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高度プロフェッショナル制度とは?残業代ゼロ法案のメリットデメリットを解説

作成: 2018.05.11 更新: 2018.05.21

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「高度プロフェッショナル制度」とは何か、ご存知ですか?

「残業代ゼロ法案」や「ホワイトカラー・エグゼンプション」とも呼ばれています。

そちらの呼称で、制度について聞いたことがあるという方もいるでしょう。今回は、高度プロフェッショナル制度の詳細を解説します。

高度プロフェッショナル制度とは?

高度プロフェッショナル制度は「成果を出せば、数時間で帰宅することができる」など、成果報酬的で柔軟な働き方といった報道がなされてきました。

「高度プロフェッショナル制度」の特徴とは何でしょうか。制度の概要を紹介します。

厚生労働省で検討。2015年に国会提出された労基法改正法案に含まれる制度

高度プロフェッショナル制度は、専門性のある一定の職種に就く年収が高い人を、労働時間の規制対象から外す試みです。

厚生労働省で検討されている、労働基準法改正法案の目玉といえる制度。与党が推進する「働き方改革」の1つです。

労働時間の規定から外れる一定の職業がある

高度プロフェッショナル制度では、労働時間の規定から外れる一定の職業があります。

「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められる業務」についている労働者が該当します。

対象業務

法律案の段階で、該当する職業として想定されているものは以下などです。

・研究開発者

・コンサルタント

・金融商品のディーラー

・アナリスト

対象の年収

厚生労働省の集計による平均年収の3倍を上回る水準の、対象業務を行う労働者が高度プロフェッショナル制度の対象となります。

2018年現在では、およそ1075万円以上の年収が「基準」となっています。

労働時間ではなく成果に基づいて給与、賃金が発生する

「高度プロフェッショナル制度」では、労働時間に関係なく、成果をあげた人が賃金を多く得るという特徴があります。

年収1075万円以上の労働者に限っては、残業代や休日出勤の割増賃金は支給されません。

高度プロフェッショナル制度はいつからスタートするのか

高度プロフェッショナル制度は、2019年4月からの導入を目指して審議が続けられています。しかし反対の声も根強く、法案の様々な問題点が指摘されているのも事実です。

よって本格的な導入時期は、まだ不明瞭な段階です。

高度プロフェッショナル制度と裁量労働制の違いとは?

高度プロフェッショナル制度は、裁量労働制と似た特徴を持ちます。両者は混同されることも多いです。しかし、あくまで両者は別物です。

「高度プロフェッショナル制度」と「裁量労働制」の違いとは、何なのでしょうか。

共通点と相違点をまとめました。

共通点

・報酬を労働時間の長さではなく、労働の質と成果によって決定することが可能

相違点

残業代の有無が異なります。

高度プロフェッショナル制度

残業代は支給されません。

裁量労働制

1日8時間・週40時間以上の労働に対する残業代、深夜・休日労働の割り増し賃金は支給されます。

高度プロフェッショナル制度からは残業、休日出勤の概念がなくなる

このように比較すると、高度プロフェッショナル制度と裁量労働制の違いが浮き彫りになります。

高度プロフェッショナル制度には労働基準法の定める法定労働時間や、深夜、休日の労働に対する割増賃金などの規制はあてはまりません。

対して、裁量労働制の方には「労働時間」の概念が存在します。

1日8時間、週40時間の法定労働時間を超過する場合には、残業代が支給されるのです。

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高度プロフェッショナル制度のメリット

労働時間にとらわれず仕事ができる

そもそも高度プロフェッショナル制度は、長時間労働の改善を目指したり、労働者が多様な働き方ができるようにつくられた法案でした。

「ホワイトカラーエグゼンプション」とも呼ばれるこの法案は、海外では既に導入されています。ホワイトカラーエグゼンプションを導入している代表的な国は、アメリカとイギリスです。

子育てや介護などでオフィスワークが難しい人には適した働き方

労働時間は賃金に反映されないという働き方ですから、働きに出ることが難しい人にとっては「優しい」働き方だといえます。ただ、成果は出さないといけません。

たとえば、子育てや介護などでオフィスワークが難しい人には適した働き方です。一定の時間外に出て働かなくても、子育てや家事、介護の空き時間を利用して働くことができるためです。

子育てや介護の必要のある人が、働く機会を失っていることは大きな社会問題の1つです。子育てや介護に従事している人の中には、ビジネスパーソンとして高い能力を持つ人も少なくないからです。

この問題の解決に、高度プロフェッショナル制度は一石を投じるものと言えるかもしれません。

成果によって報酬が変わる

いままでは、収入確保が目的で必要以上の残業を行う労働者もいました。みなし時間(定められた時間)の賃金だけでは足りないので、わざと残業をする人もいたわけです。

残業を無くすことで、労働効率が上昇することが期待される

しかし高度プロフェッショナル制度は労働時間よりも成果が重視される制度です。今までのような時間外手当の概念はなくなります。残業しても残業代が出ないなら、労働者は短時間で成果を出そうとします。

こうして最終的に、労働効率が向上することが期待されているのです。

高度プロフェッショナル制度を設ける理由

労働基準法は、昭和22年に制定された法律です。昭和22年は、まだ戦後間もない時期です。

当時、労働者の割合のほとんどは一次・二次産業が占めていました。彼らの働き方は、労働時間の長さを評価する労働基準法に合っていたのです。

しかしその後産業構造の変化で、三次産業の労働者が増加しました。今や三次産業従事者が日本の労働人口の75%を占めています。三次産業の能力評価は、仕事の「量」から「質」へとベースを移しています。

そこで、次第に「労働時間の長さではなく、仕事の成果によって報酬や待遇を決めて欲しい」という声が上がるようになりました。

労働時間をベースとした賃金評価の問題とは

たしかに労働時間をベースとした賃金評価には問題があります。

かたや、能力があり短時間で成果を上げる労働者。

かたや、いつまでも残業をしないと仕事が終わらない労働者。この場合、仕事が遅い方が収入が多くなるという「不条理」な事態が起きます。こういった矛盾を解消するのが、成果ベースの賃金評価です。

高度プロフェッショナル制度も、成果ベースで賃金評価を行います。労働時間ベースの評価の問題を解決し得る施策として、価値がある制度と言えるでしょう。

高度プロフェッショナル制度のデメリット

高度プロフェッショナル制度のデメリットは何でしょうか。

残業代が支払われない「残業代ゼロ法案」

高度プロフェッショナル制度は「残業代ゼロ法案」とも呼ばれています。残業が「賃金の評価対象」にならないからです。残業代がゼロになることはメリットばかりではなく、危険性もはらんでいます。

時間をかけて取り組んだプロジェクトでも、成果が出ない場合もある

高度プロフェッショナル制度では、労働時間ではなく成果で賃金が決まります。労働時間の規定がなくなるので、残業や時間外労働という概念そのものが存在しなくなります。まさに「残業ゼロ法案」です。

どんなに時間をかけて取り組んたプロジェクトでも、成果がでない場合も稀にあります。

そういう場合はどうなるでしょうか。

まさしく「残業代ゼロ」になります。頑張っても成果を出さなければ、その努力は報われません。

成果の評価が難しい職種がある

高度プロフェッショナル制度には対象となる職種があります。そのなかにアナリストや研究職などが含まれています。

これらは、短時間では成果が出ない業種です。また、同じアナリストや研究職でも、成果に対する評価は企業ことに違います。

このため賃金に格差が生じる可能性があります。

研究職などのロングスパンで成果を出していく職種は、常々評価基準の難しさが議論される対象です。

もし成果報酬型ともいえる高度プロフェッショナル制度が導入されると、アナリストや研究職の仕事の質も落としかねない懸念があります。

高度プロフェッショナル制度の危険性

サービス残業

いくら残業が賃金評価を受けなくても、業務を遂行するために残業しなければいけない時はあります。そうすると、サービス残業となってしまうこともあるでしょう。

サービス残業は賃金の支払いがないのですから、労働者は場合によっては拒否できると覚えておきましょう。

会社側の誤認識による給料の未払い

もう一点、落とし穴があります。

みなし労働制は、会社側も誤った解釈をして認識をして制度を悪用している場合もあります。

例を挙げてみます。

名ばかり管理職が管理職に据えられて、過労死したり、残業ゼロで働かされるケースです。

塾講師が退職時にこれまでの残業代未払いを訴えて、莫大な残業代を勝ち取って辞めたりするケースもそうです。

労働制度の悪用しての賃金不払いは違法になる可能性が高いです。

会社に未払い請求をするとも可能なので覚えておいてください。

休業を認めないなどの悪用

昨今、様々なハラスメントがあります。パワハラ、セクハラ、マタハラなどがその代表例。ブラック企業の中には「休業を取らせない」というハラスメントが横行しているケースもあります。

高度プロフェッショナル制度は、管理側の悪用によって「休業させない」というハラスメントを引き起こす要因となる危険性があるのです。

対象の年収が下がる可能性もあり

制度の対象は、専門知識を有する職種で対象者は年収1075万円の労働者です。職種や年収要件に該当しない方は「私は対象者ではないから、関係のない話だ」と思われるかもしれません。

しかし実際には、対象の基準自体も変わり得ます。

ホワイトカラーエグゼンプション法案の前例

平成18年「ホワイトカラーエグゼンプション」が厚生労働省で検討されていた時期がありました。

当時は、対象は「年収900万円以上」でした。しかし当時の経団連は「400万円」「700万円」の基準を提唱していたのです。年収1000万円以上のプレーヤーだけが、制度の対象であり続けるという保証はありません。

対象の基準が下がる危険性も、考えておこう

能力がある労働者にとっては、高度プロフェッショナル制度を利用すればより賃金評価が高まります。

一方、高度プロフェッショナル制度の対象職種が広がったり、年収要件が引き下げられた場合には懸念すべき事項が増えます。ともすれば、残業ゼロが一般的な労働環境に、願わずとも陥ってしまうかもしれません。

 

労働環境はそのときの政治によって、大きく変わり得ます。「残業代ゼロ法」という批判がいつからか現実のものとなってしまわないように、私達も動向に注視していく必要があります。

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この記事を書いた人

椎名 妙子
2016年までは小さな英会話スクールで働く。システム開発業の夫を手伝ううちに、IT業界に魅せられる。夫と育児系のiphoneアプリをリリースしたことも。2017年からIT関連のライティングを開始。日々いろいろ勉強中。最近は、子供達と動画チャンネルを作っています。