Webデザイナーとしての収入に不満がある、Webデザイナーとしてのキャリアアップや将来性が気になる、と思ってはいませんか。
様々なサービスがWeb化されている中で、会社員やフリーランスとしてのWebデザイナーに興味を持つ人も増えてきています。
この記事では、Webデザイナーがキャリアアップするために必要なスキルや事例を紹介します。
現在Webデザイナーとして働いている方も、これから目指す方も参考にしてください。
Webデザイナーの平均年収
転職サイトの「doda」が発表した「平均収入ランキング」によると、2017年〜2018年におけるWebデザイナーの平均年収は約357万円とされています。
職種別ラインキングでWebデザイナーが含まれている「クリエイティブ系職種」の平均年収が約379万円であるため、平均よりも低い水準だということがわかります。
クリアイティブ系以外の職種を含めた平均年収が420〜430万円ほどであることを考えると、Webデザイナーは決して高収入な職種とは言えません。
Webデザイナーの年収は経験やスキル、また働いている場所(大手のデザイン事務所や中小企業など)によって異なります。しかし先ほどのdodaの調査データを見ると、Webデザイナーの年齢別の平均年収は、
・20代〜:319万円
・30代〜:378万円
・40代〜:425万円
と推移しているのがわかります。Webデザイナーとして働いた場合、全職種の平均年収を超えるのはおおむね40代以降というデータが出ているのです。
「Webが好き」「デザインが好き」という気持ちでWebデザイナーになったとしても、長期的にWebデザイナーとして生活するためには積極的なキャリアアップ・年収アップへの取り組みが不可欠になると予想できます。
Webデザイナーが年収を上げる方法
では、Webデザイナーとしてより多くの年収を得るためにはどのすれば良いのでしょうか。主な方法として、以下の2つが挙げられます。
キャリアアップする
一つは、所属している会社の中でキャリアアップしていく方法です。
これはデザイナーに限らず、営業職やエンジニア職など他の職種においても共通していることで、一デザイナーからチームを束ねるリーダー、部門を束ねるマネージャーと昇進・昇格していくことを指します。
リーダー・マネージャー職になると部下の管理や社内外での商談など、仕事の幅は広がります。その分、忙しくなりがちですが基本給がアップしたり、特別な手当をもらえる可能性が高まります。
Webデザイナーの場合は、キャリアアップしていくにつれてWebディレクター、Webプロデューサーといったように呼び名が変わることもあります。
一つの会社でのキャリアアップだけでなく、より条件の良い他の会社に転職しながら年収を上げていくのもいい方法でしょう。
同じ業界で同じ職種での転職は、即戦力としての企業の期待度もあって好条件で転職できるケースも見られます。
フリーランスとして独立する
組織の一員としてキャリアアップする以外に、フリーランスとして独立して年収アップを狙うケースもあります。
フリーランスは自分自身で案件を取りに行く必要があるため、スキルだけでなく人脈や営業力も求められるでしょう。
一方で、クライアントからのデザイン料がそのまま自分の収入になるため、長期案件や大型案件を受注することができれば会社員よりも高い収入を得ることも可能です(収入から保険料や税金などを支払った金額が実際の手取りになります)。
ただ注意点として、フリーのWebデザイナーとして独立しても収入アップできるとは限らないことについても説明しておきます。
フリーランスは会社員と異なり、自分で仕事を獲得しなければならないことは先ほど説明した通りです。定期的にこなせる仕事が見つかり、毎月安定的にお金を稼げるのならば問題ないでしょう。
しかし、このような案件が見つからない、あるいは案件が途中でストップしてしまうというリスクもあると理解しておかねばなりません。
会社と雇用契約を結んでいる限り一定の収入が確保される会社員と違い、フリーランスの仕事量・収入は実力に大きく左右されます。
収入を大きく伸ばせる一方、仕事を依頼するクライアントや自分の働き方によって収入が大幅に下がる可能性もあるのです。
あなたにマッチした収入アップの方法を選択しましょう。
Webデザイナーのキャリアアップにはスキルの幅広さが重要
会社の中でキャリアアップする、フリーランスとして独立する、いずれの場合においてもキャリアアップ・年収アップのためにはデザインだけでないプラスアルファのスキルが求められます。
例えば、ただコーディングするだけのWebデザイナーよりも、自分自身でデザインもこなしてコーディングができるWebデザイナー、さらにWeb制作などのノウハウを持ち制作指揮ができるWebデザイナーのほうが、市場価値は高く、年収も高くなります。
デザイナーとしてのスキルに加えて、プログラミング、マーケティング、ディレクションといったWebデザインに派生するスキルを幅広く持ち合わせているかどうかが、Webデザイナーとしての価値を高めるうえで重要となるのです。
具体的にどのようなスキルを身につけるべきかは後ほど解説します。
Webデザイナーのキャリアアップ事例
続いて、Webデザイナーのキャリアアップ事例を紹介しながら、その職に就くために必要なスキルや経験について解説していきます。
フリーランスではなく、デザイン会社などの企業でWebデザイナーとしてのキャリアを積んでいきたい、という方は、これから自分がどのようなスキルを身につけるべきなのかを考えながら読み進めるとよいでしょう。
Webディレクター(アートディレクター)
Webディレクター(アートディレクター)はデザイナーの上位職にあたるポジションで、主にスケジュールの進行管理、品質管理、スタッフの選定、クライアントとの打ち合わせなどを行います。
クライアントへのヒアリングから課題を見出し、それを解決するデザインの方針を決定する、いわば「上流工程」を担当します。その他、企業やプロジェクトによってはコンテンツの企画書作成、提案、取材・撮影などもWebディレクターが行うことも仕事に含まれるでしょう。
Webディレクターの平均年収は、転職サイト「doda」によると約452万円です。
Webディレクターは、デザイナーを始めとするプロジェクトに関わる人達を束ね、指揮する立場になります。そのためデザイナーとしての経験はもちろん、
・スケジュール管理能力
・スタッフ管理能力
・リーダーシップ
・プログラマ、デザイナーと会話ができるIT知識
なども必要になります。
クリエイティブディレクター
クリエイティブディレクターは、ディレクターの上位職にあたり、テレビCMや雑誌の広告、イベントなどで企画から制作までを監督する職種のことを指します。
クライアントの問題を解決するためのクリエイティブな分野に関する責任を負い、製作中はプロジェクトの責任者としてディレクターや他のスタッフへの指示出しなどが主な仕事です。
平均年収はおよそ471万ですが、クリエイティブディレクターの年収は勤めている会社や本人の知名度によって異なります。
20代~30代前半であれば400万円程度、大手企業に勤める40代以上になると1,000万円を超す場合もあります。
また、小さなデザイン事務所であれば社長や役員がクリエイティブディレクターとなっていることもあり、クリエィティブな仕事をする職種では上位にあることがわかります。
クリエイティブディレクターは、プロジェクトの総括を行う立場として現場経験、リーダーシップやコミュニケーションスキルが求められるでしょう。クリエイティブディレクターを目指すなら、組織の中でキャリアアップをしていくか、求人を探して応募して転職する方法があります。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の管理を担う職種で、PMと略して呼ばれる場合もあります。社内外の人と関わりながら、プロジェクトの総指揮を取ることが主な仕事です。
ディレクター、クリエイティブディレクターとの違いについて明確な規定はありません。実際の職務内容は企業やプロジェクトによって異なります。両者の言葉の意味から違いを考えるならば、
・プロジェクトマネージャー(management):経営などの管理を行う
・ディレクター(direction):指揮や指導、管理などを行う
と大まかに定義づけられます。
プロジェクトマネージャーはプロジェクトの総括を行い、ディレクターにはプロジェクト内の指導を行う立場と言えるでしょう。
WebサイトやCM作成などのコンテンツ作成だけでなく、システムの開発プロジェクトなどの責任者もプロジェクトマネージャーと呼ばれることがあります。この場合、細かい仕事内容は違ってきますが、求められるスキルは共通して以下のようなものが挙げられます。
・多数の関係者と円滑なやりとりを行うためのコミュニケーション能力
・プロジェクトの方向性や結果を左右する重要な決断をするための決断力・判断力
・メンバーや関係者をやる気にさせ、プロジェクトを成功に導くリーダーシップ・ホスピタリティ
・コストや成果を重視する経営的視点
キャリアアップに必要なスキル
Webデザイナーとしてのキャリアアップには、幅広いスキルや経験が必要になることを解説しました。ここからは具体的にどのようなスキルを身につけることがキャリアアップに繋がるのかについて解説していきます。
Webデザインのスキル・知識
やはりWebデザインのスキル、知識は必須です。現在Webデザイナーとして働いている方も、多くの案件をこなしながら自分のデザインやスキルの幅を広げていく努力は必要でしょう。
流行りのデザインや過去に大きな成功を収めた事例についても勉強し、クライアントの悩みや問題解決の方法をより多く提案できるよう引き出しを多く持っておくことが大切です。
プログラミングスキル
プログラミングスキルもデザインスキルと合わせて身につけたおきたいです。Webデザイナーにおすすめのプログラミング言語としてはJavaScript・Ruby・PHPなどがあります。
結果として同じ処理が行われるプログラムであっても、書き方や使うメソッド(文法)によって、速度やメンテナンスのしやすさ、バグの発生度などは異なります。
優れたエンジニアは無駄な処理をすることなく、シンプルなコードを書くことができます。とりあえず動くものが作れるプログラミングスキルを身に着けた後は、速度や読みやすさを考慮したプログラムが書けるようにスキルアップしていきましょう。
Webデザイナーであってもサーバーサイドやデータベースなどのハード面についての最低限の知識を持っておくことで、エンジニアやクライアントとの話し合いを円滑に進められ、さらにあなたの信頼感にも繋がるでしょう。
コミュニケーションスキル
ディレクターやプロジェクトマネージャーなど、チームや他のメンバー・スタッフを束ねる立場を目指すのであれば、コミュニケーションスキルも必要です。
クライアントの話から要望を読み取ったり、相手の感情に合わせてコミュニケーションを取るスキルは、プロジェクトを遅延なく成功させるために重要です。
次に紹介するマネジメントスキルと合わせて、ビジネススクールに通って手法を身に着けたり、あなたの周りにいるマネージャーがどのように他者とコミュニケーションを取っているのかを観察し、真似できそうなスキルがあれば積極的に自分のものにしていきましょう。
マネジメントスキル
スケジュールやタスクの管理、スタッフのモチベーションのコントロールなどを行えるマネジメントスキルもキャリアアップのために身に着けたいスキルです。
優れたマネジメントスキルを持つリーダーは、メンバーの個性や特性を理解し、適切に仕事を割り振ります。
メンバーを動かし、プロジェクトを円滑に進めるためにはメンバーとリーダー、さらにメンバー間のコミュニケーションや信頼関係も欠かせません。
これらのマネジメントスキルは手法などを学習したからといってすぐに出来るわけではないため、日頃から身近にいるリーダーのやり方などを観察して勉強しておきましょう。
マーケティング(アクセス解析など)
クライアントの問題を解決するためのベストな案を提供するためには、市場の動きを読み取るマーケティングスキルも必要です。
今世の中ではどのようなことが流行っているのか、どのようなデザインやサービスが求められているのかを考え、戦略的にコンテンツの制作を行うとともに、アクセス解析やコンバージョン率などから狙った通りの効果が出ているかの測定を行います。
広告の知識
Web広告に関する知識も身に着けておきましょう。現在は、Web広告にも様々な種類があり、適切なキャンペーンをうつことでサイトの訪問者数や購買率を高められます。
広告戦略にはどのようなものがあるのか、施策ごとの特徴や狙いなどを理解し、必要に応じてクライアントに提案をします。
フリーランスWebデザイナーは厳しい道のり
自由な働き方や本当にやりたいことを実現するためにフリーランスとしての独立を視野に入れるのもよいですが、フリーランスWebデザイナーの現状が甘くないことは理解しておく必要があります。
大企業での勤務経験や大きなプロジェクトの実績、小規模であれば相当数の実績や顧客からの信頼、コネクションがないと充分な収入を得ることは難しいのが現状です。
それらを理解した上でフリーランスへの道を目指すのであれば、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
フリーランスWebデザイナーは厳しい?年収や仕事の取り方を解説
フリーランスになるには?事前の準備と独立後にやるべきことを解説
フリーランス→会社員という選択もあり
フリーのwebデザイナーとして独立したが、続けられなくなってしまう可能性もあります。その場合は、フリーランスを辞め会社員に戻るという選択もあります。
フリーランスとして働くためには、自分で営業し、実績を積み上げていく必要があります。仮にフリーランスとしてうまくいかなかったとしても、そこで培われたスキルは無駄ではないのです。
外部の人と商談するコミュニケーションスキルや経営的視点、タスクの実行力は企業でしか働いたことのないWebデザイナーでは身につけにくいスキル。これらを持つWebデザイナーは企業にとっても貴重な人材です。
企業に応募する際には、フリーランスとしての経験やそこで得たスキル・実績をアピールし、よりよい条件での就職を目指しましょう。
さいごに
より高い年収を得るためにはスキルアップやプラスアルファでのスキルが重要である点は、Webデザイナーに限らずエンジニアや営業などその他の多くの職種で共通していることと言えます。
まずは自分が将来どのようにキャリアアップをしていきたいかをイメージしてみて、そこから逆算して必要なスキルを身に着けていくと良いでしょう。
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