31歳、転職4回、未経験でエンジニア転職成功

SIer崩壊説って本当? えふしんさんの未来予測に納得感がありすぎた【エンジニア転職ウワサの真相】

作成: 2018.12.07 更新: 2019.05.09

 

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■教えて、えふしんさん! 「エンジニア転職」ウワサの真相
世の中にある噂や、アップデートされない業界の常識に翻弄されず、自身の手でキャリアを選び取っていけるエンジニアになるには? 数々のWeb系企業で活躍してきた”えふしん”こと藤川真一(BASE株式会社 取締役CTO)さんに、エンジニアにまつわる気になるウワサについて聞いてみた!

 

BASE株式会社 取締役CTO 藤川真一(えふしん)氏
FA装置メーカー、Web制作のベンチャーを経て、2006年にGMOペパボへ。ショッピングモールサービスにプロデューサーとして携わるかたわら、07年からモバイル端末向けのTwitterウェブサービス型クライアント『モバツイ』の開発・運営を個人で開始。10年、想創社を設立し、12年4月まで代表取締役社長を務める。その後、想創社(version2)を設立しiPhoneアプリ『ShopCard.me』を開発。14年8月からBASE株式会社のCTOに就任。2017年9月に慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科博士課程を単位取得満期退学、2018年1月博士(メディアデザイン学)取得、同学科研究員。

【ウワサ1】SIerって、なくなっちゃうんですか……?

財閥系の系列企業や銀行などの「日本の産業を支える情報システムを提供する役割」がSIerの強みです。SIer崩壊説なんてのは昔から囁かれていることではありますが、代わりになるものがどう出てくるかがポイントになると思っています。

オンプレがクラウドに置き換えられていったように、ITシステムの重要性がより高まることで「内製するから外部にはお願いしない」という方法論が成立すると、SIerは不要になる。ただ、それが現実的に起こりうるかは正直、分かりません。今作っているものと同じ品質のまま内製化されることはないと思うんですよ。

今のシステムはSIerのエンジニアの方々がしんどい思いをして作っているわけですが、皮肉にもそのしんどさが成立するのは、作る人が他の会社でありクライアントから発注された案件だからです。自社エンジニアがやることになったら、ブラック企業だなんだと言われて、うまくいかなくなる気がします。

もう一つ考えられるのは、代替となるプラットフォームサービスが出てきた時ですが、エンタープライズのシステムは独自の文化に紐づいているので、SIerが生き残る道は普通にあるでしょう。

ただ、SIerが今のビジネスの規模感のまま継続するかどうかは、Web系企業次第だと思っています。

Web系企業には、SIerやメーカーが理系学生の就職の最初の入り口である現状を塗り替えたいという気持ちがあります。だって新卒の受け皿として、既存産業の存在は大きいと思うんですよ。僕も元々は製造業にいて、後にWebサイトを作る会社に転職しましたが、既存産業は定年までの育成モデルを持っているなど組織が完成しているからこそ未経験から若い子を育てることができる。

一方のWeb系企業が採用している学生の多くは、成長すればシリコンバレーに転職したり、自分で起業するような優秀な学生が多いです。学生の能力に合わせた年収を提示するようになった理由も、下に合わせなくていいようにするため。上位数%の超優秀な学生だけを採用する空気は、ゼロから人を育てる新卒採用のフェーズではないという考え方もできます。Webサービスのビジネスは労働集約産業ではないので、一社がたくさんの人を採用できるかという難しさはありますが、今立ち上がってるたくさんのWebベンチャーが未経験の新卒採用ができるくらいに会社が成長したら状況は変わる気がしています。

今後の日本は、移民を受け入れない限り人口は減りますから、どこの産業に人が集まるかで生産性が変わります。特に受託は「人月単価×人数」が売上になるので、作れる人が減れば受注可能なシステムの規模は小さくなっていく。つまり、人の流れがSIerからWeb系企業に変わると、序列が変わるんです。もはや生き残るか否かという話ではありません。

Web系企業への転職を考えているのなら、早めのチャレンジを

Web系企業のビジネスが大きくなって、経験の浅い人を作用できるようになった未来では、SIerは完全な衰退産業になるだろうと思っています。情報システム系の仕事をやっている人で、もしも「何か違う」と思ってWeb系企業への転職を考えているのなら、早めにチャレンジしてほしいです。

上流工程と下流工程が分離されているSIerで仕事をしてしまうと入社3年以内ならいいけれど、6~7年も経ってしまうと、「設計も実装も自分でやれること前提での役割分担」であるWeb系とはスピード感や感覚の差が結構キツくなっていくように感じます。

Web系企業は若い人が多いですから、20代そこそこの人たちと戦うことになるわけで、そういう意味でもSIerでの経験を積めば積むほど、Web系への転身は大変になると思います。

辞めたい気持ちはあるけど辞められない、いわゆる「いい人」は少なくないでしょうし、居心地のいい環境があって、認めてくれる先輩がいるから辞めないという選択もありですが、もしもWeb系にもチャレンジしたい気持ちがあるのならば、自分がやりたいと思ったことに突き進んでほしいなと思いますね。

取材・文/天野夏海 撮影/赤松洋太

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この記事を書いた人

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Kazuto Seki
音楽ライターとしてエイベックス、ビクター、トイズファクトリー等に所属するアーティストの取材を担当。2016年に開催された『Bjork Digital』の取材経験から、VR×音楽に関心を抱く。2017年よりテクノロジーに関するライティングを開始し、TECH::NOTEにジョイン。猫とウサギを飼っています。