チームで目標管理をするにあたり、非常に役立つツールがあります。
リーダー・マネージャーはこれらのツールを使って、より効果的な目標マネジメントを行っていきましょう。
この記事では、目標管理に役立つツールと、Googleでも採用されている「OKR」という目標マネジメントフレームワークについて紹介していきます。
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この記事の目次
目標管理に役立つツール
メンバーの目標管理は、容易ではありません。
メンバーそれぞれにメールでドキュメントで目標を提示してもらったり、進捗報告してもらったりしても、それを表、エクセルなどに一元化する手間がかかるでしょう。
しかし近年はHR Tech(「Human Resources:人材」と、「Technology:技術」を組み合わせた造語)が発展し、目標管理に役立つHRクラウドサービスなどがリリースされています。
このようなツールを活用すれば、チームマネジメントや目標管理もスムーズに行えるでしょう。
以下で、6つのツールを紹介します。
Goalous
出典:Goalous
Goalous(ゴーラス)はいわゆる「社内SNS」です。
まずメンバー各々がゴールを設定し、共有します。メンバーはそれぞれのゴールを見るだけでなく、フォローして繋がることもできます。
そしてゴールのためのアクションもシェアされます。がんばりを可視化でき、「いいね」できる機能もあるため、モチベーション維持に役立つでしょう。
またマネージャーにとっては、メンバーへのフィードバックをより円滑化できることもメリット。スマホアプリもあるため、リアルタイムにメンバーの行動をチェックできます。
料金は公式サイト参照。15日間のフリートライアルがあります。
参照:Goalous
HR Brain
出典:HR Brain
HR Brainを使えば、チームメンバーの目標や人事評価をクラウドで一括管理できます。面談管理もできるため、1on1の記録・振り返りに便利です。
OKR(後ほど詳述)・MBO(Management by objectives)・1on1などのテンプレートがあらかじめ完備されているため、さまざまなマネジメント手法を実践しやすい環境を構築できるでしょう。
公開範囲が設定できる(全体に公開・部署内のみなど)ため、プライバシーを守ることも可能。
料金は公式サイト参照。無料トライアルが利用できます。
参照:HR Brain
カオナビ
出典:カオナビ
カオナビは、社員が個性を発揮できる機能を盛り込んだ「人材管理システム」です。
目標や評価だけでなく、経験・考え方・特性・スキルまで把握できます。
マネージャーはこのような要素を把握した上で、個々の目標を導き出しやモチベーションの管理が可能。
また、過去の評価の推移や面談結果の確認をスムーズに行えます。
料金は公式サイト参照。
参照:カオナビ
CYDAS.com
出典:CYDAS.com
CYDAS.comでは、大きく以下2つのHRクラウドサービスが提供されています。
・CYDAS PEOPLE
・CYDAS NUDGE
「CYDAS PEOPLE」は人材データ活用、「CYDAS NUDGE」はメンバーの行動促進に特化したサービスです。
「CYDAS PEOPLE」ではメンバーの個性を発見し、例えばプロジェクトに必要な特性を持った人材を見つけるのに役立ちます。
「CYDAS NUDGE」はメンバーそれぞれが「今やるべきこと」を提示してしてくれるツールです。人材やプロジェクトの可視化をしたその先の、アクションに移すためのツールと言えるでしょう。
参照:CYDAS.com
ゼッタイ!評価
出典:ゼッタイ!評価
ゼッタイ!評価は、「あしたのチーム」による人事評価ツールです。自立型人材育成を目的としたツールで、適切な目標の付与に役立ちます。
また、目標達成に向けた、上司・部下間のコミュニケーションも活発化。達成度を給与に連動させ、メンバーのモチベーションアップに繋げられます。
参照:ゼッタイ!評価
リシリー
出典:リシリー
リシリーはクラウドOKRツールです。OKRを軸に、メンバーそれぞれの目標と組織の目標を繋げ、目標のためのアクションを可視化。
可視化することでお互いの目標が把握しやすくなるため、コミュニケーションを円滑化も期待できます。
それぞれのアクションの組織目標への貢献度も可視化されるため、モチベーション高く保ちながら働く支えになるでしょう。
参照:リシリー
「OKR」も実践してみよう
前項で度々出てきた「OKR」とは、目標管理フレームワークの一つです。元インテルCEOのアンディ・グローブが提唱したもので、Googleが導入し成功した手法としても有名です。
関連記事:マネジメントの成功事例9選【チームのパフォーマンスをアップ】
参照:OKRを設定する|Google re Work ガイド
OKRは「Objectives and Key Results」の略称です。Objectivesは「目標」、Key Resultsは「成果指標」を指します。
OKRでは、組織と個人の目標と目標達成指標をリンクさせます。
個人の目標設定では、チーム・組織全体の目標とズレが生じないように考慮しなければなりません。その際に役立つのがOKRです。
ここではOKRを導入するための方法を解説していきましょう。
OKRの進め方
OKRでは、組織を細分化した上で、個人の目標設定を行います。
まず、「組織」「チーム」「個人」をツリー構造にして分けます。
そしてそれぞれのObjectives(目標)とKey Results(成果指標)を設定。それから、組織全体と各個人の目標と成果指標をリンクさます。
OKRを組織に導入する際は、「OKRとは何か」「何のために設定するのか」と言ったことを社員全員に明確に提示する必要があります。
そして個々が納得した目標を設定し、達成を目指すことで、より自律性の高い人材を育てることにつながります。
目標を決める(Object)
GoogleによるOKRの解説を見ると、以下のように述べられています。
簡単に達成できないような目標を設定するのが OKR の狙い
このためOKRでは、目標の達成率の期待値水準は60〜70%としています。Googleではこのような目標のことを「ストレッチゴール」と呼んでいます。
OKRでは、「SMARTの法則」に則った目標を設定します。
・Specific(明確な)
・Measurable(測定可能な)
・Achievable(達成可能な)
・Relevant (関連性がある)
・Time-bound (期限のある)
ここで設定する目標は、あまりにも容易に達成できるようなものでは意味がありません。
また「維持する」「保持する」といった、さらなる高みを目指せないような目標もふさわしくありません。
大事なのは、達成できるかどうか、いわゆる「ギリギリのライン」の目標を設定すること。
こうすることで、目標を達成した時に個々の自信につながります。
そしてこの自信によってモチベーションが高まり、次の効果的な目標設定にもつながるという、よいループが生まれるのです。
仕事のモチベーションを上げる方法については、以下の記事でも紹介しています。あわせて参考にしてください。
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成果の指標を決める(Key Result)
続いては成果指標を設定します。この場合、条件としては以下のようなポイントを押さえましょう。
・一つの目標につき成果指標は3つ程度
・測定可能である
・実現によって目標達成に直接結びつく
・「行動」ではなく「成果」を定義
・信頼できる完遂の証拠が提示できる
特に4つ目の部分は注意したい部分です。
例えば「消費者動向を分析する」では、行動を定義していることになります。そうではなく、「○月○日に消費者動向の分析結果をチーム全体に公表する」といったものを設定するようにしましょう。
OKRを社内に公開する
設定したOKRは、組織に属する全ての社員がいつでも見られるような状態にしておくのが理想的です。
こうすることで、組織全体の目標や、何が重要視されているのかを常にチェックできます。
そしてその上で、「個々がやるべきこと」に気づけます。
また個々の目標達成による組織全体への貢献度も可視化されるため、モチベーションを維持できます。
進捗確認を定期的に行う
OKRを有効にするためには、高い頻度で進捗確認を行うことが非常に重要です。例えば週に一回のチェックイン(1on1などの短いミーティング)を行うのも方法の一つでしょう。
チェックインでは、以下のような項目をチェックします。
・OKRの進捗状況
・達成可能性(自信度)の確認
・課題解決・目標達成の阻害要因
・次にやるべきこと
このチェックインは、1時間以内の短時間で行いましょう。
またこの他にも、期限の中間地点でもレビューを行ないます。その際進捗に遅れが生じていれば、改善する方法を議論します。
必要に応じて、目標の変更も選択肢に入れましょう。
達成度を確認する
OKRで設定した期限が来たら、達成度合いを確認します。
MBOでは達成度100%が期待水準ですが、OKRでは60〜70%です。達成度の測定結果が70%程度で十分とみなします。
もし達成度が期待水準の範囲に当てはまらなかった場合、そもそも目標が適切かどうか、別の目標に切り替えるかを判断します。
OKRの目的は生産性の向上にあるため、達成率と人事評価がリンクするとは限りません。なぜなら、OKRの本来の目的は「簡単に達成できないような目標を設定する」ことにあるからです。
人事評価とリンクさせてしまうと、この目的を果たせない可能性が高まってしまいます。
OKRの実践に役立つツール
ここまで解説したOKRを実践する上でも、役立つツールがあります。今回は3つのツールを紹介しましょう。
Weekdone
出典:Weekdone
Weekdoneでできることは、主に以下の通りです。
・四半期の目標設定
・1週間の予定を立てる
・日々の活動のシェア
・フィードバック
・1on1のサポート
スマホアプリもあるため、リーダーはいつでもメンバーの活動をチェックでき、素早いレビューをすることが可能です。3名のユーザーが15日間使えるフリープランがあります。
参照:Weekdone
Zealup
出典:Zealup
Zealupでできることは、主に以下の通りです。
・チームや組織の目標の可視化
・組織とチームの目標と個々の活動をリンク
・チームや組織のコミュニケーションを広げる
これらの機能によって、メンバー各々が目標を理解し、行動に移しやすくなります。「自主的に動く人材」育成に役立つでしょう。
30日間の無料トライアルがあります。
参照:Zealup
HITO-Link パフォーマンス
HITO-Link パフォーマンスでできることは、主に以下の通りです。
・組織と各個人の目標をリンクして管理
・目標進捗状況の共有
・アンケートによる1on1アジェンダサポート
・リアルタイムなフィードバック
・評価シート機能によって人事評価へ紐付け
・人材データベース機能で人材情報を一元管理
スマートフォン版もあるので、いつでも目標進捗をチェック・フィードバックを行うことができます。
料金プランは公式サイト参照。
さいごに
チームマネジメントにおいて効果的な目標管理を行なうためには、まず組織全体の目標やビジョンの可視化を行なう必要があります。
その上でメンバー自らに目標を定めさせることで、よりモチベーション高く業務を遂行させられるでしょう。
目標はただ設定するだけでなく、頻繁なフィードバックの場を設けることが重要です。近年はこのようなアクションが起こしやすいクラウドサービスもリリースされているため、活用を検討してみましょう。
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