「ベンチャー企業とよく耳にするけれど、どういう意味なのだろう?」
「ベンチャー企業はどんなところなのだろうか?」
と考えていませんか?
就職活動について情報を集めていると、「ベンチャー」という言葉を目にする機会もあります。ベンチャーとはなんとなく理解していても、「スタートアップ」や「中小企業」との定義の違いを正確に理解できている人は少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ベンチャーという言葉の意味から、ベンチャー企業の特徴などについて詳しく解説します。
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この記事の目次
「ベンチャー」の意味
まずはベンチャーという言葉の意味を、正確に理解しましょう。「ベンチャー(venture)」とは「冒険的事業」という意味する英語です。他にも「投機的企業」や「投機」という意味も含みます。
この言葉の意味から、ベンチャー企業とは「冒険的な事業を行う企業」であると理解できます。
ベンチャー企業の行う事業は、大企業では手を出しにくく、より創造的で革新的なものであることが多いです。
ベンチャー企業という言葉が生まれたのは1970年代前半。コンサルティング会社の設立や、株式の情報を公開する制度が設立されたことから、会社の創業が盛んになり、株式公開を行う企業が出てきました。
ベンチャー企業に明確な定義はない
ただ一点理解していただきたいこととしては、ベンチャー企業に明確な定義はありません。そのため、個人や媒体によって使い方が異なることがあるでしょう。
一般的には、「比較的若い会社」や「テクノロジーを活用した全く新たなビジネスを展開している会社」をベンチャーと称することが多いようです。
社内ベンチャーとは
ベンチャー企業とは異なる、「社内ベンチャー」という言葉もあります。社内ベンチャーとは、すでに他の事業を行なっている企業が、新たな事業を展開するために、社内チームを作ることです。
法人として登記するわけではないため、会社を意味する言葉ではありません。
社内ベンチャーは、企業の中で新規事業を行うことができるという大きなメリットがあります。ただし、会社に利益がないと判断された事業は存続できない可能性もあったりと、企業の傘下にあるゆえのデメリットも存在します。
スタートアップ企業、中小企業とベンチャー企業の違い
次は、「スタートアップ企業」「中小企業」といった、ベンチャー企業と意味が混同されがちな企業の意味を解説していきます。
ベンチャー企業=スタートアップ企業とは限らない
ベンチャー企業とスタートアップ企業を同じ意味で捉えている方も多いかもしれませんが、両者は意味が異なります。
スタートアップ企業という呼び方は、ベンチャー企業の中でも特に「短期間で事業を成長させた企業」のことを指して使う場合が多いです。
スタートアップ企業は、次のさらなる事業を目指してエグジットを目指します。スタートアップ企業もベンチャー企業であるケースが多いですが、全てのベンチャー企業がスタートアップ企業かというとそうではありません。
先ほど説明したようにベンチャー企業とは冒険的・革新的な事業を行う企業のこと。事業が軌道に乗ったタイミングは定義に含まれないのです。
ベンチャー企業は全て中小企業というわけではない
「ベンチャー企業は中小企業と何が違うのだろう」と思われる方もいるかもしれません。ベンチャー企業は、たいてい数名から数十名の中小企業だというイメージを持っている方もいるでしょう。
ですがそもそも中小企業とは、会社の規模を意味する言葉です。スタートアップと同様、「ベンチャー」の定義に企業規模は含まれません。中小企業とは、規模を意味する言葉のなので、設立からの年数や事業の新しさは関係ありません。
大手企業と同規模の社員数、売上高がありながら、新しい事業を次々と打ち立てている会社「メガベンチャー」と呼ばれるベンチャー企業もあります。最近ですと、メルカリやLINEなどが挙げられます。
ベンチャー企業の特徴
ベンチャー企業には、以下のような特徴があります。もしこれからベンチャー企業へ就職・転職を考えているなら、知っておきましょう。
向上心のある人が多い
ベンチャー企業で働く人は、安定や福利厚生ではなく、会社の理念やビジョン、事業の未来に共感した人たちです。
そのため、同じ問題意識や目標を持ち、自発的に行動する人たちが集まる傾向があります。社員は、他の企業と比較するとやる気や高い向上心を持って働いています。
実力次第ではキャリアアップが早い
ベンチャー企業には、年功序列などの風習がないことが多いです。いわば「実力主義」の文化。そのため実力次第ではキャリアアップなどが早くなります。
社員は常に高い向上心を持っているので、互いに切磋琢磨することで実力をつけていくことができるでしょう。
任せられる仕事の裁量が大きい
ベンチャー企業の仕事は、任せられる裁量が大きいことが特徴です。大企業のような縦割りの仕事ではなく、幅広い分野の仕事に挑戦することができます。
いろんなことをやってみたいという意欲のある方にとっては適している環境と言えるでしょう。
また、仕事を指示されるのを待つのではなく、自ら積極的に仕事を取りにいく姿勢も欠かせません。
経営陣や多部署との距離が近い
ベンチャー企業は、経営陣との距離が近いのが特徴です。一般的なベンチャー企業はそれほど大きな規模ではないので、同じフロアに全ての社員がいることも多々あります。
部署問わず積極的にコミュニケーションを取れる環境です。
教育制度が整っていない場合がある
ベンチャー企業に入る際に気をつけておきたいこととしては、「教育制度が整っていないことがある」という点です。
ベンチャー企業において、入社から数ヶ月間に及ぶ研修を行うというケースは少なめです。
たいていの場合、研修期間は数日〜1ヶ月ほどで、場合によっては入社した日から一部の業務を行うこともあります。
教育・研修制度が整っていないことが多いですが、すぐに実務に入り、実力をつけられるというメリットがあるとも言えるでしょう。「一から教えてもらいたい」という方には向いてないかもしれませんが、反対に自発的に行動できる人にとっては働きやすい環境となります。
ベンチャー企業で働きやすいタイプの人
ここまで説明したベンチャー企業の特徴を踏まえ、ベンチャー企業で働きやすい人のタイプについて解説します。
能動的に仕事をこなせる
能動的に仕事をこなせる人は、ベンチャー企業に最適です。前述の通り、受け身の姿勢ではなく、能動的に行動することが欠かせません。
各社員が意欲的に、そして向上心を持っている環境であるベンチャー企業では「自らで考えて仕事をしていく」スタイルで働くことになるのです。
自分が主体になり、事業を動かしていきたい人には、適した職場となるでしょう。
責任感が人一倍強い
ベンチャー企業は、年齢などに関係なく、全員にキャリアアップしてリーダー職になるチャンスがあります。
そのため比較的早い段階で、人をまとめたり、事業に対して裁量権のある立場になることもあるでしょう。
責任感が人一倍強い人は、ベンチャー企業に合っていると言えます。
とにかくスキルアップがしたい
とにかく早くスキルアップをしたいと考える人にとって、ベンチャー企業はよい環境です。入社後、早いうちから責任の大きな仕事を任されることもあるので、必然的に早くスキルアップできます。
また自ら手を挙げれば、ハードルの高い仕事に挑戦できる企業もあるので、意欲のある方はどんどんスキルを身につけていくことができるでしょう。
ただベンチャー企業は、高い給与や充実した福利厚生は期待できないことが多いため、スキルを身につけることよりも安定した働き方を優先したいという方には向いていないと言えます。
有名なベンチャー企業の例
具体的にベンチャー企業にはどのような企業があるのか、事例を挙げていきます。
以下は有名なベンチャー企業です。
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は、インターネット関連事業を行う企業です。
主にモバイルゲームの開発がメインであり、その他SNS運営や電子商取引サービスなどの事業も扱っています。
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントは、インターネット広告事業などを行う企業です。
アメーバブログやアメーバピグ、近年ではインターネットテレビ局AbemaTVなどのサービスを提供しています。
関連記事:サイバーエージェントに転職するには?未経験でもエンジニア職で採用される?
Sansan株式会社
Sansan株式会社は、法人向け名刺管理サービス「Sansan」と個人向け名刺アプリ「Eight」を提供する、2007年創業のベンチャー企業です。
弊メディアではSansanのCTOの藤倉成太氏にインタビューを行なっています。興味のある方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:「エンジニアになる」はゴールではない。Sansan CTO・藤倉成太が語る技術以上に大切なこと
freee株式会社
freee株式会社は、法人・個人事業主向けの、事務管理効率化のSaaS型クラウドサービス「会計freee」「人事労務freee」を開発するフィンテック企業です。
会計ソフトによって、経理や確定申告を簡単に行うことができます。
よいベンチャー企業を見分けるポイント
よいベンチャー企業を見分けるポイントを紹介します。
優良なベンチャーキャピタルが投資しているか
ベンチャーキャピタルとは投資家のことで、高いリターンを狙ってベンチャー企業に投資します。ベンチャー企業はこのベンチャーキャピタルから資金を調達することが多いです。
そのため、企業がどんなベンチャーキャピタルからの投資を得ているかも、見極めのポイントとなります。優良なベンチャーキャピタルから投資されているのであれば、その企業には将来性があると判断できるでしょう。
将来性の高いビジネスモデルか
企業が主軸としているビジネスモデルが、将来性のあるものなのかを見極めましょう。その事業が時代の流れにあっていて、かつ本当に長期的に利益を出し続けることができるのかが重要です。
ビジネスモデルに将来性がないと、どれだけ今の事業が魅力的であっても、企業は長く存続できないかもしれません。
社員は意欲に溢れているか
ベンチャー企業で働くのであれば、社員は意欲に溢れているかを見極めるのも大切です。企業のWebサイトを見るだけでも、会社の様子をある程度知ることができます。
また社長や役員がSNSをやっていればそれも見るのもおすすめです。もし面接に行く機会があれば、働いている人の様子も見ておくと良いでしょう。
関連記事:就職・転職で失敗しないために!業界研究と企業研究のコツを解説
ベンチャー企業が多い業界
最後に、ベンチャー企業が多い業界を紹介します。就職・転職の参考にしてください。
IT・Web業界
IT・Web業界はベンチャー企業が多いです。2013年のVEC(一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター)の調査では、ベンチャー企業の約半数がIT・Web業界の会社という結果となっていました。
IT・Web系のビジネスは低コストのため、少ない資本で事業始めることができます。サービスやシステムの開発には、大掛かりな設備も必要ありません。事業に必要な固定費が低く抑えられることから、IT・Web業界ではベンチャー企業の割合が多いと考えられます。
関連記事:【2019年】IT業界の動向や将来性、市場規模について解説!
人材業界
人材紹介や派遣、求人広告、コンサルなどを行うベンチャー企業も多いです。ベンチャー企業は、大手企業が行っていないサービスを展開し、差別化を図ることができます。
またベンチャー企業は、自社の社員数が少ない分、人材育成に注力しているケースもあります。その自社内の育成ノウハウを事業化し、人材紹介・育成を行う企業もあるようです。
さいごに
ベンチャーという言葉の意味や、ベンチャー企業に関する知識を解説しました。
就職活動の際は、大企業かベンチャー企業かで悩むこともあるかもしれませんが、自分のキャリアビジョンや望む働き方などを考え、本記事を参考に将来のキャリアを選んでみてください。
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