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AppleはAR市場に本格的に乗り込むのか?ARゲーム新発表など動向まとめ

作成: 2018.09.18 更新: 2019.10.03

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近年のAppleの動きを見ているとAR技術を使った製品の研究開発に力を入れていることがわかります。

9月12日に行われたAppleのイベントにて、iPhone向けのARゲーム「Galaga AR」と「HomeCourt」のデモが発表されました。また同イベントに先駆けて行われたWWDCイベントでは、新OS「iOS12」に「ARKit2」が搭載されるとアナウンスされていました。

ARは今後ゲームのようなエンタメ領域だけでなく、日常と切っても切り離せないようなものに使われるだろうと予測されています。AppleはこのAR市場に本格的に乗り込むために新製品開発や企業の買収など様々な動きを見せているのです。

例えばAppleはiOS標準搭載のマップアプリの拡充にAR技術を活用させるのではないかと考えられています。現在AppleはMaps カーを走らせ、街の風景を撮影しています。(実は東京都も撮影対象となっているのです)

この記事ではAppleが発表したARゲームとAR製品開発の動向を解説しています。

iPhone向けARゲーム「Galaga AR」とは

9月12日に行われたApple Special Eventにて、Appleが制作したARゲーム「Galaga AR」のデモが発表されました。

これは1981年に発売されたファミリーコンピュータ用のシューティングゲーム「ギャラガ」がベースとなっています。ギャラガは自機(ファイター)を操作して、迫りくる敵のエイリアン「ギャラガ」の群れを撃ち落とすというもの 。

「Galaga AR」では敵の群が仮想空間のアーケードキャビネットから飛び出してくるというものになっています。 

開発したのは「The Machines」を手がけたDirective Games

「Galaga AR」を開発したDirective Gamesは様々なAR・VRゲームの開発実績を持っています。iOS 11のAR機能を活かした高グラフィックなリアルタイムストラテジーゲーム「The Machines」の開発や、2018年にはHTC Vive、Oculus Rift対応の「Super Kaiju」をリリースしています。

最大の特徴は複数人での同時プレイが可能なこと

従来のAR技術では、不可能だったことがあります。

それは様々な角度や位置から同じARオブジェクトをみることです。実際の空間に違和感なく表示させるには、ある特定の角度や位置から見る必要がありました。

Galaga ARは最大3人まで同時プレーが可能となっています。複数のユーザーがそれぞれのデバイスで、あらゆる角度からARコンテンツを同時に表示しすることが可能になっているのです。

リリース時期は未定

今回のイベントではデモが公開されたのみで、正式なリリース日は発表されていません。

バスケの練習ができるARゲーム「HomeCourt」

Apple Special Eventでは、もうひとつバスケの練習ができるARゲーム「HomeCourt」が発表されました。

アプリを起動し、コートにiPhoneカメラを向けるだけで、プレイヤーの動きを認識するというものです。1on1対戦時にどちらがシュートを入れたかをカウントしたり、シュートを打ってる人の動きをモーションキャプチャのように計測することができます。

そしてこのゲームの最大の特徴は、プレイヤーの動きのデータを取得することができる点です。シュートの際のプレイヤーの脚の角度やボールを放すタイミング、スピード、角度などを具体的な数値データとして知ることができるのです。より効率的な練習を行うことができるようになるでしょう。

人工知能技術も活用されている

HomeCourtはAR技術と人工知能技術が活用されています。

また開発にはNBAスター選手のスティーブ・ナッシュ氏も参加していて、「こんなアプリが子どもの頃あったらな」とコメントしているようです。

このAR技術はバスケートボール以外の他のスポーツへの応用も期待できます

様々なアーケードゲームをARで遊べる「AR Arcade Series」リリース予定

Appleは様々なアーケードゲームをARで遊べる「AR Arcade Series」をリリースする予定しています。リリース日に関して詳細は不明ですが、2018年後半が有力です。

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Apple CEO ティム・クックもARに力を入れる姿勢を見せている

AppleのCEOであるティム・クック発言からもAppleのAR市場への前向きな姿勢が読み取れます。ティム・クックはイギリスのメディアThe Independentのインタビューに対し「ARはスマートフォンのように偉大なアイディアだ」「ARは、VRと違って、現実世界から遮断されないのが素晴らしい」と語っています。

ARに多額の投資を行なっていることを明言

ティムクックは、2016年の決算発表会にてポケモンGOについて質問された際に、AppleがAR技術に投資していることを明かしています。

金融アナリストは「ARはAppleに9,000億円の収益をもたらす」と予測

Bank of America Merrill Lynchの株式調査アナリストであるワムシ・モハン氏は、ARがAppleのブランド価値を今後支えていくと予測しています。

AppleにとってのARの収益は、2018年から2020年までの期間で60億ドル〜80億ドル(約6,740億円〜8,990億円)に上るといわれており、もしもAppleがARヘッドセット・メガネなどをリリースする場合、110億ドル(約1兆2,360億円)もの収益が見込めると推測されていま。

6月に行われたAppleのWWDCイベントにて「AR Kit2」が発表された

AppleがAR製品の研究開発に力を入れている例は他にも多くあります。まずは、9月のイベントに先駆けて行われたAppleのWWDCイベントで発表された「AR Kit2」を紹介します。

AR Kitとは

ARKitとは、iPhoneやiPadでのARゲームやアプリを手軽に制作できるフレームワークです。iOS11から新たに搭載されました。

このフレームワークを使用したARアプリは、特別なデバイスを必要とせずにiPhoneやiPadのカメラだけで動かすことができます。

AR Kitによってできるようになったこと

ARKitによって、スマートフォンなどのカメラで現実の空間を認識することや、デジタルなモノやキャラクターを置くことが可能になりました。また現実空間の構造を認識することもできるようになり、これに伴って部屋の中にARオブジェクトの家具を仮想的に置いて、レイアウトを試すサービスなどが広まりました。

IKEAがAppleと共同開発したARアプリ「IKEA Place」

家具製造販売の大手IKEAとAppleが共同開発したARアプリIKEA Placeでは、室内に様々な家具をARで試しに配置することができます。

家具を様々な角度から見たり、デスクと椅子の組み合わせなどを試すことができます。

AR Kit2でアップデートされた点

アプリを中断した後に再開できる

これまでのARアプリはゲームなどを途中で中断し、その後同じ状態から再スタートするということはできませんでした。AR Kit2ではその動作が行えるようになりました。

より多くの人たちと一緒にAR体験が共有可能に

「Galaga AR」の項でも説明しましたが、これまでのAR技術では、ある特定の角度や位置から見る必要がありました。

でなければ実際の空間に違和感なく表示させることができなかったのです。

AR Kit2では、複数のユーザーがそれぞれのデバイスでARコンテンツを同時に表示したり、マルチプレイヤーゲームを楽しんだりできるようになりました。

物の検出と分析

AR Kit2では、2Dの画像だけでなく、3Dの物体や動くものの検出ができるようになりました。

iOS12では、この機能を利用したメジャーアプリが標準搭載されるようになります。

現実世界のモノのサイズを、カメラを通して瞬時に計測できるようになります。引越しや新たに家具を買う際などに役に立つでしょう。

近年のAppleはAR分野の開発に積極的

ここではマップアプリやその他ゲームなどAppleがAR分野に積極進出していることがわかる事例を紹介します。

ARKit 2を使ったARゲーム「Swift Shot」

AR体験を共有できるようになったことで、マルチプレイでゲームを行うことが可能になりました。9月のイベントに先駆けて6月のWWDCの会場では「swift shot」というゲームのデモが発表されていました。

SwiftShotは、パチンコで球を打ち合い、相手の陣地にあるパチンコを3つすべて落とせば勝ちというゲームです。こちらの動画は、プレイヤー2人のiPadとこの映像を撮ったiPadの合計3台がひとつのAR体験を共有しているというもの。このようにひとつのAR空間を複数の角度から共有できるのです。

USDZ ファイル

USDZとは、Appleがピクサーと協力して作ったファイルフォーマットです。

これまでAR技術は、ポケモンGOなどスマホアプリとして扱われることがほとんどでした。しかしARはUSDZファイルによって、テキストや音楽、動画のようにARオブジェクト自体をファイルで共有することができるようになりました。

実際に使用が可能なUSDZは現時点ではほとんどないというのが現状です。しかし、Adobeが各種ツールでUSDZの書き出しのサポートとARコンテンツを作る「Project Aero」を発表していることなどから、今後一般ユーザ(クリエイター)によるARオブジェクトが作られていく可能性があります。

Memoji

WWDC にてiOS12の新機能「Memoji」が発表されました。

Memojiはいくつかある顔パーツを選び、自分の顔に似せたモンタージュを作る機能です。絵文字のような感覚でコミュニケーションツールとして使うことが可能になります。

これはiPhone Xから搭載された「アニ文字」をさらに進化させたものです。(アニ文字は既存のキャラクターを顔認証によって動かすものでした)

Memojiは、Facetimeで自分の顔にかぶせて表示させることも可能。この場合も顔の動きに追従して表情や口の動きをリアルタイムで再現することができるのです。

この機能も顔という現実世界のもの(オブジェクト)を認識するAR技術を用いられているのです。

AppleがマップアプリにARの実装を検討しているという情報がある

Appleがマップアプリに注力していることを知っていますか。

データ解析サービスのThinknumは、Apple求人情報に以下のような記述があることを発見しました。

「車両から屋内位置情報、LIDAR(レーザー画像検出・測距)からARまで、技術の発展と新たなデータがデジタル・マッピングにおいてイノベーションを前進させています」

また、iOS・macOSエンジニアの求人でも「MapsとCore Location APIsに精通していること」「AR関連のAPIに精通していること」との記述があります。

これにより、iOS標準のマップアプリにAR技術が関連していることが考えられます。

Appleは世界各国にて道路撮影を行なっている

Appleは数年前からアメリカ・ヨーロッパ諸国で、カメラを搭載した車を用いて街の風景を撮影しています。

実はこの撮影は日本でも2018年の6月から始まっています。撮影地は、東京都(練馬区、世田谷区、杉並区を除く)と千葉県浦安市と言われています。

2020年の東京オリンピックに向けて情報を収集し活用していることも充分考えられます。

AppleがARメガネ向けレンズの開発を行う企業を買収した

AppleはARメガネ向けレンズの開発を行う企業「Akonia Holographics」を買収しました。同社は2012年にホログラフィーの研究者らが立ち上げた会社。当初はホログラフィック・データ・ストレージの開発を行なっていましたが、現在はARメガネ用ディスプレイ(レンズ)の開発に業務内容を移しています。

Akonia Holographicsはホログラフィック関連の特許を200件以上取得していると言われています。

Appleがこの企業を買収したことで、ソフトウェアだけでなくハードウェアの開発にも注力する姿勢があることが考えられます。

2020年にAppleのARメガネが発売されるとの予測されている

Apple関連の情報の正確な予測で知られるミンチー・クオ氏は、「Appleは2020年にメガネ型AR端末を発売する」と予想しています。AR Kitなどのソフトウェアだけでなく、ハードウェアの開発によって、ARソフトウェア市場を取り込む戦略であると考えられます。

さいごに

AppleはAR市場に積極的に進出しようとしているのではないかと考えられます。

Google Glassが販売を停止したこともあり、ARのデバイスが浸透するのは難しいのではないかという見方もありましたが、Appleの技術を駆使した新たなデバイスが今後市場を席巻する可能性も大いに期待できるでしょう。

9月のイベントでのARゲームの発表はその布石かもしれません。

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