発生した場合には、パッケージをインストールすれば利用できるようです。ただし、こちらは公式にアナウンスされている方法ではありませんので、自己責任で慎重に判断して利用しましょう。
Unity 2018.2でなんか入力補完が効かなくなった問題
Windows (Visual Studio) https://t.co/9v7yYzKNJL
Mac(VS Code) https://t.co/Eye6nA0rjn— 椿 (@tsubaki_t1) 2018年7月10日
UnityScriptのサポート終了
以前にUnityのブログでも説明されていましたが、Unity 2018.2でUnityScriptのサポートが終了しましたので注意してください。
UnityScriptは、JavaScriptと似たプログラミング言語でした。しかし、JavaScriptとは異なったため、使用するユーザーはとても少なかったのです。そして、Unity 2017の段階で、エディタのオプションからJavascript(UnityScript)は非表示になりました。
現在、UnityではC#の利用が可能です。UnityScriptをC#に変換するツールもUnityから提供されていますので、UnityScriptを使っていた方はプログラミング言語の学習と並行して利用すればスムーズに行こうができるでしょう。
今回の廃止を受けて、アセットストアでもUnityScriptを含むパッケージが受け付けられなくなり、既存のパッケージも削除されました。
Unityのロードマップについて
UnityはUnity 2018.2およびUnity 2018.3のロードマップについてもすでに公開しています。今回の改善点や新機能を踏まえると、今後はAR・VR・MRなどのXRの分野に対する機能がさらに充実していくのではないでしょうか。
Unityのロードマップが気になる方は、下記の公式サイトからチェックしましょう。
UnityとGoogle Cloudが提携
2018年6月19から開催されたUnityのカンファレンスイベントであるUnite Berlin。そこでUnityとGoogle Cloudが提携することが発表されました。
合わせて、Google CloudとUnityはオープンソースのマッチメイキングプロジェクトの共同開発を行なっていることも発表。そのプロジェクトは「Open Match」と名付けられ、2018年の夏にリリース予定です。
Creating together: Unity and Google Cloud – Unity Blog
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