GitHubが2018年4月で生誕10周年を迎えました。
輝かしいGitHubの10年の歴史を振り返ります。
また「GitHubの名前はよく聞くけれど、本当は何かよくわからない・・・」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで、今さら人には聞けないGitHubとGitの違いもわかりやすく解説します。
GitHubの特徴をはじめ、使うことのメリットや採用における活用の実態まで詳しく知ることができます。あなたのGitHubに関する悩みをこの記事を読んで解消し、活用をはじめましょう。
この記事の目次
GitHubが生誕10周年
GitHubが2018年4月に正式リリースから10周年を迎えました。まずは、これまでのGitHubの偉大な歴史をざっくり振り返りましょう。
GitHubの誕生は2008年4月
プライベートベータ版が終了し、GitHubは2008年4月に正式にサービスが開始。
GitHubの最初の大きなプロジェクトは、Ruby on Railsがバージョン管理システムをそれまでのApache SubversionからGitHubに移行したことです。スタートからGitHubは大きな功績を歴史に刻んでいます。
2009年にBitcoin(ビットコイン)が誕生。2010年にGitHubに登場
何かと話題を集める仮想通貨の代表と言えば「ビットコイン」ではないでしょうか。2009年に誕生したビットコインは、2010年にGitHubに登場しました。
これにより18,000以上のビットコインプロジェクトが生まれ、数多くのブロックチェーンプロジェクトにも大きな影響を与えました。
2013年に300万ユーザーを突破
GitHubは2013年にユーザー数が300万人を突破します。そして、2013年の後半には作成されたリポリトジは1000万件を超えました。
100万件のリポリトジが作成されるまでに約3年8カ月かかりましたが、900万件から1000万件に増えるまではわずか48日しかかからなかったとあります。このことからも、GitHubの人気が急速に高まったことがよくわかるでしょう。
Unreal Engine 4がオープンソースで無償で使用可能に
アメリカのゲーム開発会社であるEpic gamesは、2015年に「Unreal Engine 4」を無償で提供を開始。それに合わせて、GitHubでソースコードを公開しました。Unreal Engine 4はUnityと並ぶVRコンテンツの制作が可能なゲームエンジンです。
この無償での提供はゲーム開発者の創造性を最大限に引き出すことを目的に行われ、ツールやソースだけでなくフォーラムやGitHubでの共同開発プロジェクトにも参加可能になりました。
コミュニティのバックアップによりアップデートが行われ、Unreal Engine 4の品質の向上に成功するなど良い影響が生まれているそうです。
Gitとはなにか
GitHubを理解するために、まずはその基本となるGitについてご説明します。
ソースコードのバージョン管理ツール
Gitとは、ソースコードのバージョン管理を行うツールです。正しくは「分散バージョン管理システム」と呼ばれ、日本だけでなく世界中の開発現場で使われている重要なツールとなっています。
全体で管理しやすい
Gitはファイルやディレクトリを記録するリポジトリをローカルに複製します。その複製されたリポジトリにはサーバー上のリモートリポジトリの変更履歴が反映されますので、ローカル環境でもオンラインと同様の状況で作業が可能です。
もちろん、ローカルリポジトリをリモートリポジトリに反映することもできます。
また、自分が上書きする際に変更点が重複する場合には知らせてくれるので、知らない間に上書きしてしまうと言った危険性もありません。前のバージョンに戻したい時にも、変更履歴を遡れば簡単に戻せてとても便利です。
そのような利便性の高さをはじめ、全体の整合性の保ちやすさや高速であることなどからGitはバージョン管理ツールの定番として使われています。
GitHubとはなにか
次に、GitHubとはどのようなサービスなのかご説明します。
Gitを使うWebサービス
GitHubはGitを利用した開発環境を支援するWebサービスです。
Gitをより便利にするために作られたとされていて、クラウドを利用して世界中の人びとがソースコードやデータを簡単に共有することが可能です。個人・法人を問わずに誰でも利用できます。
全世界で利用者は2400万人以上
2017年12月の段階でGitHubの利用者は2400万人以上とあります。2013年に300万人を突破したことを踏まえると、驚くべきスピードでユーザー数を増やしていることがおわかりいただけるのではないでしょうか?
そのサービスの性質上ユーザー数が多くなるほどさまざまな考えが集まるので、より品質の高いサービスへと進化していくことが期待できます。
GitとGitHubの違いとは
GitとGitHubの説明だけでは、イマイチ違いがわからないという方もいらっしゃるでしょう。そのような方のために、よりわかりやすく詳しくその違いについてご説明します。
「メール」と「Gmail」の関係性に似ている
GitとGitHubの違いは、「メールとGmailなどのWebサービスの違い」と例えるとわかりやすいでしょう。
メールは仕組みであり、WebメールサービスはGmail・Yahoo!メール・Outlook.comなどさまざまな種類があります。
それと同じようにGitHub以外にも、Gitを利用したバージョン管理ツールを提供するWebサービスはあります。
BitBucket
BitBucketはオーストラリアのAtlassianが開発したWebを利用したGitのホスティングサービスです。無料プランであっても無制限のプライベートリポジトリが持てることが、このサービスの魅力となっています。
プロフェッショナルチーム向けに開発
チームでの協同作業を容易にする分散型バージョン管理システムです。大規模環境でもコラボレーションできる唯一の Git ソリューションです。
引用元:https://ja.atlassian.com/software/bitbucket
GitLab
GitLabはGitlLab社が開発したGitのホスティングサービスです。クラウドを利用したGitのバージョン管理ツールだけでなく、無料で利用できるOSSを提供するプランもあります。
そのため、セキュリティやコストなどの問題からGitHubが利用できない企業が利用するケースも見られます。
GitLabは、製品、開発、QA、セキュリティ、および運用チームが同じプロジェクトで同時に作業するための開発期間ライフサイクルのすべての段階で、最初から構築された最初の単一アプリケーションです。GitLabを使用すると、異種のツール間で複数のスレッドを管理するのではなく、チームが単一の会話から連携して作業することができます。
引用元:https://about.gitlab.com/
GitHubを使うメリット
他のGitを利用したバージョン管理ツールがあるにも関わらず、GitHubが選ばれる理由とは何なのでしょうか?その理由をGitHubを使うメリットからご説明します。
世界中の人と共有できる
GitHubはソースコードやデザインデータを世界中の人に共有できます。そのため、自分の実力を示したり、困った時にはアドバイスが受けることも簡単にできます。
他のサービスと比較してユーザー数が多いので、的確なアドバイスが素早くもらえる可能性も高いです。また、無料で利用できる点も大きな魅力です。
プログラミング初心者はGithubで作業ログ残してツイッターに連携して作業すると、優しいお兄さんたちがコメントしてくれるのですごくおすすめ。作業も可視化されるし、質問しなくても何しようとしているのか見てわかればこたえてくれやすくなる。
— DAI (@never_be_a_pm) April 14, 2018
行政機関が使うことも
無料のプランでは世界中に公開されますが、有料のプランでは一般には公開されないプライベートの状態での使用も可能。そのため、企業のプロジェクトにおける開発環境として利用されるケースも多く見られます。
また、ソースコード・デザインデータ・文書データの管理に使用するケースもあります。全体の整合性の取りやすさから、行政機関やホワイトハウスでもGit Hubは使われていると言われています。
ユーザー数が多くサービス内容が洗練されていることや、その信頼性の高さからGitHubは選ばれているのでしょう。
公文書をgithubでテキストベースにすることにより新旧対照表作らなくて良くなるなどのメリットがあり、git push -fも出来るので安心ですね
— lempiji@思秋期 (@lempiji) March 14, 2018
GitHubを使うための基礎知識
ここまで記事を読んで、GitHubを実際に使ってみたいと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?そのような方のためにGitHubを利用するための基礎知識についてご説明します。
アカウント作成
GitHubはWebサービスですので、まずはアカウントを作成する必要があります。公式サイトにアクセスして、「GitHubに登録する」をクリック。必要事項を記入して、プランを選択すればアカウントはすぐに作成できます。
リポジトリを作成
作成したアカウントにログインを行い、「New Repository」をクリックしましょう。「Repository name」を設定し、「private」「public」を選びます。
「private」は有料プランのみ作成可能です。他の必要となる項目を記載し、「Create repository」をクリックすればリポジトリが作成されます。その後、表示されるリモートリポジトリのWebアドレスは忘れずに控えましょう。
ローカルリポジトリにコミット
ローカル上でソースコードなどの作成や編集を行った後には、それをローカルリポジトリに反映させる必要があります。
そのために、まず作業の結果をGitのインデックスに追加します。インデックスは一時的に内容を保存する場所です。そのインデックスをローカルリポジトリに反映させるのが「コミット」です。
リモートリポジトリにプッシュ
ローカルリポジトリにコミットした内容を全体で共有する場合には、リモートリポジトリにアップする必要があります。そのローカルリポジトリにコミットした内容を、リモートリポジトリに反映させることを「プッシュ」と呼びます。
エンジニア転職で「GitHub採用」がここ10年で増えた理由
そこにあるのは2行だけ!メルカリの完全実力主義『GitHub採用』のねらい(前編) http://t.co/kLSs2UegSY pic.twitter.com/vl1f0LASPN
— Wantedly [ウォンテッドリー] (@wantedly) August 11, 2015
エンジニア転職で「GitHub採用」がここ10年で増えていると言われています。GitHub採用とは何かをはじめ、そのメリットや実施企業まで詳しくご説明します。
GitHub採用とは
GitHubは、自分が開発したソースコードをWeb上で簡単に公開できます。このGitHubで公開している自分の作品を使って行われるのが、「GitHub採用」です。
応募者は企業に公開しているアカウント名を伝え、採用担当者はその内容を精査します。最近では、通常の履歴書・志望動機書と合わせてGitHubのアカウントの記載を求める企業も増えています。
GitHubが採用において、大きな役割を担いつつあることが感じられるのではないでしょうか。
GitHub採用のメリット
GitHub採用のメリットは何なのでしょうか?企業側のメリットとして、得意なプログラミング言語やどのようなプロジェクトに関わってきたのかがわかるため、採用希望者の能力をしっかりと見極められることがあげられます。
また、採用希望者には、学歴や経験に左右されずに能力で判断してもらえるという大きなメリットがあります。
中学卒業したばかりの15歳の女の子でも、GitHubに公開されたソースコードがすごかったら、年収800万で即採用するIT企業なんてたくさんある。GitHub採用主義というトレンドは、学歴偏重も性差別も年功序列も全てを吹き飛ばす究極に風通しのいい社会を創り出すすごい社会的イノベーションだと思う。
— ふろむだ🍀面白文章力クラブ管理人 (@fromdusktildawn) March 8, 2018
GitHub採用を実施する企業が増えている
能力をしっかりと理解して判断できる「GitHub採用」を実施する企業は増えています。転職や就職を考える方のために「GitHub採用」を実施している企業をいくつか紹介したいと思います。
メルカリ
GitHub採用と言えば、フリマアプリ「メルカリ」で知られるメルカリが有名です。メルカリでは履歴書・志望動機書による応募とGitHubのみでの採用を選ぶことができます。また、メルカリ側からアプローチを受ける場合もあるそうです。
Mercari Careers _ 株式会社メルカリ 採用情報
ダズル
ダズルは、VRサービスやスマートフォンゲームの企画・開発・運営などを行う企業です。ダズルでは2017年からGitHub採用を開始しました。メルカリと同様にGitHubのみでの採用も行っています。
Increments
エンジニアに役立つ情報を発信するサイト「Qiita」で知られるIncrements。こちらの企業は採用のエントリーフォームにTwitterなどと合わせて、GitHubのアカウントを記載する項目があります。
任意ではありますが、採用において自分の技術を伝えるためのアピールポイントになるでしょう。
まとめ
生誕10周年を迎えたGitHub。今回は今さら聞けないGitHubとGitの違いをはじめ、その魅力や特徴についても紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
Gitのホスティングサービスとして高い人気を誇るGitHubを採用に取り入れる企業も増えています。その活用の幅を広げるGitHubは、今後もなくてはならないサービスとして成長していくでしょう。
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