IT技術は進歩の一途をたどり、現代の生活の中では必要不可欠になってきました。
公共システムやインターネット、ゲームやアプリに至るまで、これらのシステムは全て「プログラミング」によって作り上げられています。
こういった背景から、これからプログラミングを学び、いずれはプログラマーやエンジニアになりたいという方もおられるかもしれません。
しかし、プログラミングを勉強中だが上達の実感が無かったり、初心者でも効率よく上達できる方法を知りたい、といった方も多いのではないでしょうか。
この記事では初心者からプログラミングを身につけるための勉強方法や、そのコツをご紹介していきます。
プログラミングが上達しない理由を知り、それについて対策することでより効果的にプログラミング技術を習得することができるようになります。
各プログラミング言語の特徴なども見ていき、勉強する際に選ぶべき言語や、役に立つ参考書なども紹介していきます。
この記事の目次
プログラミングが上達しない主な理由
「勉強をコツコツと続けているにも関わらず、なかなかプログラミングが上達しない…」
書籍や学習サイトなどを見ていても、実際の技術が身につかないと焦ってしまうかもしれません。
このように感じている場合、プログラミングの学習において以下のような状態に陥ってませんでしょうか。
自分一人で悩んで先に進まない
プログラミングでは専門的な知識や概念が多数登場するため、度々分からないことや理解できない部分が出てくることでしょう。
そういった難点や、自身が書いたソースコードで発生したエラーについて、自分一人で悩みすぎていませんか。
初期のうちはこれらを解決するために、どういった角度で調査し、答えを導き出すのかすら、理解しづらいものです。
このため、延々と一人で悩んでいても問題を解決することは難しいでしょう。
結果、ある一点で学習が止まってしまい、先に進むことができなくなってしまいます。
勉強時間が少ない
プログラミングに限らず、何かを勉強する際はある程度まとまった時間を使い、じっくりと勉強を行うべきです。
根本的に勉強時間が少ないと、学習の進捗はどうしても遅くなってしまいます。
また、一度の学習で得た情報もなかなか自分の中に定着することができず、結果として次のステップに進んでも、以前身につけたはずのものが不十分で、再度同じ箇所を調べなおすという手間も発生します。
勉強を行うための時間が不十分な場合は、まずは勉強時間を多めにとれるよう考え直してみると良いかもしれません。
初心者なのにいきなり難しい言語に挑戦している
プログラミング言語には様々な種類がありますが、それぞれで特徴も難易度もまるで異なってきます。
これらの特徴を理解しないまま安易に学習する言語を選んでしまうと、難易度が高く挫折する可能性も高くなってしまいます。
特にJavaやC言語などは初心者が扱うにはまだ難易度も高く、理解できない部分が多いため上達する時間がかかってしまいます。
まずはRubyやPython、HTML/CSSといった習得難度の低い言語から手を付けるべきです。
プログラミングと素質の関係
どんなものにも「素質」というものがあり、人によって上達スピードが異なってくるものです。
はたして、プログラミングにも向き、不向きという概念は存在するのでしょうか。
プログラミングに適性はあるが誰でも習得できる
プログラミングは論理的思考を必要としたり、細かい作業を続けたりする分野です。
こういった分野に対して、適性によって向き不向きは存在します。
しかし、プログラミングを学習すれば誰でも習得することは可能であり、不向きな人がプログラマやエンジニア―になれない、ということはありません。
いかに勉強量を確保できたかどうかで習熟度、スキルレベルが決まってきます。
文系出身者でも習得可能
プログラミングは式の代入など、理系出身者の方が慣れている作業が多く登場します。このため、学習スピードとしては理系出身者の方が早く進むと思われがちです。
理系出身者のほうが、プログラミングに必要な論理的な考え方に慣れている傾向があるため、スピードが早いのは確かです。
しかし、けっして高度な理系的能力を必要とするわけではないので、学習スピードに差はあっても、文系出身者でも十分習得が可能でしょう。
文系出身者でもプログラマーやエンジニアになった人は多数いるので、文系だからといってプログラミングが学べないということはありません。
参照:数学が苦手な文系出身者でもプログラミングを習得できる理由と方法を解説
独学でプログラミングを上達するための方法
ここからは、独学でプログラミングを上達するための方法について見ていきます。
なかなか独学で身につけることは難しい分野ではありますが、それでも勉強していく上での考え方や、やり方のコツを身につけることで実践的なプログラミングスキルが習得可能です。
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スキルアップする目的や目標を明確にする
目的・目標が明らかになると、それらを達成するためにやるべきことが分かってきます。
また、プログラミングの勉強をする上で一番の敵は「挫折」してしまうことです。
初心者にとっては初めて触れる概念や知識が多数ですので、途中で学習を断念してしまうパターンは非常に多いです。
これはすでにプログラミングを身につけているであろうプログラマーやエンジニアでも同様で、改めて勉強しようと思うと仕事の忙しさなどを理由に挫折しがちになってしまいます。
こういった事態を防ぐためにも、はっきりとした目的や目標を用意しておくことが重要です。
プログラミングスキルアップの目的・目標の事例
プログラミングは非常に難しい分野ですが、それでも身につけることで様々なメリットがあります。
以下のようなことを例に、目的・目標を決定してみると良いでしょう。
IT業界への転職を有利に運ぶ
現在、社会の至る所で「システム」が稼働しており、どの企業でもシステム開発を行うことができるプログラマーやエンジニアは求められています。
また、プログラミングスキルがあれば転職する会社の選択肢も広がるでしょう。
社内での昇進を狙う
プログラミングスキルが上がり、会社の仕事で成果を残せば昇進も狙えます。
専門的な技術ですので、会社の中でも成果を残しやすく、目に見える実績を会社側にアピールしやすいのです。
こうして昇進すれば昇給する可能性も高まり、収入アップにもつながっていきます。
プログラミングを使った副業を始める
現在、企業では正社員のシステム開発者だけでなく、副業やフリーランスとして活躍しているエンジニアも、システム開発の現場に求める時代となってきました。
企業側からすれば正社員でなくとも、優れた腕を持つエンジニアを欲しているのです。
このため、身につけたプログラミングスキルを使い、新たな角度から収入を得ることができるかもしれません。
副業が本業の収入を上回り、独立してフリーランスのプログラマー・エンジニアになったというケースもあります。
参照:エンジニアにおすすめなプログラミングを使った副業を紹介
スキマ時間を活用する
通勤通学の電車の中や帰宅後の時間など、スキマ時間を利用して勉強するのは非常に効果的です。
普段の生活の中では、ついテレビを見てしまったり、SNSを始めてしまったりなど、勉強の時間を少なくしてしまいがちです。
しかしながら、こういった「スキマ時間」にこそ勉強を行うチャンスが潜んでいるのです。1回あたりの勉強時間は些細な物でも、こつこつと続けていくことができれば、着実に知識が身についていくでしょう。
また、毎日プログラミングに触れることで、脳は勉強した内容を長期間覚え続けていられる状態になります。
プログラミングの分野に体を慣れさせることができれば、その後の学習スピードや効率もアップしていきます。
わずかな時間でも毎日勉強することを心がけるようにしましょう。
ソースコードを真似してみる
最初のころは、そもそも「プログラミングのルール」といったものもあいまいで、なかなか本場のコードの書き方に辿り着くには時間がかかってしまいがちです。
このため、まずは完成しているソースコードを見て、それを写すことで書き方やルールを身につけていきます。
最初は見ながら写経するばかりかもしれませんが、これを続けることでだんだんと見なくても書けるようになっていきます。
自然とルールや作法にしたがったソースコードが書けるようになれば、プログラミングスキルにおいて大きな一歩となるでしょう。
反復練習をする
プログラミングは学生時代の勉強や部活動の時のように、反復練習をして身につけていきましょう。
1度終わった単元でも、理解し、体が自然とコードを書けるくらいになるまで繰り返すことが重要です。数回、反復した程度ではなかなか知識やノウハウは身につかず、どうしても漏れが出てしまいます。
こういった学習で抜け落ちた部分を埋めていくことで、しっかりとしたソースコードを書くことができるようになるのです。
複数の書籍を使って学習する
同じプログラミング言語でも3冊ほど書籍をやってみると上達につながりやすいです。
書籍によってはターゲットとしている層が異なってくるため、同じ言語の書籍でも難易度が異なります。
このため、初級、中級、上級と、書籍のレベルを分けて行うことで上達を促すことができるでしょう。
学習するプログラミング言語を見直す
どうしてもわからない部分やエラーが解決しない部分が多かった場合、学習する言語を見直す必要があります。
プログラミング言語は種類も豊富ですが、その分、難易度も言語によってまるで異なります。
いきなり難しい言語に取り組むと、その分上達に時間がかかってしまい、結果として挫折してしまう可能性も高いです。
後ほど初心者向けのプログラミング言語をまとめて紹介するので、参考にしてください。
わからない部分はすぐに調べる
わからない部分をいつまでも考えていても時間ばかりかかってしまい、前に進まないこともあります。
なかなか、最初のうちは独力では正解を見つけることができないため、Webや書籍などで検索し、素早く答えを導き出すようにしましょう。
すぐに調べて答えを理解したら、忘れないように知識として覚えておくことが重要です。
問題が解けたか解けなかったかに意義があるのではなく、知識をつけることに意義があるのだと理解することで、プログラミングの上達も早くなっていきます。
知識のある人に質問する
自分で調べても答えがわからない場合は、プログラミングや今取り組んでいる言語の知識がある人に質問してみるのも良いでしょう。
識者から得た回答や知識、発想は自身の体験として身につけやすく、非常に学ぶ上でも効率的です。
プログラマーやエンジニアなどが周りにいれば、勉強の方法についても相談できるので、先人達のやり方やコツを取り入れていくことも必要です。
簡単なアプリを作ってみる
それがインプットした知識のアウトプットになり、さらに知識や技術が身につきます。
知識を取り入れているだけではノウハウは定着しにくいため、実際に手を動かすことでより深く覚えこませることができるのです。
一つのアプリを作るということが目標になると共に、うまくアプリが起動すればモチベーションも上がります。
勉強会に参加・開催する
インターネットなどで調べると、プログラミングの勉強会が開催されているのが分かります。日本各地で勉強会が開催されているので、それらに参加してみるのも一つの方法でしょう。
自分一人で勉強していても集中しにくいものですが、自分以外の人と勉強することで刺激を受け、モチベーションも上がります。
勉強会は初級・中級・上級のようにレベル分けされているケースがほとんどですので、現在の実力に合ったものを選ぶようにしましょう。
また、自分に見合った勉強会がなければ、SNSやブログなどを使って参加者を募り、自分で勉強会を開催してしまうのも良いでしょう。
プログラミングに携わる他者と交わることで、勉強法の共有や新たな発想を得る良い機会となります。
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初心者におすすめのプログラミング言語と参考となる本
ここからは各プログラム言語の特徴と、勉強を行っていくためのオススメの参考書を紹介していきます。
HTML/CSS
Webページを作るために必要な、最も基本的なプログラミング言語になります。
HTMLがWebページの機能や構造を記載するものに対し、CSSは「スタイルシート」と呼ばれ、ページの書式や色といった「スタイル」を適用するためのものです。
おすすめの書籍は「作りながら学ぶ HTML/CSSデザインの教科書」で、一般的な文法やルールを抑えつつ、実際にページを作っていくことで実践的な技術を身につけることができます。
Ruby
HTMLと同様にWebサービス作成の際に良く使われる言語で、日本語の情報も多いことから学習がしやすい言語となっています。
日本人の方が開発した言語ということもあり、初心者の方がプログラミングを学ぶにはおすすめです。
初心者の方は「3ステップでしっかり学ぶRuby入門」の書籍から始めると良いでしょう。
解説が非常に丁寧で、プログラミング自体が初めての方に向けて書かれているため、Rubyだけでなくプログラミング全般で役立つ基礎知識も身につけることができます。
Python
近年発展を遂げている「AI(人工知能)」の開発にも用いられることから、注目を浴びている言語です。
組み込み系エンジニアを目指す方だけでなく、初心者の方にとっても学びやすいので、まずは入門編として学習してみるのも良いでしょう。
おすすめの書籍は「プログラミング超初心者が初心者になるためのPython入門(1) セットアップ・文字列・数値編」です。
ごく初歩の内容がまとめられていますが、Pythonの基本的な概念が自然と身につく一冊となっているため、挫折しにくく、基礎を身につけることができます。
PHP
Webアプリ開発の分野で、多く利用される言語になります。HTML等と合わせてwebシステムのエンジニアになるためには必須の言語といえるでしょう。
おすすめの書籍は「確かな力が身につくPHP「超」入門(初級)」です。
即戦力となる知識と技術を最短で身につけたいと思っている方には、うってつけの一冊です。
JavaScript
Webページの挙動を専門的に、よりリッチな仕上がりにするために利用されるプログラミング言語です。
動的で効果的なページ作成が実現できることから、Webデザイナー等を目指す方にとっては必要となってくるスキルです。
おすすめの書籍は「スラスラわかるJavaScript」です。「JavaScript関連の知識はゼロ」という状態から、JavaScriptの基礎知識や作法、基本構文、基本テクニックなどを無理なく習得できます。
Java
一般的なシステム開発から、最近ではAndroidアプリの開発言語としても広く利用されるプログラミング言語です。
古くから使われてきた言語で、プログラミングの概念を身につけるには適しており、業務で使う機会も多いです。
おすすめの書籍は「スッキリわかるJava入門 第2版 (スッキリシリーズ)」。
プログラミング書籍というと堅いイメージがありますが、分かりやすく、それでいて面白くプログラミングの基礎を学ぶことができます。
様々な言語を紹介してきましたが、なかでもJavaはWebサービスやアプリ作成などで幅広く使われる言語になります。
しかし、その分難易度も高く、初心者の方にはあまりおすすめはできません。
まずはRubyやPython、JavaScriptなどで基礎を覚えてからJavaに取り組むと良いでしょう。
独学でのプログラミング学習はハードルが高い
書籍の難解さや、勉強時間が取れないことが主な原因となり、8〜9割ほどの人が挫折してしまうのです。
独学で上達が見込めない人はプログラミングスクールに通って、メンター(講師)や先生の指導を受けながら学習した方が効果が出る可能性が高くなります。
行き詰まりそうになってもメンターに素早く質問、確認することができるため、なかなか挫折することがありません。
上達が見込めなくても悲観的にならない
プログラミングはスクールに通っても、初心者だと習得までに最短で3ヶ月〜半年は必要となります。独学の場合はさらに時間がかかり、習得までに1年以上要するケースもありえるのです。
このため、本来プログラミングを上達させるには、時間がかかるものだと理解することが重要です。すぐに上達を実感できないとなかなか不安になるかもしれませんが、長い時間をかけ、こつこつと学習することによって確実にプログラミングスキルは身についていくのです。
独学ならばなおさら、3ヶ月から半年ほどで上達した実感がわかなくても悲観的にならないように気を付けましょう。
地道に毎日勉強し続けることが大切になってきます。
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