あなたは、世界的に高い人気を誇るゲームエンジンを搭載した開発環境「Unity」に興味はありませんか?
「名前は聞いたことはあるけれど、難しそうで手が出せない」「色々なバージョンがあって、どれを使えば良いかわからない」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。そこで今回は、最新のベータ版がリリースされたUnity 2018について徹底紹介します。この記事を読めば、Unity 2018についてだけでなく、Unity 2017との違いや使うべきバージョンまで詳しく理解できるでしょう。
高品質なゲームの制作が可能で、プログラミングの入門にも最適なUnityの深い魅力に迫りたいと思います。
この記事の目次
Unity 2018.2.0b1がリリース
ゲームの開発環境として高いシェアを誇るUnity 2018.2.0b1がリリースされて話題を集めました。まずは、Unity 2018.2.0b1が一体どのようなものなのかについて紹介します。
Unity 2018とは何か
世界的に高い人気を誇る「Unity」。ゲーム開発に必要な機能を持つゲームエンジンを備えた開発環境です。OSの違いなどでそれぞれの環境に合わせたプログラムを構築するのは、手間がかかります。
しかし、マルチプラットフォームに対応したUnityを使えば、クオリティの高いゲームを効率的に制作が可能。VR・AR・MRなどのコンテンツ制作にも使われています。そんなUnityの2018年度の最新バージョンがUnity 2018です。
ベータ版なので注意
ただし、今回リリースされたUnity 2018.2.0b1はまだベータ版です。新しい機能を早く試したい人にはおすすめです。また、ベータ版を使ってフィードバックすることで、Unity 2018の開発に貢献もできます。
ただし、安定稼働を求める場合にはUnity 2017のLTS版を使った方が良いでしょう。LTS版については後ほど詳しく紹介します。
Unity 2018のメジャーリリースはいつ?
Unity 2018.2.0b1は4月18日にリリースされました。
Unityのメジャーリリースは春・夏・秋の年3回と発表されています。Unityのイベントである「Unite 2018」が5月2日から開催されますので、このイベントの前後にリリースされることも考えられます。
Unityの新しいリリースプランについて
Unityは、今までとは違う新たなリリースプランを発表しています。どのようにリリースプランが変わったのか詳しく見ていきましょう。
LTSストリームについて
Unityはバグに対応するためにパッチリリースの仕組みを使って、スピーディーに対応してきました。しかし、それにより開発者にとって使うべきバージョンがわかりづらいという問題も生まれました。
そのような問題を解決するために、新しく登場したのがLTS(Long Term Support)版です。LTS版は機能の追加などは行われません。
その代わりにバグや問題などのサポートが2年間提供されます。この安定性の高い2年間のサポートが行われる流れがLTSストリームです。
TECHストリームについて
LTSストリームに対して、TECHストリームは年間で3回の機能面の向上を伴ったメジャーリリースが行われます。メジャーリリースが行われた後は、以前のバージョンのサポートが受けられなくなる点に注意が必要です。
3回のメジャーリリースを行った後の最後のバージョンがLTS版としてリリースされるというのが、Unityの新しいリリースプランとなっています。
これにより、ユーザーの幅広いニーズに応えることを実現。今まで以上にUnityは使いやすくなったと言えるでしょう。
新機能・変更点を解説
Unity 2018に実装される新機能で高品質なグラフィックを実現できますが、そのために欠かせないアセットやプラグインも重要です。そんなAsset Store製品群をご紹介(英語)。 https://t.co/llzrrfo5VJ pic.twitter.com/9FMOIvxBmo
— ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン (@unity_japan) March 23, 2018
Unity 2018の新機能や変更点など、Unity 2017から大きく変わった点について解説します。
機械学習
Unity 2018は機械学習の機能が強化されています。
機械学習とは人工知能(AI)の研究分野の1つ。人間が明示的にコンピュータに指示をするのではなく、データを元に「コンピュータ自身に学習させる」技術です。
「教師あり学習」「教師なし学習」という2つの手法が、機械学習の分野では特に有名です。
Unity 2018は ML-Agents 0.3に対応し、Imitation Learningをはじめとするさまざまな機能が追加されています。
機械学習の機能を強化することで、NPCに人間の動きを学習させたり、端末の違いによって発生する問題を解決したりといった幅広い分野での応用が期待できます。
レンダリングパイプラインがカスタマイズ可能
上記の動画は、『Book of the Dead』と名付けられたUnity 2018のデモ動画です。進化した映像の美しさが実感できるでしょう。
Unityはこれまでレンダリングのプラットフォームがすべて同一でした。そのため、ハイエンドとローエンドの表現において、どちらにおいても中途半端になるという結果になっていたのです。
Unity 2018ではそのような問題点を改善するため、レンダリングパイプラインがユーザーによってカスタマイズ可能になっています。
開発者が状況に合わせてレンダリングパイプラインをカスタマイズできることで、きめ細やかなHDグラフィックスからモバイル向けまでさまざまな用途に対して最適なアプローチができます。
Unity 2018には、高画質レンダーパイプライン「High Definition Render Pipeline」と軽量レンダーパイプライン「Light Weight Render Pipeline」の2つの基本的なレンダリングパイプラインが用意されています。
そこから、さらに細かく開発者の意図に合わせてカスタマイズが可能です。
Shader Graphも利用可能に
Unity 2018の大きな改善点の1つがShder Graphが利用可能になったことです。初心者からプロの方までその技術のレベルに関わらず、イメージに合ったシェーダーを作成できるようになりました。
Shader GraphはC#で作られているので、こちらもカスタマイズできます。
パフォーマンスがアップ
Unity 2018は基本的なパフォーマンスを向上を目指して開発されました。まず、データレイアウトの最適化により、CPUが使いやすい形でメモリのキャッシュが整頓されます。
それにより、効率的にコンピュータのスペックを発揮することが期待できます。
また、高性能なマルチスレッドシステムにより、簡単にマルチコアプロセッサの活用が可能。
このようなパフォーマンスの向上のもとになっているのが、「C# Job System」と「Entity Component System(ECS)」の2つのフレームワークです。
そして、対象となるCPUへチューニングするという目的のために作られたBurstというコンパイラーを使うことで、さらならるパフォーマンスの向上が実感できるでしょう。
高DPIに対応
Unity 2018はWindowsの高DPIに対応しました。それにより、ディスプレイのスペックを最大限まで生かせるようになり、より快適な開発を可能にしています。
Unity 2018.2 Beta 入れたら高DPI対応でもってエディタ画面が一気に綺麗になって最高。今までで一番感動した神アップデートかも。
せっかく4Kに切り替えたのに、それまで滲みまくってたからね…。— マサカツ (@masakatsu_) April 19, 2018
Unity 2018のロードマップについて
Unity 2018は、上記で紹介した新機能を軸にクオリティ・グラフィックス・パフォーマンス・プラットフォーム拡張・アーティスト向け機能の拡張と幅広い面での向上を目指しています。
これまでのUnityの開発によって培ってきた研究の成果が、結実する年になるのではないでしょうか。
Unity 2017とは
Unity 2017は2017年7月にリリースされたバージョンで、最新のLTS版はこのUnity 2017です。Unity 2018は、まだベータ版ですので安定して利用したい方はUnity 2017を使いましょう。
Unity 2017のUnity 5からの変更点とは
旧バージョンのUnity 5とUnity 2017の違いや変更点についてご説明します。Unity 2018の新機能と合わせて違いを知ると、Unityが進歩を続けていることを実感できるでしょう。
開発者の創造性を高める新機能
Unity 2017には開発者の創造性を高める多くの新機能が搭載されました。
Timeline
Timelineは、時系列に映像・音・カメラを配置して、シーケンスを組めるエディタウィンドウです。映画のようなコンテンツづくりに役立つ新しいビジュアルツールと言えるでしょう。
Cinemachine
Cinemachineは、コードを書かなくても映画監督が撮影を行うように使える手続き型のカメラシステム。被写体の撮影するポイントを設定して、カメラの動きをコントロールできます。
Post-processing
フィルターをシーンに適用して、ドラマチックで高品質な演出が可能なビジュアルアセットです。初心者でも簡単に使え、上級者はより美しい映像が作成できる利便性の高さが魅力言えるでしょう。
作業効率がアップ
最も大きな変更点は、Unity CollaborateとUnity Cloud Buildの2つで構成されるUnity Teamsによって、開発者がより簡単に共同作業ができるようになったことです。
また、Live-ops Analyticsを使えば、何度もデプロイすることなくゲームの調整ができます。
その他にも、FBXインポート・アニメーションワークフロー・2D機能・アセットバンドル・Visual Studio統合など、幅広い部分で作業効率をアップさせる改善がありました。
グラフィックスの改善
Unity 2017はパーティクルシステムとプログレッシブライトマッパーにより、イメージした通りの視覚効果・演出が得られるようになった。
また、iOS・NVIDIA VRWorksなどのプラットフォームサポートにより、グラフィックのパフォーマンスが改善している。
Unity 2017で使える言語
Unity 2017で使えるプログラミング言語や、廃止されて使えなくなった言語についてご説明します。
Unityで使える言語はC#
Unityは、Microsoftが開発したプログラミング言語であるC#が使用できます。C#はオブジェクト指向のプログラミング言語です。
Javaに文法は似ており、学習サイトなども豊富なので勉強しやすいプログラミング言語と言えるでしょう。ゲームのプログラミングがはじめての方でも、シンプルなゲームであればこのC#を使って作成できます。
ゲームがスムーズに作れるだけでなく、C#を学ぶための入門にもUnityは最適です。
Unityから廃止された言語も
JavaScript(UnityScript)
Unityで使えたJavaScriptは、正確に言うとUnityScriptという独自仕様のプログラミング言語です。このUnityScriptは 、Unity 2017で廃止されました。
JavaScriptと呼ばれていたものの、実際にはまるで別物となっていてJavaScriptを知っていると逆に混乱する場合もありました。そのような扱いづらい面もあったため、Unity 2017で廃止されたのではないでしょうか。
Boo(Python)
BooはPythonに似た文法で記述されるブログラミング言語で、Unity 5で廃止されました。使用率が低かったことがその理由でしょう。
Unite Tokyo 2018が開催
Unite Tokyo 2018が5月7日から5月9日まで開催されます。技術に対する講演やブースも出店される日本最大級のUnityのカンファレンス。リリースされたばかりのUnity 2018を詳しく知りたい方はマストなイベントと言えるでしょう。
Unityを利用したコンテンツ開発に携わる方はもちろん、スキルの向上をはかりたい方にもおすすめです。しかし、残念ながらチケットの販売は終了しているようです。
早期割引の段階で完売していることから、Unityの高い人気を実感します。
まとめ
今回は、リリースされたばかりのUnity 2018について紹介しました。現在はまだベータ版の公開なので、メジャーリリースが待ち遠しいという方も多いでしょう。Unity 2018は、最新の機能を使えることが魅力です。
しかし、問題が発生する可能性を下げ、安定して使いたい場合にはUnity 2017のLTS版を使うことをおすすめします。C#の学習にも最適で、手軽にゲームが作れるUnityをぜひあなたも体験してみてください。
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