「自分がリーダーを務めているプロジェクトが遅れ、納期に間に合わなそう」
「急いで作業を進めると、成果物のクオリティが下がってしまう」
プロジェクトを管理するリーダー・マネジャーの中でも、新人の方はこのような悩みを抱えがちです。
プロジェクトがうまくいかないと、自分のマネジメント力に対する自信を失ってしまうでしょう。
このような悩みを解決するには「成果物管理」とプロジェクトの「振り返り」を実践してみてください。
本記事では、この2つを行うためのポイントを解説します。
この記事の目次
成果物管理の重要性
成果物のクオリティを落とさず、期日までに納品する。
これらを達成するために、プロジェクトのリーダーは「成果物管理」をしなければなりません。
プロジェクトの目的である成果物だけでなく、作業の中で出来上がるものはすべて成果物となります。
仕様書や企画書などを管理することも「成果物管理」に含まれるのです。
これらの管理がうまくいかないと、スケジュールに狂いが生まれて納期が遅れたり、作業内容をチームメンバーが把握できず、成果物のクオリティが下がったりします。
身近な例で成果物管理を理解する
「成果物管理」の説明が少し抽象的だったので、より身近な例を使って説明しましょう。
あなたは友人A,Bの2人と一緒に焼肉パーティをしようとしています。
あなたはリーダーとして、各自に仕事を割り振りました。
友人Aは買い物を担当。必要な材料を書いた買い物用の「メモ」を渡しました。
友人Bはご飯を担当。炊飯器を使って「お米」を炊きます。
あなたは友人Aが買ってきた材料を切る担当になりました。
しかし、友人Aに渡した「メモ」に必要な材料を一部書き忘れており、また買い直すことに。
さらに友人Bが炊飯器に入れる水の量を間違えて、「お米」が水っぽい状態に。
結果、あなたが材料を切る時間も遅れ、焼肉パーティは開始予定時間を大幅に超過。
水っぽいご飯を食べながら楽しむことになってしまいました。
この事例では、2つの成果物に問題が発生しています。買い物用の「メモ」と「お米」です。
これらの管理が不十分だったために、焼肉パーティは予定通りにできませんでした。
一つひとつの成果物管理を怠ってしまうと、プロジェクト全体に影響が出てしまいかねないのです。
成果物を正確に管理するコツ
では、成果物管理を正確に行うにはどうすればいいのでしょうか。
基本的に、以下のような流れでプロジェクトを進めてみてください。
プロジェクトの目的と工程を明確にする
成果物管理を行うには、下準備が欠かせません。まずは、プロジェクトの目的を明確にしましょう。
そして、その目的を達成するためにはどんな工程が必要となるかも逆算していきます。
「目的」と「工程」が明らかになることで、プロジェクトの準備がしやすくなるでしょう。
中間成果物の確認をする
中間成果物とは、プロジェクトの作業中に生まれる成果物のことです。
冒頭で説明した仕様書や企画書などが該当します。
成果物管理をするなら、これらの中間成果物の管理も行います。最終的な成果物だけ確認したのでは不十分です。この後で説明する「プロジェクトの問題点」を最後まで気づけず、修正不可能な状態になってしまうかもしれません。
先ほど明確にした「目的」と「工程」に必要な物が出来ているか、随時チェックしましょう。
リーダーが自分で確認してもいいですが、チームメンバーに1日ごとの作業進捗を報告してもらえば手間を少なくできます。
中間成果物を一覧表にしておこう
中間管理物のチェック漏れを防ぐためには、成果物の一覧表を作るのがおすすめです。
目的と工程が明確になった段階で、必要な物をリストアップしておきましょう。
もちろん作業を進めていく中で、事前に必要だとはわからなかった成果物も出てくるはず。そのようなものについても漏れなく一覧表に記入します。
プロジェクトを進め問題点を補っていく
プロジェクトを進める中で問題点があれば、気づいた時点で修正していきます。
作業の段階で問題を見つけられれば、フォローは充分可能です。
「作業しにくい」「もっと進捗を早める方法がありそう」など、不満や疑問点についても早急に解決していきます。
問題点を見つけられるのは、プロジェクトリーダーだけとは限りません。現場で実際に作業をするチームメンバーにしか気づけない点もあるでしょう。
リーダーはこまめにメンバーの作業状況をヒアリングし、問題点を見つけ早めに対処できるよう努めるべきです。
クリティカルシンキングが役立つ
問題点を発見し、作業を改善していくのに一役買うのが「クリティカルシンキング(批判的思考)」です。
「クリティカルシンキング」とは、ある物事に対して「本当にそうなのか?」「他によい方法はないないのか?」など、常識にとらわれず批判的な視点で考えること。
ただ批判するのではなく、「他に最良の方法ないか」を探るのが「クリティカルシンキング」において重要なポイントとなります。
チームメンバーと一緒に、作業に影響のない範囲で時間を決めてプロジェクトを見直すのもいいでしょう。
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最終確認を怠らない
成果物管理は、クライアントの元に成果物が納品されて初めて完了となります。
それまでは油断することなく、ミスがないか最終的な確認をしましょう。
最初に設定した「目的」が達成できているか考えることも大切です。
スケジュールについても気を配る
管理を徹底するのは、成果物のクオリティを高める上でとても重要なことです。
しかし、管理に時間を取られてばかりいると、スケジュールに遅れが出てしまうこともありえます。
納期が設定されているプロジェクトであれば、その納期の範囲で成果物を作り上げ、納品することを優先しなければなりません。そうでないと、依頼主からの信用を落とすことにもなります。
管理は作業スケジュールに影響しない範囲で、過剰に行わないことも意識してみてください。
マネジメントにおける「振り返り」とは
プロジェクト進行中の成果物管理の重要さについてはご理解いただけたでしょう。
さらにあなたのマネジメント能力を高めるには、プロジェクトの「振り返り」も行うべきです。
・作業スケジュールに問題はなかったか
・チームメンバーに負担をかけすぎていなかったか
・もっと早く作業を進める方法はなかったか
などを、プロジェクト終了後に振り返ります。
その中で見つかった課題と解決策を、次のプロジェクトで実践してみてください。
あなたのマネジメント能力がより高まるはずです。
粘り強く試行錯誤する強い心も必要
見つかった課題に対する解決策が、すんなりうまくいくとは限りません。実践してみたら、解決に繋がらないこともあるでしょう。
マネジメントに正解はなく、プロジェクトの内容やチームメンバーによってやるべきことは大きく変わります。
最初はメンバーに負担をかけてしまうこともあるでしょう。それでも、プロジェクト管理の方法を改善していく強い心が必要です。
メンバーの意見を尊重しつつ、プロジェクトも進める。リーダーに苦労は多いですが、粘り強く、あなたならではのマネジメント方法を振り返りの中で見つけましょう。
「KPT」に当てはめて考えよう
振り返りをスムーズに行い、課題と解決策を導き出す方法としては「KPT」に当てはめて考えるのがおすすめです。
「KPT」とは、
K(Keep)=よかったこと
P(Problem)=問題点
T(Try)=挑戦すること
あなたが担当したプロジェクトをこの3つの要素に当てはめて考えていきます。
Keepに当てはまるものは、今後も続けていき、Problemに当てはまるものはやめるか改善策を考えます。
これらを踏まえて、次のプロジェクトでTryできることは何か導き出していくのです。
リーダーだけでなく、チームメンバーにも協力してもらうと、より細部まで課題と解決策をピックアップできます。
マネジメントの成否には「管理」と「振り返り」が大きく関わる
マネジメントの成否には、成果物を「管理」することと、プロジェクト全体の「振り返り」が大きく関係します。
もしあなたがプロジェクトを進める中でこれらを実践していない、徹底が足りないと感じたら、本記事を参考に試してみてください。
この記事は未経験はじめてのプロジェクトマネジメントについて説明している12ステップ記事のひとつです。
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