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廃部でも挫折しない!プロアイスホッケー選手のモチベーション維持方法やポジティブ思考法を聞いてきた

作成: 2019.08.30

 

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こんにちは!TECH::NOTE編集長のasami81です。先日アイスホッケー選手とお話する機会がありました。

アイスホッケーは冬季競技唯一の球技で、日本ではマイナースポーツというイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし海外、特に北米北欧では絶大な人気を誇る冬季五輪の花形競技です。

弊社が運営するTECH::EXPERTは、プログラミング未経験からWebエンジニアへ転職を実現するスクールですが、スポーツを本格的にやっていた方の受講も増えてきました。

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スポーツ選手のセカンドキャリアにエンジニア、という選択肢がもっと広まってほしい!という気持ちが個人的にあります。それと同時に、練習を続け、試合で結果を出さなければいけないスポーツ選手のモチベーションの維持方法が、今まさにプログラミング学習をしている方へ参考になるのではないか、と考えて取材して来ました。

今回お話をうかがったのは、アイスホッケーチーム「ひがし北海道クレインズ」の選手である松金健太選手です。

挫折しない・やり続けるには環境が大切

—– プログラミングの独学は挫折してしまう方が8割・9割と言われています。実際弊社のスクールを受講される方も「独学に挫折した」という方が多数います。スポーツ選手は肉体的なしんどさもあるのに、入った8割がやめていくというのは無い気がします。実際はどうでしょう?

スポーツでどこを目指しているかにもよると思いますけど、8、9割も挫折ってことはないかなと思います。やめたいと思うことはあっても。

僕は高校1年生の時に、アイスホッケーをやめたいという欲がピークでした。

その時踏みとどまれたのは仲間のおかげです。アイスホッケーはもちろん好きでしたけど、その仲間とやるアイスホッケーが好きだったんですよね。

つらいときに孤独を感じて「やめよう」と思うのはスポーツも学習もどちらも同じかもしれません。

プログラミングも独学でやる人もいると思うんですけど、仲間を作って一緒に学べると挫折しにくいかもしれませんね。

大きな目標を持っていれば何とか持ちこたえることもできるかもしれませんが、支えてくれる人がいる環境をつくるほうが、学んでいくことが好きになれて、続けていけると思います。

—– スポーツは勝ち負けもあります。負けたときに「やめよう」とは思わないものですか?モチベーション維持の工夫というか、秘訣を教えていただきたいです。

モチベーションの維持はたしかに難しいです。すごいハードなスポーツだし、試合に向けた準備のトレーニングも辛いですし、負けたりするととても悔しいです。

でも試合に臨む時は、ドキドキするしワクワクするし、興奮します。競技をやめてしまって、この喜び、このドキドキを味わえなくなることを想像すると、やっぱり続けたいなと僕は思うんですよね。負けても、すぐ次の試合の為に準備することを考えたいです。

モチベーション維持、プログラミング学習している方たちはどうしているんでしょうか?

—– 受講生の取材をしていて思うのは「できなかったことができるようになる楽しさ」にはまった方はモチベーションが続いていますね。あとはやはり共に学習する仲間の存在が大きいようです。

なるほど。エンジニアの仕事は需要があるし、将来のためにもなりますよね。かつ「楽しい」なんて思えたら最高ですね。そのへんはアイスホッケーより門が広くて羨ましいです。

「頑張っている人は必ず報われる」実際そうではない

—– いままで、思うような成果が出ない時どのように乗り越えてきましたか?

若い時って、年を重ねるごとに右肩上がりに成長するっていう先入観があると思うんですが、正しい努力をしないと平気で裏切られます。まずはそのことを認めて、開き直るのが良いよなって考えてそうしてました。

そしてそれまでの行いを振り返って、変えられることはどんどん変えていく。その繰り返しでしたね。今もそれを続けています。

最近読んだ本で印象に残っている文章があって、山口周さんの『武器になる哲学』によると「頑張っている人は必ず報われる」という考え方(「公正世界仮説」:メルビン・ラーナー氏が提唱)ですが、実際にはそうではないことが証明されているそうです。

世界は公正ではありません。頑張っているのに成果が出ない時に報われないのはおかしいと考えるのは危険なので、気をつけたいですね。

正しい努力・振り返り・PDCAで成長する

—– なるほど。以前にダルビッシュ有さんも「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ?」という事をおっしゃっていました。松金選手の考える正しい努力とは例えばどのようなものでしょうか?

正しい努力だったかどうかって振り返ってみて初めて分かるものだと思うんですよね。

スポーツの場合、試合で起用されるだとか、ゴールを決めるとか、失点を防ぐとかが結果だとしたら、それに繋がる練習をどれだけできたか。

常に正しい努力をすることは難しいですから、日々自分がした練習内容を記録することから始めました。

そしてその都度振り返って何が正しかったかを考えるんですね。まだまだ自分は下手なので、ここの精度を高めていかなければなりません。

少なくともこれから何をすべきかは、今まで自分が何をしてきたかを把握していないと、正しい努力には繋がらないと思います。まあPDCAですね。

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アイスホッケー×テクノロジー

—– その流れはプログラミング学習やビジネスも同じだなぁと個人的に感じます。松金選手はテクノロジーにも興味がある方だとうかがいましたが、日本のアイスホッケーで「こんなものがあればいいのに」と思う技術はありますか?

テクノロジーに興味はありますが全然素人目線です・・・(笑)

その前提ですが、自分が所属してるクレインズのホームリンクの中央にぶら下がっている、スクエアの電光掲示板にビジョンを搭載するのは、技術的に可能なんじゃないかと思います。

アメリカのテレビ中継では、氷の上を高速で移動する選手とパックの位置がわかりにくいことから、パックの軌道に色をつけて見やすくしています。

このバーチャルラインの技術は、他の競技でも転用されたりしましたが、陸上では、世界記録を超えたか超えてないかなどが容易に分かってしまい、ドキドキを半減させているとする意見もあったりします。

この辺は見せ方の問題だろうと思うので、日本で放送される機会があれば、そういった技術も面白いかなと。

どんなジャンルも必ずテクノロジーは介入する

あとは、プロジェクションマッピングとかあると普通にいいと思ってるんですよね。

映像をリンクサイズ に切り取ってそれを映すこともできなくはないんじゃないかと思うし、それは選手やチーム、ひいてはその地域の魅力を伝える手段にもなるのでは?と考えています。

もちろん何事も、費用の事は無視できませんが、その分面白い事を自由にできるなら…とか言ってくださる意欲的な人がいらっしゃれば、意外な事もできるんじゃないかという気もしてます。

自分のチームがそういう面白い事を実現する場となったら、ずっとそこでプレーしたいと思えるだろうし、地元の人も誇り持って応援してくれそう…。そう考えると個人的にはすごいワクワクしますね。

—– すごくいろいろと考えてらっしゃるんですね!

考えてはいます。ですが、僕は今までアイスホッケーばかりしてきた人間なので、中途半端なレベルでしか考えられていないと思います。

今後はどんなジャンルにも必ずテクノロジーは介入すると思うので、そのことも含めて選手のうちから学んでいきたいです。

スポーツ×テクノロジーは、今すごく盛り上がってますので、エンジニアが活躍する場も今後ますます広がっていくと想像できます。

競技が複雑であればある程、テクノロジーのアピールの場があるわけです。勝負事という不確実性が多いスポーツにおいてもテクノロジーが担える可能性は計り知れないので、今後どう成長していくか色々と期待したい分野の1つだと思います。

もしスポーツ好きのエンジニアの方とか、スポーツ×テクノロジーに詳しい人がいらしたら、是非面白いアイディアや、現実的に可能なちょっとした工夫の仕方を教えていただきたいし、 どうしたら実現できるか知りたいなと思います。

実業団チーム廃部、70年の歴史に幕。これからの展望は?

松金選手が所属する日本の実業団アイスホッケーチーム「日本製紙クレインズ」は、2019年3月31日で廃部となり、70年の歴史に幕を下ろしました。

ですが、釧路市民を中心とした懸命な署名活動が起こり、競技を超えてプロ野球選手やJリーガーが署名に参加する姿はメディアでも報道されました。その思いは叶い、新たなチームとして「ひがし北海道クレインズ」が発足しました。

6月には「アジアリーグ2019-2020シーズン」への新規加盟が正式に決定、「ひがし北海道クレインズ」は、8月31日からリーグ初戦を迎えます。松金選手は、新チームのアシスタントキャプテンに就任し、チームは地域交流を中心とした社会貢献活動などに力を入れながら、クラブチームとして新たな飛躍を目指しています。

—– ここから松金選手個人のこと、アイスホッケーのことを聞かせてください。アイスホッケーを始めたきっかけや実績など教えてもらえますか?

最初にも言いましたが、アイスホッケーは兄の影響で始めました。小学校1年のときですね。

小学校6年生から全国制覇を何度か経験し、高校3年生の春、U18世界選手権に日本代表として参加しました。でも、世界選手権では、ほとんど出番がなくて・・・(笑)試合に出られない辛さを初体験しました。

明治大学に入学後、U20を1回、ユニバーシアード日本代表を2回。U20では、試合で起用されるもチームは最下位で降格しましたが、翌年のユニバーシアードではアメリカ代表に勝利という快挙を成し遂げました。

卒業後、地元の実業団の日本製紙クレインズに入団し、1年目は怪我で満足に試合には出場できず終了しましたが、2年目は全試合に出場し、リーグ準優勝するもチームは廃部となり、現在に至ります。

松金選手

ポジティブ思考で心も健康維持

—– 2019年3月31日付で松金さんの所属される「日本製紙クレインズ」が廃部という形になったそうですが、そのときの心境やお考えなどをお聞きしてもよろしいですか?

廃部を聞かされたときはショックでしたけど、母体企業へおんぶに抱っこ状態の実業団という形はいずれ限界が来ると思っていたので、すぐ切り替えました。

シーズンを振り返って、廃部決定がチームをより1つにしたと思いますし、プレーオフファイナルまで進めた要因でもあると思います。

現在は、存続に向けて活動してる最中です。

新たなチームが生まれるというのはワクワクしますよね。地域と競技を盛り上げる為の行いなのでポジティブに捉えて、今は自分がどう貢献できるかを常に考えています。

—– 松金選手のSNSでは、普通の人だったら、しょげてしまいそうな場面でも「楽しみ」という言葉が出る印象があります。ポジティブ思考でいる意識をしていますか?

1回きりの人生なので「楽しまないと」という気持ちは強いです。あと、失敗しても死にはしないし、とか、日本にいる限り餓死もしないだろうし、とか・・・(笑)

色々ネガティブなこと考えても意味ないと思うんですよね。リスク管理とか、準備の部分を蔑ろにしろと言ってるわけではありませんけど、やっぱり楽しそうなことばっかり考えてた方が心も健康でいられます。

不確実性の高い勝負の世界でドキドキしていたい

—– これからやってみたい事はどんなことがありますか?

スポーツには携わっていたいですね。アイスホッケーに限らず、不確実性の高い勝負の世界でドキドキしていたいとは思います。

あとはとにかく自分の人生を楽しむことですね。あくまでも自分の人生の主人公は自分だと言い聞かして、これからも好きなことをやっていきたいです。とは言っても、まずはアイスホッケーに真摯に向き合って、チームにとって価値の高い選手になれるように日々過ごしていきます。

—– 最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

読んでいただきありがとうございます。アイスホッケーは、北米北欧では非常にメジャーなスポーツですが、日本では見たことない方がほとんどだと思います。

観戦初心者に優しくないなど、現状の課題はたくさんありますが、徐々に改善させます。個人でも色々発信していきますので、気にかけてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。

撮影/Miki.A
一部松金選手より写真提供

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