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4Gと5G(第5世代移動通信システム)の違いとは?速度が何倍になるかも解説

更新: 2020.07.15

ついに2020年3月に、日本でも「5G」が商用化されました。

しかし「4Gと何が違うの?」と疑問を感じている人はいませんか。

この記事では、5Gの特徴や4Gとの違いについて詳しく解説しています。この記事を読むことで、5Gについての理解が深まり、近い将来訪れる未来の社会についての予備知識を得ることができます。

この記事は現役エンジニアによって監修済みです。

5G(第5世代移動通信システム)とは?どれくらい速くなる?

5G(第5世代移動通信システム)は実用化が進められている次世代通信システムです。

現在は第4世代であるLTEが主流ですが、5Gが実現するとLTEの約10倍の伝送速度が可能となります。また、同時接続できる機器もLTEの100倍となり、遅延に関してはLTEの10分の1程度になります。

5Gは、新たな無線技術である「5G NR(New Radio)」と高度化したLTEと連携してネットワークを形成し、幅広い周波数帯に対応が可能。

AIやIoT等の普及により、今後ますます通信トラフィックが増加していくことが予想されているため、5Gの実現により増加する情報量に対応することが期待されています。

2010年頃から研究が始まった5G(第5世代代移動通信システム)

日本国内では、3G/LTEの開発を主導していたNTTドコモが2010年頃から5Gの研究に取り組み始めました。2014年に企業や専門家によって「第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)」が設立され、5Gの研究開発および標準化を推進しています。

政府は、5Gによって国際競争力を強化し、国際標準化活動をリードするため2020年に実現することを目指しています。

柔軟性により幅広いニーズに対応

従来の4Gまでのシステムは、高速かつ大容量の通信を目指していましたが、速度や遅延時間などに問題があり、ユーザーのすべての要求に応えることは困難でした。しかし、5Gは速度や遅延時間の問題を解決し、ユーザーのあらゆる要望に応えることができます。

また、ビジネスモデルについても、主要のビジネスモデルであった「B2Bモデル」ではなく「B2B2Xモデル」でサービスを提供することが想定されています。「B2B2Xモデル」とは、企業が他の企業にサービスを提供し、提供を受けた企業がさらに消費者にサービスを提供するというモデルです。

様々な業界の企業が通信事業者と一緒になって、エンドユーザーにサービスを提供することが期待されています。

Society 5.0においても重要

第5期科学技術基本計画において、日本が目指す新しい社会として「Society5.0」が提唱されました。

Society5.0は、フィジカル世界とサイバー空間が高度に融合した超スマート社会です。これまでの社会では、人がクラウドサービスにアクセスしデータの分析を行っていましたが、Society5.0では、フィジカル世界で得た情報をサイバー空間に蓄積し、AIが処理してフィードバックを行い、これまでにない新たな価値を創出。

5GはSociety5.0を実現するためのインフラとして役割を担うことが期待されています。

Society 5.0の実現によって訪れる「超スマート社会」の未来とは?

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4Gと5G(第5世代移動通信システム)の違いとは

ここからは4Gと5Gの違いに着目しながら、5Gの特徴について見ていきます。5Gには、高速で大容量、低遅延といった特徴があります。

超高速で大容量化した通信

4Gの通信速度は50Mbps~1Gbps程度でしたが、5Gでは10~20Gbpsにまで速度が向上します。インターネットで動画が止まったり、音声が途切れたりすることがなくなり、より快適なインターネット環境を実現。4Gでは30秒かかっていた映画のダウンロードも、5Gでは約3秒で完了します。

超低遅延で高信頼性を実現

通信速度が向上することで、送信と受信を繰り返すことで生まれる遅延も少なくなります。4Gでは10ミリ秒ほどの遅延がありましたが、5Gでは1ミリ秒ほどに遅延が短縮されます。これにより、ロボットをリアルタイムで遠隔操作するなどといったことが可能になります。

NTTドコモとPerfumeによる5Gの実験を紹介

2017年11月にNTTドコモとPerfumeによる5Gの実験が行われました。Perfumeのメンバー3人がロンドン・東京・ニューヨークに分かれて、5Gと最先端の通信技術を駆使しして同期するという試み。

動画をご覧いただくとわかりますが、とてもなめらかに同期しています。5Gを利用すれば、このように離れた場所でも低遅延の通信が可能になるのです。

NTTドコモ FUTURE-EXPERIMENT.JP

同時接続できる端末数の増加

5Gでは同時に接続できる端末数も増加。現在は、スマホやPCの通信が主に基地局に収容されていますが、IoTが普及すればカメラやセンサーなどのさまざまなデバイスが接続されます。接続するデバイスの増加に対して、既存の3G・4Gの回線では対応しきれません。5Gはこのような問題に対して、接続できる機器の数を1つの基地局で100倍にすることで対応します。

スマホ・PCだけでなくあらゆるものがネットワークにつながり、IoTの普及を推進するのが5Gなのです。

5G(第5世代移動通信システム)に期待されるポイント

続いて5Gを実現することによって、期待できることについて解説します。

5Gが実現すると、一般消費者にも多くのメリットがもたらされます。

データ定額プランが大容量になる

5Gは大容量のデータを処理することが可能なため、一般消費者においてもこれまでよりも多くのデータを扱えるようになることが期待できます。

料金は同じままで、より多くのデータを使えるようになるかもしれません。データ通信量を気にせずインターネットを使えることは、消費者にとって大きなメリットになります。

Wi-Fiや回線の契約が不要に

通信量を節約するために、WiFiを利用するという人は多いでしょう。また、PCで通信を行なう場合には、データ通信量が大きくなるためひかり回線などが不可欠です。

しかし、5Gによって大量のデータを高速で扱えるようになり、データ通信量が使い放題になる可能性があるため、WiFiや固定回線を契約する必要がなくなるかもしれません。

IoTの普及に欠かせない5G

身の回りにある様々なデバイスがインターネットにつながる「IoT」。

社会を大きく変える技術として期待され、日本だけでなく世界中でIoTが推進されています。そのIoTのインフラ基盤として必須なのが5Gです。

IoTに必須のインフラ

IoTでは、家の中のあらゆる家電がセンサーでつながる「スマートホーム」、工場の機械同士がネットワークにつながる「スマート工場」といったものが可能になりますが、これらを実現するには大量のデータをやり取りする基盤が必要となります。

高速で大容量のデータを処理し、様々な端末に同時接続できる5Gは、IoTにとって必須のインフラとなります。

膨れ上がる通信に対応

米国EMC(IDCとの共同制作)は、年間に生成されるデータ量を数値化し予測する調査を行っています。

調査によると2013年には4.4ゼタバイト(4.4兆ギガバイト)であったデータ量が、2020年には約10倍の44ゼタバイト(44兆ギガバイト)に達すると予測しています。44兆ギガバイトというのは想像するのも難しいくらい途方もないデータ量ですが、これは地球と月の間の距離の6.6倍、地球を250周するくらいのデータ量だそうです。

調査報告からもわかるように、IoTの普及によってデータ量が膨大に膨れ上がるので、高速で大量のデータを通信できる5Gの実装は欠かせないのです。

出典:The Digital Universe of Opportunities / Rich Data & the increasing Value of the Internet of Things

5G(第5世代移動通信システム)で何が実現するのか

5Gの実現は様々な分野で大きなインパクトをもたらします。

この章では5Gによって具体的に何が実現するのか見ていきます。

コネクティッドカー

コネクティッドカーは、ネットワークにつながった自動車のことです。AI音声エージェントやリアルタイムの道路混雑状況の把握など、これまでになかった様々なサービスを提供することができると考えられています。自動車は、これまでの単なる移動手段ではなく、情報通信機能を備えたモビリティ・サービスへと変貌しようとしています。

コネクティッドカーには、モニタリングセンサー、車間距離センサー、スピードセンサーなど多くのセンサーが付いており、センサーから膨大なデータが収集されます。これらのデータを活用することで、安全運転支援、メンテナンスサービス、自動車保険の選定など、新しい情報サービスを利用できるようになります。センサーから大量の情報をクラウドへ送信する際や、リアルタイムの遅延のないフィードバックを行なうために5Gが活用されます。

医療

医療機関の都市部への集中や、地方の医師不足が問題になっていますが、5Gによって過疎地域でも専門医の医療が受けられる遠隔医療が期待されています。

NTTドコモと和歌山県立医科大学は、5Gを使った遠隔医療の実証試験を2017年にスタートしました。4Kカメラで撮影した患者の画像を5Gで伝送し、医師が映像を見ながらリアルタイムでコミュニケーションを行うというものです。

5Gを使うことで、鮮明な画像を送信することができ、正確な診断が可能。また、音声や映像の遅延がなくなるため、患者の診察もスムーズに行うことができます。

建設

建設業界では、災害復旧などの危険な作業を5Gを使って遠隔操作で行うといったことが期待されています。従来の遠隔操作では、カメラから送信される映像が不鮮明で、作業効率が低下することが問題となっていました。

建設大手の大林組は、2018年の2月に5Gを使った実証試験を行いました。高精細4Kカメラや3Dモニターと一緒に5Gを使うことで、奥行きを正確に捉えることが可能となり、作業効率が向上しました。

遠隔施行の作業効率が向上すると、人手不足の解消にもつながります。

働き方改革

5Gを導入することで、働き方改革にもつながります。農業を例に挙げると、農機の自動運転で畑を耕し、ドローンで肥料を散布するといった「スマート農場」が可能になります。長時間畑で作業する必要がなくなると、農業における働き方が根本的に変わることになるでしょう。

また、道路の混雑状況のデータから導き出された最適なルートの提案や物流現場へのロボットなどの導入により、運送業の労働環境の改善も期待されています。

5GによってSociety 5.0が実現すれば、農業や運送業だけでなく幅広い職種において働き方改革につながるでしょう。

スマートシティ

スマートシティは、IoTを利用して都市の電力利用を最適化し、環境にやさしい持続的な発展を目的とする新しい都市のことです。電力供給のバランスを調整できるスマートグリッドや電気自動車、太陽光発電などを組み合わせて実現します。

日本国内では、経済産業省や大手企業を中心に、プロジェクトが進められています。

買い物

消費者に身近なものとして、買い物にも変化が訪れます。

例えば、スーパーで買い物をしているとすると、生産者から送信された収穫に関するデータを取得したり、自宅の冷蔵庫にある食材の賞味期限を知るなどといったことが可能になります。

店側としては、店内の在庫情報をセンサーで把握し、最適な在庫管理が可能になります。

エンターテインメント

5Gはエンターテインメントにも変革をもたらします。例えば、5Gを利用したスポーツ観戦では、選手を別の角度から見る、リプレイを確認するなどといったことが可能になります。

KDDIは5Gを使った「自由視点映像」の実験を行いました。自由視点映像とは、複数のカメラを使って3Dモデルを作成し、様々な角度から眺めることができる技術です。この技術を利用することで、普段見ることができない視点から選手を見ることができます。例えば、ピッチャーの投球をキャッチャーの後ろから眺めたり、バッターの表情を拡大して見るといったことが可能です。

スポーツ観戦だけでなく、コンサートで臨場感あふれる没入体験をしたり、テーマパークでVRのアトラクションを楽しむといったことも可能になります。

1G・2G・3G・4Gの違い

これまで5Gを中心に解説してきましたが、ここでは5G以前の規格について説明していきます。

アナログ回線の「1G」は1979年にスタート

1Gは最初に実用化された規格で、1979年から使用され始めました。アナログの音声通話に対応しており、携帯電話の基礎となるものです。1Gが使われていた時代は、共通化された通信方式は確立されておらず、メーカーはそれぞれ独自の方式で製造を行っていました。

「2G」でモバイルサイトが閲覧可能に

1993年、アナログ方式からデジタル方式に変わった2Gが登場しました。通話しかできなかった携帯電話に、メールする機能やインターネット接続が加わりました。当時、多くの人に使われた「PHS」は2Gを利用しています。

2Gのメジャーな規格は「GSM」と呼ばれるもので、欧米のメーカーにより標準化されました。日本では使用されなくなりましたが、特許使用料が安いため、海外ではいまだに2Gが使用されている機器もあります。3Gの前には、2Gの問題点を解消する2.5Gという規格もありました。

PCと同じインターネット環境を実現した「3G」

2001年、NTTドコモは2Gよりも高速な3Gの提供を開始しました。これにより、モバイルにおいてもPCとほぼ同じインターネット環境が実現

3Gは現在も使われている主要な規格で、CDMAという方式を利用しています。CDMAは、同じ周波数帯の電波を複数のユーザーで共有する方式のことです。

3Gの時代には、過剰な特許競争を避けるために規格の標準化が進められ、国連の国際電気通信連合が通信方式を統一しました。

LTEは3.9Gの中間技術

LTEは3Gと4Gの間に位置するもので、3Gをさらに高速化したものです。厳密な基準ではLTEやWiMAXは3.9Gに分類されますが、3Gとの違いを強調するため、通信事業者はLTEやWiMAXのことを4G と謳っていました。多くの事業者がLTEのことを4Gと呼んでいるため、最近では4Gの一種と捉えることが一般的になってきています。

さらに高速になった「4G」

LTEの技術を応用したものが4Gです。LTEよりも2倍程度高速で、最大262.5Mbpsの速度が出ます。LTEの後継である「LTE-Advanced」、WiMAXの後継である「WiMAX2」の2つの規格があります。

この2つの規格は、2012年に正式に4Gとして承認され、専門の団体が標準化を行っています。

5G(第5世代移動通信システム)はいつから本格化する?

日本で商用化された5Gですが、全国一斉にスタートというわけではありません。

まだまだ局地的なスタートとなっています。

なぜ5Gを普及するのに時間がかかっているのか

各社、5Gの環境整備をするために日々前向きに取り組んでいますが、時間がかかっているのが現状。

そもそもモバイルネットワークは、携帯基地局を設置することで電波を発射しています。

しかし、4Gとは異なり5Gの電波は広域に飛びにくいのが特徴。そのため、従来よりも基地局を多く設置しなくてはならないのです。

また、電波には干渉というものが存在します。多くの電波を闇雲に設置すると干渉してしまうため、設置位置を計算するのにも時間がかかるのです。

このような背景から各社は基地局の設置に苦戦しており、5Gを全国に普及させるにはまだまだ時間がかかると言われています。

例えば、ソフトバンクは人口カバー率90%にするのは2021年12月が目標であると発表しています。

海外ではどれくらい普及しているの?

じつは海外では、日本よりも早く5Gがスタートしていました。米国・韓国では2019年4月から始まっています。

また、日経XTECHによると、日本が商用化を始めるよりも前の2020年1月の段階で、世界24市場・46事業者が5Gをスタートさせていたという調査結果も。

世界的には依然として4Gがまだまだ主流ではありますが、GSMA(移動通信関連の業界団体)によると2025年には25%のスマートフォンが5Gに接続されると発表されました。

5Gによって、先述したようなさまざまな分野のテクノロジーが進歩するため、日本もこの流れに乗り遅れないようにする必要があります。

5Gに対応したスマートフォンも発売スタート

2020年3月の5G商用化に際して、対応したスマートフォンも発売されました。

5Gエリアが各社限られているため、非対応地域では4G回線で接続が可能。また、2020年6月時点で5Gに対応しているのはAndroidのみです。

iPhoneに関しては、engadgetによると2020年後半に発売される「iPhone 12」で対応するのではないかと言われています。あくまで噂なので、Apple公式の発表を待ちましょう。

まとめ

以上、5Gについてその特徴や実現できること、4Gとの違いなどについて解説してきました。5GはAIやIoTを駆使した新しい社会の基盤となる重要なインフラであり、世界中で商用化が競われていることが理解できたかと思います。

今後、5Gや関連する技術について理解を深めることが大切になってくるでしょう。特に、エンジニアであれば、大量のデータを高速に処理できる通信を使って、何ができるかを考えることが重要になってくるでしょう。

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この記事を書いた人

Yoshi Otobe
アメリカの大学でジャーナリズムを専攻。帰国後、医療、教育、ビジネス、ITなどの分野でライティング、編集、翻訳業務に携わる。現在はITとプログラミングについて勉強中。「基本情報技術者試験」「ITパスポート」「Webクリエイター能力認定試験」などの資格を所有。

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