【CEO対談】テックキャンプとProgate学ぶならどっちがいいの?
更新: 2020.06.08
テックキャンプ、テックキャンプ エンジニア転職(旧TECH::EXPERT)を運営する株式会社div 代表取締役 真子 就有(まこ ゆきなり)が、テクノロジー時代のキーパーソンに話を聞く連載、TECH::LEADERS(テックリーダーズ)。
今回の対談ゲストは、株式会社Progate CEOの加藤 將倫(かとう まさのり)さんです。
株式会社Progateは、世界中で使用されているオンラインプログラミング学習サービス「Progate」を展開する注目スタートアップ企業です。プログラミングに興味がある方は「テックキャンプとProgate学ぶならどっちがいいの?」と思ったことがあるかもしれません。
プログラミング教育分野でサービスを展開する両者は、しばしば「競合関係」と見なされがちです。
ですが、CEO同士は実はそう思っていないのです。
テックキャンプとProgateのCEO対談をお届けします!
この記事の目次
同年にスタートしたテックキャンプとProgate お互いへの印象
真子:テックキャンプとProgate(プロゲート)はほぼ同じ時期に始まったサービスですよね。
テックキャンプは2014年10月に「人生を変える1ヶ月」というコピーでスタートしました。その直前の夏に、Progateがリリースされて。僕がサービス開始の準備をしている時に、Progateが世に出たのを覚えてます。
加藤さんは、テックキャンプにどんなイメージを持ってましたか?
加藤さん(以下敬称略):短期集中のスパルタ形式というイメージが強かったですね。学習の目的意識が強い人が集まる場所ととらえてました。
Progateは「プログラミングの楽しさを知ってもらい、もっと創れるようになりたいと思ってくれたら、自走できるところまで導いてあげる」という立場で、もっとターゲットが初心者寄りです。
だからテックキャンプとProgateが競合関係にあるとは、最初からあまり思っていなかったです。
真子:僕は当初のProgateに「東大生が作ったカチッとしたサービス」という印象を持ってました。
今のProgateは日に日に可愛いデザインに変わっていってますよね。いまの初心者にとって、Progateは1番取っつきやすいプログラミング学習サービスだと思います。
いま、Progateのユーザー数はどれくらいですか?
画像出典:Progate
加藤:累計で45万人です。内訳は国内40万人、海外が5万人ですね。
真子:海外ユーザーが着実に増えているんですね。4期目のいま、改めてProgateの歩みを振り返ってみていかがですか。想定通りいったことと、そうでないことがあると思うのですが。
加藤:全てが想定外ですよ(笑)
もともと僕は、全然プログラミングができない人間で、創れるようになるまでにいろいろと苦労しました。なのでProgateは、はじめてプログラミングを学ぶ人の体験をもうちょっと良くしたいなと思って、小さなプロジェクトとして始めたものなんですよ。
だから最初のうちは、ユーザーとしてイメージしていたのは少し前の自分とか、周りの友人とか。すごく狭い範囲のことしか考えてなかったです。
でも、ある投資家の方にサービスを見せてみると「このサービスは絶対、もっともっと広めたほうがいいよ」と言ってもらえて。それで、より本格的にサービス開発に取り組むようになりました。なので、そもそもはじめはここまで使ってもらえるサービスになると思ってなかったです。
プログラミング学習だけに多額のお金を払う人は少ない テックキャンプがテクノロジースクールになったワケ
加藤:テックキャンプの受講生は今、どんな方が多いですか?
真子:実は最近、テックキャンプの受講生の層が変わってきたんですよ。
加藤:というと?
真子:最初テックキャンプはマンションの1室でスタートしました。広告はFacebookが主で、とにかく本気で学ぶ人のためのカリキュラムだとスパルタ色を強く打ち出して。そしたら、1ヶ月10万円のコースにいきなり50人集まったんですよ。
テックキャンプ初期のサイト
加藤:それはすごいですね。当時からテックキャンプは、広告やPRがとてもうまいなと思っていました。
真子:ありがとうございます。マンションの1室に50人は入らないので、半分以下の20人まで選考で減らしたんです。その時は直接、僕がSkype面接で「やるなら最高の環境を提供するけど、本気でやる気はある?」とわざと厳しく問い詰めて。当時はスパルタだったので(笑)。
それでも残った人を対象にしました。
そうして最初は20人。次は50人。その次は90人とどんどん受講生が増えていきました。
加藤:伸び方が半端じゃないですね。
真子:最初の1年はその伸び率が続きました。ただ、2年目で伸び止まって成長が鈍化してしまった時期があります。現在はコンセプトを変えて、毎月伸び率を更新しているのですが。
この時期は非常に悩みました。
ここで得られた気づきは「プログラミングを高額な費用を払ってでも学びたいという人は、その時点でもう情報感度が非常に高い人」だということです。そしてそういった人は私達が思っていた以上に多くないことが分かりました。
僕は「プログラミングはお金を払ってでも学ぶべきもの」だと確信してます。独学はとにかく挫折率が高いので。ただ事業を実際にやってみて感じたことは、高額を払ってまでプログラミングを学ぼうと考える人はそこまで多くない、と。
加藤:なるほど。
真子:エンジニアを目指しているわけでもない人にとってプログラミングを学ぶ価値は感じにくい。「どうしてもWebサービスをつくりたい」という目的がハッキリした人ならいいのですが、世の中の多くの人はそうではありません。漠然と興味がある程度の人がプログラミングを以前のテックキャンプのように1ヶ月間スパルタで学ぶことに魅力を感じるかというと…難しいんですよね。
加藤:たしかにそれは難しそうですね。
真子:多くの方が考えることって「プログラミングをやりたい」ではなくて「もっと活躍できる人材になりたい」ということだと思っています。根本のニーズは「成長」「キャリアアップ」。その手段として、プログラミングは「ひょっとしたらいい”かも?”」と思っているという感じかと。
だから、これからのテックキャンプは「さあ、プログラミングを学んでエンジニアになってサービス作りましょう!」と呼びかけるのではなく、こまめに1on1や面談を行って、1人1人が最高のキャリアを歩んでいくための学習サポートやキャリアサポートをしていこうと思っています。エンジニアになりたい人に向けてのサービスはテックキャンプ エンジニア転職をつくりましたし。
テックキャンプで今重要視しているのはテクノロジー人材で「テクノロジーが主役の時代に活躍できる人材になろう」ということです。その中のサービスの1つにプログラミング学習があるという形ですね。
加藤:なるほど!それを聞くとますます、テックキャンプとProgateのユーザー層は違うというイメージが強まりました。
真子:そうですね。テックキャンプは最近プログラミングスクールではなく「テクノロジースクール」と謳ってます。
プログラミングに特化したスクールではなく「テクノロジー時代に活躍できる人材を育成するスクール」という位置付けにシフトして、受講生の層は本当に広がりました。
プログラミングを勉強するならテックキャンプとProgate どっちがいいか?
真子:「プログラミングを勉強するなら、テックキャンプとProgate、どっちがいいですか?」と、色んな人にストレートに聞かれることが多いです。
加藤:さっきも言いましたが、テックキャンプとProgateって、かなり属性が違う気もしますけどね。リリース時から僕は違うなと思っています。もちろん一緒の部分もありますけど。
真子:そうですね。僕たちのサービスは強いニーズを持つ人を対象としています。プログラミングでいうと「1ヶ月でがっつり学びたい」とか「プロトタイプを作れるところまでいきたい」などです。確実に技術レベルを引き上げたい方が対象ですね。
ただ最近ではプログラミングそのものへの明確な強いニーズというよりも、さっきも言ったように成長したいとかキャリアップしたいとか就活に活かしたいとか、そういうニーズが強いですが。
加藤:なるほど。
真子:正直、テックキャンプは安くはありません。渋谷や新宿、名古屋、大阪などの都市部に教室を持ち、受講生が挫折しない環境をつくることには費用がかかります。ただ「できるだけ安く、独学でのプログラミング学習から始めたい」と思っている人は多いでしょうし、実際に耳にします。
僕はテックキャンプ以外、独学する前提で何かを薦めるとしたら3つの教材があると考えてます。参考書か、動画教材か、Progateか。
この3つの中なら、僕はProgateが間違いなくベストだと思ってます。なので個人的にも、たくさんの人にProgateをおすすめしてますよ。
加藤:ありがとうございます!
真子:お客様からしたらテックキャンプよりもProgateが安くて、敷居が低いのは事実です。Progateで十分な知識が身につくなら、それに越したことは無いわけです。
ただ、一定数は独学がどうしても難しい、という人はいると思っています。
加藤:難しいのは事実です。初心者が1人でプログラミングを学ぶときには、つまずいてしまうポイントがたくさんありますからね。
Progateは、プログラミングができるようになりたい、でもどうしていいかわからない、という人に対してあらゆる挫折ポイントを取り除いて、とにかくまずは創る楽しさを知ってもらうことを重視しています。
プログラミング学習って、明らかにプログラミングの素養がある人でも実際に楽しさを感じる前に挫折してしまうことが多いんですよね。
というのも、やっぱり学習の負の側面として、最初の一歩が難しすぎるんですよ。環境構築ですとか、プログラミング独特の頭の使い方ですとか。僕自身がそうで、プログラミングを学び始めた時「難しい!これは自分には向いてない」と正直思いましたから。
真子:プログラミング学習を始めたばかりの頃って、そういう気持ちになりがちですよね。
加藤:はい。また、1人で挫折してしまわないためにも、コミュニティや横のつながりを重視しています。最近は、Progateのユーザーの方々の間でもどんどん横のつながりが生まれていて。Twitter上で進捗を共有し合ったり、オフ会で知見を共有し合ったりしてくれているんです。
プログラミングはできるようになってきたら絶対楽しいものだと僕は思っています。だからそういったコミュニティを通じて挫折せずにProgateを進めてもらったり、メンターをつけて学べるほうが安心という人はテックキャンプで学んでもらって、その楽しさを感じられるところまでたどり着いてくれたらいいなと思います。
真子:そうですね、挫折ポイントを取り除くのは本当に大事です。
テックキャンプの売りは学習サポートです。メンターが教室にいていつでも質問できるという点も含め、今後はもっとあらゆる面を充実させて、受講生が絶対に挫折せずカリキュラムを完走できる環境を提供します。
これから何かを学びたい人は、どういう環境なら自分は挫折しないかというのを知ることが大切ですね。
Progate「プログラミングの楽しさに気づいた人が自走できるように」
真子:Progateでプログラミングを独学して、そのままエンジニアになったという人ってたまにいますよね?そういう事例を見ていると、プログラミングを独学で学べる人ってその人自身のポテンシャルがすごいのかなって感じます。Progateのコンテンツが素晴らしいのはもちろんなんですが。
加藤:実際にその人のポテンシャルはすごいと思います。どの分野もそうですが、独学でやり切るというのはかなり難しいですよね。
そういった人たちは、Progateのコンテンツを学び終わったあとにも、自分で次に学ぶべきことをリサーチして、調べながら成長していっている印象があります。いわゆる「自走」している状態です。
だから今後は「デバッグ」のコースや「ググり力」が鍛えられるコースなど、「自走できる人」を増やせるようなコンテンツをどんどん追加していきたいですね。せっかくポテンシャルがすごい人でも、そのあたりの学び方を知らずに挫折してしまう人も多いと思うので。
真子:なるほど。世の中のほとんどの人は、自分のポテンシャルに気づいていないものだし、そのポテンシャルを引き出すために何を身につけるべきなのかが見えてないケースの方が多いと思うんです。
加藤:それはあるかもしれませんね。テックキャンプではそのあたりどういうことを意識しているんですか?
真子:はい。まさにそのポテンシャルを引き出すのが、これからのテックキャンプの使命です。弊社(株式会社div)の理念は「人生にサプライズを」であって「プログラミングを学ぼう」ではないことがポイントです。
「プログラミングに興味を持ってもらう」という意味の施策はテックキャンプ以上にProgateが積極的に実現していると感じますし、それでいいだろうと。
テックキャンプとProgateが競い合うことには、別に意義を感じません。
うちは、その先にあること。例えば「最短距離でキャリアアップする」というように受講生の人生を変えることに取り組んで行きたいんです。
テックキャンプ「プログラミングに限らず、受講生の人生を変える」
真子:加藤さんからは「プログラミングの敷居を下げること」への情熱を感じます。Progateは学習の最初の一歩として本当に最適。ハードルを下げた結果、そこから素晴らしい人材が生まれてくるということを目指しているのかなと。
加藤:そうですね、僕はプログラミングという分野へのこだわりが強いです。その点は、真子さんと大きく違う点だと思いますね。
やっぱり僕の人生を大きく変えたのがプログラミングですし、今でも大きな可能性を感じています。学んだ前と後では、人生が大きく変わりましたし、その原体験が今でも僕を動かしているところがあります。
同時に、プログラミングに愛着を持てば持つほど、その負の側面をどうしても解消したくなるんですよ。
プログラミングに興味を持つ人って「この先、どんな楽しいことが待っているんだろう」というような、純粋なワクワクを抱いているんですよね。でもやってみたら「うわあ、難しい……自分には無理だ」と思っちゃう人が圧倒的に多くて。それが本当にもったいないです。
だからこそ、ハードルを下げるのって大事だと思うんです。
真子:ハードルの過剰な高さが、人が夢を叶えるための障害になってしまうのは良くないですよね。少なくとも入り口だけは、ハードルは適切に低いものであるべきです。
加藤:そう思います。Progateでプログラミング学習のハードルを下げつつ、コンテンツを追加、強化していくことで「もっと学びたい!」というユーザーひとり1人の夢に応えたいです。もっともっといいサービスに育てていきます。
TECH::NOTE編集部スタッフのProgateアカウント。にんじゃわんこかわいい。Twitterもあります。
Interviewer 真子 就有
Writer 関 和音
Editor 桜口 アサミ
更新情報などお知らせしている テックキャンプ 公式 Twitter・Facebookをフォローお願いします!!
- テックキャンプとProgateのCEO対談、後編⇛ 【テックキャンプ×プロゲートCEO対談】 初心者からテクノロジー人材になるために必要なこと
- 他のCEO対談、TECH::LEADERSはこちら
はじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
・IT業界転職における“35歳限界説”は本当?
・手に職をつけて収入を安定させられる職種は?
資料では、転職でよくある疑問について丁寧に解説します。IT業界だけでなく、転職を考えている全ての方におすすめです。
「自分がIT業界に向いているかどうか」など、IT転職に興味がある方は無料カウンセリングにもお気軽にお申し込みください。