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年間2000回以上瞑想をするシティーブッダ男児が語るーー生き方を豊かにするマインドフルネス

更新: 2024.07.09

仕事、恋愛、人間関係、結婚、家庭など日々生きる上で、自分でコントロールできない場面はたくさんあります。この記事を読んでいる今も、どうにもならなくて無性にイライラしたり、不安に襲われたり、ストレスを抱えたりという人もきっといるのではないでしょうか。

そんな人におすすめしたいのがマインドフルネス・瞑想です。メンタリストDaiGoさんは著書「自分を操る超集中力」の中で、瞑想がセルフコントロールや集中力向上などに効果があると解説しています。また、Google、Facebook、Appleなど名だたる世界的企業も研修に導入しています。

そこで今回は、年間2000回以上の瞑想をする「シティーブッダ男児」を自称する熊谷祐(くまがい・ゆう)さんにマインドフルネス・瞑想の意味や、効果、やり方について具体的に聞いてみました

私が熊谷さんからお話を聞いて、得た学びはじつはマインドフルネス・瞑想は思い立ったらすぐできるものだということ。最後まで読んだ時、あなたも瞑想をきっと実践しようと思うはず。では、読み進めてみてください!

熊谷祐さん プロフィール
瞑想アプリ「リルック」を運営するRelook株式会社代表。2016年に設立した会社が倒産し、3ヶ月間のホームレスを経験。1日平均5回、年間2000回以上の瞑想をする「シティーブッダ男児」。365日寝る以外は和服、寝る時はステテコ。睡眠専門医やマインドフルネス瞑想に精通する精神科医が監修に関わっている「リルック」はダウンロード数20万超以上、コンテンツは300以上。iPhoneユーザはこちら、Androidユーザーはこちらからダウンロードできます。

マインドフルネス・瞑想は「本来の自分に戻るための手段」

ーーマインドフルネス・瞑想は聞いたことはあるけど、正直に言うといまいちイメージがつかめません。瞑想をやる意味をまず最初に教えてください。

瞑想は「自分を軽くするため」にやるものです。生きている中で人は「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」というプレッシャーを日々抱えています。いわゆる「なければならない」と捉えているものはじつは多いです。

例えば「ご飯作らなきゃ」「メール返さなきゃ」などは毎日思いますよね。ほかにも、SNSを見ていて「この問題よくないな。自分はこう思う」と意識せずに判断をしていることが日常的にあるはずです。

そういった「なければならない」ものによって、知らぬ間に心身に疲れがたまり、体がだるくなっていきます。それが積み重なると日常生活にワクワク感が持てなくなり、本来のパフォーマンスが全く出ない状態になります。

なので、自分を軽くしてワクワク感を取り戻すために、瞑想をやるんですよ。

ーーなるほど。熊谷さんは普段生活する中で、前提としてどういうマインドを持てばいいと考えていますか?

私は「なければならない」ではなく、「したい」というマインドで行動します。

まず、前提として日常生活をワクワク感を持って過ごしている人は、やりたいことを好きで始めています。「なければならない」という義務感じゃないんです。「これをやることに意味がある」と感じているので、そこには「したい」という自分の積極的な意志があります。

自分が本当にしたいことをしている時って、ワクワク感と楽しい気持ちしかありませんよね。

本来、人は生まれた瞬間は「したい」しかないんですよ。小さい子どもってやりたいことしかやらじゃないですか。だから、生まれた瞬間の「したいことをする」というスタンスに戻ってくることってとても大事なことです。

だから大人も好奇心の赴くままに楽しいこと、やりたいことをやる状態になることが大切です。

ーー改めて考えない限りは、みんなけっこう「なければならい」でやっちゃいますよね。瞑想はそういう思い込みを直す手段ということでしょうか?

そうですね。究極の話、瞑想は「本来の自分に戻ってくる」ことなんです。現代人は、理性とかロジックに偏りすぎているので「なければならない」と考えすぎて「したい」を忘れてしまいがち。それが本来のパフォーマンスを鈍らせるんです。

瞑想で自分を見つめ直すことには「気持ちを楽にする」という効果があります。例えば「今落ち込んでいるのはなぜだろう」と頭に浮かびます。直後に「やらなきゃいけないことがあるけど、全然うまくいかなくて落ち込んでいる」と気が付きます。

それにより、1つの答えとして「自分はできると思っていたから落ち込んでいるのか。でもまだ実力不足」ということを客観視できる場合があるでしょう。結果として「実力不足を解消するために、もう少し努力しよう」となれば、気持ちが少し楽になりますよね。

自分の行動・考え方・性格などを別の視点から認識するいわゆるメタ認知を瞑想でできるようになると「本来の自分」に戻ってこられます。すると、心と身体が途端に軽くなります。

じつはこの瞑想の効果は科学でも分かってきていることなんですよね。例えば1例を挙げると、ワシントン大学が行った研究で実際に瞑想によりストレス激減・集中力の向上するということが証明されているんですよ。

ーーGoogle、Facebook、Appleなどの研修でマインドフルネス・瞑想が導入されているのも納得です。いまいち分からないのが瞑想をやるタイミングなんですよね……

瞑想のタイミングはいつでも大丈夫です。ですが、悩みや不安などを背負い過ぎているなという時にやると特にいいです。人生の道を1度ずれたまま進み続けると、振り返えった時にそれが結果として30度くらいずれている可能性があります。

これはかなりの時間のロスになるので、そうなる前に瞑想によって自分の本来進むべき道に戻してあげることが大切です。

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「瞑想は10秒でもいい」大切なのは自分の動作を意識すること

ーー客観視やメタ認知によって「今の自分の状態に気づく」のが瞑想ということだと思うんですが、やろうと思っても身に付くまでに相当な時間がかかりそうなイメージがあります。話を聞くとその場ではすごく納得するのですが、後で冷静になると実際にできるのかなと思ってしまって……。そういう人に対してまずこうしたらいいよというアドバイスがあれば聞きたいです。

結論、誰でも100%できますので安心してください。90歳になってもできます。なぜできるのかと言うと、少しずつでも瞑想を続けることで脳が変化するからです。

基本的に筋トレして筋肉がつかない人っていないですよね。筋トレをしっかりやれば数週間で筋肉はつきます。瞑想もそれと同じで、心の筋トレというイメージです。瞑想を定期的にやっていたらメタ認知の効率も向上します。

ーー筋トレと一緒と言われると腑に落ちました。少しずつでも続けることで、どんどん瞑想はできるようになるのですね。熊谷さんは日頃1日平均5回は瞑想されているそうですが、どれくらいの時間や回数行えば効果がありますか?

1日1回10秒とかでも大丈夫です。そして、先程も少し触れましたが、タイミングはいつでもいいです。ちなみに僕は気が向いたらやっています。例えば、会社では、毎日17時に1分瞑想をやっています。そのくらいの時間だと、みんな業務も落ち着いてくるので。それに、少し疲れてきている時間というのもあります。

恐らく一般的に想像する瞑想は「椅子に座って、しっかりとやる」というものだと思うんです。それだと重たく感じるし「今やるタイミング取れない」となりますよね。だから瞑想に対するハードルをいかに低くするかが大事だと思っています。

じつは歩いている時に、歩く自分の動作を意識してみるということも瞑想です。「今、足が地面に触れている」「右足が出てる、左足が出てる」そう思えることでメタ認知できていて、脳が働きます。

自分の行動を意識するだけで瞑想になるんです。本当に誰でもできるので、安心してください。

「自分をフラットにすると幸せになれる」プラスとマイナスでバランスを取る法則

ーーそれならできそうです!マインドフルネスが心を軽くする上で重要だということは分かりました。でも、人はマイナスの面にとらわれがちだと思います。それで落ち込むことも多いと思うのですが、そういう場合はどうしたらいいですか?

ものごとにはプラスとマイナスの両面が必ずあります。だから、フラットに戻ってくることが大事です。

例えば宝くじで3億円当たったとします。一般的には幸運と思いますよね。でも、実際に3億円当たった人全員に「幸せですか?」と聞いたら、そうじゃない可能性も必ずあります。

ーー確かに、それはそうですね。実際、宝くじ当たって不幸になったという人の話はよく聞きますし……。ちなみに、熊谷さんは一度起業を失敗してホームレスを経験していますよね。いわゆる挫折をされてまた這い上がった方だと思うんですが、その失敗・挫折にもプラスの見え方があるということですか?

はい、僕にとって起業に失敗したことによる挫折はじつは幸運でした。挫折は心をめちゃくちゃ軽くしてくれるんです。

挫折は何かを求めた結果、それがうまくいかないことを言いますよね。目指すものが本当に求めているものである場合はいいんですが、そうじゃないまわりの影響で決めたことが結構多いと思うんです。「あれやらなきゃ」「これやらなきゃ」と思っている時は心に余裕がない時。そういう時は、本当に自分が求めているものは見えてきません。

挫折は「なければならない」という義務感を強制的にオフにして、心に余白を作ってくれるんですよ。だから、本当にやりたいことを見直すきっかけになるので、挫折は全ての人に等しく幸運だと考えています。

ーー実際に挫折を経験されているから説得力しかありませんね。

現代って自分の夢を外的なものさしで決めてしまって、夢を履き違えてしまいやすい時代だと思うんです。例えば「年収1,000万円にならなければいけない」「結婚はしてなきゃいけない」などがあるでしょう。「これが正解だよ」という暗黙的な答えがあるような状態だと、心身ともに辛くなります。

だからこそ、挫折して外側ではなく内側に目を向けて「本当の自分こんにちは」となるのは幸運なことだし、必要なことなんですよ。

ーーマイナスに見えるものごとでも、捉え方で変わるのですね。ただ、言われて理解はできるけれど、実践するのはかなり難しいと感じてしまいます。

そうですね。意識しないと難しいかもしれません。

人間って見えている世界が全てだし、意識しないと最初は1つの面しか見えないんですよ。なので、プラスとマイナス両方を見るためには見え方をずらす訓練が必要です。両面を見るためにトレーニングすることで、日頃使っていない脳の神経回路がつながるようになります。

それにより、プラスとマイナス両方が見えるようになると、嫉妬や羨ましいと思う感情が浮かんだとしても消えるようになります。

ーープラスとマイナスの両面をフラットに見る具体的方法を知りたいです。

「感謝する」と絶対フラットになれま。感謝が最強です。

例えば、風邪引くじゃないですか。多くの人は風邪を引いたら人に迷惑をかけるというマイナスの見方をしますよね。でも、風邪引いて「ありがとう」と思うようにするんです。

すると、風邪を引いたことが「今まで働き過ぎて疲れていたから1回休める時間になる」「このまま働いていたら、もっと身体壊して入院していたかも」という風に捉えられるので、プラスな見方ができますよね。そうするとプラスとマイナスが見えて、ものごとの両面がフラットになります。

もっと言うと、プラスの場合でも感謝は大事です。

仕事の成果が出た場合はプラスの見え方になりますよね。その場合「俺が頑張ったからやれたんだ」となるかもしれません。そこで感謝をすると「あの人がかなり手伝ってくれていたから成果が出せた」ということが出てくると思います。感謝すると確実にフラットに戻ってこられるんですよ。

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嫉妬や執着を手放す「誰しも憧れる人の性質を持っている」

ーー感謝にそんないい効果があったとは。ところで、妬みや恨みがよくないと分かっていても、人に対して「羨ましい」と感じることはあると思います。そして、羨ましいと思わないようにすると、逆に意識してしまう気がします。熊谷さんはどのように対処していますか?

「意識しないようにしよう」と考えるのはダメです。これは、意識しないようにするという行動によって、意識してしまうという状態になっているんですよね。だから、憧れを受け入れることが何より大切です。

具体的で使える方法があるので紹介しましょう。まず、憧れている人を5人挙げてください。その次になぜその人に憧れているのかの詳細な理由を出していきます。例えば「芯のある生き方をしている」「自分の表現を全力でしている」「幸せそうな顔をいつもしている」など、きっと色々と出てくると思います。

その憧れている理由は、意外に思うかもしれませんが、本来のその人自身なんです。僕の場合「芯のある生き方をしている」というのが出てきます。

人は全てベースとして完璧ですので、憧れる人の性質を絶対に持っています。「自分はこういう性質を持っているんだ」と理解して、あとはそれを育てていけばいいだけです。

ーー欠けているのではなく、元から備わっているから育ててあげればいいよということですか?

そうです。「自分が憧れる人と同じだった」みたいな気づきがあるとワクワクするし、ポジティブになれますよね。すると「あれもやろう、これもやろう」というアクションが次々と出てきます。それまで、嫉妬や妬みに注いでいたエネルギーが急にどうでもよくなります。

例えるなら、米粒をお箸で1粒1粒つかむ時の感覚。目の前のことに集中しているから、最強の状態です。今に生きて、今にフォーカスしている状態なので、成長にもつながります。結局のところ、マインドフルネスは今に集中すること、これに尽きるんですよ。

ものから心にシフトする時代「瞑想は心にアクセスする有効な手段」

ーーマインドフルネス・瞑想はものや情報に溢れた今の時代だからこそニーズがある理由をとても理解できました。

現代はものから心に徐々にシフトしていっている時代だなと思います。これまではとりあえず物質的に豊かであることが幸せという図式が成立していましたよね。

でも今は100円ショップで必要なものはたいてい揃います。だから、社員になることが幸せの絶対条件ではなく、アルバイトであっても幸せに生きていける時代です。「そんなにもの必要ないよね」と多くの人が気が付き始めています。

人はものよりも感情が動くことのほうに価値を感じ始めているんですよね。

そのような中で、瞑想はものでなくて心にアクセスする有効な手段なんです。それに、本来、マインドフルネス・瞑想の根本の思想って日本とか東洋の思想だし、日本人の考え方に合っているんですよ。ぜひ、瞑想を始めて本来の自分自身を取り戻しませんか。

Interviewer:桜口アサミ
Writer・Photographer:藤原昇平
Editor:木村 ヒロト


【ライター編集後記】じつは、インタビューしたその日から瞑想を本格的に日常生活に取り入れるようになりました。

目を閉じてただ呼吸に集中するだけ。10秒、1分やるだけでも気持ちが落ち着いてくるのを感じます。普段いかに自分があれこれ「なければならない」という思い込みに縛り付けられているかを感じました。

それを瞑想によって少し手放すことで日常がいつも以上にワクワクするように。今、自分が好きで「したい」と思うことも見つかりました。ぜひ、みなさんも1度マインドフルネス・瞑想を始めてみませんか。

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この記事を書いた人

Fujiwara
立教大学卒業後、神戸新聞社入社。2018年に退職し、写真家に転身。テックキャンプブログ編集者の傍ら作品作りに励んでいます。週刊文春に「東京オアシス」の写真、原稿を発表しています。

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