- 尊敬語:主に目上の人に対して、敬意を表すために相手の行動に対して使う言葉(※自分の行動に対しては使わない)
- 謙譲語:相手への敬意を表すため、自分の行動に対して使う言葉。「へりくだった表現」とも言う。
- 丁寧語:身分関係なく、丁寧な言い回しをする際に使う言葉
日本で就職を希望している留学生のなかには、必要となる手続きや活用すべき情報源が分からず困っている方も多いでしょう。
また、日本独特のマナーにまだ慣れていない留学生もいるかと思います。
この記事では、留学生が日本で就職するために必要となる手続きや活用すべき情報源、最低限押さえておきたいマナーを解説します。
留学生が日本で就職するのに必要な手続き
留学生が日本で就職するには在留資格が必要です。以下で手続き方法を解説します。
日本で働くために在留資格(就労ビザ)が必要
留学生が日本で就職するためには留学ビザから就労ビザへの変更手続きが必要です。一般的には「留学」から「人文知識・国際業務」「技術」などの資格へ変更します。
変更できるビザは、現在学んでいる学部系統と就職先の仕事内容によって異なるため注意しましょう。詳しくは出入国在留管理庁のサイトをご覧ください。
変更手続きは地方入国管理官署で行う
ビザの変更手続きは、原則として住居地を管轄する地方入国管理官署に本人が出向いて行います。不備があると在留資格がおりないため、早めの準備を心がけましょう。
在留資格の変更に必要なもの
在留資格の変更には以下のような書類が必要です。
- 在留資格変更許可申請書
- 写真
- 在留カード
- 資格外活動許可書
- 旅券又は在留資格証明書(提示できないときはその理由を記載した理由書)
- 申請取次者が申請を提出する場合は身分を証する文書等
- 申請理由書(必須ではない)
詳しい内容は法務省ホームページを参考にしてください。
就職先でもらう書類
以下は就職先で準備してもらい提出する書類です。
- 法人登記事項証明書
- 雇用契約書のコピー
- 雇用企業の決算報告書のコピー
- 年度の給与所得の源泉徴収書等の法定調書合計表のコピー
- 会社案内
- 雇用理由書(必須ではない)
この中でも提出が免除となる書類や別途書類が必要となる場合もあります。就職先に全て任せるのではなく、必要な書類を把握して自分自身で確認するようにしましょう。
大学や学校でもらう書類
大学や学校では「卒業証明書」または「卒業見込証明書」をもらいます。いずれも原本が必要です。専門学校の場合は「専門士」資格を取得した証明書を準備しましょう。
入管の審査内容
入管の審査では、就職先での活動内容が在留資格に相当するかを確認されます。具体的には以下のような点が審査ポイントです。
- 学歴その他の経歴から相応の技術・知識を有するか
- 従事する予定の職務内容が本人の有する技術・知識を活かせる内容か
- 本人の処遇(給料など)が適当か
- 雇用企業の安定性・継続性が見込まれるか
- 雇用企業で本人の職務を活かすための機会が提供されるか
審査にかかる期間
法務省によると、在留資格変更許可申請の標準処理期間は2週間~1ヶ月となっています。1〜2ヶ月かかることも考え、4月から働くのであれば余裕を持って1月中には許可申請を行うようにしましょう。
就労資格が得られたら
審査をクリアして就労資格が得られると入管法関係手数料4,000円の納付が必要です。4,000円の収入印紙を手数料納付書に貼り付け納付しましょう。
2020年度より留学生在留審査が厳格化
健全な外国人雇用拡大のため、2020年度より留学生在留審査が厳格化されます。
これまで厳格審査の対象であったベトナムやバングラデシュに加え、新たにインド、フィリピン、インドネシアなどを含めた80か国が厳格審査の対象に。
これにより日本での生活費を出す親族の残金残高証明書や親族との関係を示す公的文書などの提出が求められるようになります。
留学生が日本で就職する際の情報源
就職活動を本格的に始める前に、まず日本ではどのような就職先があるのかを調べる必要があります。ここでは留学生が日本で就職活動を行う際の代表的な情報源を7つ紹介しましょう。
大学・学校の就職支援センター
大学や学校の就職支援センターには、その大学の学生を採用したい企業の求人情報が集まります。
大学によっては留学生向けのサイトを設置していたり、学内合同企業説明会を開催していたりしていますので、日本での就職を考えるのであればまずは利用してみましょう。
就職支援センター専任の大学職員が常駐し、就職活動の方法だけでなく、活動中の悩みごとを相談することもできます。
ゼミや研究室の先生の紹介
所属するゼミや研究室の先生からの情報も貴重です。一般的な就職サイトなどの求人媒体ではオープンになっていないような求人情報が得られる可能性もあります。
先生からの紹介で就職が決まったり、過去に研究室から入社した先輩を紹介してもらえたりすることもあります。
外国人雇用サービスセンター
厚生労働省の定めにより、外国人雇用サービスセンターが以下の4箇所に設置されています。
これらのサービスセンターでは、留学生向けの就職ガイダンスや就職面接会の実施、留学生インターンシップなどの支援を行っています。
就職情報サイト
もっとも情報を得られやすいのが就職情報サイトでしょう。以下に留学生向けの就職サイトを挙げます。
これらのサイトでは求人情報だけでなく、留学生が日本で就職活動を行う際に必要なものや、日本企業の特徴なども解説されています。まずは登録して情報収集すると良いでしょう。
求人誌・紙媒体
求人誌などの紙媒体でも情報収集できます。
フリーペーパーの求人情報欄もチェックしてみましょう。
また、東洋経済新報社が発行する「就職四季報」では、5,000社の企業の基本情報や就職試験の概要、選考ポイントを調べられます。日本にはどのような企業があるかを知りたい場合は貴重な情報源となるでしょう。
企業ホームページ
企業によっては就職サイトなどの求人媒体に求人情報を載せていないケースもあります。
もともと気になっている企業があれば、企業のホームページから直接求人情報を得てみましょう。企業ホームページに求人が出ていなくても、人事に直接連絡する方法もあります。
就職エージェント
就職活動をよりスムーズに進めるため、就職エージェントを利用する方法もあります。
エントリーシートや面接の対策をサポートしてくれたり、選考スケジュールの調整も行ってくれたりする強い味方です。他の媒体ではオープンになっていない求人情報を持つエージェントもいます。
留学生が戸惑いがちな日本企業特有のルール
日本には特有の文化があります。留学生にとっては、就職活動を行う中で戸惑う部分もあるかもしれません。
就職活動を始める前に、あらかじめ日本独特のルールを覚えておくとよいでしょう。
尊敬語や謙譲語などの言葉遣い
日本語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があります。話す相手と自分との身分の違いによって、言い回しを変える文化があるのです。
これらの言い回しは、会社のお客様に対してのみに使うのではありません。社内でも自分よりも上の役職の人に対しては尊敬語を使ったり、自分の行動に対して謙譲語を使ったりします。
日本語はこのような言葉遣いによって、相手に伝わる印象が大きく異なります。面接でも重要となる部分ですので、基本的な言い回しは学んでおきましょう。
年功序列
日本企業は年功序列が強く根付いています。勤続年数が長い社員から順に昇進するのです。
近年はこのスタイルでない企業も出てきていますが、全体的に年功序列の企業が多いことを理解しておきましょう。
年功序列制度の下では、たとえ大きな成果を上げたとしても年齢が若いことが理由で十分な評価が得られない可能性があります。
企業が年功序列かどうかを確認するには、役員の年齢を見るのが一つの目安かもしれません。高い年齢の役員で占められている場合は年功序列の企業である可能性が高いと言う人もいます。
もし若くても成果を上げただけ評価をもらえる企業で働きたいのであれば、社員の平均年齢が若い企業を選んだほうがよいでしょう。
チームプレーを重視
日本には「周囲の意見に合わせる」独特の文化があります。
あなたの学校の友達でも周囲の意見を気にする人がいないでしょうか。これは協調性が高く和を重んじる文化がある日本特有のものと言えるでしょう。
組織で働く際も、個人で突き抜けるよりもチーム全体で成果を上げることのほうが評価されることも多いです。
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仕事第一
日本でも近年は「ワーク・ライフ・バランス」といった言葉が浸透しつつあります。しかしまだ「仕事第一」の文化が根強いのが現状です。
仕事をする際も「自分のため」よりは「企業のため」といった意識も強いです。
そのため自分の仕事が終わっても周囲の仕事が終わっていないと帰りにくかったり、上司が帰るのを待って帰宅するといったことも。また自己都合の休日をとることに対して罪悪感を持つ人も多いです。
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しっかりと準備をしてから就職活動に臨むべき
日本での就職活動を行うにあたり、不安に感じることは多いでしょう。
何事も早めに準備をして損をすることはありません。
後悔のない就職をするためにも、まずは、やるべきことをリストアップしてから就職活動に取り組むことをおすすめします。
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