あなたはVRコンテンツの開発に興味があるものの、「VR開発は難しそう」「プログラミングやITスキルに自信がない」と最初の一歩を踏み出すことが出来ずにはいませんか?
6月10日、テックキャンプ 渋谷新大宗ビル校にてVR開発初心者向けの開発体験会「VR Experiential session」が開催されました。
「VR Experiential session」ではGear VR・HTC Vive向けのVRアプリケーションの開発および、VRコンテンツの分析サービス「AccessiVR」を手がける株式会社ダズルによる講演も実施されました。
今回は「VR Experiential session」の模様をレポートいたします。
この記事を読めば、「VR開発の第一歩を踏み出すことは難しくはない」ことと「VRの奥深さ」を味わうことが出来るでしょう。
※テックキャンプのVRコースは2019年2月28日に提供終了。今後も高水準な「テクノロジー人材」を育成する最高の環境を提供していきます。また、サービス内容は予告なく変更の場合がありますので予めご了承ください。最新のサービス内容は本サイトをご覧ください。
この記事の目次
二時間にわたるVR開発体験会
それぞれUnityをインストールしたPCを持参し、土曜日のテックキャンプ 渋谷新大宗ビル校に集まったVR Experiential sessionの参加者の皆さん。
参加者は20代前半~30代の男性が八割ほど。
20代から30代の女性の参加者方の姿もありました。
使用しているPCはMacBookが5割ほど、その他はVR Readyと呼ばれるスペックを備えたノートPCが目立ちました。
「VR元年」 と呼ばれ、PlayStation VRが発売開始となった2016年を経て、日本でもVRコンテンツの開発への関心が大きく高まりました。
しかし、「自らVRコンテンツを作ること」へのハードルは依然として高いのが現実です。
イベントの冒頭で「VRコンテンツを開発したことがある方?」との呼びかけが行われましたが、開発経験を持つ方はほぼ居ませんでした。
参加要項が、UnityをインストールしたPCを持参することであったことから「Unityとは何か」は理解できていても、それらを使いこなし、独自のコンテンツを製作するには至っていない方が多数を占めていた様子です。
「VR Experiential session」 では、「エンジニア向け」「未経験者向け」の二つのカリキュラムから参加者が自身のレベルに適切なものを選び、学習を進めていくことが出来る環境が用意されました。
テックキャンプ プログラミング教養には、「メンター」 が多数在籍しています。
参加者は、カリキュラムを進めていく中で分からない点が出てきたら、すぐにメンターに質問し、疑問点を解消することが出来ます。
テックキャンプ プログラミング教養の文化は「わからなかったら、すぐに質問する」ということです。
「自分ひとりで悩むこと」は学習効率の面から見て、効果的とは言えません。
一人で悩むのではなく、メンターの素早いサポートを得ながら学習を進めていくのが、テックキャンプ プログラミング教養の特色です。
プログラミングなしでVRアプリを制作できる
13時20分からは、Unityを使ったVR開発体験のプログラムが始まりました。
この日用意された「コーディングをしたことがない」という方向けのカリキュラムの特長は、「プログラミングなしでVRアプリを作れる」 ことです。
未経験者の方向けカリキュラムの、この日のゴールは「オブジェクトを置くだけで、簡単にVRアプリが作れる」というのを体験することでした。
テックキャンプ プログラミング教養のVRコースのカリキュラム「TECH MASTER」では、プログラミング言語にC#を採用し、Oculus RiftやHTC ViveといったハイエンドのVRデバイスの貸し出しも行われます。
C#のプログラミングスキルがあれば、ハイエンドのデバイスを使った本格的なVRアプリの開発ができる環境がテックキャンプ プログラミング教養には揃っています。
一方 「プログラミングスキルが無くても、リッチなVRコンテンツが開発できること」 は、Unityの最大の魅力の一つでもあります。
Unityに予めインストールされたオブジェクトを配置していくことで、3DオブジェクトをすぐにUnity上で動かすことができます。
VRコンテンツの開発初心者が直面する壁の一つは「スクリプトを書くこと」です。
とはいえ、スクリプトを書くことに苦手意識がある場合には「スクリプトを書くのをなるべく避ける」という方針を立てて、開発を進めるのも不可能ではありません。
VRコンテンツ開発の壁は、実際には決して高くはないのです。
コーディングの経験があるエンジニアの方に向けては、C#でスクリプトを自分で書き、動作させるというカリキュラムも提供されました。
スマートフォン向けにUnityで書き出したVRアプリケーションを、ヘッドマウントディスプレイに接続し、参加者が体験できるようにデバイスも机の上に用意されていました。
会場のスピーカーからは、ボサノヴァ調のBGMが流れ、空調が効いた落ち着いた空間で参加者はカリキュラムを進めていきます。
「ここどう進めたらいいんだろう」
「使われている用語の意味が分からない」
というような、細かな質問にもすぐにメンターが駆けつけます。
参加者が手を上げると、即時にUnityをインストールしたPCを手にしたメンターが歩み寄り、質問に対応していきます。
VRコンテンツ開発の現場とは?
2時間の開発体験が終了した後、休憩を挟み、VRアプリケーション「OneManVurgeR」の開発を手掛ける株式会社ダズルの技術統括室・林賢太郎氏、VR開発ディレクター・中山昌弥氏による講演が行われました。
2011年に設立した株式会社ダズルは「VRサービスの提供」「スマートフォンゲームの開発」「非ゲーム分野のアプリ開発」を手掛けています。
開発現場の最前線に立つ林氏・中山氏からは、まずVRが要求するハードウェアの要件の高さについて言及がされました。
VRコンテンツはフレームレート数の要求が高い
林さん:「一番の問題は、描画処理の負担が大きい こと。つまり通常の3Dコンテンツに比べ動画の処理が重いということです。何故なら、VRは高いフレームレートを維持する必要があるからです。フレームレートというのは時間当たりの画像更新頻度を指します。単位はfps。フレームパーセカンド・1秒あたりのフレーム数という意味です」
中山さん:「単純なスマートフォンゲームだったらたまにカクついても”まあこんなもんかな”と許されるのが、 VRだと絶対に許されないんです。そもそもVRの販売 プラットホーム側において、60fpsを完全に維持していないと審査に通らないです」
林さん:「一般的な動画のフレームレートは、滑らかに動いているようなアニメーションで大体12から24fps。テレビ放送はマックスで30ですね。近いうちに60fpsになるという話もあります。スマートフォン向け3Dコンテンツだと30から60fps。こうして比較すると、最低でも60fpsを要求される VR コンテンツは高いフレームレートを要求されていると言えます」
VR酔いとは何か。
フレームレート数が低いVRアプリケーションのプレイは、「VR酔い」 の原因になります。
林さん:「VR酔いに一番近い体験は、乗り物酔いだと思います。原因は諸説あって、はっきりしたことは分かっていません。ただ”五感に入ってくる 刺激が、今まで生きて体験してきたものと違うような組み合わせになると起こる”というのが有力な説のようです」
林さん:「視覚や筋肉には”(前に)進んでいる”という感覚がないにもかかわらず 耳の中の三半規管は”進んでいる”と感じている。こういう情報の不一致が”気持ち悪い”という感覚を起こしてしまうんです」
VRコンテンツの描画処理を節約するテクニック
VRコンテンツは描画処理が重くなるため、いかにポリゴン数や処理数を節約するかが重要です。
林さん:「(※Gear VR向けには)まず根本的なデザインを工夫することで立体モデルのポリゴン数を減らしています。また影の描画は処理が重くなります。 そこで元から影をテクスチャに書き込んでしまう事で、処理を軽くしています。
また店内のオブジェクトについても、 デザインのデフォルメと影のテクスチャの書き込みによって処理を軽くしています」
VRには新しく、かつ分かりやすい操作方法が必要?
360度を人工的な映像で囲まれた状態になるVRでは、ファミコンなどに代表されるボタン式のコントローラー等とは異なる操作方法が要求されます。
しかし、VRには「UIが分かりづらい」「操作方法が分かりづらい」といった課題もあります。
中山さん:「VRというとSFチックでかっこいいUIをイメージする方が多いです。僕もそうでした。
でも、実際にはユーザーさんにはそういったUIは伝わりづらいです。チュートリアルをいくら細かく用意しても、操作が出来ないことが多いのでかなり単純化した操作を用意していくことが重要なのかなと思っています」
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HTC Viveのコントローラーで触覚を表現
スマートフォンベースではなく、PCベースのデバイスのHTC Viveではよりリッチな表現が可能です。
HTC Viveには専用のコントローラーが用意されているため、バイブレーション機能を活用することもできます。
林さん:「視線と空間上のコントローラーの位置の取得、バイブレーションによるフィードバックによって「ものに触る」というアクションの再現に近付くことが出来ました。
物がある座標に手の位置が達した場合、バイブレーションによるフィードバックをすることで触覚を再現しています」
林さん:「ハンバーガーのパティのように柔らかいものに関しては振動幅を小さくすることで柔らかさを表現しています。パティを焼く鉄板のハンドルは重く硬いので、 振動幅を広くして強いフィードバックを与え、質感を表現しています」
単純なリアリティの追求ではなく、プレゼンスを上げることが重要
林さんは「VRが仮想的な現実であるとは言っても、 VRは”闇雲に現実に近づければいい”というものではありません。現実に近づけることと、良いコンテンツを作ることは別だと考えています」と述べました。
林さん:「VRゴーグルを装着した状態で体を大きく動かすというのは危険から来る恐怖で、 ストレスを感じます。 厳密すぎる物体の当たり判定は、体の動きを大きくすることになりますので、 ストレスを増加させます。
「OneManVurgeR」では手の先に広く当たり判定を取りまして、快適なゲーム性を実現しています。演出上は物体が手に吸い寄せられるようにすることで、見た目上の違和感を軽減させています」
林さん:「確かにリアルなグラフィックや触覚は「いまここに居る」感覚、VRの業界でよく使う言葉では「高いプレゼンス」をもたらしてくれます。
しかしゲーム内でストレスを感じ、「辞めたいな」という気持ちが勝ってしまうとゲームとして成立しない。
高いプレゼンスの意味がなくなってしまうんですね。VRコンテンツの作成においては、単純なリアリティの追求が必要なのではなく、トータルのプレゼンスの向上が重要だと考えてます」
まずはVR開発の第一歩を踏み出そう
講演終了後には改めてテックキャンプ プログラミング教養のVRコースの紹介が行われ、続けて交流会とダズルがHTC Vive向けに開発を進めるマルチプレイFPS「Rays」の先行体験会が催されました。
空間を自由に動き回れる「ルームスケール」を持つHTC Viveを用いた「Rays」のプレイは、まさに「VR開発のいま」を体感する貴重な機会となりました。
VRコンテンツ開発のハードルはいま、大きく下がりつつあります。
スクリプトを書くことなく、リッチなグラフィックを作り出すことも可能です。
一方、C#のプログラミングを身に付けることでHTC ViveやOculus Riftといったハイエンドの機器向けに世界に通用するVRアプリケーションを作ることもできます。
あなたも、UnityとC#によるVRコンテンツ開発の世界に飛び込んでみませんか?
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