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ブロックチェーンは一体、何が革命的なのか?シビラ株式会社共同創業者・篠原ヒロ氏インタビュー

更新: 2019.04.02

個人の価値を株式のように取引するサービスVALUで取引方法として導入されたことで、改めて決済手段として注目を集めた仮想通貨・ビットコイン。

ビットコインは投資対象としても非常に高い人気があり、ブルームバーグの報道によれば2018年半ばまでに1ビットコインの価格は6000ドルに到達するとの予想もあるとのこと。

しかし、ビットコインを支える中核技術・ブロックチェーンについては「一体、どのような技術なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

仮想通貨の技術というイメージが強いブロックチェーンはいま仮想通貨の分野に留まることなく、様々な用途に用いられています。

ブロックチェーン研究開発を手掛けるSIVIRA(シビラ)株式会社 共同創業者の篠原ヒロ氏は、世界的クラウドマイニングサービスジェネシス・マイニングの日本の窓口も務めています。

篠原氏に「ビットコインとブロックチェーンは一体、何がすごいのか」を語っていただきました。

 

<プロフィール>
篠原ヒロ
シビラ 株式会社 共同創業者
6歳でMacintoshに出会い、プログラマーとして造る喜びを経験する。11歳の時にテレビで見たNetscapeと、Marc Andreessenが起こした革命に強い衝撃を受け、テクノロジー業界での起業という生き方を決意する。アメリカ西海岸への旅を経て、ソフトウェアの開発に没頭。

そして19歳で起業。以降、複数のスタートアップに携わり、シンガポール、台湾での起業も経験。ビットコインにNetscape以来の感動を覚え、ブロックチェーン関連事業に方向を転換。ブロックチェーンの革命を現実のものにするため、SIVIRAを創業。

<インタビュアー>
里 優裕(Sales Technology Lab)

 

ビジョンは「デジタルデータに人格を移植する」ということ


――篠原さんの経歴をお教えください。
元々はエンジニアで、10代の頃からサービスを作っては公開するということを繰り返していました。

高校に入学した瞬間に、パソコンを買って本格的にプログラミングを始めました。

Perlで掲示板を作ると書き込みがあり、とても楽しかったのを覚えています。初日で3000人が訪れるサイトになったんです。

人が沢山くるようなホームページの作り方を知って、18歳の時にホームページ作りのビジネスをスタートし、2年間はずっとそうした仕事をしていました。会社を立ち上げ、20歳の時には年上のエンジェル投資家と出会い、出資をいただきました。

そして、更に1年半後にはまた別のエンジェル投資家を紹介されました。この出会いが、僕にとってとても大きな転機になりました

その投資家に会ったとき、まず「何をしてるの?」と聞かれました。

そして、僕は「人格をデジタル世界に移植しようとしています。人類には、先人たちの知識や知恵が全く共有されていません」と答えたんです。

人が知識を継承するには、どうすればいいのか

前々から僕は普段生活している中で、人と人との間では全く知識や知恵が共有されていないと感じていました。

例えば僕はシナモンが嫌いなんですが、カフェでカプチーノを頼むときに「カプチーノ、シナモン無しで」と、”シナモン無し”とわざわざオーダーしなければいけないことが面倒くさくてたまらないです。

この問題意識は、事業にも当てはまります。

あらゆる問題や課題は前もって教えてほしいし、共有しておいてほしいです。しかし、実際には共有されていないことがあまりにも多過ぎます。

 

そのうち「知識を継承するにはどうしたらいいのか」を考えるようになりました。

例えば、文章を書くことはすごく効率が悪いと思います。

自分の頭にある情報を一度文章にするのも効率が悪いですし、それを読んでもらうというのも効率が悪いです。絶対ちゃんと伝わってないですよね。ましてや国が違えば、言語も違います。

情報を継承する方法について考えを深めるうちに「これではダメだ」と思うようになりました。

もっと情報が十分に継承されるようになるためには、映画「マトリックス」の世界のように人間の側がデジタルデータとなる必要があると思い「人格をデジタルデータに移植する」というビジョンが定まりました。

 

僕の話を聞いたエンジェル投資家はいきなりメガネを外して「なんぼ欲しい?月曜日に振り込むわ」と言いました。そうして、出資をいただくことが決まったんです。

結果としては、出資を頂いた事業は全然うまくいかず失敗しました。リソースが足りず、コストも掛かりました。僕は事業を売却し、その後シンガポールで新しい会社を立ち上げました。

その後、2013年に出会ったのがビットコインです。

エレベーターには僕のデータが蓄積されていない

僕がシンガポールで立ち上げた事業はクラウドサーバーに関するもので、それとは別に台湾では半導体事業の立ち上げに参加しました。

強力なサーバーと通信半導体の技術を僕が必要としたのは、まだ世の中で蓄積されていないデータを吸い上げるためにはその両者が欠かせないからです。

 

例えば、僕は会社のオフィスに行く際にエレベーターに乗ります。

しかしエレベーターの側は「篠原ヒロ」のことを知らないですし、僕に関する情報を蓄積していくわけではないんです。

この例に顕著なように、世の中には蓄積されていないデータが山ほどあるわけです。

いまのインターネットは中央のサーバーに依存している

しかし、人格の移植について考えるうちに、最も大きな課題の一つがデータの改ざんであることに気づきました。

サーバーがどれだけ強力でも、吸い上げたデータが改ざんされてしまえばそれで終わりなんです。

いまのインターネットは中央集権的に、サーバーに依存しています。

例えばフェイスブックのメッセンジャーは、端末同士がメッセージを直接やり取りしているわけではなく、ユーザーは全員フェイスブックのサーバーを経由してサービスを使っているわけです。

端末同士がサーバーに繋がっているのなら、サーバーがダウンすれば終わりです。

全てのモノから僕に関する情報が吸い上げられ、データが保存され、そのデータからいずれ僕の人格が解析され、再生される未来が来たとします。

そのような未来にとって、データの改ざんやサーバーのダウンは大きなリスクです。

いまは1人1台、スマホを持つ時代ですよね。いまのインターネットのマーケットの限界は、地球の人口と同じ「70億人」にあると言えるかもしれません。

 

ですが、僕はそう遠くない未来に地球の人口を優に上回る500億台のデバイスが通信を始める時代がやってくると思ってるんです。

500億台のデバイスが通信を始めるとして、そのすべてのデバイスがサーバーを経由するというのはあり得るでしょうか?

僕はあり得ないと考えてます。中央サーバーへの依存は、いずれ解消されなくてはなりません。

 

ではどうすれば、全てのデバイスが中央サーバーを介することなく通信することが出来るのか?

データが改ざんされないようにするには、どうしたらいいのか?

この問いに唯一答えを返すことが出来ているのが、2013年に出会ったビットコインとブロックチェーンです。

僕はビットコインに出会ったことで、人格移植の未来を実現するために本気で仮想通貨の事業に取り組もうと決めました。

モノが自律的に動く社会には、全てにおいてブロックチェーンが必要

ビットコインはピアとピア、端末と端末が直接通信し、お金のやり取りを実現しています。

お金のやり取りもコミュニケーションの一つです。つまり「モノとモノの会話」の一つの形が仮想通貨です。

ここにビットコインの本質的な価値があります。僕はビットコインの価値は「モノとモノが会話する」ことにあると思っています。投機対象としてのビットコインには興味が無いんです。

僕はこの世界を「自律的にモノとモノが、人間のためにやり取りをする世界」にしたいんです。

モノとモノが会話し、人間のためにエレベーターを動かして目的の階で降ろしてくれるような世界が理想です。

モノが言葉を発するために必要な技術の一つが仮想通貨だと考えているので、僕は自分が仮想通貨のビジネスをしているとは思っていません。

僕は「全ての情報が蓄積されて、モノが自律的に動く社会を作る」事業をしているんです。

そうした社会には、仮想通貨の認証技術も認証後の価値の交換手段もデータ改ざんを未然に防ぐ技術も必要です。

つまり、すべてのステップにおいてブロックチェーン技術が必要なんです。

ブロックチェーンはあらゆる分野で広がっていく

シビラではいまブロックチェーンで、野菜の管理をするシステムを開発しています。仮想通貨や野菜以外のあらゆる分野でも、今後ブロックチェーンは急速に普及していくと思います。

ブロックチェーンを活用し、野菜をはじめとする製品のトレーサビリティを確立するプラットフォームBroof
その農産物が何処の農家で生産されたのか、データの改ざんが不可能なブロックチェーン技術によって正確にたどることが出来ます。

 

この世界のあらゆる情報が安全に適切に管理される時代が、もうそこまで来ています。

だからこそ口先で「この先の世界はこうなる」という空想ばかりを並べ立てるのではなく、事業を通じ、実際に世界を変えていきたいですね。

日本は世界でもトップの仮想通貨市場になる


――日本の仮想通貨市場の盛り上がりを、どのように見ていますか?
盛り上がるのは非常に良いことです。日本は世界でもトップの仮想通貨市場になると思っています。

そもそも日本人は通貨の売買が好きです。現にFXの分野では、非常に優秀な取引所がたくさん集まっています。

何より、仮想通貨に関する法整備がしっかりと進んでいます。中国からのお金も流れてきていますし、先進的にどんどん投資家も入ってきています。

今後、更に仮想通貨の取引は盛り上がりを見せるでしょうね。

とはいえ、ビットコインの価格そのものは「ビットコインは凄いか、そうでないか」の判断基準としてはふさわしくないと思います。

例えば「フェイスブックの株が上がったからフェイスブックが凄い」というのではなく「フェイスブックが何を変えようとしているのか」を見て、凄いと判断するかどうかというのと同じことです。

僕にとってはビットコインの価格が上がろうが下がろうが、それは大きな問題ではないです。

ビットコインが1ドルになったとしても、僕はビットコインは世界を変えているので凄いと思います。

――一般の人がビットコインや仮想通貨の取引をするには、何から始めるのがおすすめですか?

クラウドマイニングがおすすめです。

マイニングというのは、仮想通貨の採掘のことです。自分でマシンを購入し、マイニングを始めることもできますが初心者の方には敷居が高いです。

クラウドマイニングでは一定の資金を払うと遠隔でマイニング用のマシンを利用し、仮想通貨のマイニング収益を得ることができます。

僕はGenesis Mining(ジェネシスマイニング)という世界的に有名なクラウドマイニングサービスの、日本の窓口をしています。数千円からマイニングを開始できるので、ぜひサイトを見てください。


クラウドマイニングサービス ジェネシス・マイニング サイトトップ画面

――篠原さんは、今後事業を拡大するうえでの課題をなんだと考えていますか。

数学者の知見を必要としています。今後は数学的思考や、数学的経験が重要になってくると思います。


――ご自身の直近の目標は何ですか?

体重を増やすことです(笑)

健康には気を付けたいです。肉体という不完全なものに乗っかってしまっているので。


編集後記(TECH::NOTE編集部スタッフ)

ブロックチェーン技術は今、非常に注目されています。しかし「ブロックチェーンがどのように一般的なサービスに利用されるのかイメージがつかない」という声も多くあります。

今回のインタビューで少しイメージができたのではないでしょうか。この新しい技術で世界はどう変わるのか。今後も注目していきたいと思います。

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この記事を書いた人

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音楽ライターとしてエイベックス、ビクター、トイズファクトリー等に所属するアーティストの取材を担当。2016年に開催された『Bjork Digital』の取材経験から、VR×音楽に関心を抱く。2017年よりテクノロジーに関するライティングを開始し、テックキャンプ ブログにジョイン。猫とウサギを飼っています。

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