プログラミングスキルへの関心が高まる中、最近はiPhoneやAndroidのスマホアプリでプログラミングを学ぶことも出来るようになりました。

ただ、たくさんあるアプリの中から自分にあったアプリを探すのはなかなか骨が折れます。評価の高いアプリを選んでも、それだけでちゃんとした学習効果が得られるのか少し不安ですよね。今回は、スマホアプリでのプログラミング学習の方法・効果などについて詳しく解説します。

この記事のまとめ

プログラミングをアプリで学ぶメリット

プログラミングをスマホアプリで学習するメリットとして、移動中や待ち時間などのスキマ時間で学習ができることがあります。

また、多くのアプリが無料で利用できるため書籍などを買う必要がなく、気軽に学習を始められることもメリットの一つです。

アプリの中には、子供向けのゲーム感覚でプログラミングを学ぶものもあり、大人だけでなくお子さんでも利用できるものもあり、幅広い年代の学習に適していることも特徴です。

プログラミングをアプリで学ぶデメリット

一方で、多くのプログラミングアプリが基礎知識の習得のみを取り扱っており、高度な内容は学べないことがほとんどです。

プログラミング習得においては、実際に手を動かしてソースを書くことが非常に重要であるため、アプリのみの学習では実践レベルの習得は難しいでしょう。

また、アプリのダウンロードのみで気軽に始められる反面、内容が理解できなかったり、どこかでつまづいてしまうとそのまま学習を放棄してしまう、ということもよくあります。

どのような時にアプリで勉強するべきか

気軽に始められる、というメリットを活かし、プログラミング学習のきっかけとしてアプリを活用したり、実際にコードを書く実践練習中に辞書代わりとして基礎知識を確認したりするのは効果的な利用方法です。

また、難しい本が読めないお子さんのプログラミング学習に利用することも効果的です。

プログラミングをアプリで学ぶメリット

スキマの時間で学習できる

アプリの一番のメリットは、普段持ち歩いているスマートフォンやタブレットでの学習が可能なため、スキマ時間を使って勉強ができることです。

移動中、カフェやレストランでのちょっとした待ち時間など、スキマ時間を使って学習をしたい人によってアプリはとても便利です。

また、本格的にパソコンを使ってプログラミングの実践学習をするためのサポートとしてスマホアプリを活用することもできます。

学習を始めるハードルが低い

自宅などでアプリを選んでインストールするだけですぐに学習が始められるハードルの低さも、メリットの一つです。

プログラミング関連書籍はその情報量の多さから一般的に分厚い本が多いですが、そういった本を買う必要はありません。

また本などを使って独学でプログラミング学習を始める場合、まずはWindowsやMacなどに開発環境を構築する必要があることが多いです。

しかしアプリの場合は学習のための複雑な環境構築をする必要もなく、ネットワークに明るくない人でも気軽に始められます。

小さな子でも分かりやすい

可愛いイラストやゲーム形式で学習が進められるのは、アプリならではです。

難しいプログラミングの概念や専門用語もわかりやすく解説してくれるので、お子さんが学ぶ時に使うのはもちろん、プログラミングに一切触れたことがない方がまず始めてみるための手段としても適しています。

プログラミングをアプリで学ぶデメリット

基礎的な部分しか勉強ができない

アプリでのプログラミング学習は、初心者にもわかりやすいように丁寧に説明されている反面、知識が全く無い状態から一人でプログラミングができるようになれるほど高度な内容を取り扱っていないことが多いです。

特に無料アプリでは基礎的な知識に留まっていることがほとんどで、中級・上級者向けの内容を取り扱っているアプリでも、そのようなコンテンツに対しては課金が必要であることもあります。

手を動かさないと身につきにくい

基礎知識のインプットも重要ですが、プログラミング学習で最も重要なのは、実際に手を動かして自分でコードを書く、アウトプットの練習です。

しかしながら、スマホアプリでの学習では本格的なWebアプリケーション開発へのチャレンジや、コーディングの練習がしづらいです。少しずつスマホでもプログラミング学習はしやすくなりつつありますが、まだ環境としては非力です。

学習のゴールにもよりますが、スマホアプリのみで学習を完結させることは難しいでしょう。

簡単に始められる分、挫折しやすい

無料ダウンロードで始められるアプリが多く、その手軽さは確かにメリットの一つではあります。しかし、わからないことがあったりアプリで気に入らない点があったらすぐにアプリを削除。学習を止めてしまうことが起こりやすいことも事実です。

色々なアプリを試してみた結果、何の知識も身につかないまま挫折してしまう可能性もあります。

どのような時にアプリで勉強するべきか

ダウンロードのみのローコストで始められる点が、メリットにもデメリットにもなり得るアプリを用いたプログラミング学習。

実際にどのような場面において活用できるのか、解説します。

プログラミング学習のきっかけを作る

プログラミングに興味がある。どのようなものであるか試してみたい、という興味を持った時、重くて高い本を買ったり、講座を受けたりすることなく始められることから、学習のきっかけとしてプログラミングアプリは最適です。

プログラミングというと長くて難しいコードが羅列されていることが多いので、未経験者は何がどのようになっているのかを理解できず拒絶反応を示してしまいがちです。そういった難しい内容をイラストなどで詳しく解説してくれるアプリは、未経験者の基礎学習に優しい作りになっています。

簡単に基礎を振り返りたい時

プログラミング習得の効果的な方法が自分で手を動かしてコードを書くこと、とご紹介した通り、プログラミングの学習はパソコンを使って行うことが基本です。

したがって、プログラミングの実践的な練習は机とインターネット接続ができる環境、開発環境を整えたパソコンが必要となります。

それ以外の移動時間や外出中でも学習を進めたい、という方はアプリを使うことで時間の無駄を省くことができます。

プログラミングは「言語」ですので、同じ動作をするプログラムでも書き方が複数通りあります。しかし、よりバグが少なく、そして他の人が読んでも分かりやすいコードを書くためには基礎知識をしっかりを理解していることが重要です。

基礎的な内容はスキマ時間を利用してアプリで学習し、自宅などで手を動かして実践学習をする、というサイクルを回すことでより効率的にプログラミングの習得ができます。

お子さんのプログラミング学習に使う

気軽に始めることができ、初心者にも分かりやすいプログラミングアプリは、大人だけでなくお子さんのプログラミング学習にも適しています。

2020年には小学校でプログラミングが必修化されます。お子さんのプログラミング教育に関心のあるお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。

そういった場合に我が子のプログラミング教育のきっかけとしてアプリはとても役立ちます。

プログラミング学習におすすめなスマホアプリ

ここからは、数あるプログラミングアプリからおすすめのアプリをいくつか紹介します。

Progate（プロゲート）

画像出典：https://prog-8.com/

無料で利用できるプログラミング学習アプリ「Progate（プロゲート）」は、難易度によってレベル分けがされており、ゲーム感覚でサクサク学習ができるアプリです。

可愛いイラストと分かりやすい説明で、難しいプログラミングも直感的に学ぶことができます。

さらに、説明を読んで理解した後は実際にプログラムを書く実践練習も行えます。知識を学び、実際に書いてみる、というサイクルを繰り替えすことでプログラムの意味を一つずつ理解しながら学習を進められます。

2018年4月現在、プロゲートはHTML、CSSからRuby、PHP、JavaやPythonなどの言語に網羅的に対応しています。

codebell

画像出典：codebelle

無料で利用できる「codebelle」はSwift（Apple社が発表したプログラミング言語。IphoneアプリやWebアプリケーションの開発ができる）が学習できるアプリです。

codebellの特徴は、一レッスンにかかる時間と、レッスンの進め方です。

スキマ時間を使って学習する、というテーマで、一つのレッスンがわずか3分程度で完了し、レッスンを一つずつ積み重ねていくステップアップ方式で学習を進めていきます。

また、レッスンはチャット方式で行われ、実際に誰かに教えてもらっているような感覚で学ぶことができます。

プログラミングゼミ

画像出典：プログラミングゼミ

無料で利用できるプログラミングゼミは小学校低学年に向けて行われたプログラミング授業を通して開発された子ども向けのプログラミングアプリで、低学年～高学年の子どもたちを対象にしています。

「右を向く」「少し待つ」といった動作を表すブロックを組み合わせることで、行いたい動作をキャラクターに指示します。

このような、ソースコードを書くのではなく、動作や指示内容を表すブロックなど視覚的にものを用いてプログラムを組むことをビジュアルプログラミングと呼び、プログラミング初心者にとってはビジュアルプログラミングを通してプログラムの基礎を学ぶことで、プログラミングに対する苦手意識を払拭することができます。

プログラミングゼミは、目的を達成するために一つずつ動作を指示していく、というプログラミングの基礎となる考え方を遊び感覚で学ぶことができ、実際の教育現場などにも取り入れられています。

子供向けのビジュアルプログラミングについては、こちらの記事でも解説しています。合わせてご覧ください。

・ビジュアルプログラミング言語「ビスケット」とは？遊び方も解説

プログラミング基本中の基本入門 あなたの素質をチェック

画像出典：プログラミング基本中の基本入門 あなたの素質をチェック

無料で利用できる「プログラミング基本中の基本入門 あなたの素質をチェック」では、プログラミングの学習を始める前に、そもそも自分がプログラミングに向いているか否かをゲーム感覚で確かめることができるアプリです。

勉強やスポーツと同じようにどのような分野でも、それぞれ人によって得意・不得意があります。

プログラミングに興味はあるけれど自分に適性があるのか、拒否反応を起こすことなく継続して学習ができるか、ということをプログラミングの基本である「代入、分岐、ループ」の学習を通して確かめることが出来ます。

アルゴリズム図鑑

画像出典：アルゴリズム図鑑

無料で利用できるアルゴリズム図鑑は、幅広いアルゴリズム（プログラムを動かすための手順式）をアニメーションで学ぶことができます。

様々な条件下でアルゴリズムがどのように変化するのかをアニメーションで見ることができるので、複雑なアルゴリズムの詳細を視覚的に学ぶことができます。

暗号化、セキュリティなど身近なアルゴリズムも含まれており、ネットワークの仕組み、データ構造などIT技術の基本的・発展的な理解が求められる基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などの試験勉強にも役立つ、というユーザーコメントも寄せられています。

JavaScript Anywhere JSAnywhere

画像出典：JavaScript Anywhere

無料で利用できるJavaScript Anywhereは、iOS上で動くWeb開発ツールで、アプリ上でJavaScript、HTML、CSSの編集の他、内蔵ブラウザでのプレビューやエラーの確認を行うことができます。

パソコンがない環境でもJavaScript、HTML、CSSの実践練習を積みたい、という方はこのアプリを使ってスマホから学習を進めることができます。

ShareWis

画像出典：ShareWis

ShareWisはプログラミングを始め、Webマーケティング、英語、ビジネススキルなどのあらゆるジャンルに関する高品質な映像授業を見ることができるサービスです。

こちらは無料アプリケーションではありませんが、一度購入したコンテンツは無期限で何度も視聴でき、またiPhoneやiPadなどのタブレット端末での視聴も可能なので、こういったサービスを活用して移動中に学習を進めることもできます。

数あるコンテンツの中で今回ご紹介したいのが「【現役Rubyistが質問対応】Ruby on Rails (5.1) チュートリアル [第4版]」です。

これは、Michael Hartl（マイケル・ハートル）氏が著した「Railsチュートリアル 第4版」の解説コースです。

Ruby on Rails（プログラミング言語の一つであるRubyを利用してWebアプリケーションなどを開発するために利用できるフレームワーク）を使ったWeb開発を学びたい、という要望を受け、ゼロから実際に動くTwitterのようなサンプルアプリケーションを開発する、というテーマでコンテンツが構成されています。

初期設定から始まり、静的なページの作成、ユーザー登録、ログイン、パスワードの設定、テストなど、実践的な要素が豊富で、その後のWeb開発にも活かすことができるでしょう。

また、現役のエンジニアによる一年間の質問対応もついているので、これから本格的に学びたい、という方にもおすすめします。

PHPプログラミングマンガ

画像出典：PHPプログラミングマンガ

無料で利用できるPHPプログラミングマンガでは、PHP（プログラミング言語の一つ。Webアプリケーションを開発する時に利用する）の基礎をマンガで学ぶことができます。

初心者向けで、説明はかなり噛み砕いてされているため、超初心者の大人だけでなく子供でも利用できるアプリです。

codeSparkアカデミー

画像出典：codeSparkアカデミー

無料で利用できるcodeSparkは「プログラミングゼミ」と同様、子供向けのプログラミングアプリです。

動作を組み合わせてキャラクター達にペットの世話などの指示を出します。さらに自分でコードを組んでゲームを作ったりと、遊び感覚で高いレベルのプログラミングを学ぶことが出来ます。

トライビット　ラン

画像出典：トライビット　ラン

無料で利用できるトライビット　ランは、プログラミングが読めることをゴールにしたゲームアプリです。

迷路に入ってしまったロボットを障害物などを避けながら走らせるというシンプルなゲームですが、走っていく中でアイテムを拾っていきます。アイテムは変数や条件分岐などのプログラミング用語になっており、アイテム（プログラミング用語）を習得すればするほど、ロボットの行える動きが増えていきます。

書くことよりも一つハードルの下がる読むことにフォーカスしているため、初心者でも扱いやすいアプリです。

Schoo　動画学習アプリ

画像出典：Schoo

無料で利用できる動画学習アプリでは、業界大手企業や専門領域の第一線で活躍するプロフェッショナルによる映像授業を見ることができるアプリです。

ジャンルはプログラミング以外にも経済、エクササイズ、デザインなど幅広くあり、更新も高頻度で行われています。

特定のプログラミング言語の習得には向かないかも知れませんが、IT業界全体の動向などの情報収集にも利用できるアプリです。

1問1答クイズ‼︎アプリでマスターHTML5

画像出典：アプリでマスターHTML5

無料で利用できる「1問1答クイズ!!アプリでマスターHTML5」はHTMLの基本をクイズ形式で学ぶことができるアプリです。

問題は全部で50問あり、それぞれに詳しい解説がついています。

基礎知識を分かりやすく説明しているので、HTML学習のきっかけにぴったりのアプリです。

MiniQ for Qiita&Qiita:Team

画像出典：MiniQ for Qiita&Qiita:Team

無料で利用できるMiniQ for Qiita&Qiita:Teamは、Qiita（プログラミングに関する情報を開発者達が共有・補完しあう、開発者中心の情報共有プラットフォーム）上の情報を閲覧・検索・ストックすることができます。

初心者の学習向けではありませんが、最新技術が次々と出てくるIT業界で昨日の情報が次の日には古くなっている、ということは珍しくありません。

Qiitaのような情報共有アプリを活用し、常に最新情報をチェックしていくことは今後の学習やキャリアプランにも重要です。

スマホアプリでプログラミングをマスターすることは難しい

繰り返しになりますが、プログラミング習得の基本はパソコンを使って実際にコードを書くことです。アプリの利用は基礎的な知識の習得まで、と考えたほうがよいでしょう。

しかしながら、手軽に様々な言語の学習ができるのはプログラミングアプリの最大の魅力です。

これを利用し、これから学ぼうとしている言語の基礎を試しに学習してみて、その言語の学習を今後も続けられそうかどうかを確かめることが、プログラミングアプリの最も効果的な利用方法と言えるでしょう。

実践的なプログラミングスキルを身につけるには

プログラミングスクールに通う

スマホアプリで基礎知識を習得した結果、本格的に学習する意欲が湧いた場合はプログラミングスクールに通うことをおすすめします。

入会金や講座費用など、無料で始められるアプリとは違って費用はかかりますが、明確なゴール設定のもと、初心者でも続けやすいテキストやカリキュラム、さらに不明点をすぐに質問できる環境など、効率的に学習をするシステムが整っています。

カリキュラムを進めることで、初心者でも自分でWebサービスやスマホアプリを開発したり、エンジニアとして仕事に使えるレベルのプログラミング技術を身につけることができます。

独学だと挫折してしまう恐れがある

自分で書籍を購入したり、無料のプログラミング学習サービスを利用して勉強することもできますが、独学だと挫折してしまう人が非常に多く、その割合は8〜9割ほどと言われています。

原因は様々ですが、買った本が難しすぎる、という理由が多いです。

プログラミングは知識を積み重ねて習得していくため、不明点は都度解消していく必要があります。質問できる先生や先輩エンジニア・プログラマーが身近におらず、自分で調べたりするうちに疑問の解消に時間がかかってしまい、その学習効率の悪さもあって挫折してしまう人もいます。

学習専用の校舎があるスクールがおすすめ

アプリでのプログラミング学習を通じ、より本格的な学習やプログラマーへの転職に興味を持った方は、学習専用校舎があるプログラミングスクールの受講を検討するのがおすすめです。

何故なら、アプリでの個人学習とは異なり、すぐに質問できるメンター（講師）がすぐそばにいる環境で勉強できるため、圧倒的に学習効率がいいからです。

自分と同様にプログラミング未経験から学んでいる人が大勢いる中で学習できるので、モチベーションを高く保つことができます。

アプリでの勉強をきっかけに実践的なスキルを身につけたくなった方は、スマホでの学習から一歩進んで本格的なプログラミングにチャレンジしてみましょう！

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