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「一人開発が孤独とは限らない」前例の無いサービスを手掛けるからこそ取った、社外の人を巻き込む“Voicy流開発手法”【CTO 窪田雄司】

更新: 2019.11.20

今日も多くのエンジニアが、新しいテクノロジー、サービス、ビジネストレンドを生み出すべく、新規サービス開発に取り組んでいる。

しかし、世の中に新しい価値を提供するサービス開発の裏側では、時に周囲から理解を得られず、孤独感から気持ちが折れそうになることもあるだろう。

ビジネスパーソンを中心に人気の音声メディア『Voicy』も、そんなサービスの一つだった。2018年の1年間で利用者数は30倍以上にもなったが、「2016年のリリース当初は『ボイスメディア』という概念を理解してもらえず、利用者数が伸び悩んだこともある」とCTOの窪田雄司さんは当時の苦悩を振り返る。

『Voicy』はフロントエンドからバックエンドまで、リリースするまで全ての開発を窪田さんが一人で手掛けてきた。

共に開発する仲間がいない中で、それでも前例の無いサービスを信じ、開発を続けられた理由を聞いた。

株式会社Voicy  CTO 窪田雄司さん(@yuji0316

[画像の説明]窪田 雄司
1979年生まれ。情報系の専門学校を卒業後、システム受託開発の会社へ就職。5年ほど勤めた後、26歳でオーストラリアにワーキングホリデーへ。1年仕事を休んで、海外を見聞する。帰国後は2年ほどフリーランスのエンジニアとして働いた後、ベイカレントコンサルティングへ。金融、流通、EC、広告などのシステム開発、マネジメント、PMOなどを経験。2015年10月に退職。16年2月、CEOの緒方憲太郎氏とともにVoicyを設立し、現職。Voicyで音声を配信するための録音アプリ、『Voicy Recorder』の2つを、フロントエンドからバックエンドまで全て一人で開発。現在はチームビルディングやサービスの企画・品質管理を行いながら、プロダクトの開発を手掛けている。

夜な夜な電波を探したラジオ少年 その思いを「人の温かみを伝えるサービス」へと昇華

「CEO 緒方憲太郎(@ogatakentaro)との出会いが全ての始まりでした」

窪田さんと緒方さんの最初の出会いは、2015年夏頃のことだった。

当時、緒方さんが勤めていたトーマツベンチャーサポートが主催する勉強会に参加。そこで交流を深めた後、アナウンサーを父親に持つ緒方さんから、「声」を基点にした新しいサービスのアイデアを聞いた。

緒方さんが熱く語る「声の世界観」に、窪田さんは共感した。

「最初に緒方が構想していたのは『ニュースを読み上げる音声アプリ』でした。それまでもニュースを読み上げるサービスはあったけれど、緒方には、『ただ機能的に便利な情報収集手段にはしたくない。人の温もりやその人らしさを伝えるサービスにしたい』というこだわりがあった。そこに惹かれてしまいましたね」

窪田さん自身、中学時代にラジオにのめり込んだ経験があったのも「音声」に魅力を感じた理由の一つだ。

アニメやゲームが好きで、声優やお笑い芸人などがパーソナリティーを務めるラジオをよく聞いていた。

「両親の実家がある名古屋に行った時なんて、関東で聞けない大阪の番組を聞こうと電波を探して、ラジカセを抱えながら部屋中を歩き回っていました」と笑う。

この原体験が、現在まで続くVoicyの「声で世界を彩りたい」という思いに通じている。

開発の参考にしたのは、音声サービスではなく「温かさを持つ」サービス

こうして2015年夏からVoicyの開発をスタート。サービスリリースどころか、まだ法人化すらしていなかったにも関わらず、窪田さんは同年秋に当時勤めていた会社を辞め、Voicyにフルコミットするようになった。

それだけ「音声で人を伝えるサービスを」というコンセプトの可能性を信じていたわけだが、開発は思い通りにはいかなかった。

当時すでに『Radiko』や『オトバンク』、『こえ部』といった「声」を起点としたサービスはあったが、Voicyが目指していたのは、誰でもスマホ一つで簡単に収録・公開ができる「音声のインフラ」をつくること

そんなVoicyのビジョンは、これまでの音を起点としたサービスとは目指す方向性が大きく異なった。

「そういう意味では、既存の音声メディアよりも、目指す世界観やビジョンが似ているサービスを開発の参考にしていました。僕たちが目指すのは、ユーザーがワクワクしたり集まりたくなったりするような、温かさを持つプラットフォーム。YouTube、Twitter、ニコニコ動画、SHOWROOMのような、『多くの人を楽しませ、人々が集う』プラットフォームサービスのUIに注目していました」

ビジョンや目指す世界観が同じサービスから学ぶことで、目の前の機能面に囚われず、Voicyの価値観を重視した開発を継続することができた。

友人のオフィスを間借りしながら場所を転々とすると同時に、徹底的にVoicyの価値を検証すべく、勉強会などに出向いてオフラインでのヒアリングを繰り返す。

そもそものコンセプトを理解されない苦しい日々が続いたが、2016年9月にようやくリリースまでこぎつけた。

しかし、リスナー数が100人にも満たない状況が数カ月も続いた。

緒方さんとたった2人、深夜のオフィスで「こんなに面白いのに、なんで伸びないんだろう」とVoicyを聞きながらぼやいたこともあった。

だが、リスナーの伸び悩みに苦しむ一方で窪田さんを支えたのもまた、少ないながらも確かに存在していた「パーソナリティーとリスナーの声」だった。

「リリース当初からパーソナリティーとリスナーを集めてオフラインイベントを行っていました。そこでの『生の声』には支えられましたね。パーソナリティーの方からの期待や、ユーザーの方の『Voicyに出会えてよかった』という声を直接聞ける機会は開発する上で、この上ないモチベーションの源になりました。リスナーが喜んでくれる面白い番組がたくさんあって、パーソナリティーの方々も楽しんでくれている。絶対にサービスを成功させたいと思いましたね」

周囲の仲間を巻き込む“Voicy流開発手法”

今まさに前例の無いサービスの開発に取り組んでいて、暗中模索しているエンジニアもいるだろう。

そんなエンジニアに対して、窪田さんは「応援してくれる仲間集めをした方がいい」とアドバイスを送る。

「エンジニアにとっても、周りを巻き込む力や人間力は大切だと思います。僕の場合は、技術面で分からないことがあれば勉強会へ参加したり、知り合いづてに詳しい人を尋ね歩いたりしていました。サービスが形になってからは、昼夜問わずVoicyのユーザーテストを繰り返していて、そうするうちにVoicyに魅力を感じてくれた人たちがファンとして応援してくれるようになったんです。ユーザーテストやテストマーケティングを単なる作業で終わらせるのではなく、ファンをつくる貴重な機会と捉えることが大切だと学びましたね」

こうして応援してくれる人が増えていくことは心強く、開発のモチベーションを維持する燃料にもなった。

周囲を巻き込み外部の人たちをどんどん仲間にする”Voicy流開発手法”を物語る、こんなエピソードもある。

「VoicyのAndroid版をリリースした当初、何度もアプリが落ちてしまったことがありました。それが何度か続いたとき、Twitterで『自分が直します』とリプをくれたユーザーがいたんです。とあるベンチャー企業のエンジニアの方で、協力してもらってとても助かりました(笑)」

窪田さんからは、「開発を孤独にするのも楽しくするのも、自分次第」という姿勢が垣間見える。

とはいえ、意識的に外の世界へ出かけたり、多くの人とコミュニケーションを取ったりすることに抵抗を感じるエンジニアも少なくないだろう。

窪田さん自身も、初対面の人とコミュニケーションを取ることが得意なわけではない。

「自分が信じるサービス開発のためなら苦手だなんて言ってられないものの、勉強会やコミュニティの場でコミュニケーションを取ることが難しいのもすごく分かります。だからこそ何回も足を運び、まずは知らないコミュニティの輪に入ることに慣れることから始めてみるといいのではないでしょうか。新規サービス開発において、周囲の人からのアドバイス以上に、孤独にならない環境を自分で用意しておくことは、モチベーションを維持する上で最も重要なことです」

サービスを形にする最中も、ユーザーがなかなか伸びない時期も、窪田さんの開発のモチベーションはいつでもVoicyに期待し、応援してくれる人の存在だった。

「イノベーションを起こすサービス開発をするためには、技術を極めることだけに焦点を置くのでは不十分。結局、この人と一緒に仕事をしたい、一緒にこのサービスをつくりたいって思わせるのは、技術力じゃなくて人間力ですから

新しいサービスやプロダクトを手掛け、世の中に問いを投げる。それは不確実な未来に向けて、トンネルの中を彷徨うようなものだ。しかし、その不確実さを乗り越えたエンジニアこそが、暗闇の先に広がるイノベーションを起こす切符を手に入れることができるのだろう。

取材・文/石川 香苗子  撮影/赤松洋太

こちらの記事はエンジニアtypeのコンテンツから転載しております。元記事はこちら

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この記事を書いた人

テックキャンプ ブログ編集部
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