2016年は「VR元年」と呼ばれ、主要なVRヘッドセットが出揃いました。
しかし、それぞれのVRヘッドセットについて理解をしている人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、HTC Viveの性能から組み立てて使い始めるまでを徹底解説します。
この記事の目次
HTC Viveとは?
HTC Viveとは、HTCとValve Corporationにより共同開発されたVR向けのヘッドマウントディスプレイです。2016年4月5日に発売されてから2016年10月現在までに14万台が出荷されています。
開発元
HTC ViveはHTC社とValve社の2社によって共同開発されています。
HTC
HTC Corporationは、台湾を拠点するスマートフォン・携帯情報端末メーカーです。
スマートフォンは日本にも出荷されており、皆さんも見たことがあるのではないでしょうか。
Valve
Valve Corporationは、アメリカでゲーム制作・ゲーム配信をしている会社です。ユーザー数1億人を超える世界最大のゲーム配信プラットフォーム「Steam」の運営をしており、HTC ViveのVR対応ゲームも全てSteamで配信がされています。
価格
価格は税込み価格で107,784円です。
HTC Viveでできること
HTC Viveは他のVRデバイスとは異なり、「ルームスケール」と呼ばれる最大で5m四方を歩き回りながらVR体験をする事ができます。さらに、SteamVRコントローラーと呼ばれる専用のコントローラーを使うことで、より現実に近い形でVRゲームをプレイする事ができます。プレイするゲームはSteamVRと呼ばれるVRゲームのプラットフォーム上で探すことが出来ます。
他のVRデバイスとの比較
HTC Vive | Oculus Rift | PS VR | |
国内価格(税込) | 107,784円 | 94,600円 | 48,578円 |
同梱品 | ・Steam VRコントローラー(2本) ・ベースステーション(2個) ・イヤホン |
・Xbox Oneコントローラー ・トラッキングカメラ「Oculus Remote」 |
・イヤホン ・プロセッサーユニット |
ディスプレイ | 有機ELディスプレイ | 有機ELディスプレイ | 有機ELディスプレイ |
画面解像度 | 1080×1200 2枚 | 1080×1200 2枚 | 1920×RGB×1080 |
リフレッシュレート | 90Hz | 90Hz | 120Hz |
視野角 | 110度 | 110度 | 100度 |
ハンドトラッキング | SteamVR コントローラー(付属) | Oculus Touch(別売) | PS Move コントローラー(別売) |
プラットフォーム | SteamVR、Vive Port | Oculus Home、SteamVR | PlayStation4 |
HTC Viveで遊べるゲーム
HTC Viveで遊べるゲームはValve社が運営をするSteamでダウンロードをする事ができます。
Steamとは
Steamとは、Valve社が運営する世界最大のPCゲーム配信プラットフォームです。ユーザー数は1億人を超えており最も多くのVRコンテンツが配信されています。
プレイできるゲーム
Audio Shield
音楽に合わせて迫ってくる球をシールドでガードする音ゲーです。
Raw Data
SteamVRで売上が1億円を超えた大人気アクションゲームです。
VR Ping Pong
VR空間で卓球ができるゲームです。
要求スペック
HTC Viveで遊んだり、開発をする場合は高性能なGPUを搭載したWindowsのパソコンが必要になります。Macのスペックには限界がある為、Macでプレイする事はできません。GPUを制御するグラフィックボード性能は以下のとおりで、最低でも「GeForce GTX 970」「Radeon R9 290」より新しいものでないとプレイをする事ができません。
自分のPCのスペックをチェックしてみよう
SteamVR Performance TestというサービスがSteamで公開されています。こちらで、今お使いのPCでHTC Viveをプレイする事ができるかどうかを判定する事ができます。
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対応PC
HTC Viveで遊ぶためには条件を満たしたパソコンを用意する必要があります。このPCの事を「VR Ready PC」と呼びます。
VR Readyとは
VR ReadyとはHTC Vive等のVRデバイスで遊ぶ為の条件を満たしたPCの事です。主にGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)と呼ばれる、画像処理を担当する主要な部品の性能が必要とされます。
VR Ready PC購入サイト
VR ReadyのPCは主に以下のサイトで購入をする事ができます。
TSUKUMO
東京の秋葉原を本拠地とする、日本のパソコン量販店チェーンストア。
DOSPARA
株式会社サードウェーブが運営する、ゲーミングパソコンやBTOパソコンに特化したパソコン販売店。
G-TUNE
株式会社マウスコンピューターが提供するゲーミングPC・ゲームパソコンブランド。
ALIENWARE
デル株式会社が提供する、ゲーミングPC・ゲームパソコンブランド。
購入方法
HTC Viveはオンラインと店舗のどちらでも購入する事ができます。
ネットで購入
HTC Vive公式サイトにアクセスをし、「Viveを購入」ボタンをクリックする事で決済画面に遷移します。
支払い方法を選択すればすぐに購入をする事ができます。商品は早くて3日でご自宅に配送されます。
店頭で購入
主に以下の店舗で購入をする事ができます。
・ドスパラ
・TSUKUMO
・パソコン工房
・ビックカメラ
その他、店舗などの詳細はHTC Vive公式サイトに掲載していますので、参考にしてみてください。
購入して遊ぶ
HTC Vive購入後、プレイをする為には機材の設置をしなければなりません。設置前に、追加購入が推奨される機材があります。
遊ぶために購入が推奨される機材
HTC Viveには「ベースステーション」と呼ばれる、ルームスケールを実現するための機材が同梱されています。これを設置する為のパーツも同梱されています。しかし、これは自宅の壁に直接設置する事が前提となっています。持ち運びをしたり、自由に出し入れをしたい方はライトスタンドを購入する必要があります。
ライトスタンド
ライトスタンドはベースステーションを設置する為に必要で、高さが最低でも2m以上ある物を購入しましょう。
HTC Viveの設置方法
SteamVRで遊ぶために、機材を配置する必要があります。まずは用意したライトスタンドにベースステーションを取り付けましょう。ライトスタンドの高さは2mくらいにしておくと良いでしょう。
上記画像のように、ライトスタンドに雲台がついていない場合、追加で購入をする必要があるので注意しましょう。
続いてリンクボックスにコードを接続します。
オレンジ色の縁が付いているコードはリンクボックスにある「VR」と書かれている側に接続をしましょう。
以上でHTC Viveをプレイする事ができるようになります。
もしここでHTC Viveが起動しない場合は、PC側に接続する「HDMI」 のコードの接続箇所が間違えている可能性があります。「HDMI」のコードはグラフィックボードに付いているUSBポートに接続をしましょう。
Steamの設定方法
HTC Viveをプレイする為には、Steamをインストールする必要があります。まだSteamをインストールしていない方は以下を参考にインストールを済ませましょう。
Steamのインストールをする
まずSteamにアクセスをします。
アクセスをしたら画面右上の「Steamをインストール」をクリックします。
インストール画面を開いたら画面左側の「Steamをインストール」をクリックします。インストール設定画面が開かれるのでインストールを完了させましょう。
続いて、Steamを利用する為に会員登録をしましょう。
Steamの会員登録をする
Steamのログインページにアクセスします。アクセスをしたら「Steamに登録」をクリックします。
会員登録ページに遷移をしたら、必要項目を入力して会員登録を済ませましょう。
SteamVRのセットアップをする
インストールしたSteamを起動して、画面右上のVRアイコンをクリックして、「STEAMVRをインストール」をクリックします。
ルームセットアップが開始されるので、「ルームスケール」をクリックして設定へ進みましょう。
まずは、部屋を片付けてHTC Viveで安全に遊べるようにしましょう。
ヘッドセットの接続を確認し、コントローラーをペアリングしましょう。
続いて、モニタの位置設定を行うので、画面の前でコントローラーを構えてトリガーを引きましょう。
続いて床の位置を決めるので、コントローラーを床に置いて、「床をキャリブレーション」をクリックします。
続いて、プレイするエリアを設定します。コントローラーのトリガーを引きながらプレイエリアをなぞっていきましょう。
以上でルームスケールのセットアップが完了です。
最後にサウンドの設定をして終了です。
以下の画面が出たところで完了です。この画面は閉じましょう。
これでSteamのVRアプリをプレイする事ができるようになります。思う存分VRゲームを楽しみましょう。
購入して開発をする
HTC Viveは遊ぶだけでなく、開発をして楽しむこともできます。
どうやってアプリが作られているのか
HTC Viveで遊べるゲームはほとんどの場合、以下の2つのどちらかの3Dゲーム作成ソフトで作られています。
・Unreal Engine
・Unity
Unreal Engine
Unreal EngineはEPIC GAMESによって作成された、ハイクオリティなグラフィックを表現する事が得意な上級者向け3Dゲーム作成ソフトです。
Unreal Engineで作られたゲーム
・サマーレッスン
・鉄拳7 FATED RETRIBUTION
・ストリートファイター V
Unity
Unityとはユニティ・テクノロジーズが開発した統合開発環境を内蔵した、複数のプラットホームに対応する3Dゲーム作成ソフトです。比較的簡単に扱える3Dゲーム作成ソフトで、初心者の方に人気です。
Unityで作られたゲーム
・ポケモンGO
・白猫プロジェクト
・ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
HTC Viveのこれから
2016年10月現在までに14万台が出荷されたHTC Viveですが、この出荷台数は更に伸びてゆくと予想されています。
VR/ARの市場規模
その根拠として英国投資銀行Digi-Capitalが発表した、VR/ARの市場規模予測が挙げられます。この予測ではVR/ARの市場規模は2020年には18兆円になると予想されています。世界の映画の市場規模が4兆円ですので、この数字から見てもとてつもなく大きな市場になるという事が分かります。その中で、数少ないハイエンドデバイスとして既に多くのシェアを獲得しているHTC Viveは市場の拡大と共にさらに普及をしていくでしょう。
VR/ARの市場規模
HTC Viveのワイヤレス対応
更にHTC Viveの普及を加速させるのは、HTC Viveのワイヤレス対応です。
これまで、ルームスケールで遊べる事で人気を博していたHTC Viveでしたが、唯一不満の声としてヘッドマウントディスプレイに繋がる長い有線のコードの存在がありました。しかし、HTC社が開催したスタートアップ支援キャンペーン「Vive X accelerator」の支援を受けたTPCAST社が、HTC Viveをワイヤレスでプレイする事ができるようになるワイヤレスキット「TPCAST」を開発しました。既に行われたテストプレイでも遅延やバグがなく、順調にいけば2017年の第1四半期には中国で出荷される予定です。
ワイヤレスになることで、ストレスなくゲームをプレイする事ができ、より多くの場面でHTC Viveを使えるようになります。
テストプレイ動画
まとめ
いかがだったでしょうか。
HTC Viveは他のVRデバイスと比べ、遊べるコンテンツが非常に多い為一度購入をすれば長い間遊び続ける事ができます。
その他にも自分で開発をする事ができるので、遊び飽きた方はVR開発にチャレンジをしてみるのも良いのではないでしょうか。
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