進路先として専門学校を視野に入れるか悩んでいませんか?
専門学校に行って希望した職業に就くことができるのか、不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、専門学校の就職の実態について詳しくご紹介します。
本記事では、専門学校をおすすめする理由とおすすめしない理由、就職率の高さ、専門学校の選び方などを解説しています。
この記事の目次
専門学校卒で本当に就職できる?
専門学校といえば、就職率が高く、特に専門性が高いエンジニア職など、目指す業界が決まっていれば就職に有利というイメージを持っている方もいらっしゃると思います。
実際、リクナビ進学によると専門学校の卒業生の約80%が就職しているとあります。これは大学の約70%という就職率と比べても高い数字であることがわかります。
専門学校とは、仕事に必要とされる能力を育てることを目的とした専修学校のひとつです。高校卒業程度以上が入学資格となり、日本の教育課程の専門課程をおく学校を指します。
専門学校の修業年数が1年以上と定められており、2年の学校が全体の約54%を占めています。
そして、仕事につながる資格や技術・知識が身につけられることが専門学校の特長です。それにより、約80%という高い就職率を実現しています。
このように、就職が難しいと言われる現代において、専門学校の就職率の高さに魅力を感じる方も多いと思います。しかし、この専門学校の高い就職率は正しいのでしょうか?
そこで、今回は気になる専門学校の就職率の実態について詳しくご紹介したいと思います。
専門学校のおすすめポイント
専門学校のメリットとして、大学と比べてどんなことがあるでしょうか?
講師や資格取得、設備など、専門学校のおすすめポイントを紹介します。
- 実績ある講師から指導
- 有用な資格の取得
- 道具・設備の充実
実績ある講師から指導
まず、専門学校を卒業するメリットについて見ていきたいと思います。専門学校では、目指す職業において生涯役立つスキル・資格を得ることができます。
専門学校ではそれぞれの業界で第一線で活躍している方が講師を担当することも珍しくありません。そのような実務経験のある講師の授業で、仕事に役立つ専門的なスキルを学べることは専門学校ならではといえます。
また、業界経験のある講師と接することで、業界の現状を知ることができ、就職における選択肢を増やせます。一生役立つ技術を勉強することでビジネスにつなげられる専門学校でのキャンパスライフは魅力といえます。
有用な資格の取得
専門学校では、それぞれの分野における実用的な資格の取得を目指せます。その分野の仕事において、専門的なスキルを身につけられるカリキュラムが組まれています。
また、資格取得のためのサポートが充実していることが多く、仕事に必要になる資格を取得する近道といえます。
このように、専門学校を活用して有用な技術を身につけ、しっかりと資格を取得できれば、あなたの能力が即戦力として役立つことを証明でき、あなたの就職を有利にすすめることにつながります。
関連記事:未経験からでも取得可能!転職や独立に役立つ稼げる資格一覧
道具・設備の充実
働く職業によっては、専門的な機器を扱うことが多くみられます。
専門学校では、個人では用意することが難しい専門的な機器を実際に扱いながら学べることが多いです。
専門学校はその業種を目指す上で、最適な道具・設備が整えられており、仕事に直結する実践的な技術を身につける上で大きなメリットといえます。
また、専門的な機器の使用経験のある方は企業にとって即戦力です。そのため、より良い条件で就職できることもあります。
専門学校をおすすめしない理由
専門学校にはメリットがある反面、デメリットも存在します。
専門学校をおすすめしない理由は以下のとおりです。
- 異業種に就職・転職が難しい
- 学歴重視の企業に採用されにくい
- 毎日勉強・課題に追われる
異業種に就職・転職が難しい
専門学校はそれぞれの専門的な分野に特化した勉強をするため関係のない職種に就職・転職をすることが難しくなります。例えば介護福祉士をやっていた人が商社に転職をしようとすると、「なぜ異業種に?」と疑問に思われるでしょう。
転職アドバイザーなどに相談すると、なるべく前職に沿った分野で探すように指摘されることを覚悟しなくてはいけません。
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学歴重視の企業に採用されにくい
日本は学歴重視社会であり、大手企業などに採用されにくい側面もあります。「大卒以上採用」と明記している企業もあります。何百人もの人が面接を受けに来るので、企業は足切りの一つの指標として「学歴」を見ているのです。
また、給与面や待遇で大卒よりも低く設定されていることもあります。
毎日勉強・課題に追われる
卒業したら即戦力になれるように、専門学校では1〜3年間の間に徹底的に専門知識を詰め込みます。座学をしつつ、課題や実習などで忙殺される日々が続きます。
本当に学びたいことややりたいことがあるならいいですが、なんとなく専門学校に進もうと思っている人は進学を考え直した方がいいでしょう。
関連記事:専門学校とバイトの両立はきつい?おすすめバイトや副業を紹介
専門学校卒は就職に強い?
専門学校が就職に強い理由は以下のとおりです。
- 企業にとって即戦力を得られる
- 講師・専門学校のコネクション
- 就職の指導が手厚い
企業にとって即戦力を得られる
専門学校を選ぶ方は目指す業界が決まっており、就職後に即戦力となる技術を学ぶために通うという方がほとんどです。
そして、専門学校はそのような要望に応える専門的なカリキュラムが組まれていて、専門学校によっては、企業と連携をすすめ、実践的なカリキュラムを組んでいる場合もあります。
このように、企業にとっては確実に技術力を身につけた即戦力となる人材を得られ、採用のリスクや教育にかかるコストを抑えられるというメリットもあります。
講師・専門学校のコネクション
専門学校を選ぶ時には、OB・OGがその業界で活躍している実績があることも大切な要素です。そのような実績があれば、専門学校と企業で信頼関係が築けており、就職できる可能性は他の学校よりも高くなります。
また、専門学校の講師の方が業界で働いていることも多く、そのようなコネクションから就職先が決まることもあります。このように、専門学校は就職活動において、さまざまなアプローチができるメリットがあります。
就職の指導が手厚い
大学では生徒数も多く、それぞれに合った就職のサポートは受けることが難しく、自分の力で就職活動をする方がほとんどです。
専門学校ではクラスを担当する教師をはじめ、就職をサポートする専門スタッフやキャリアカウンセラーなどがいる場合が多く、学生一人ひとりに合った就職の指導を行っています。
それにより、仕事・企業の選び方をはじめ、就職活動における悩みや不安などさまざまな相談ができます。このように、専門学校はあなたが目指す業界・職種への就職の実現に向けて、手厚いサポートを行ってくれます。
専門学校の就職率の実態
専門学校は就職に有利なことが分かりました。
しかし専門学校には、結果的に就職率が高くなっていることもあります。
専門学校の就職に関する実態として挙げられるポイントを紹介します。
- 進級試験が難しく中退が多い
- 就職の辞退
- フリーター・無職でも就職率に加算
進級試験が難しく中退が多い
まず、専門学校は2年間であることが一般的で、大学の4年間に比べると短い期間で学習を行います。
そのため、専門学校のカリキュラムはハードであることが多くみられ、学習の成果が試される進級試験や課題の合格のラインは高く、クリアできなければ進級や卒業はできません。
このように、専門学校には試験や課題によって生徒のレベルを維持することで、高い就職率を誇っている面もあります。
就職の辞退
専門学校を卒業した方でも、就職活動をしない場合やさらに学習するために進学を選ぶなど、さまざまな進路が考えられます。
就職率は「就職した人数を就職希望者で割った数」で表されることが一般的です。
このことを踏まえ、さまざまな理由で就職をしなかった方に対して、専門学校によっては「就職の意思がない」として就職希望者に含めないケースがあります。
それにより、就職希望者が減り、発表される就職率を結果的に高くなります。
就職率の高い学校でしたが就職できなかった人がいると親を交えて面談し、再三就職活動をするように言って来たのになぜしなかったのかと問い詰め、就職の意思が無かったんですね?ということで、就職意思無しと処理され就職希望者の就職率を上げていました。
学校自体は良かったのですが専門学校はこういうところが結構多いそうです。
参照:専門学校での就職活動 at 車好きナオキのcar blog
フリーター・無職でも就職率に加算
専門学校では卒業後にフリーターとしてアルバイトをする方や、実家に帰るなどの理由で仕事をされない方であっても就職率に加算される場合もあります。
このような場合には、就職率から判断することが難しくなりますので、卒業生の就職先企業などを参考に判断する必要があります。
参照:就職率100%を謳う専門学校にありがちな事 BIPブログ
専門学校と大学の就職活動の違い
専門学校と大学での就職活動にはどのような違いがあるのでしょうか。解説していきます。
専門学校の就活
専門学校は特定分野の勉強をするため、その分野に関する企業から学校に直接求人がきます。学生は学校に寄せられた求人から就職先を選ぶ場合が多いです。
企業側から学校に「ぜひ就職してほしい」と声をかけられるのは就活生からすると嬉しいことです。もちろん学生自ら求人を探すこともできます。
大学の就活
大学の場合は就職先を自分で探さなければいけません。就職サイトに登録したり、インターンシップに参加したりする中で希望の就職先を見つけます。
興味がある分野を探し、そこで将来何がしたいかなどを考えるのは大学生ならではです。専門学生とは違い、特定の分野のスキルを持っているわけではないので就活は将来のキャリアを決める第一歩となります。
専門学校で後悔しないための5つのポイント
専門学校入学後に「進学先を間違えたかも」と後悔しないための、5つのポイントをご紹介します。
- 目的をはっきりさせる
- 目的を達成できるか就職先を調べる
- 就職率が高く、中退率が低いか
- 就職の辞退
- フリーター・無職でも就職率に加算
目的をはっきりさせる
専門学校を選ぶ時には、あなたが学校に通って「どのようになりたいのか」という目的をはっきりさせることが大切です。
目的がはっきりしていれば、専門学校の実践的な学習内容を活用し、希望する業界・職種への就職につなげることができます。
将来の仕事を決めるうえでは、以下の記事をぜひ参考にしてみてください。『仕事とは?働くことと就職の意味。面接の受け答えを解説』
目的を達成できるか
専門学校を選ぶ時には、まずあなたが目的とする技術・資格が得られるか調べることが大切です。
専門学校の1年間の授業数は、800単位時間以上と定められています。しかし、これは最低時間なので、専門学校によって授業時間は異なります。
そのため、専門学校によって学べるレベルも変わりますので、しっかりと確認を行いましょう。
また、必修科目の他に、選択科目を設けている学校もあるので、授業時間と合わせて見ていくと、その専門学校のカリキュラムの特性が見えてくるでしょう。
そして、資格の取得において、専門学校選びは特に重要です。専門学校を卒業すると取得できる資格、受験資格を取得できる資格、専門学校で勉強しながら資格試験を受けて資格取得を目指すなど資格の取得にはさまざまなタイプがあるからです。
卒業すると取得できる資格には、電気工事士・幼稚園教諭・栄養士などがあります。卒業後に受験資格を取得できる資格として、看護師・美容師などがあります。エンジニア関連の資格などは専門学校で勉強しながら試験を受けて資格取得を目指す方法もあります。
また、資格試験の合格率についても学校によって、異なるのでしっかりと確認しましょう。合格率の高い専門学校は資格取得へのサポートやカリキュラムが充実していると考えられます。
このように、カリキュラムや取得できる資格を理解し、あなたの目的を達成できる専門学校を選びましょう。
就職先を調べる
専門学校の卒業生がどのような企業に就職しているかを調べることも大切です。
目指す業界に対して、多くの卒業生を世に出している実績のある専門学校は、企業からの信頼度が高く、良好な関係を築いていると考えられます。
そのような専門学校を選べば、あなたが目指す企業への就職を有利に進めることができるでしょう。
就職率が高く、中退率が低いか
前述しましたが、就職率は一般的に「就職者数を就職希望者数で割った数字」です。
そのため、「就職希望者数が生徒全体に対してどのくらいの割合なのか」ということも専門学校の就職率を調べる時には注意すべき点です。
そして、就職率と合わせて確認したいのが、学校をやめた方の割合を表す中退率です。中退率を公表している専門学校もありますが、ない場合には入学者の数と卒業生の数の差から推測ができます。
このような数値を確認すれば、学校の就職指導や生徒へのバックアップをしている専門学校かを判断する材料になります。
講師・在籍生に聞いてみる
選んだ専門学校に満足できれば、その後の学習のモチベーションも上がります。そのためには、専門学校のさまざまな情報を集めることが重要です。
まず、専門学校のホームページやパンフレットを調べましょう。パンフレットには学校の特色・学科・取得できる資格・就職率など参考になる豊富な情報が掲載されていますのでおすすめです。
そして、気になった学校にはオープンキャンパスや体験授業に行き、学校の雰囲気を体感し、入学後のキャンパスライフをイメージしやすくなるでしょう。それにより、パンフレットやホームページでわからない学校の魅力に気づくことができます。
また、在籍性や講師に質問することで、不安な点・わからない点を明確にすることができます。
エンジニアを目指すメリット
今の時代、エンジニアは非常に魅力的な職業です。とくに魅力的な点は次の4つです。
- クリエイティブでやりがいのある業務内容
- 自由な働き方
- 需要が非常に高い
- 将来性が高い
詳しいエンジニアへの就職ガイドについては、こちらをご覧ください。
関連記事:エンジニア就職完全スタートガイド 最初の一歩を踏み出せる!
エンジニアを目指すためのスクール・専門学校
数ある専門学校の中でも、ITエンジニアを目指せる専門学校を主要都市を中心にご紹介します。
テックキャンプ エンジニア転職
テックキャンプ エンジニア転職は最短3ヶ月でプロのエンジニアになれる即戦力エンジニア育成プログラムです。
対象は完全未経験者なので、異業種からの転職や全く違う職種からのキャリアチェンジが可能です。
専門学校札幌ビジュアルアーツ(北海道)
「技術力・創造力・表現力を持ったプロを育成する」をモットーに「音響学科」「パフォーマンス学科」「ゲームクリエイティブ学科」「写真学科」の大きく4つの学科に分かれて専門知識を学ぶことができます。
ゲームクリエイティブ学科は定員40名で、「ゲームデザイナー専攻」「ゲームプログラマー専攻」「ゲームプランナー(企画・シナリオ)専攻」に分かれています。
東北電子専門学校(仙台)
「実学の重視」「人間性の涵養」「社会への貢献」を教育理念に持ち、最先端の環境で教育を受ける事ができます。
試験毎に、資格取得のための「特別対策授業」を実施しており、模擬試験による自己分析で弱点を徹底的にフォローし、2カ月に1度行われる月例テストで確実に実力を付けていきます。
また、クラス担任制となっているためサポート体制が整っています。
立地の良さと、洗練された施設・設備環境で、情報処理技術者試験をはじめ、各種資格検定の試験会場としても利用されています。
ここでは「ITビジネス分野」「クリエイティブ分野」「テクノロジー・建築分野」と大きく3つに分かれており、23学科が設定されています。
日本工学院(東京)
あなたの夢を叶えるために、「クリエイターズカレッジ」「デザインカレッジ」「ミュージックカレッジ」「ITカレッジ」「テクノロジーカレッジ」「医療・保育カレッジ」「スポーツカレッジ」の7カレッジ、39学科117の専門分野の多彩な学科を設置しています。
学科によって2年制・3年制・4年制と分かれており、蒲田校と八王子校それぞれにしかない学科もあるので、しっかり確認してみましょう。
CCコンピュータ専門学校(大阪)
コースによって2年制・3年制・4年制があり、3カレッジ10コースを設定しています。
実践的な専門知識の教育と技能の習得を通じて、社会が求むところの高度専門職業人の「養成」「豊かな社会」「平和と幸福」を希求してやまない、こころの豊かな社会人の育成をはかる、という理念のもと、企業や社会が必要とする人材を育成し、世界の情報ネットワークの推進と情報社会の発展に貢献することを目的とした教育を取り入れています。
他校にはない学びの仕組みとして「ノートPCの無料支給による学習効率up」「少人数&レベル別授業」「春と夏の集中講座」があります。
また他校よりも高い業界就職率として92.6%を記録しており、主な就職先として「(株)バンダイナムコスタジオ」「(株)スクウェア・エニックス」「(株)カプコン」などが挙げられます。
「学費免除優遇制度」や「奨学金・学費ローン制度」「ひとり暮らし支援制度」も用意されています。
KCS福岡情報専門学校(福岡)
「大学併修科」「医療情報学科」「ゲーム・CGクリエータ科」「ゲーム・CGデザイン科」「システムエンジニア科」「プログラマ科」「ビジネス科」「情報ライセンス科」の8学科を設定しています。
コンピュータ技術に関する唯一の国家資格である「情報処理技術者試験」の九州トップレベルの合格実績を誇っており、合格者は高い能力や技術を評価され、即戦力として多くの企業から求められています。
この学校が資格に強いのは、独自のノウハウを詰め込んだオリジナルのテキストを使用し、プロフェッショナルな講師陣で支援体制を取っていることが挙げられます。
また、国家試験の午前試験免除認定校というのも理由の一つとなっています。
この他にも、こちらの記事で詳しくエンジニアになるための専門学校をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:【学生向け】ITエンジニアを目指すための大学・専門学校10選!
「専門学校をおすすめしない理由」を理解した上で進路を決めよう
専門学校には、それぞれの学校における独自の基準やルールによって、高い就職率となっている実態があります。
そして、専門学校には高い就職率の裏には「すべての生徒が希望する仕事に就いているわけではない」という事実もあります。
すべての専門学校に当てはまることではありませんが、このような現実が専門学校にはあることを理解しておきましょう。
その上で、あなたの目的をはっきりさせ、専門学校を選ぶことが大切です。検討の結果、大学へ進学することもひとつの選択肢といえます。
しかし、目的を達成する強い意志があれば、専門学校のその分野に特化した環境を活用し、就職に有利な専攻を選び、実践的な技術や必要となる資格は取得できる可能性は高くなります。
そして、専門学校の持つ企業へのコネクションや手厚いサポートを生かして、あなたが目指す企業・業界への就職を実現しましょう。
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