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「Julia」とはどんなプログラミング言語?使用するメリット・デメリットやPythonとの違いを解説

更新: 2024.03.08

Julia」は、機械学習や数値計算において注目を集めているプログラミング言語です。

本記事では、Juliaとはどんな言語なのか、使うメリット・デメリット、競合といわれるPythonとの違いなどを解説します。

※本記事は、現役エンジニアが監修した記事です(2021年9月)

プログラミング言語「Julia(ジュリア)」とは?

プログラミング言語「Julia」とは?

本章ではまず、Juliaの概要について以下の流れで解説します。

  • 2012年に公開されたプログラミング言語
  • 機械学習・数値計算と相性がよい
  • Juliaの特徴
  • プログラミング初心者にはおすすめしない

2012年に公開されたプログラミング言語

「Julia」は、マサチューセッツ工科大学(MIT)によって設計されたプログラミング言語です。

開発に携わった研究者は、Jeff Bezanson氏、Stefan Karpinski氏、Alan Edelman氏、Viral B. Shah氏らです。

Juliaの開発が始まったのは2009年頃で、2012年のオープンソース化を経て、2018年8月に安定版の「ver. 1.0」が公開されました。2024年現在も精力的にアップデートされています。

Juliaは、Python/C言語/MATLAB/R/Perl/Rubyなどの影響を受けており、これらの言語のいいとこ取りを目指したモダンな言語といわれています。

機械学習・数値計算と相性がよい

Juliaは、機械学習や科学技術計算と相性が良い言語です。

特に、機械学習アプリを手がけるデータサイエンティストから強く支持されています。

データサイエンス分野では、複雑な高等数学やビッグデータ解析などを行うために、コーディングと実行結果の評価を繰り返し行います。

Juliaは、シンプルな構文と高速処理で計算処理を効率化できるため、データサイエンティストの負担を最小限に抑えられるのです。

Juliaの特徴

Juliaのおもな特徴をまとめると、以下の通りです。

  • 無料のオープンソース(MITライセンス)
  • 動的言語なのに高速でハイパフォーマンス
  • 多重ディスパッチ(マルチメソッド)
  • 静的型付けの導入も可能
  • PythonやC言語の関数の呼び出し

上記の通りでプログラミングをサポートする嬉しい機能がいくつも導入されています。

プログラミング初心者にはおすすめしない

Juliaは、文法がシンプルで覚えやすく、初心者でも手を出しやすい言語だといえます。

しかし、後発言語のため、上位の言語と比較すると使用人口や活用事例が少ないのが現状です。

また、「Juliaの学習に最適なのはコレ」という学習教材もなく、現状は公式の英語版ドキュメントを参照するしかありません。

したがって、言語自体は初心者でも取り組みやすいものの、学習環境を整えるのが難しいため、初心者にはあまりおすすめできません。

プログラミングが初めての方は、「julia以外で初心者におすすめのプログラミング言語」も参考にしてみてください。

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JuliaとPythonの違い

JuliaとPythonの違い

Juliaは、機械学習・AI開発で先を行く存在であるPythonとよく比較されます。

JuliaとPythonの違いを簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 処理スピード:Juliaは、Pythonの約30倍の処理スピードを誇る
  • 汎用性:Pythonは機械学習からWebアプリまで汎用性が高い、Juliaは得意分野以外では使いにくい
  • ライブラリの種類:Pythonはライブラリが豊富、Juliaはまだまだ少ない
  • 外部連携:Juliaは、Python・C言語・Fortranなどとの外部ライブラリ連携が可能
  • 案件数:国内の案件数は圧倒的にPythonが多く、Juliaは数える程度
  • コミュニティ:約30年の歴史があるPythonはコミュニティが大きい、後発のJuliaのコミュニティは限定的
Julia Python
処理スピード
汎用性
ライブラリの種類
外部連携
案件数
コミュニティ

Juliaを使う4つのメリット

Juliaを使うメリット

本章では、Juliaを使うメリットを4つ紹介します。

  • 非常に高速な処理スピード
  • 構文がシンプル
  • 外部連携に優れる
  • 将来性の高さ

非常に高速な処理スピード

1つ目は、非常に高速な処理スピードです。

Juliaは、Pythonと同じ動的型付けの言語であり、動的言語は総じて速度が遅めです。

しかし、JuliaはLLMV(Low Level Virtual Machine)によるJIT(実行時)コンパイルを採用しているため、静的言語のC言語と同等かそれ以上の高速処理を実現しています。

構文がシンプル

2つ目は、構文がシンプルなことです。

例えば、数値と変数の掛け算を行う場合、Juliaは「*」を省略して「2x」と記述できます。

また、for文ではループの範囲を「初期値:増減値:終了値」で決めるため、「1:10」や「1:1:10」のように理解しやすい形で記述できます。

さらに、Juliaは型推論を実装しており、JavaやC言語のように型宣言を行う手間もありません。

外部連携に優れる

3つ目は、外部連携に優れることです。

JuliaはPythonやJavaなどの汎用的な言語と比較して、ライブラリの種類が乏しいです。

しかし、その代わりに必要に応じてPythonやC言語と連携できる機能を備えているため、拡張性の高さで弱点を補っています。

将来性の高さ

4つ目は、将来性のある言語だということです。

TIOBE Software社が発表している『TIOBE Index』(2024年2月時点)では、Juliaの人気ランキングは34位でした。

そのため、Pythonと肩を並べるまでに成長するのは、時間がかかると予想されます。

しかし、機械学習やデータサイエンスでポジションを築きつつあるのも事実です。

バージョンアップを経て安定性が増し、認知度が上がれば、採用事例は確実に増えるでしょう。

Juliaを使う4つのデメリット

Juliaを使うデメリット

本章では、Juliaを使うデメリットを4つ紹介します。

  • 使用人口が少ない
  • ライブラリが少ない
  • 情報収集が難しい
  • 頻繁なアップデート

使用人口が少ない

1つ目は、使用人口が少ないことです。

例えば、2024年3月確認時点で「Stack Overflow」でJuliaの質問を検索すると、約12,000程度の質問が見つかりました。

これは極端に少なく、PythonやJavaScriptの質問数と比較すると一目瞭然です。

また、2024年3月時点で「ワークポート」でJuliaの求人を検索すると、結果は5件未満しかなく、対してPythonで同じく検索すると、約4,000件も見つかりました。

このように、現状は求人やコミュニティを見つけるのが難しいのです。

ライブラリが少ない

2つ目は、使えるライブラリがまだまだ少ないことです。

Juliaは、まだまだニッチな言語のため、ライブラリが限定的かつ種類が乏しいです。

しかし、PythonやC言語との外部連携により、ライブラリの少なさを補っています。

情報収集が難しい

3つ目は、情報収集が難しいことです。

Juliaの情報収集については、公式サイトや大手の質問サービスを頼るのがセオリーです。

そのため、日本語で体系的に学べる学習サービスがなく、セミナーや勉強会なども国内ではあまり見かけません。

頻繁なアップデート

4つ目は、アップデートが頻繁に起こる可能性があることです。

後発言語や登場して間もないフレームワークなどは、頻繁なアップデートで仕様が大幅に変わる可能性があります。

そのため、勉強や趣味で始める分には影響は少ないものの、本格的な開発目的で使う場合はアップデートに細心の注意を払うべきでしょう。

Juliaのインストール方法

Juliaのインストール方法

Juliaは、Windows・macOSの両方に対応しています。

Windows版のインストール手順は、以下の通りです。(2021年6月末時点)

  1. Juliaの公式HPに移動
  2. 「Current stable release」より、PCのビット数に合わせたインストーラをダウンロード
  3. インストーラを実行しインストールを完了させる
  4. 環境変数の「PATH」にJuliaのインストール先フォルダを追加(「C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\Programs\Julia 1.6.1\bin」のような形)

macOS版のインストール手順は、以下の通りです。(2021年6月末時点)

  1. Juliaの公式HPに移動
  2. 「Current stable release」より、「macOS」のインストーラをダウンロード
  3. インストーラを実行し、Juliaを「アプリケーションフォルダ」に移動
  4. Juliaアプリを実行しターミナルが正常に起動すればインストール完了
  5. 次回からは、ターミナルから「/Applications/Julia-1.6.app/Contents/Resources/julia/bin/julia」を入力すれば起動が可能
  6. パスを通す場合は、ターミナルにて「cd ~」でHomeフォルダに移動し、「echo “export PATH=${PATH}:/Applications/Julia-1.6.app/Contents/Resources/julia/bin” >> .bash_」と入力

Juliaプログラミングを学べる書籍3つ

Juliaプログラミングを学べる書籍3つ

本章では、Juliaプログラミングを学べる書籍を3つ紹介します。

  • 1から始める Juliaプログラミング
  • Juliaプログラミングクックブック ―言語仕様からデータ分析、機械学習、数値計算まで
  • 基礎から学ぶJulia ~基本文法からデータサイエンスまで

1から始める Juliaプログラミング

本書は、Juliaの初歩的な文法から実践的にテクニックまで体系的に学べる一冊です。

具体的には、Juliaのインストールと実行から始まり、基本構文や言語機能の学習に進みます。

最後の章では、Juliaの特筆すべき特徴である高速処理を実現するための、プロファイリングの方法などを学べます。

ちなみに、対応バージョンはver. 1.2です。

Juliaプログラミングクックブック ―言語仕様からデータ分析、機械学習、数値計算まで

本書は、Juliaを活用するのに便利な約90のレシピを紹介している一冊です。

ITエンジニアのバイブルともいわれる「O’Reilly(オライリー)」が出版しており、有益なテクニックを学べるでしょう。

内容は初心者向けではないため、基礎知識を身につけた後で活用してみましょう。

ちなみに、対応バージョンはver. 1.2で、本書で紹介されているコード例はGitHubからダウンロードが可能です。

基礎から学ぶJulia ~基本文法からデータサイエンスまで

本書は、Juliaに初めて触れる初心者を対象にした一冊です。

難しい専門用語などは極力抑えており、プログラミング初心者でもひととおり学べるような工夫がなされています。

PythonやRなどの知識をお持ちの方であれば、さらに学びやすいかもしれません。

ちなみに、対応バージョンはver. 1.5です。

Julia以外で将来性のあるプログラミング言語

将来性のあるプログラミング言語

Juliaと同じように、今後成長する可能性のあるプログラミング言語は多いです。

そこで、Julia以外で将来性のある言語を以下に紹介します。

  • Go:Googleが開発したコンパイル言語で軽量な動作と可読性の高いコードが特徴
  • Kotlin:Androidアプリ開発に適したモダンな言語でJava仮想マシン(JVM)上で動く
  • Rust:C++に代わる存在として開発された言語で高速処理やメモリ安全性が特徴
  • Dart:Googleが開発した言語でモバイルアプリフレームワーク「Flutter」に採用

上記の言語は、国内での採用事例はまだまだ少ないものの、成長が著しく上位のプログラミング言語をおびやかす存在になるでしょう。

関連記事にて、将来性のあるプログラミング言語をランキング形式で紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。

Julia以外で初心者におすすめのプログラミング言語

初心者におすすめのプログラミング言語

Juliaは、将来性がある一方、学習ハードルが高く初心者にはおすすめできません。そこで、初心者におすすめのプログラミング言語を以下に紹介します。

  • HTML:Webページを表現するために使われるマークアップ言語
  • CSS:Webページのレイアウト・フォント・色などを表現するために使われる言語
  • JavaScript:Webページにアニメーションやフォームなどの動きを加えるために使われる言語
  • Ruby:日本人が開発したスクリプト言語で優秀なフレームワーク「Ruby on Rails」を持つ
  • Python:機械学習やデータ分析に強いスクリプト言語で汎用性があり可読性が高い

上記の言語は、初心者でも扱いやすく学習ハードルが低いのでおすすめです。

また、プログラミング未経験の方は、ビジュアルプログラミングの「Scratch」や日本語プログラミングの「なでしこ」から挑戦してみるのもよいでしょう。

関連記事にて、初心者におすすめのプログラミング言語を紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。

新言語「Julia」で高速プログラミングを体験しよう

Juliaのとはどんな言語なのか、使うメリット・デメリット、競合といわれるPythonとの違いなどを解説しました。

Juliaは、Pythonの競合と目されるものの、まだまだ発展途上でニッチな言語です。

しかし、機械学習や数値計算などの分野で採用事例が進めば、徐々に使用人口も増えて頭角を現すことでしょう。

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この記事を書いた人

ダイスケ@
元ITエンジニアの会社員です。得意ジャンルは、ビジネス, スポーツ, エンタメ系。個人ブログでSEOライティングも行っています。

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