あなたはフリ―ランスとして働きたいと思っていませんか?
「自分のスキルならもっと稼げるはず」「自分の仕事のペースで効率よく働きたい」という思いを感じた場合に、フリーランスへの転身を考えたことがある方も少なくないでしょう。
「会社勤めには自分の取り組みたい仕事を選べる自由はないけれど、フリーランスなら好きなように働けるかもしれない。」スキルに自信がある人ほど、そう考えるのではないでしょうか。
しかし、フリーランスになった場合には、サラリーマンとは違って自分で仕事を獲得しなければいけません。継続して仕事を得ることは、フリーランスとして働く上でとても重要です。この記事では、フリーランスの仕事の探し方について解説し、安定して案件が獲得できるようになるための心得を紹介します。
この記事の目次
フリーランスのおもな仕事の探し方について
中小企業庁がフリーランスの働きぶりを調査して作った「小規模事業者の事業活動の実態把握調査」によると、 「顧客を獲得するための方法」の項目にフリーランスの実際の仕事獲得方法が棒グラフで表わされています。(下図参照)
フリーランスというと、自分で営業しないと仕事が獲得できないというイメージがあるでしょう。
しかし、実際には営業活動による仕事獲得の割合は、仕事の獲得方法全体の50%にも満たないのです。以下で、おもなフリーランスの仕事の探し方についてそれぞれ解説していきますので、ぜひ仕事を獲得する上で参考にしてください。
出典:小規模事業者の事業活動の実態把握調査~フリーランス事業者調査編
今までの顧客からの紹介
フリーランスによる仕事案件の獲得方法で最も多いのは、「既存の顧客からの紹介」で47.1%でした。
この場合、会社勤め時代の取引先から独立後も仕事の発注を受けたり、古巣の会社から発注してもらえるケースなどを指します。
これは、双方にとって好条件な契約が結べるスタイルだと言えるでしょう。
なぜなら、この場合はクライアントと直接契約を結ぶ「プライム案件」(クライアントと直接契約を結ぶ一次請け案件)になり、中間に業者が入らないため、クライアントもこちら側も中間マージンを払ったり引かれたりしないからです。
プライム案件は直に仕事の契約に至るため情報伝達も迅速で報酬も大きいのですが、双方の深い信頼関係に基づいていないと成立しない”信用”ありきの案件獲得方法だといえます。
営業活動や売り込みで顧客を開拓
自分で営業活動をする仕事の探し方は、案件獲得方法の42.4%を占めています。クライアントに実績やスキルをアピールして、自ら仕事を獲得する仕事の探し方です。
独立して間もないころ、発注してくれるクライアントが誰もいない場合は、毎日自分で営業することになるかもしれません。
たいていはBtoB案件を求めての法人営業になることでしょう。
もし法人営業の経験がない場合は、先方に失礼がないだけでなく好印象を持たれるように、営業のビジネスマナーをある程度学んでおくことをおすすめします。
クラウドソーシングを利用
現代的な仕事の探し方といえる「クラウドソーシングの利用」は11.4%で、「知人・友人からの紹介」「同業の企業・経営者からの紹介」の次に位置しています。
最近話題に上がることも多いため、クライドソーシングにもいろいろなタイプがあることはフリーランスに興味がある方であればご存じでしょう。
ランサーズやクラウドワークスなどは、Webデザイナーやエンジニア向けの案件を多く紹介しています。
クラウディアでは案件を難易度によって「簡単」「普通」「高度」とレベル別に紹介。
Yahoo!クラウドソーシングでは、クラウドワークスやライティングクラウドソーシングであるサグーワークスの案件も紹介しています。Tポイントで報酬を貯めるスタイルも特徴的です。
このように様々なサービスがありますので、自分にあったものを探してみましょう。クラウドソーシングとは何かや、おすすめのクラウドソーシングサービスが知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
フリーランスが案件を効率良く獲得するためのステップ
それでは、フリーランスがより効率的に仕事を探すために、心掛けるべきことは何でしょうか。
あなたの力量をクライアントに十分にアピールし、継続的に仕事を発注してもらえるようになるためには、然るべきステップを踏む必要があります。
それらの具体的な内容について以下で見ていきましょう。フリーランスは何もしないでボーっと仕事を待っているだけでは、獲得できる仕事も逃してしまうのです。
仕事の実績を積む
まず、あなたが今正社員として働いている会社で、独立前に仕事の実績をしっかりと作ることをおすすめします。その実績が結局、顧客を獲得する材料になるからです。
また、クラウドソーシングを介したり知人のつてを利用して、規模に関わらずとも仕事を受注してみましょう。
小さな仕事でも請けて実績を作っていくと、将来独立後の営業や売り込みの材料になります。
ポートフォリオを製作する
ポートフォリオとは「自分が作った作品集」という意味です。
ポートフォリオはWebデザイナーやイラストレーターが作るもので、エンジニアには関係がないという印象があるかもしれません。
しかし、自分が手掛けたUI/UXやシステムなどの実績はポートフォリオにまとめておくことをおすすめします。営業資料として実に有効だからです。
加えて、これまで経験したプロジェクト、得意なプログラミング言語、将来のビジョンなどもまとめておくと良いでしょう。
ポートフォリオを作るうえでの注意点もありますので、下記にまとめておきます。
・クライアントから掲載許可を取った成果物のみを掲載すること
・下請けの仕事は自分の成果物とはいいにくいため、掲載しないこと
・守秘義務があるものや、会社でおこなった業務を自分の成果物として掲載するのは絶対しないこと
会社員時代、独立前に取り組んだ仕事をポートフォリオに記載するのはルール違反なのでやめましょう。
ただ、メールに添付して実績の参考にしてもらったり、面接の場で資料として見てもらったりすることは問題ありません。
SNS・ブログ・ホームページでアピールする
SNS・ブログ・ホームページといったインターネットの力も大いに活用しましょう。
そうすれば、いつ誰の目に留まるかわかりません。思いがけないタイミングで、クライアント獲得の機会が増えるからです。
まずは、作成したポートフォリオをアピールできるホームページを立ち上げましょう。WordpressなどのCMSでも構いません。
あなたの実績やプロフィールを充実させて、できれば価格設定表も準備します。ホームページにブログを埋め込むのも、よりあなたの持ち味が伝わるので良いでしょう。
SNSでは、ビジネスユースのTwitterやFacebookを作成し、更新情報を頻繁に発信しましょう。
ホームページやSNSのQRコードを作成して名刺に入れると、名刺交換の度に閲覧してもらえる機会が増えることになります。
市場の動向を把握する
市場のニーズや業界の将来を見据えて、自分の市場価値を上げるべく努力することはとても大事です。
会社員時代は、そういった市場の動向把握は会社がやってくれましたが、独立後は市場のニーズをつかみ取り自分で自分の舵取りをしていかなければならないからです。
例えば、エンジニアであればAIなど先端技術系のプログラミングスキルがあれば有利だという情報をキャッチできたら、そのスキル習得のためにアクションを起こせます。
息が長いフリーランスエンジニアになりたいのなら、市場の動向に対するアンテナを張らなければなりません。
時代のニーズに合わせてスキルをブラッシュアップすることなくしては、いくら仕事の探し方に長けていてもいずれ限界が来てしまうでしょう。
複数の顧客や案件を獲得する
仕事を切らさず継続して収入を得るためには、複数の顧客を獲得しておくことがとても大事です。
時には、短期と長期の案件など同時に取り組めそうな案件であれば、一緒に受注して並行して進めるのもアリでしょう。
なぜなら、顧客は実績と勝ち取った信用に応じてより大きな案件を打診してくる傾向があるので、取り引きは切らさないようにした方が良いからです。
自分の信用で案件が獲得できるようになると、顧客はやったことがない仕事でも「この人ならできるだろう」と発注してくれることがあります。
そのレベルに到達できるように、クライアントから少し冒険的な案件を打診されたら、必ずスキルを習得する意気込みで引き受けるようにしましょう。
また、フリーランスはクライアントの状況によって、継続案件であっても仕事を失うケースがあります。リスクヘッジのためにも、複数の顧客や案件の確保は重要です。
スキルの幅を広げる
前述の中小企業庁の資料によると、仕事を紹介してもらうケースとして「友人・知人から」(35.6%)に次いで「同業の企業・経営者から」(23.5%)があるように、同業者からキャパオーバー分の仕事を紹介してもらえることもあるのです。
そんなラッキーなチャンスを活かせるように、日々スキルの幅を広げておきましょう。自信がないからとせっかく飛び込んできた仕事を断ってしまっては実にもったいないです。
実際、フリーランスの仕事の探し方では多様性や柔軟性が求められます。例えば、業務システムのエンジニアであってもWeb系の知識も持ち合わせている方が重宝されます。
Webデザイナーであってもホームページ制作の第一歩であるレンタルサーバーの契約や、ドメインの取得もできれば重宝されますので、常に自分にできることを増やす努力が必要です。
特に、独立したてで実績作りに専念している段階では、打診された仕事はより好みせずまずは受けてみるという姿勢も必要でしょう。
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仕事を安定して獲得するための4つのポイント
いろいろな仕事の探し方ができるようになってきたら、次は仕事を安定して獲得できるようなアプローチに務めましょう。
仕事を切れることなく受注できているフリーランスは、然るべき努力をしていると思われます。
顧客の依頼に対して結果を出す
顧客からの依頼に対して、常にベストパフォーマンスを発揮できるように努めましょう。引く手あまたのフリーランスになるには、仕事のクオリティが高くなければなりません。
仕事のクオリティが毎回高ければ、顧客からの評価も上がるうえに、良い評判や口コミで仕事獲得のチャンスが広がっていきます。そうなると、嬉しいことにおのずと報酬も上がっていきます。
このような上昇気流に乗るためには、一回一回の仕事でベストの結果を出していくことが大事です。
継続案件で途切れずに実績を作る
単発の案件だけでなく、継続案件の獲得を目指しましょう。
なぜなら、継続案件が受注できれば収入的に途切れることもないうえに、回数をこなしていくうちにスキルが充実していくので高評価が得られやすいというメリットもあるからです。
初心者でも継続案件が見つけやすいのは、クラウドソーシングの利用です。
クラウドソーシングの求人案件にはコンペ案件など単発のものもありますが、テストに合格したら継続して発注してもらえる「継続案件」もあります。この継続案件に応募して見ましょう。
クライアント側から見ても、継続案件を多く受注しているフリーランスは信用度が高いと判断していると思われますので、進んで応募してみましょう。
地道な営業活動を怠らない
継続案件を獲得し、スキルアップと同時に進めていきたいのが営業活動です。これは、常に自分で仕事を探さなくてはならないフリーランスのさだめだといえます。
例えば新しいスキルを習得した時は、次に実績作りをしなければなりません。
その場合、継続して取り引きを行っているクライアントに「何か〇〇言語が使える案件はありませんか」と打診してみたり、「△△言語が使える案件を多く持つエージェントはご存じですか」と取り引き先の幅を広げてみたりするのも良いでしょう。
フリーランスにとっては固定客が多くいれば安心なのですが、新規の顧客獲得も常に意識しなければならないのです。
万が一、取り引き先に問題が起こりビジネスに支障をきたしてしまった時に、共倒れするようでは大変なことになってしまうからです。フリーランスとしての働き方が軌道に乗ってきた場合も気を抜かずに、地道な営業活動は継続しましょう。
幅広い仕事獲得のアプローチを行う
フリーランスの仕事の探し方には、先ほど挙げた既存の顧客やクラウドソーシングの他にも、様々な方法があります。
例えば、フリーランスエージェントに登録したり勉強会やセミナーに積極的に参加したりするのも有効な方法です。
エージェントに登録する
フリーランスエージェントに登録することには様々なメリットがありますので、挙げていきましょう。
・案件登録数がものすごく多い
・登録料が無料
・担当者がつき、いろいろと世話してくれる
・報酬の交渉も行ってくれる場合がある
・勉強会など、スキルアップのためのセミナーに参加できる場合もある
エージェントにも得意分野があります。あなたのスキルにあったエージェントに巡り合えるように、いくつか訪問してみたら良いでしょう。
勉強会やセミナーに参加する
プログラミング言語や新しいプラットフォームなどの勉強会に参加し、スキルアップがてら人脈を広げていくのも良いでしょう。
フリーランスにとって人脈は生命線です。同業者のみならずIT業界の中に様々な知り合いを作っておくと、新たな情報が与えられたり、こなせない案件を持ちかけられたりします。
勉強会によっては、LT(ライトニング・トーク)やメンターを引き受けることもできます。そのような業績もビジネスにはプラスにつながります。
例えばマイクロソフトは、勉強会のメンターを務めるなどして、C#などの技術を広めた社外のエンジニアを表彰するMicrosoft MVPというアワードを設けています。
Microsoft MVP とはhttps://t.co/RIiv9MV8AY
専門的な知識だけでなく、それを広く皆に広めてくれる(社外の)人たちをマイクロソフトが表彰する制度(1年更新制)。特典としては visual studio 最上位サブスクリプションや Office 365 などが付与され、年に一度米国MS本社での3日間NDAセッションに招待 pic.twitter.com/jrGo1wNFdX
— ちょまどMadoka@インフルエンザ回復 (@chomado) 2019年1月21日
このアワードを受賞することで認知度が上がり、信頼できるエンジニアとしてのステータスを獲得できるメリットがあります。
フリーランスは案件の数をこなすことも大切
最後に、フリーランスは「仕事の数をこなすべきか」「新規開拓をするべきか」の議論について触れていきます。
二者のどちらを優先すべきかという議論は、フリーランスに常につきまとう問題だといえるでしょう。
結論からいえば、新規開拓の継続は怠ってはいけませんが、フリーランスにとっては仕事を多くこなすことも同等に重要です。
フリーランスは仕事をこなさなければ収入を得られません。より良い案件の獲得も大事ですが、それで仕事を行う時間がなくなっては本末転倒です。
特に独立してフリーランスになったばかりの時は、「数をこなす」ことはとても重要。よい仕事をすれば、収入の安定と高い評価につながることを忘れないでください。
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