「チームリーダーになったが、チーム全体の目標もメンバー個別の目標も達成できていない状態が続いている」
「そもそも有効な目標が設定できていないのかもしれない」
「チームマネジメントに有効な目標を設定するためには、どうしたらいいのか」
あなたは現在こう悩んでいませんか。
そこでこの記事では、チームの目標管理のコツを解説します。
この記事の目次
目標管理(目標マネジメント)とは
「目標管理」とは、マネジメント手法の一種です。
これは“マネジメントの父”とも呼ばれるピーター・ドラッカーによって提唱されました。
目標による管理(MBO)
目標管理は、「Management By Objectives」=「MBO」と略されます。
目標管理では、まずチームメンバーそれぞれに目標を設定・申告してもらいます。
しかしMBOは、目標を管理すること自体が目的ではありません。設定した目標の管理は、あくまでも各人の主体性に任せる手法です。
MBOの本来の目的は、目標管理をメンバーそれぞれが主体性を持って行なうことによって、結果として大きな成果を得ることにあります。
目標管理をするための基本的なポイント
ここからは、目標管理の基本的な流れを解説していきます。
メンバー各自が目標を設定する
メンバー各自が目標を設定する際に注意したいのが、「メンバー自らに目標を考えさせること」です。
上司が目標を設定し、部下に押し付けるのでは意味がありません。
アプローチ方法としては、まずチーム全体の目標を開示することから始めましょう。そこから各自が達成すべき目標を決めることによって、メンバー各々の意識を高め、目標達成に対するモチベーションを上げることができます。
目標は適切なレベルに設定しよう
目標設定は各々に任せるのが基本ですが、全てを任せてしまうと大きな成果を得られないケースもあります。
ですからマネージャーは、チーム全体の目標から逆算して、メンバー各々の目標が適切なものになるようにサポートする必要があります。
適切なレベルの目標設定に役立つ考え方の一つが、SMARTの法則です。「SMART」とは、それぞれ以下の言葉の頭文字を取ったものです。
・Specific(明確な)
・Measurable(測定可能な)
・Achievable(達成可能な)
・Relevant (関連性がある)
・Time-bound (期限のある)
以下の記事でも解説していますので、合わせて参考にしてください。
関連記事:適切な目標設定のコツ5つ!役立つ法則や具体的な改善例も紹介
目標達成の手順を明らかにする
目標を設定しても、そのための方法が見えないと挫折する可能性があります。
メンバー各々が着実に目標に向かって動くためには、目標達成までの手順を提示し、その道のりを歩む自分をイメージできるように導く必要があるでしょう。
たとえば、目標達成した時に喜んでくれるクライアントを意識するだけでも、イメージの力が有効に働きます。
そもそもクライアントはどのようなことを望んでいるのか、満足度を上げるためにはどのようなプロセスが必要なのかを考えていくと、今やるべきタスクが見えてくるでしょう。
また、最終的な目標を示すだけでなく、中間目標を設定するのもいい方法です。
フィードバックを欠かさない
前項で中間目標の設定について少し言及しましたが、このような中間地点で進捗チェックを行い、フィードバックを行なうことも大切です。
目標を設定・報告させるだけで、あとは放置してしまうのでは意味がありません。定期的に進捗報告を行い、当初予測していた目標達成までのプロセスを歩めているかをチェックします。
もし理想的なプロセスを踏めていないのであれば、マネージャーは的確なアドバイスを行います。
このようなフィードバックを行うと、メンバーは「見守られている」「サポートされている」ことに安心感を覚え、業務に対するモチベーションアップにもつながるでしょう。
コーチングの要素を取り入れる
フィードバックでコーチングの要素を取り入れるのも効果的でしょう。
コーチングとは、メンバー自身の現在の状況を聞き取り、理想的な状態になるためにはどうすればいいのかを一緒に考える方法です。
この場合大切なのは、メンバー自身の考えを引き出すこと。たとえば以下のような声がけをしてみましょう。
「最終目標が〇〇で、今△△くんは●●まで達成している。残りの期間は半年だけど、△△くん自身はどういう対策が必要だと思う?」
このように主語にメンバー自身を置くことによって、メンバー自ら考えさせるきっかけを与えます。
このことは、目標管理の本来の目的である、「主体的に管理させる」という部分にも一致するでしょう。
関連記事:ビジネスに役立つコーチングとは?ティーチングとの違いや意味・基本知識・スキルについて解説
メンバーに効果的な目標設定をさせるコツ
目標管理では、メンバーが主体的に目標設定するのが前提となっています。
では効果的な目標設定に導くためにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは「3つのコツ」として解説します。
メンバーの目標がチームの目標と離れないようにする
そもそもメンバーの目標管理を行うのは、その先にあるチーム全体、組織全体の大きな目標達成のためです。
ですからメンバー各々の目標とチームの目標のベクトルが、同じ方向を向いていなければなりません。
もし、目標を提示してもらった時点で、チーム全体の目標とのズレが生じているのであれば、修正をかける必要があります。
しかしこの時点で、マネージャーが異なる目標を押し付ける形になるのはよくありません。
目標を設定した理由を尋ねる
目標を修正するアプローチとしていい方法は、「その目標を設定した理由を尋ねてみる」ことです。
その上で、その理由がチームの目標達成のプロセスに果たして合っているのかどうかを、一緒に考えてみましょう。
これは、チーム全体の目標の理由を今一度明らかにすることにもなります。ですから、その結果再設定したメンバーの目標やその目的も、より明確にできると考えられます。
目標にプラスの要素を盛り込ませる
メンバーの目標には、ただチーム全体のメリットになる要素だけでなく、メンバー自身にとってプラスになる要素を盛り込むと良いです。
たとえば「この目標を達成して成果を出せば、将来的には〜のような道も開けるかもしれない」といった将来のキャリアをイメージできた方が、目標達成のモチベーションが上がりやすいです。
このような「これは君にとってもメリットだ」という部分を目標に盛り込むようにしましょう。
そのためには、日頃からメンバーと些細なことであっても、会話を交わしていくことが大切です。なぜなら何気ない会話の中で、メンバー自身が理想とするキャリアが見えることもあるからです。
漠然とした目標は数字などを使って具体化させる
もし、メンバーが提示する目標が具体的に数値化されておらず、期限も曖昧なのであれば、そこは詰めた方がいいです。
先に紹介したSMARTの法則の中にも、「Specific(明確な)」「Measurable(測定可能な)」「Time-bound (期限のある)」という要素がありました。
これらが満たされていると、中間地点でのフィードバックもしやすくなります。
しかし、あまりにも無理な数値を掲げるのもよくありません。もっともメンバーが成長できる目標は、「ギリギリ達成できるライン」です。
これはメンバーの性格も見極めて設定する必要があるでしょう。
定性的・定量的な目標の両方を立てさせる
目標の性格上、具体的な数値化が難しいこともあるでしょう。
しかし数値化できない定性的な目標だけでは、メンバーが何に向かって頑張っているのかがわかりにくく、漠然と作業する時間が続くことも。
ですから数値化できない定性的な目標だけでなく、定量的な目標も立てさせるといいでしょう。
こうすることで、期限が来た時の振り返りがしやすく、「目標が達成できたのかできなかったのかいまいちわからない」という事態を避けられます。
ツールなども活用して最適な目標管理を目指そう
ビジネスにおける目標設定は、チームメンバー各自の判断で決めても基本的には問題ありません。
しかし、目標設定の方法をリーダー・マネージャーが把握していれば、チームに貢献できる最適な目標を部下に決めさせることも可能となるのです。
本記事で紹介したコツはもちろんのこと、以下の記事で紹介する「目標設定に役立つツール」も活用するとさらに最適な目標マネジメントができるようになるでしょう。
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