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ノー残業デーで働き方改革はできたのか?制度の内容や現状を解説

更新: 2024.02.21

働き方改革が重視され、耳にすることの増えた「ノー残業デー」という制度。

実際にいま働いている企業で導入されているという方もいるかもしれません。

本記事では、ノー残業デーという制度の内容や狙い、現状などを解説します。

※記事内の情報は2024年2月執筆時の内容です。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

ノー残業デーとは

ノー残業デーとは、企業が従業員に対して、残業せず定時退社させる日を設ける制度のことです。

1週間のうちどの曜日がノー残業デーになるかは企業によって異なるようですが、水曜日としている企業が多い様子。

制度といってもどの企業にも同じルールが適用されているわけではありません。各企業の自主的な取り組みとなるため、細かいルールも企業ごとに異なります。

例えば、ノー残業デーの日は完全に残業を禁止する企業もあれば、あくまでも残業しないことを促す程度にとどめている企業もあります。

1970年代に働き方改革として生まれた

ノー残業デーという制度自体は、実はかなり前から存在しています。

元をたどれば1970年代、高度経済成長期に問題となった長時間労働を解消するための施策として生まれました。

さらに1990年代になると、従業員の過労死が大きな問題に。その緩和を目指すためにもノー残業デーがより注目されるようになりました。

このように働き方改革の一環としてノー残業デーは生まれ、企業で導入が進んでいったのです。

全ての企業で導入されているわけではない

出典元:時間外労働削減の好事例集|厚生労働省

厚生労働省が実施したアンケートによると、平成23年10月時点で「時間外労働削減の施策」としてノー残業デーを取り入れている企業は全体のおよそ60.3%とされています。

データ自体が古いものですので、この数値は変わっている可能性があります。ただ、データからわかることとしてノー残業デーは全ての企業で導入されているわけではないということです。

先ほども説明した通り、ノー残業デーは各企業が自主的に導入する制度。義務付けられているわけではないので、導入するかしないかはそれぞれの企業の判断次第となります。

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ノー残業デーの狙い・メリット

では、ノー残業デーはどのような狙いやメリットがあって導入されるのか具体的に見ていきましょう。主に、以下のような狙いがあります。

  • 生産性の向上
  • 残業時間の削減
  • 残業代など経費の削減
  • ワークライフバランスの実現

生産性の向上

ノー残業デーが導入されることで、残業時間が制限されます。それを受けて従業員たちが作業の効率化を目指すことを目的としていました。

限られた時間の中で仕事をこなすこと意識させ、生産性向上を図ろうとしたのです。

結果として生産性が高まった企業もありますが、全てがうまくいったわけではない様子。そのようなノー残業デーの現状については、後の項目にて説明いたします。

残業時間の削減

残業をしない日ができれば、従業員たちの残業時間削減につながります。

普段忙しく働いていて、残業時間の多い従業員からすればとてもありがたく感じられるでしょう。

しかし、これについても企業や部署、個人単位で見るとマイナスの影響を及ぼしているケースがあるようです。

残業代など経費の削減

ノー残業デーの導入で残業する従業員が減れば、企業が支払う残業代を削減することも可能です。

このような経費のカットもノー残業デーの目的とされています。

ワークライフバランスの実現

残業する日が減ることで、従業員のワークライフバランスが実現することもノー残業デーの狙いやメリットに含まれます。

残業のしすぎは心身への負担をかけるだけでなく、趣味の時間なども奪ってしまうことに。

そのままでは従業員の指揮が下がってしまう恐れもあるので、改善するべくノー残業デーを導入する企業が増えているのです。

ノー残業デーを導入したことで働き方はどう変わった?

ノー残業デーが導入されたことで、仕事終わりの時間を自由に使える人も増えました。

しかし、制度としてうまく運用できていない企業の場合、残業できない日が生まれたことで他の日にそのしわ寄せがいっているケースがあるようです。

結果、他の日の残業時間が伸びたり、休日出勤をしなければならなくなったりすることも。

このような場合、ノー残業デーの導入が働き方にプラスに働いているとは考えにくいでしょう。ノー残業デーについては、以下のように賛否が分かれています。

ノー残業デーの日に会社の飲み会が…

SNSなどを見ていると多いのが「ノー残業デーの日に会社の飲み会が入る」という投稿。

確かにノー残業デーの日であれば、社内の人全員が定時に退社できるため飲み会も開催しやすいでしょう。

しかし、社内の人同士で気を遣い合う飲み会ではなかなか気持ちが休まらないという人もいます。

中には「会社の飲み会は残業では?」という意見もあり、ノー残業デーに開催される飲み会に好意的な人ばかりではないようです。

「上司が残っていると帰りにくい…」仕事が無いのに残業してしまう部下

「仕事も終わって定時に帰れる…けど上司や先輩たちが忙しそうに作業しているのを見るとなかなか帰れない…」

新卒社員や若手社員によくある悩みの一つ。これはノー残業デーの日も同じなようです。

特に、ノー残業デーは強制的に残業をさせないというルールではない職場だと、このようなケースが発生しがち。

本来、仕事が終わった時点で帰っても問題ないのですが、自分より立場が上の人が仕事を続けていたら帰るとは切り出しにくいものです。

ノー残業デーにおすすめの過ごし方

ノー残業デーで定時退社できたのなら、どんな過ごし方をするのかも決めておきましょう。せっかくできた時間を無駄にしないためにも、あらかじめやることを決めておくとスムーズに進みます。

ここからは、定時退社できた後におすすめな過ごし方をいくつか紹介します。

  • 自宅でゆっくり休む
  • 家族・恋人と過ごす時間にする
  • 趣味の時間にする
  • 資格・スキルの勉強時間にする
  • 社内の人とのコミュニケーションの時間にする

自宅でゆっくり休む

残業続きで休めていない方は、ゆっくり休む時間にするのがいいでしょう。

ノー残業デーは従業員が無理なく働くために導入される制度。休む時間に充てるのは本来の使い方と言えます。ゆっくりお風呂に浸かり、なるべく早い時間に寝て明日に備えましょう。

家族・恋人と過ごす時間にする

仕事が忙しく、家族や恋人と過ごす時間を作れていないと感じる方は、ぜひ一緒に過ごす時間として活用してみてください。

いつも働きっぱなしだと、家族やパートナーもあなたを心配していることでしょう。平日に顔を合わせ、食事をするだけでも安心してもらえます。

あなた自身も大切な人との時間を過ごすことで、翌日以降の仕事に対するやる気が生まれてくるはずです。

趣味の時間にする

社会人が趣味に時間を使うとしたら休日になるかと思います。しかし、本当に熱中している趣味ならば毎日だってやりたいはず。

そう思ってウズウズしている方は、ノー残業デーを趣味に費やす日として活用してみてはいかがでしょうか。

仕事で疲れていると帰宅後に何もやる気が起きなくなってしまいますが、好きなことなら話は別。高いモチベーションで取り組めるでしょう。

資格・スキルの勉強時間にする

資格やスキルの勉強をする時間としてノー残業デーを活用するのもおすすめです。

資格取得による手当の支給や、勉強会参加への補助金支給などの福利厚生がある会社だと一石二鳥でしょう。

将来的なキャリアップを考える方は、ノー残業デーは貴重なチャンスと考え、勉強に打ち込んでみてください。

社内の人とのコミュニケーションの時間にする

社内の人とコミュニケーションをとる機会がもっと欲しいと感じている方は、仕事終わりで食事会や飲み会を開催してみるのはいかがでしょうか。

ただ先ほどSNSの投稿でも紹介したように、定時後は自分の好きなことに時間を使いたい方もいます。ですので、強制参加とするのではなく自主的に参加する人のみを集めて行うのがおすすめです。

もちろん「自分が開催した会に来てくれた人は優遇する」といったことはしないよう注意してください。

ノー残業デーのあり方に疑問の声も

ノー残業デーは必ずしもプラスの効果を発揮しているとは限らず、まだまだ課題が残る制度です。

ネットでは「そもそもノー残業デーという残業前提の制度が作られること自体おかしいのでは?」と疑問視する声も。まるで「残業するのが当たり前で、残業しない日を特別に設けている」とも取れる「ノー残業デー」という表現・制度に疑問を持つ人も多いようです。

次の記事では、ノー残業デーに対する様々な意見を紹介。さらに、ノー残業デーを有効活用するためにできることをまとめています。

▶️「ノー残業デーはおかしい」残業すること前提の制度に賛否分かれる

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新卒でベンチャー企業の営業に就職。残業がほぼない会社だったため、仕事が終わったら趣味のブログを書く毎日を送っていました。3年ほど勤めて退職し、ブログをきっかけにテックキャンプ ブログでライターデビュー。好きなものはマンガ、テニス、イラスト、サメです。

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