「ゆとり世代」「さとり世代」などと言われ、年配のビジネスマンから上から目線を持たれることもある若い世代の人たち。
実際に話が通じなかったり価値観が違いすぎ、上司とぶつかる新入社員の方々もいるようです。
が、多くのIT業界で働く30代40代の人たちは「若い世代優秀すぎる…」と震えているのではないでしょうか。そうなのです。IT界隈で頑張る若い世代特有なのか、若い世代全体がそうなのかは何かのデータを取得しなければわかりませんが、とにかく個人的には若い世代の優秀さには本当に驚く毎日です。
今回はマイクロソフト主催の Microsoft Innovation Day 2018 を見に行く機会をいただきました。その中の Imagine Cup は、世界最大規模の学生向け IT コンテストで今回が16回目。学生チームが、自分たちが開発したものをプレゼンテーションをし、審査員たちに評価してもらう仕組みです。
聴講者は学生のような若い世代から年配な方までさまざま。服装もTシャツの人とスーツの人が半々くらいでした。女性は、比率は少ないですがちらほら見かけ、全く女性がいない!というような状況ではありませんでした。
この記事の目次
結論:AI(人工知能)関連の技術知らずして、イノベーションを起こすことは難しい
まず個人的な感想ですが、今回 Microsoft Innovation Day 2018 に参加し感じたことはAI(人工知能)関連の技術を知らずして、今後イノベーションを生み出すプロダクトをつくることはできないかも…ということです。
AIの技術そのものを深く理解するのは非常に難しく、時間もかかります。ただ、「AIでこういうことができる」ということを知らなければ、プロダクトの発想すら生まれません。AIを利用すべきか否かの判断もできません。
もはやビジネスをしていく上で「AI?自分には関係ないよ」という発想は捨てなければいけないと感じました。特に起業を視野に入れている人は必須でしょう。
それでは以下、Microsoft Innovation Day 2018 の中で行われた Imagine Cup 2018プレゼンテーションの内容と感想です。
(簡単な紹介であることと、全てのチームの紹介ができず申し訳ありません。全てのチームが素晴らしかったです。)
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傘ほーだい(チーム名:Rein)
急な雨のときは、駅出口付近がひどい人混みになる都内。それにも嫌な気持ちになった人はたくさんいると思いますが、1番の問題はゴミ。
人々はコンビニなどで使い捨ての傘を買い、そしてそれを捨てます。その量は社会問題にもなっています。
その問題を解決するReinは慶應義塾大学と横浜国立大学のチームRein。カーシェアのようにスポットで傘をレンタル・返却できる仕組みですが、傘が何本あるかなどは画像認識で行います。
これは競合がコンビニになる気がします。競合が大きく、普及させるのはビジネスとして結構難しそうだなと思いました。傘は車と違ってコンビニで手軽に安価に手に入れられます。レンタルしようと思う方はエコを意識した人のみになりそうだなと。ただ、コンビニと提携できることができたら、かなり強い!
CyberScope(チーム名:CyberTech)
脳外科のドクターと協力しあって製作しているプロダクト。脳外科のドクターはマイクロスコープをつけながら手術するけれど、現在の問題は、ドクターが器具を持ちながら自分でズームなどの調整ができないことが挙げられています。
その解決を試みているのが筑波大学のCyberScope。一定の動作によりハンズフリーでコントロールすることができます。例えば強く奥歯を噛みしめるとズーム、意図的に目をぎゅっと閉じるとズームアウトができます。患者によっては必要な画像をAIを使い自動表示することもできるようにすることも可能。
医療系のプロダクトは解決できることが明確で、かつ人の命に関わるためインパクトが大きいと感じました。手動でやる調整と同様のレベルで調整できるのなら、すぐに普及しそう。ドクターが実際に使っているところが非常にイメージできました。こういうプレゼンテーションは「実際に普及した未来」をどれだけ簡単に想像できるかがキーになるなぁ。
BLOODピッと!(チーム名:BLOODピッと!)
糖尿病患者は日本だけでも1,000万人を超えていると言われています。糖尿病は日々の血糖値を測る必要があり、針を刺しての計測がこれまで一般的な方法でした。
弓削商船高等専門学校のチーム、BLOODピッと!が開発しているのが、指を置くだけで血糖値を計測できるプロダクト。針をつかわず、かつ指を置く時間も数秒のみ。採血した際の血糖値計とほぼ同じという研究結果を得ていて、実用化を目指しています。
プレゼンテーションが演劇のようで楽しめました。「叔父が糖尿病で」という設定も、身近な人の悩みを解決していこういったプロダクトの特徴をうまくつかんでいる感じが出ていましたね。高専生、ここまでできるのかー!と。これからが楽しみでなりません。
Mediated Ear(チーム名:Mediated Ear)
補聴器をつけていると、カフェなど雑音が多い場所では会話相手の声が聞き取りにくいという課題があります。このプロダクトはDNN(Deep Neural Network※)技術を使い、特定の人の声だけを抽出。これによって会話をスムーズにすることが可能です。
※DNN(Deep Neural Network,ディープニューラルネットワーク)
ニューラルネットワーク(NN)というパターン認識をするように設計された、人間や動物の脳神経回路をモデルとしたアルゴリズムを多層構造化したもの。(引用:ディープラーニング(Deep Learning)とは?【入門編】 | LeapMind BLOG)
開発者の友人が補聴器を利用しているという背景があり生まれたそう。「あの人に使ってもらいたい」という身近な人がペルソナである優しいプロダクトだなと感じましたし、実際のデモを聴くと本当にクリアに聴こえたので驚きました。是非実用化までいってほしい!
「ANSHiN」 ブレーキアシストシステム(チーム名:EDGE SPROUT)
子どもの自転車事故が多く、そもそも現在の自転車のブレーキは子どもの手に合っていない。子どもの自転車事故を減らしたい!というプロダクト「ANSHiN」 ブレーキアシストシステム。
ハンドルにセンサーをつけ、指が離れたときにブレーキ支援をし減速させる機能があります。
ブレーキをした位置情報や時刻をデータ取得し、データは路面危険情報として提供する仕組み。システムのライセンスを販売することがビジネスモデルとなっています。
わたしの子どももこの4月で小学生になり、今後は自転車に乗って移動することが増えてきます。自転車事故の問題は他人事ではありません。それもあって「子どもの自転車事故を減らしたい」という理念には非常に共感しました。危ない走行はしないように、という教育が大切という前提でも、人間、ましてや子どもなので何があるかわからない。テクノロジーで少しでも解決できることは進むといいですよね。
ただ、審査員からも話が出た「自転車事故への保険の普及率を見ても、自転車にお金を出すという人はそう多くない」という課題も。
EFFECT(チーム名:ezaki-lab)
マダイやアジなどの漁師は、60代が40%を超えるという労働力の課題、高い餌代・市場価格の変動という課題を抱えています。餌代はコストの80%以上となっているのが現実。この比率を下げ、餌代の中でも無駄な部分のコスト削減に貢献するプロダクト「EFFECT」。これを開発しているのが鳥羽商船高等専門学校、チームezaki-labです。
魚の活動をAIに学習させ、給餌の量やタイミングを最適化。完全に自動給餌できるシステムで、遠隔での作業も可能になっています。すでに実用レベルまでになっているプロダクトです。
お寿司が大好きなわたしは漁師さんの課題が自分ごとのように感じました。そしてそれを解決するプロダクト素晴らしい!!!しかし審査員から「世界的な市場規模は?これでどれくらいの人の課題が解決できる、とか数字でわかるとインパクトあるだろうけど」というするどい質問が。
「あの人を幸せにしたい!」という思いは大切だけど、当然ながら市場規模という数字も重要なんですね。
さいごに
全体を聞いて、医療系のプロダクトは課題感が一般人でもわかりやすく、共感が得やすいという印象を受けました。実際、去年の Imagine Cup での優勝者は糖尿病患者を支援するプロダクトです。
とはいえ、他の課題も社会的にインパクトのあるものだったと思います。
今日世界大会に出る3チームが決まりましたが、詳細はまた後日!
以下はマイクロソフトのエヴァンジェリストでエンジニア兼マンガ家のちょまどさんのTwitterです。(わたしは表彰式まで滞在できず非常に残念です…)
#MID18JP
集合写真! pic.twitter.com/5ci5jVpzDD— ちょまど@エンジニア兼マンガ家 (@chomado) April 16, 2018
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