「ITリテラシー」という言葉を聞いたことはありますか?
この記事を読んでいる方の中にも「ITリテラシーとは何か、うまく説明できない」という方や、コンピュータやネットワークに対しての苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。
本記事ではITリテラシー向上に役立つ資格を紹介しています。
ITリテラシーを身につけるメリットや、ITリテラシーが低いことで被るデメリットなども解説していますので参考にしてみてください。
この記事の目次
ITリテラシーとは
ITリテラシーとは、通信・ネットワーク・セキュリティなどの情報技術を自分の目的に合わせて活用できる能力を意味します。
情報技術を意味するIT(Information Technology)と、識字という意味から転じて「情報や知識を活用する能力」を意味するようになったリテラシー(Literacy)という英語を組み合わせた言葉になります。
ITリテラシーは大きく分けて3つの要素で構成されます。
まず、情報を使いこなす能力を指す「情報リテラシー」。
次にコンピュータやそれに伴う機能を使いこなす能力を指す「コンピュータリテラシー」。これは、パソコンやアプリケーションを活用するために役立ちます。
そして、ネットワークを正しく利用できる能力を指す「ネットリテラシー」など、その範囲はIT技術の進歩とともに拡大しています。
ITリテラシーが低いと、生活やビジネスにおいて多くのトラブルが発生する可能性もあります。そのため、社員教育の一環としてITリテラシーの研修を行う企業も多く見られます。
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3つのITリテラシー
ITリテラシーには主に3つの種類があります。資格を取得したいと思われているなら、まずは3つのITリテラシーについて知っておくことが大切です。
ITリテラシー1:情報基礎リテラシー
情報基礎リテラシーとは、見つけた情報が本物であるかどうかを見極めるための能力を指します。
インターネット上で見つけた情報は、必ずしも本当であるとは限りません。真偽を検証し、本当に正しい情報を選び取り、活用していくためには情報基礎リテラシーが必要です。
ITリテラシー2:コンピューターリテラシー
続いてのコンピューターリテラシーとは、さまざまなデバイスを活用できる能力のこと。
デバイスはパソコン、タブレット、ソフトウェア、アプリケーション、その他の周辺機器とさまざまです。ITを使いこなすためには、まずデバイスを使いこなせなければなりません。
多くのデバイスの使い方を習得できれば、操作を誤ったり、情報漏洩につながったりする可能性を軽減できます。
ITリテラシー3:ネットワークリテラシー
最後に解説するネットワークリテラシーとは、ネットワークを活用するために必要とされる能力のことです。
例えばセキュリティやモラルなどが該当するでしょう。ネットワークリテラシーがなければ、企業の信頼が失墜してしまうこともありえます。ネットワークリテラシーを習得して、正しく活用できるようになることが大切です。
ITリテラシーを高めるおすすめ資格試験
ITリテラシーを高めることができるおすすめの資格試験をご紹介します。資格を取得すれば知識が得られるだけでなく、ITリテラシーに関する公的に証明された評価を得ることが可能です。
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ITパスポート試験
出典:ITパスポート試験
ITに関わる基礎的な知識を身につけられる試験に、ITパスポート試験があります。
ITパスポート試験はIPA(情報処理推進機構)が実施する、IT技術を利用するすべての方が持っておくべきITに関する基礎知識が証明できる国家試験です。ITの専門用語や基本的な概念などを体系的に学習できます。
また、ITパスポートは情報セキュリティや情報モラル、企業コンプライアンス・法令遵守といったビジネスに関わるITの利用について学ぶこともできます。
それにより、企業のセキュリティを高め、情報漏えい・法令違反といったリスクを下げることができます。
受験資格:特になし
試験料:公式サイト参照
「うちの会社にも内部統制室があるけど、あの部署の人たちはこんなことしてるんや」「うちらが業者さんに確認してる作業人工ってこういうことだったのね」等々、別にIT関連企業でもなんでもない自分の会社の業務でも関わりのあるところが多くて、そういう意味で自分の会社の業務の流れに目を向けることができたのが良かったと思いました。
引用元:ノースキルの文系女子だけどITパスポート試験に合格したよ。 – 片道書簡→
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情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、IT技術の進歩に伴う情報セキュリティのニーズの高まりを受けて、国家試験である「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として作らた試験です。
情報セキュリティを守るためのIT技術による対策や、情報管理や業務フローの見直し、従業員の意識向上といった管理面の対策といったセキュリティマネジメントに関する実践的な技術・知識を学ぶことができます。
受験資格:特になし
試験料:公式サイト参照
1問目:オンラインストレージサービスの情報漏えいについて
2問目:営業の持ち出しPC紛失による対策について
3問目:Webサイト閲覧によるウィルス感染対処について
という問題が出題されたのですが、
これって他人事じゃない!!!
引用元:社会人2年目が28年秋情報セキュリティマネジメント試験を受けてきた率直な感想 _ いしもぐ
IC3
出典:IC3(Internet And Computing Core Certification)
IC3(Internet And Computing Core Certification)はコンピュータの基礎知識や基本操作、ネットワークの基礎知識について学べる試験です。
また、IC3は世界共通の資格試験で、科学的な分析に基づいて一定のレベルが保たれている信頼性の高い国際資格です。日本だけでなく、グローバルに有効なITリテラシーが身につけられます。
試験科目は下記の「コンピューティング ファンダメンタルズ」「キー アプリケーションズ」「リビング オンライン」の3つにわかれており、コンピュータやインターネットに関する総合的な基礎知識・技術に関する試験内容となっています。
・コンピューティング ファンダメンタルズ
ハードウェア・ソフトウェア・オペレーティングシステムなど、コンピュータ全般の基礎知識に関する内容
・キー アプリケーションズ
ワープロソフトや計算ソフトなど使われることの多いアプリケーションの機能や操作方法に関する内容
・リビング オンライン
インターネットやネットワーク環境でコンピュータを利用する際の基本的な知識・操作に関する内容
受験資格:特になし
受験料(一般 ):公式サイト参照
IC3資格と言うのは、パソコン初心者やソフトウェアは使いこなすことはできるけど、パソコンのハード面に関しての知識が少ないという人に、とてもお勧めの資格である
引用元:IC3資格の学習内容【インターネットに関するパソコン資格】
P検(ICTプロフィエンシー検定)
P検(ICTプロフィエンシー検定)は「ICT(Information and Communication Technology)を活用した問題解決能力」が身につけられる資格です。プロフィエンシーとは運用能力や実践力などを意味します。
P検は5級から1級まであります。パソコンの全般知識・技術・概念などのICTの基礎をはじめ、それを企業・職場で活用できる能力へ段階的に学んでいきます。そして、目標とするICTプロフィエンシーを発揮できる能力まで、発展させられるように試験は作られています。
ITリテラシーを学ぶために、まずは「入社時に要求されるICT活用スキルを有する人材」とされる3級の取得を目指すとよいでしょう。企業で研修を受けた場合などにそのスキルを証明するために取得を行ってみてはいかがでしょうか。
また、自分が受けるレベルがわからない場合にはP検のサイトから模擬試験を受けることで実力の確認ができます。
受験資格:特になし。※ただし、1級の受験には2級以上に合格していることが条件となります。
試験料(一般):公式サイト参照
パソコン関連の検定ではMOS・J検・P検が三大検定と呼ばれているので聞いたことある方も多い方と思います。
(上記3検定に日商PCを合わせて4大検定と呼ぶ方もいます)
いずれにしろP検はメジャーな検定になります。
引用元:P検定・・・準2級への道
情報検定(J検)
出典:情報検定(J検)
情報検定(J検)は、現代のIT社会に必要とされるICT技術を持っていることを証明できる文部科学省後援の資格です。
情報検定はIT人材に必要とされる情報システム・情報活用・情報デザインの3つの区分にわかれて実施されます。
この中で、ITリテラシーを学ぶ時に適しているのが「情報活用試験」です。
情報活用試験は、ITやコンピュータを利用する人に求められる能力を「情報利用活用能力」として体系化することで、情報リテラシーに対する評価基準を定めた試験です。
受験資格:特になし
受験料:公式サイト参照
就職先はコンピュータを使用する職場ですべてが対象です。コンピュータやITの知識を持ち、活用方法についても一定のレベルを取得しているアピール材料になります。
引用元:情報検定の合格率≪J検や試験内容・難易度と就職≫
日商PC検定
出典:日商PC検定
日商PC検定は日本商工会議所が実施する公的資格です。
日商PC検定は「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3分野にわかれて、試験を行っています。
試験内容は文書・資料作成などに重点が置かれ、パソコンやネットワークをいかにビジネスシーンで活用できるかという実践的なITリテラシーを持っていることを証明できる資格になっています。
日商PC検定は各分野ともに1級から3級があり、文書作成・データ活用のみBasicがあります。
受験資格:特になし
試験料:公式サイト参照
日商PC検定は企業業務でITを活用する実践的なスキルを認定する資格であることを売りにしています。 確かにMOS試験がOfficeのソフトウェア的な機能に重点を置いた試験なのに対し、日商PC検定ではExcelに保存されたデータの方に重点が置かれている
ドットコムマスター
ドットコムマスターはNTTコミュニケーションズが運営しているインターネット検定です。就職・転職・スキルアップのために必要な知識を学べ、ICTスキルを証明するために有効でしょう。
ベーシックとアドバンスの2つのランクがあり、ベーシックは基礎的なことを学べます。そしてアドバンスではより実践的なことを学べるため、企業のSEとして働きたい方などにおすすめです。
また合格できれば、IPv6の技術を習得していることも証明できるため、時代に合ったICT活用ができる人材としても認められるかもしれません。
受験資格:特になし
受験料:公式サイト参照
基本的なICTスキルは、専門分野だけでなく幅広い職種において必要とされるスキルです。「ドットコムマスター ベーシック」は、営業・企画・開発・研究・人事・総務…など、さまざまな職種の業務に役立つ実践的なICT知識を学ぶことができます。
ネットリテラシー検定
インターネットを正しく活用するための見識を学べる資格がネットリテラシー検定です。
インターネットは便利でありながら、使い方を間違えるとさまざまな脅威にさらされてしまいます。企業内でリテラシーが欠如していては、大きなリスクを背負うこともあるでしょう。
そこでネットリテラシー検定では、インターネットを正しく利用するために必要な知識と行動を習得します。
受験資格:特になし
受験料:公式サイト参照
道徳的なことはわかりますが、法的な事はわかりませんでした。とても大事な事なので、勉強し続けていきます。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はITに携わる方にとって、登竜門とも言える有名な資格です。
先にご紹介した「ITパスポート試験」と同じく、情報処理推進機構によって運営されています。エンジニアとして活躍するためにITリテラシー関連の資格を取得したいと考えるなら、まずは基本情報技術者試験から受験しましょう。
IT関連の資格としては基礎的ではありますが、その後の応用に進むために必要な知識を幅広く学べます。
受験資格:特になし
受験料:公式サイト参照
上位者の指導の下に、次のいずれかの役割を果たす。
1.組織及び社会の課題に対する、ITを活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義に参加する。
2.システムの設計・開発、汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、利用者にとって価値の高いシステムを構築する。
3.サービスの安定的な運用の実現に貢献する。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
Microsoftによる認定を受けられる資格で、WordやExcelなどのスキルを証明できるようになります。
企業で広く利用されているMicrosoftのソフトウェアを、どれだけ有効活用できるかを問う資格です。Word、Excel、Accessには一般レベルと上級レベルの2つのランクが用意されており、自分のスキルに合ったほうを選べます。また上級レベルの合格を狙うことで、さらなるスキルアップを目指せるでしょう。
受験資格:特になし
受験料:公式サイト参照
“MOSの勉強をすることによって、「エクセルに、そんな機能があったんだ」ということを知ることができますし、知ってさえいれば、“いままでやっていた仕事が、もう少し効率化できるんじゃないかな?”という発想をもつことにもつながっていくと思うんですよね。”
Word文書処理技能認定試験
Wordを実務で使いこなす力をアピールできるのがWord文書処理技能認定試験です。文書の作成はもちろん、表を挿入したり、印刷をしたりするための力を問う資格。
企業ではOfficeソフトの能力がある人材を求めていることが多く、就職や転職活動に役立つ資格だと言えます。
受験は在宅でもできるため、どなたでも気軽に受験できるのも魅力です。
受験資格:特になし
受験料:公式サイト参照
わからない問題は実際パソコンで操作すると、より理解が高まり身についていきます。 問題集で講座では習っていない問題がありましたが、解いていくうちに知らなかった機能を沢山覚えて、色々な発見をする事ができました。
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ITリテラシーの資格を取得するための勉強手順
ITリテラシーの資格を取得するためには、次のような手順で勉強するのがおすすめです。
【勉強手順】
- 目標と学習計画を設定する
- 自分に合う教材を選ぶ
- テキストを2周読んで基本を理解する
- 過去問題を解く
- 弱点を見つけて克服する
- もう一度テキストを読む
- 試験当日まで復習をしながら対策を練る
資格試験に合格するには、まず目標と学習計画の設定から始めます。そして自分に合った教材を選びましょう。過去問がついている教材であれば、出題の傾向もわかるでしょう。
教材を準備したら、まずはテキストを2周読みます。内容が頭に入ったら過去問を解いてみてください。すると自分の弱点であるところが見えてきます。弱点は何回も繰り返し復習して、完全にわかるようにすることが大切です。
過去問を解いてみて理解が深まったら、再度テキストを読みましょう。内容が理解できていないと感じたら、再度過去問を解いてみるのもひとつの方法です。試験当日まで何度も復習を繰り返して試験に臨んでください。
ITリテラシーを高める本
ITリテラシーは本からも習得することができます。
資格取得の勉強よりも手軽に始めることができます。以下で、ITリテラシーを高めるための本を2冊紹介します。
おすすめ本①AI vs 教科書が読めない子どもたち
最近「AI」という言葉をよく耳にしますが、実際に「AI」が何か、どのようなことができるのかを説明できる人は多くはないのではないでしょうか。
この本で「AIには何ができて、何ができないのか」を学ぶことで、AIを「人間の仕事を奪う存在」としてではなく、「社会やビジネスに活用できるもの」と捉え直すことができます。
おすすめ本②web技術の基本
多くの人が日々接しているwebサービスが、どのような仕組みで動いているのかをわかりやすく説明している本です。
ネットワークやセキュリティ、サーバーなどweb周りの知識が浅く広く網羅されています。
大手IT企業の新卒研修でも使われており、IT初心者にもわかりやすい内容となっているので、ぜひ参考にしてください。
ITリテラシーを身につけるメリット
ITリテラシーが現代人にとって必須のスキルであることはおわかりいただけたのではないでしょうか。
次に、ITリテラシーを身につけることにどのようなメリットがあるのか詳しく解説していきます。
コンピュータを効率的に使える
ITリテラシーには、インターネット・アプリケーション・コンピュータを活用できる能力が含まれます。これはコンピュータリテラシーと呼ばれています。
近年、購入したパソコンは難しい設定をせずに、ガイドに従えば簡単に利用可能です。とても使いやすくなっています。しかし、仕事で効率的にツールとして活用するためには、それに適した設定やカスタマイズが必要です。ITリテラシーを身につければ、それをスムーズに行えるでしょう。
企業では生産性を高めるためにさまざまなシステムを導入して、仕事の効率化をはかりますが、社員のITリテラシーが低ければ、このシステムを充分に活用することができません。いくら優れたツールを導入しても、それを使いこなすスキルがなければパフォーマンスは発揮できないでしょう。
また、パソコン・OS・アプリケーションといった用語の意味や仕組みをある程度わからなければ、Webなどの概念を理解することは難しいでしょう。もちろん、基本的な要素が理解できていないのに、クラウドなどのさらに高度な仕組み・概念を理解することはできません。
さまざまなツールを効率的に活用するためには、最低限のコンピュータリテラシーは不可欠です。また、ITリテラシー教育を行い社員のITリテラシーを高めることができれば、より生産性の高い仕事が実現できるというメリットもあります。
正確な情報をすばやく得られる
ITリテラシーにはデータベースからの情報の抽出や、インターネットを利用した情報の収集といった、ITを利用した情報の扱い方に関する基本的な技術・知識も含まれます。これは、情報リテラシーにあたる部分です。
そのため、ITリテラシーが高ければ、大量の情報の中から正しい情報を得ることや、自分が必要となる情報を的確に見つけることができます。
また、ITリテラシーが低い人はパソコンをツールとして使いこなせず、インターネットから有益な情報を得ることも難しくなります。情報を知識・スキルへと発展させるために、正確ですばやい情報収集が大切です。
新入社員の育成を担当する方などはパソコンの使い方やツールについてだけでなく、この情報収集に関してもしっかり教育を行うと良いでしょう。
高齢者のインターネット利用と情報格差
総務省が実施した平成29年通信利用動向調査には、年齢別にインターネットの利用状況を調査した資料が掲載されています。
その資料によると、日本でインターネットを利用している方は60代で72.2%、70代で45.3%とあります。このことから多くの日本の高齢者がWebを何らかの形で利用していることがよくわかります。
インターネットには自宅で買い物ができるネット通販や地図アプリをはじめ、簡単に利用できて生活を便利にできる多くのサービスがあります。正しく活用できれば生活を豊かにするツールと言えるでしょう。
その反面、ITリテラシーに対する意識が低く、正確な情報が得られないために詐欺などの犯罪や信憑性の低い危険な情報を信じてしまうといったケースも発生しているのです。
このような日本における情報格差の発生を考えると、頻繁にインターネットを利用する方だけでなく、高齢者にとってもITリテラシーは重要と言えるでしょう。
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セキュリティ事故を防げる
ビジネスでIT技術を活用する場合には、最低限のセキュリティに関する知識が必要になります。
メールを利用する際、宛先の確認や添付ファイルの暗号化・パスワードの確認、USBなどの外部記憶装置の取り扱いなど、情報漏えいに注意して業務を行うことが求められます。
このような注意点に対して、ITリテラシーの学習により情報の扱い方や技術に対するを注意点を理解できれば、システム利用時のリスクを下げることができ、セキュリティ事故を未然に防ぐことにつながります。
また、ITリテラシーのスキルはメールだけでなくチャットツールなどを利用する際にも大きな効果が期待できます。
企業に所属する社員の方であれば、セキュリティに関わることはとても重要。個人としてだけでなく、会社の信頼に直結すると認識して学習を行いましょう。
セキュリティに関するITリテラシーを社員が身につけることは、企業コンプライアンスを強化する上でも大切なことです。IT企業だけでなくセキュリティに関する教育は、どのような企業にとっても必要と言えるでしょう。
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ネット炎上を未然に防げる
近年、ニュースなどで目にすることの多い、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を利用した「炎上」のトラブル。日本だけでなく、海外でも多く見られます。
「炎上」とは、職場での利用する道具の不適切な利用や、会社内の事情をSNSに投稿し、それを見た不特定多数の方から問題として取り上げられることで発生します。
時には個人が批判されるだけでなく、企業の評価を大きく下げるケースもあります。このSNSの間違った利用による炎上もITリテラシーが高ければ防げるのです。
炎上の原因として、友人や知人に見られることは想定していも、不特定多数の方が閲覧できるということを理解していないことが考えられます。炎上問題を発生するケースの多くは、SNSというコミュニケーションツールを正しく理解していないということでしょう。
そのため、「炎上」などネットワーク利用に関わるトラブルを防ぐためには、ITリテラシーを高め、ネットワークに関する適切な知識を身につけることが重要です。その知識をもとに適切に画像・文章などの投稿を行えば、炎上のリスクを下げられるでしょう。
ITリテラシーが低いことのデメリット
ITリテラシーが低いと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。以下で主なデメリットを紹介します。
詐欺にあう可能性がある
ITリテラシーが低いことのデメリット1つめは「詐欺にあう可能性がある」です。
フィッシング詐欺(偽のメールを送ってログイン情報を盗み出す詐欺)やSNSのアカウント乗っ取り、ワンクリック詐欺(クリックするだけで料金を請求してくる詐欺)など、インターネット上ではさまざまな詐欺が横行しています。
特にワンクリック詐欺の件数は増えており、McAfeeの調査によるとなんと16%の人が被害経験があるとの報告も。
ITリテラシーが低いと、このような詐欺に気がつかずに騙されてしまう可能性が高まります。
仕事が非効率になる
ITリテラシーが低いことのデメリット2つめは「仕事が非効率になる」です。
例えばパソコンだと、「ショートカット」や「アプリ」などを駆使して仕事をしたほうが効率的に作業ができるので生産性が高まります。
また、プログラミングを習得すれば作業を自動化することも可能です。2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されるので、今の小学生が社会人になる10数年後にはプログラミングを使って仕事をするのが一般的になるでしょう。
市場の把握ができない
ITリテラシーが低いことのデメリット3つめは「市場の把握ができない」です。
最近では市場の動向は、インターネットによって行われることがほとんど。顧客の動向を忠実に把握するためには、インターネットをフルに活用しなければなりません。
データの収集や分析には、インターネットを使いこなす能力が必要です。ITリテラシーの資格取得のために勉強をすれば、顧客のニーズや市場の動向を把握しやすくなるでしょう。
企業のイメージダウンにつながる
ITリテラシーが低いことのデメリット4つめは「企業のイメージダウンにつながる」です。
ITリテラシーが低い場合、インターネット上での誹謗中傷や情報漏洩のリスクが高まります。インターネット上でのミスは、直接的に、企業の信頼失墜につながります。
企業のイメージを守るためにも、ITリテラシーは必要だと言えます。
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さらにITリテラシーを高めるために
ITリテラシーは会社の研修や資格の取得によって学習を行ったらそれで終わりではありません。
時代の変化とITの進歩に合わせて、知識・スキルを発展させていくことが大切です。
以下で、その具体的な方法とポイントについて紹介します。
ITリテラシーは学び続けることが大切
ITリテラシーを高めるためには、ITの特徴について考える必要があります。
IT技術は進歩を続けており、技術や機器は日々新しいものが登場します。数年前の常識は通用しなくなることもあります。
そのようなITの特徴を考え、ITリテラシーを高めるためには、新しい情報を入手して学び続ける必要があります。
正確な情報の入手が大切
ITリテラシーを高めるには、正確で新しい情報の入手に取り組みましょう。
まず、IT関係の本を読むことやセミナーを受講することで、情報を入手する方法があります。
インターネットを使用した情報収集の手段として、ITに関するニュースやITの情報を発信するブログのRSSを登録すれば新しい情報をいち早く入手できます。
また、TwitterやFacebookなどのSNSで情報発信しているアカウントをフォローすれば、個人や企業が持つ、細かな情報の入手できます。このようにさまざまな方法でITの情報を入手することが可能です。
また、情報を入手する時に気をつけたいのが情報の正しさに対する判断です。
複数の情報の比較やサーチエンジンでの詳細の確認など、ITリテラシーを生かした方法で判断することが求められます。
スキルとして活用する
次に、情報から得たIT機器や技術を自分で使ってみることが大切です。なぜなら、情報として知っていることとスキルとして使用できることは大きく異なります。
また、実際に使ってみることで、情報だけでは気づかない良い点や問題点をチェックできます。ただし、新しい機器・技術をすべて使う必要はありません。
あなたの仕事や興味に関連するもの、新しい可能性を開くもの、効率を向上させるものなど、目的に合わせて柔軟に活用しましょう。
それにより、新しい使い方に気づくことやITに対する視野を広げることができます。うまくいかない場合にはサポートやインターネットを利用することで、あなたの技術を高めることにもつながります。
このように、ITリテラシーは興味をもって情報の入手や実践を繰り返すことで、時代に合ったITリテラシーへとアップデートを続けることが可能です。
環境の整備が大切
社内のITリテラシーを高めるには、環境の整備も欠かせません。例えば研修を行ったり資格取得を推奨したりすれば、自然と従業員のITリテラシーは高まっていくでしょう。
また社内のインターネット機器を定期的にメンテナンスしておくことも重要です。インターネット上で簡単に情報のやりとりが出来てしまう時代だからこそ、セキュリティ環境を万全な状態にしておきましょう。
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テストでITリテラシーをチェック
自分のITリテラシーのレベルが気になった場合には、Web上で公開されているテストの実施がおすすめです。
テストが利用できるサイトを紹介
総合的にITリテラシーの実力を知りたい場合には、ITパスポートの取得をサポートするWebサイトであるITパスポート試験ドットコムを利用すると良いでしょう。予想問題を解けば、自分の得意・不得意な分野が理解できます。
セキュリティに関するリテラシーを重点的に確認したい場合には、IPAのWebサイトがおすすめです。理解度テストを解くことでさまざまなアプローチからセキュリティについて学ぶことができ、現状のあなたのセキュリティ診断も行えます。
セキュリティチェック|ここからセキュリティ! 情報セキュリティ・ポータルサイト
子どものITリテラシーをチェック
子どもがどの程度ITリテラシーについて理解しているか気になった場合には、総務省の情報通信白書 for Kidsにて提供されている「理解度診断テスト」を利用しましょう。
日本の公共機関が提供しているテストはやはり信頼性が高いです。テストを解きながら幅広くITの基礎的な知識が身につけられます。幼い頃から子どもITを利用するケースも増えています。
不特定多数の人とつながるSNSを自覚なく使う場合もあるでしょう。そのような状況を想定すると、ITリテラシーの教育には早い段階から取り組みたいものです。
Webに関してのスキルをチェックした場合には、KDDIのネットスキル診断もおすすめです。
ITリテラシーを身につけ市場価値の高い人材になろう
このように、ITリテラシーを高めることには「生産性の向上」「的確で素早い情報収集」「セキュリティのリスクの回避」など、さまざまなメリットがあります。
そして、ITリテラシーが高まれば、パソコンやインターネットの活用によって、新たな技術・情報を楽しんで学ぶことにもつながります。
また、昨今話題のDXを推進する上でもITリテラシーの向上は欠かせません。
IT人材白書2020によると、「DXを実現する上で、社員全体のITリテラシーが不十分である」と答えた企業はDXに取り組んでいる企業で46%、DXに取り組んでいない企業で49.5%と、社員のITリテラシー不足を認識している企業が半数近くを占めました。
そのため、ご紹介したITリテラシーを高める資格を取得すれば、あなたのITリテラシーのレベルを証明することができ、就職や転職の際に有利になります。社員の方は会社内での地位の向上につながる可能性もあるでしょう。
あなたもITリテラシーを高める勉強をはじめてみてはいかがでしょうか。
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
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