スマホゲームやブラウザゲームを作ってみたいけど、初心者だから作り方が分からないという方は多いかもしれません。
そこで本記事では、初心者向けにゲーム作り方の手順、無料で使える開発ツール、自作ゲームの公開サイトなどを紹介します。
※本記事は、現役エンジニアが監修した記事です(2021年9月)
※記事内の情報は2023年4月執筆時の内容です。最新情報は公式サイト等でご確認ください。
この記事の目次
ゲームを作る前に知っておくべきこと
本章では、ゲームの作り方を解説する前に、初心者が知っておくべきポイントを4つ解説。
- 初心者でもゲーム制作はできる?
- ゲーム制作は無料でできる?
- ゲーム制作に必要なプログラミング言語は?
- ゲーム制作に必要なものは?
初心者でもゲーム制作はできる?
初心者でも、簡単なゲームであれば最短1週間ほどで制作できます。
ただし、家庭用ゲームや高度な技術を使ったゲーム制作などは、十分なプログラミング知識やゲームエンジンの使用スキルが備わっていないと難しいでしょう。
そのため、初心者はまずパソコンのブラウザで動作する、シンプルな操作で遊べるゲームを作ることから始めてみてください。
ゲーム制作は無料でできる?
パソコン代やインターネット回線代などを除けば、基本は無料でゲーム制作が可能です。
しかし、売り上げが一定以上発生したらロイヤリティが発生するツールもあります。
そのため、マネタイズを想定してゲーム開発する場合は、使用するツールによって料金が発生する可能性があることを考慮しておきましょう。
ゲーム制作に必要なプログラミング言語は?
ゲーム制作に必要なプログラミング言語は、C#/C++/JavaScript/Swift/Rubyなどです。
C#/C++は、言語の中でも難易度が高いとされるため、初心者にはJavaScript/Swift/Rubyなどをおすすめします。
また、使うツールによっては、ノンプログラミングも可能です。
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ゲーム制作に必要なものは?
ゲーム制作に最低限必要なものをまとめると、以下の通りです。
- 開発用のパソコン:メモリ 8GB/CPU Core i5/ストレージ 256GBくらいが目安
- 開発環境:ゲームエンジンもしくはゲーム制作ツール
- ネット環境:安定したネット回線があると動作が快適
上記の通りで、開発用のパソコンは制作するゲームや使うツールに合わせて、ある程度のスペックが求められます。
以下で、ゲーム制作で用いられる「ゲームエンジン」と「ゲーム制作ツール」について紹介。
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ゲームエンジン
ゲームエンジンとは、ゲーム制作に必要な機能を統合したソフトウェアで、特定のジャンルにとらわれず、高度なゲーム開発が可能です。
代表的なゲームエンジンは、「Unity」と「Unreal Engine」が挙げられます。
また、映像コンテンツ・自動車産業・医療現場での3Dモデリング・VR技術に活用されるなど、ゲーム以外でも導入事例があります。
ゲーム制作ツール
ゲーム制作ツールとは、特定のゲームジャンルに特化したツールです。
代表的なゲーム制作ツールは、「RPGツクールMV」や「SMILE GAME BUILDER」などが挙げられます。
ノンプログラミングで制作できるツールも多く、初心者にも扱いやすいのが特徴。
ゲームの作り方を6つの手順で解説
本章では、初心者向けにゲームの作り方の手順を6つに分けて解説します。
- どんなゲームを作るか決める
- ゲームの簡単な仕様書を作る
- ゲーム制作ツールを準備する
- ゲーム内で使う素材を準備する
- プログラミングを行う
- テストプレイを行う
①どんなゲームを作るか決める
まずは、ざっくりでいいので、どのようなゲームを作るか決めましょう。
具体的には、ゲームのジャンル(RPG・アクション・パズルなど)、プラットフォーム、登場するキャラクター、操作方法(なるべくシンプルな操作がいい)などの大枠を考えましょう。
初心者におすすめなのは、簡単なパズルゲーム系やクイズゲーム、ノベルゲームなど。なるべく動きが少なく開発工程が短いものがおすすめです。
大体の方針が決まったら、仕様書に落とし込みます。
②ゲームの簡単な仕様書を作る
続いて、ゲームの簡単な仕様書を作りましょう。
設計図にあたるものなので、なるべく細かく考えていく必要があります。
具体例として、以下のようなポイントを落とし込みます。
- キャラクターの数や仕様
- 必要な画面数
- 画面ごとの画像やボタンの配置場所
- ボタンを押したときに発生するイベント
- 画面ごとに使うBGMや効果音が鳴るタイミング
上記の通りで、できれば仕様書を共有してフィードバックをもらえると、不足している部分が補えるのでなおよいです。
③ゲーム制作ツールを準備する
仕様書が完成した後は、ゲーム制作ツールを準備します。
iOS専用ゲーム・Android専用ゲーム・ブラウザゲーム ・家庭用ゲームなど、作るゲームのプラットフォームやジャンルなどで、使えるツールは異なります。
また、初心者はなるべく無料で使えるツールを準備するのがおすすめです。
④ゲーム内で使う素材を準備する
ゲーム制作ツールの準備と合わせて、ゲーム内で使う素材も準備しましょう。
デザインソフトを使って自作してもよいですが、デザインに時間がかかるとモチベーションの低下を招きかねません。
したがって、まずは自由に使えるフリー素材を用意するのがおすすめです。
⑤プログラミングを行う
ゲーム内で使う素材の準備も完了したら、いよいよプログラミングです。
仕様書を見ながら、キャラクターの動きや画像の配置などを落とし込んでいきましょう。
プログラミング初心者の場合は、学習サービスや教材などを利用して、必要な言語の基礎を固めてから作業に入りましょう。
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⑥テストプレイを行う
ひととおりプログラミングが完了したら、テストを行います。
ゲームを最初から最後までプレイしてみて、挙動がおかしい部分がないかチェックしましょう。
バグが見つかった場合は、デバッグでプログラムの穴を見つけて、修正していきます。
テストプレイとデバッグを繰り返して、正常な動作が確認できれば完成です。
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初心者がゲームを作る上で注意すべきこと
本章では、初心者がゲームを作る上で注意すべきことを5つ解説します。
- 高い目標を立てない
- こだわりすぎない
- 著作権に注意する
- マネタイズを考えるのは後
- 分からないことは質問する
高い目標を立てない
1つ目は、最初から高い目標を立てないことです。
初心者がいきなり「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」のような壮大な長編ゲームを作ろうとすると、挫折する確率が極めて高いです。
そのため、最初は小規模でシンプルなゲームから制作し、小さい目標・ゴールをコツコツと積み重ねていきましょう。
こだわりすぎない
2つ目は、こだわりすぎないことです。
ゲーム作りをいざ始めてみると、あれもこれもとやりたいことが増えていくかもしれません。
しかし、決めたこと以外までこだわると、時間とエネルギーを消耗してしまい、モチベーションの低下につながる恐れがあります。
したがって、まずはゲームを完成させることを第一に取り組みましょう。
著作権に注意する
3つ目は、著作権に注意することです。
ゲーム制作にあたり、キャラクターやサウンドなどをフリー素材サイトなどから拾ってきて使うこともあるでしょう。
特に、商用利用を考えている場合は、サイトの利用規約などを確認し、著作権を侵害しないように細心の注意を払いましょう。
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マネタイズを考えるのは後
4つ目は、ゲームのマネタイズを考えるのは後にすることです。
マネタイズする場合、課金要素の追加・広告・ユーザーへのサポート対応など、考える要素が増えてしまいます。
これらは初心者には早すぎるため、まずは開発スキルを高めることに注力し、ゲーム制作に関する知見を広めてから考えましょう。
分からないことは質問する
5つ目は、分からないことは質問することです。
質問する場合は、プログラミング質問サイト・ツールのサポートページ・SNSなどを活用するとよいでしょう。
ただし、あいまいな表現は避け、具体的で分かりやすい質問を心がけましょう。
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無料で使えるゲームエンジン・ゲーム制作ツール
本章では、無料で使えるゲームエンジン・ゲーム制作ツールを7つ紹介します。
- Unity
- Unreal Engine
- Cocos2d-x
- Scratch
- WOLF RPGエディター
- Light.vn
- Springin’
Unity
- 対応プラットフォームはWindows/Mac/PlayStation/iOS/Androidなど
- シンプルな3Dゲームならば、ノンプログラミングで制作できる
「Unity」は、あらゆるプラットフォーム・ジャンルのゲーム制作に対応した、メジャーなゲームエンジンです。
何でもできる反面、大規模で扱いが難しいため、ゲーム作りに慣れてきたら導入を検討してみるとよいでしょう。
無料版は、売り上げが年間10万ドルを超えない範囲で利用できます。
Unreal Engine
出典元:Epic Games, Inc.
- 対応プラットフォームはWindows/Mac/PlayStation/iOS/Androidなど
- ブループリント機能によるノンプログラミング、C++によるカスタマイズに対応
「Unreal Engine」は、Epic Gamesが開発したメジャーなゲームエンジンです。
最大の特徴は、実写と見間違うほどの高性能なグラフィックです。
料金は基本無料で、売り上げが100万ドルを超えると5%の使用料が発生します。
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Cocos2d-x
出典元:Cocos2d-x
- 対応プラットフォームはWindows/Mac/iOS/Androidなど
- 2Dゲーム開発用のゲームエンジンで、特定のOSに依存しないクロスプロットフォーム開発に対応
「Cocos2d-x」は、iOSやAndroidのスマホゲームを中心に広く採用されている、2Dゲーム開発用のゲームエンジンです。
完全無料で自由度の高い開発が可能で、軽快な動作も魅力です。
Scratch
出典元:Scratch
- 小学校の教材としても活用されているビジュアルプログラミングツール
- GUI画面で直感的に操作できるので、初心者でもゲーム開発が簡単
「Scratch」は、マウス操作で部品をグラフィカルに組み合わせて開発する、ビジュアルプログラミングの1つです。
GUI画面上でブラウザゲームを開発し、作ったゲームは「Scratchコミュニティ」から世界中に公開できます。
WOLF RPGエディター
- RPG開発用のゲーム制作ツールで、作ったゲームは自由に配布できる
- RPG開発に最低限必要なメニュー・戦闘・お店などが基本システムとして搭載
「WOLF RPGエディター」は、見下ろし型のRPGを開発できるゲーム制作ツールです。
完全無料で使えるのに加えて、ゲームは自由に配布・販売・コンテスト投稿などが可能です。
Light.vn
- ビジュアルノベル系に特化した完全無料のゲーム制作ツール
- 「日本語基盤スクリプト」と「リアルタイムプレビュー」を搭載した、初心者にも優しい開発環境
「Light.vn(ライト・ヴィエン)」は、ノベルゲームの開発におすすめなゲーム制作ツールです。
完全無料で使えるのに加えて、ゲームの配布・販売も自由に行えます。
Springin’
- プログラミング不要でアプリや絵本が作れる
- 無料で使えるBGM・効果音は約1,000種類
- 作った作品は他のクリエイターと共有したりコンテストに応募できる
「Springin’(スプリンギン)」は、子供から大人までプログラミング不要、お絵かきのような感覚でゲームを制作できるアプリです。
なんといっても、スマホでゲームが作れる手軽さが最大の特徴で、基本料金は無料。
ゲーム制作に対して敷居の高さを感じている方は、Springin’でゲームを作る楽しさを体験してみてください。
自作ゲームを公開できるサイト
本章では、自作ゲームを公開できるサイトを7つ紹介します。
- Steam
- itch.io
- unityroom
- App Store
- Google Play Store
- ふりーむ!
- PLiCy
Steam
- 国内外の有名タイトルが多数リリースされているPCゲームストア
- 自作ゲームを公開する場合、前払金・ゲームの審査・ストアページの準備などが必要
「Steam」は、アメリカのValve社が運営する、PCゲームの有名サイトです。
自作ゲームを公開するには、前払金や審査などのステップを踏むため、初心者には少しハードルが高めといえるでしょう。
itch.io
出典元:itch corp
- インディーズゲームを中心に手軽にゲームを購入・販売できるプラットフォーム
- PWYW(Pay What You Want)を採用しており、ゲームの価格をユーザーが自由に決められる
「itch.io」は、小規模でオリジナリティのあるインディーズゲームが多数配信されている、PCゲームのプラットフォームです。
自作ゲームの公開に伴う面倒な手続きはなく、購入金額はユーザーが自由に決められるため、個人でゲーム制作を行う方には使い勝手がよいです。
unityroom
出典元:naichilab
- Unityで制作したゲームをWebGL形式でアップロードできる投稿サイト
- 公開手順は簡単かつ無料なので、初心者でも安心して投稿できる
「unityroom」は、Unityで制作したゲームを簡単にアップロードできる投稿サイトです。
WebGL版でアップロードすると、ブラウザだけでゲームが遊べるのでおすすめです。
App Store
出典元:Apple
- iOSアプリやmacOSアプリを多数配信
- アプリを公開するには、Apple Developer Programへの登録や審査に伴う各種手続きが必要
「App Store」は、iOS/macOS/iPadOS/watchOSなどの、Apple製品のアプリが配信されているApple公式ストアです。
公開手順を分かりやすく解説している記事も多いので、検索して調べていけば初心者でも問題なく公開できるでしょう。
Google Play Store
出典元:Google
- Androidデバイスにインストールが可能なAndroidアプリを多数配信
- アプリを公開するには、Google Play デベロッパー アカウントへの登録および支払い、アプリ登録などの手順を踏む
「Google Play Store」は、Androidアプリが多数配信されている、Google公式ストアです。
サポートページやネット記事に公開手順がまとめられているため、手間はかかるものの、比較的分かりやすいはずです。
ふりーむ!
出典元:Freem
- 無料で遊べるPCゲームが多数配信されている老舗サイト
- 規約の範囲内で制作した作品ならば審査に通りやすく、初心者でも気軽に投稿できる
「ふりーむ!」は、ユーザー数の多い老舗フリーゲーム投稿サイトです。
本サイトからダウンロードした作品を実況する配信者も多いので、無名でも遊んでもらえるかもしれません。
PLiCy
出典元:PLiCy
- パソコンのブラウザやスマホで自作ゲームを公開・共有することができる投稿サイト
- 作ったゲームをブラウザで遊べるように変換してアップロードしてくれる
「PLiCy」は、PC・スマホゲームの開発から公開まで行える、フリーゲーム投稿サイトです。
作ったゲームをブラウザで遊べるように変換してくれるため、使い勝手にも定評があります。
まとめ:ゲームの作り方を覚えて面白いコンテンツを生み出そう
初心者向けにゲーム作り方の手順、無料で使える開発ツール、自作ゲームの公開サイトなどを紹介しました。
シンプルなゲームであれば、初心者でも簡単かつ無料でゲーム制作が可能です。
ぜひゲームの作り方を覚えて、面白いコンテンツを生み出しましょう。
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