「転職したいけど、30代で年収が下がるのが怖くて踏み出せない…」
「年収が下がったけど、転職して良かったと思えるケースはある?」
「転職で年収が下がる時の許容範囲はどれくらい?」
転職するのであれば、年収アップを目指したいところですが、年収ダウンを受け入れざるを得ない場合もあります。
そして、年収が下がるのが怖くて転職に一歩踏み出せない方もいるでしょう。
そこで本記事では、転職で年収が下がるケース、年収が下がる時の許容範囲、年収は下がったけど転職して良かったケースなどを紹介します。
「転職で年収が下がるのが怖い」という方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
この記事の目次
【年代別】転職で年収が下がった人の割合はどれくらい?
転職で年収が下がる人は実際、どの程度いるのでしょうか。
厚生労働省の『令和4年 雇用動向調査結果』を元に、令和4年1年間における転職によって給与が下がった人・変わらなかった人・上がった人の割合(%)をまとめました。
年齢 | 上がった | 変わらない | 下がった |
~19 | 47.8 | 33.9 | 14.7 |
20~24 | 40.5 | 25.2 | 29.4 |
25~29 | 45.6 | 26.9 | 26.7 |
30~34 | 39.4 | 27.1 | 32.3 |
35~39 | 44.9 | 28.8 | 23.3 |
40~44 | 38.0 | 28.9 | 32.3 |
45~49 | 34.2 | 36.5 | 27.6 |
50~54 | 24.9 | 37.4 | 36.1 |
55~59 | 29.1 | 28.4 | 39.9 |
60~64 | 16.2 | 19.6 | 63.7 |
65~ | 13.0 | 30.8 | 52.5 |
計 | 34.9 | 29.1 | 33.9 |
年代別に見ると50代未満の転職者では、年収が上がった人の割合が下がった人の割合を上回っており、50代以上になると逆転していることが分かります。
若い世代ほど転職で年収が上がる人の割合が多い要因としては、元々の年収が高くないことや、転職の選択肢が多いことが考えられるでしょう。
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転職で年収が下がるのはどんなとき?
ここでは、転職で年収が下がるケースとして考えられるものを6つ紹介します。
- 未経験の職種や業種に挑戦するとき
- 給与制度・評価制度が変わるとき
- 契約形態が変わるとき
- 給与水準の低い職種・役職に変わるとき
- 給与水準の低い業界に転職するとき
- 労働時間が短くなるとき
未経験の職種や業種に挑戦するとき
未経験の職種や業種に挑戦する場合などは、転職によって年収が下がってしまうことがあります。
20代での転職など、ポテンシャルを重視して採用された場合は、年収が下がらずに転職できるケースも考えられます。
しかし、30代以降で未経験の職種や業種に挑戦するとなると、基本的には転職によって年収が下がると思った方がよいでしょう。
特に業種・職種ともに未経験の場合は年収が下がる可能性が高くなります。
一方、転職先の業種・職種のどちらかが現職と同じ場合は経験をアピールできるため、必ずしも年収が下がるとはいえないでしょう。
給与制度・評価制度が変わるとき
給与制度や評価制度が変わることによって年収が下がってしまうケースです。
具体的には、以下のような例が挙げられます。
- 前職:基本給400万円+インセンティブ100万円=年収500万円
- 転職先:基本給450万円=年収450万円
転職によって基本給は上がったものの、前職にあったインセンティブ制度が無いため年収が下がったケースです。
この他、前職では残業代が出ていたけど、転職先は残業代込み(みなし残業)の制度のため、給与が減ってしまうケースも考えられます。
契約形態が変わるとき
前述の評価制度だけでなく、契約形態の変更により年収が下がる場合もあります。
例えば、正社員で月の給料が額面で40万円だったのが、業務委託契約で額面40万円に変わったとしましょう。
金額だけで見れば、差はないように思えます。
しかし業務委託契約の場合、保険料などを自己負担しなければならず、手取り金額を比べると、額面では同じ給料の正社員より低くなってしまいがち。
額面だけでなく、契約形態も踏まえてどの程度手元にお金が残るかも重要な指標です。
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給与水準の低い職種・役職に変わるとき
給与水準の低い役職や職種に変わる場合は、転職で年収が下がることがあります。
一概にはいえませんが、一般的には役職や職種によって給与水準が決まっています。
特に同じ業界で同じ職種・役職の場合は給与水準が決まっており、年収を上げるにはより大きな規模の会社に転職するしかありません。
具体的には、現職が中堅自動車メーカーの営業職で同じ業種・職種のまま転職で年収を上げるには、大手自動車メーカーに転職するしか方法が無いということになります。
役職が変わって年収が下がる例としては、中堅家電量販店の店長から、大手家電量販店の販売員になるケースが考えられます。
この場合、同業種で会社の規模は大きくなったものの役職は下がったため、年収が下がることが多いでしょう。
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給与水準の低い業界に転職するとき
給与水準の低い業界に転職した場合も、年収が下がることがあります。
同じ事務職であっても、例えば給与水準の高い情報通信業の会社から、給与水準の低い飲食業に転職した場合は、年収が下がる恐れがあるでしょう。
逆に、同じ職種のまま年収を上げたいならば、給与水準の高い業界に転職するのがおすすめ。
労働時間が短くなるとき
残業時間の減少など、労働時間が短くなることで年収が下がることがあります。
具体的には、前職では残業も多い分、残業代によって給与が増えていた。
しかし、転職先はなるべく残業が発生しないような体制だったため、その分の給与が下がってしまうというケースです。
この場合、基本給が上がらないと給与は減ってしまうため、事前に平均残業時間などを確認する必要があります。
転職で年収が下がって後悔するケースと許容範囲
ここでは、転職で年収が下がって後悔するケースと、一般的な許容範囲について紹介。
年収ダウンで後悔するケース
転職で年収が下がって後悔するケースとして、以下のような例が挙げられます。
- 大幅に年収が下がった
- リサーチ不足
- 軸がブレている
大幅に年収が下がって後悔するケースです。年収が半減するなどの場合、余程やりたかった仕事でもない限りは後悔することが考えられます。
「『年収が下がってでも転職したい』と思って転職したものの、実際に働いてみたらイメージと違った」というような、リサーチ不足により後悔するケースも考えられます。
また、転職の軸がブレている場合も、年収ダウンを覚悟していたにも関わらず、転職によって後悔するかもしれません。
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年収ダウンの許容範囲
転職で年収が下がっても後悔しない、年収ダウンの許容範囲はどのくらいでしょうか。
基準は人それぞれですが、一般的には10%以内のダウンが許容範囲といわれています。
具体的には以下のような金額です。
- 年収300万円→年収270万円
- 年収400万円→年収360万円
- 年収500万円→年収450万円
- 年収600万円→年収540万円
月収を例にすると、よりリアルに感じられるかもしれません。
- 月収20万円→月収18万円
- 月収30万円→月収27万円
- 月収40万円→月収36万円
- 月収50万円→月収45万円
ただし、許容範囲は生活スタイルや居住地域によっても変わってきますので、自分が無理なく生活できる年収を算出しておくのがよいでしょう。
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「給料は下がったけど転職して良かった」と思えるケース
転職で年収が下がった人の中には、後悔していないどころか「給料は下がったけど転職して良かった」と感じている人もいます。
例えば以下のようなケースでは、「年収は下がったけど転職して良かった」と感じられる可能性があるでしょう。
- 伸びている業界で働けることになった
- 長時間残業が減って体調不良が解消された
- 人間関係が良くなりストレスが軽減された
- ずっとやりたかった仕事に就けた
- リモートワークになり家族と過ごせる時間が増えた
- リモートワークになり満員電車から解放された
- 通勤時間が短くなり自分の時間が増えた
- フレックスになりプライベートとの調整がしやすくなった
- 有給をフルで消化できるようになった
- 昇給幅が大きくなった
自分が年収以外で大切にしているものを把握し、それを叶えられる企業を選ぶのが重要です。
まとめ:年収かやりがいか 転職の軸を決めよう
本記事では、転職で年収が下がるケース、年収ダウンで後悔するケース、年収ダウンの許容範囲、年収が下がったけど転職してよかったと思えるケースなどを紹介しました。
厚生労働省によると、年齢が上がるほど転職で年収が下がる傾向があることが分かりました。
転職で年収が下がるケースについて、再度以下にまとめます。
- 未経験の職種や業種に挑戦するとき
- 給与制度・評価制度が変わるとき
- 契約形態が変わるとき
- 給与水準の低い職種・役職に変わるとき
- 給与水準の低い業界に転職するとき
- 労働時間が短くなるとき
また、年収ダウンで後悔するケースとしては、「大幅に年収が下がったとき」「リサーチ不足」「軸がブレている」などが挙げられます。
年収ダウンの一般的な許容範囲は、10%以内と考えておくとよいでしょう。
一方で、「給料は下がったけど転職して良かった」と思える場合も。転職の目的は年収アップだけではありませんので、自分の軸を把握して転職活動するのが重要です。
また、企業や業界、職種によっては転職によって一時的に年収が下がっても、数年で前職の年収を超える例もあります。
年収を重視するか、やりがいを重視するのか、10年後を見据えた転職計画を立てられるとなおよいでしょう。
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