今の会社を退職して 転職しようとしているあなた。転職先がまだ見つかっていないなら、とても不安になることでしょう。
転職先を探すために「ハローワーク」に行ったことはありますか?実は、ハローワークは仕事を辞める前でも利用可能です。また、もし失業手当を受給することになった場合、ハローワークでどんな手続きをすれば良いか不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、ハローワークで初めて仕事を探すときの手順と、初めて失業手当を申請する場合の手順について説明していきます。
ハローワークとはどのような場所で、どのようなサポートが受けられるかもわかりやすく解説。これから、ハローワークの利用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
そもそもハローワークとは
「ハローワーク」に行ったことはなくても、耳にしたことがある方は多いはずです。ハローワークにどんなイメージを持っていますか?
なんとなく「失業したら行くところ」「仕事を探しに行くところ」というイメージを持っている方が多いでしょう。
そこで、そんな方向けにまずはハローワークが具体的にどのような場所なのか説明していきます。
ハローワークの正式名称は公共職業安定所
ハローワークという名前は一般的に親しまれていますが、正式名称は「公共職業安定所」です。
ハローワークの名称の由来を調べてみました。
「暗い」「みじめ」といったイメージの強い職安での職探しが敬遠され,紹介率も低下した。そこでイメージを一新するため,1989年に愛称を公募,1990年から「ハローワーク」の愛称で呼ばれるようになった。
出典:コトバンク
ハローワークがおこなう業務をまとめると、次のようになります。詳細は後ほど説明します。
- 職業の紹介・指導
- 雇用保険給付
- 失業予防的な雇用安定事業
- 能力開発
- 福祉などの事業
また、対象を絞り込んだ次のような機関もあります。
学生職業センター
大学院、大学、短大、高等専門学校、専修学校等の学生とこれらの20代既卒者が対象。
パートバンク
パートを希望する求職者が対象。
マザーズハローワーク
子育てをしながらの就職を希望する女性が対象。
就職活動をサポートしてくれる
ハローワークは就職活動のサポートが受けられます。
使い方としては、まず「求職申込書」というフォームにあなたの情報や職歴、就職先の条件などを記入します。
自分の情報の登録が済んだら、求人票を調べることができます。設置された端末でキーワード検索して、効率的に情報を集めることも可能です。
就職先の候補をいくつか見つけたら、ハローワークの職員に企業との仲介をお願いして「紹介状」を作成してもらいましょう。
この時に、面接日時まで取り次いでもらえる場合もあります。
その他にも、就職に関する様々な悩み相談も受けてもらえるうえ、求職のマナーについて教えてもらえる場合もあります。
あなたに必要な技能が習得できる職業訓練などを、紹介してもらえることもあるのです。ハローワークの就職のサポートの手厚さがよくわかるでしょう。
転職を目指す人も利用する
ハローワークは就職先を探すだけでなく、転職を目指す場合も利用できます。ハローワークに行けば、在職中であっても求人を探せるのですから、心強い存在です。
ですので失業後に再就職先を探している人はもちろん、これから転職しようとする人も多く訪れて利用しています。
失業保険などの手続きができる
また、ハローワークでは基本手当と呼ばれる「失業保険」の手続きがおこなえます。
「失業保険」は、離職後受給要件を満たしたら受給できるものです。
失業保険は、失業中の方が生活の心配をすることなく、求職活動に専念できるように支援するためにつくられた手当です。
失業保険の受給条件や手続きについては、後ほど説明していきます。。
ハローワークに初めて行った時にやること
ハローワークに初めて行く場合、何をおこなえば良いのでしょうか。
これは、仕事探しの場合と、失業保険の手続きの場合とで違ってきます。
ハローワークを利用する方の目的は、おもにこの2つのどちらかでしょう。以下で、それぞれの観点から、初めてのハローワークの手順を解説していきます。
求人情報を検索したい場合
まず窓口で、あなたがハローワークの利用が初めてであることを伝えて、求職者登録をおこないましょう。
ハローワークには膨大な数の求人情報があり、無料で検索・閲覧できます。
もし気になる仕事を見つけたら、職員の仲介でその場で応募することも可能です。
また、様々な雇用形態、職種の求人情報を見つけることができるので、正社員求人のみでなく、アルバイトやパートなどの仕事も探せます。
失業保険の手続きが行いたい場合
失業保険の手続きは求職とは窓口が異なります。ハローワークの受付の方に窓口の場所を聞きましょう。ちなみに失業保険の手続きには、離職票などが必要な書類があります。
もしも、「何を持っていけばよくわからない」「受給資格があるか不明」など悩んでいるのであれば、まずはハローワークに一度足を運んでみる方法もおすすめ。
ここで言及している失業保険とは、厳密には雇用保険の基本手当のことです。
失業保険は、失職者が転職活動中に生活に困窮しないように支給されるお金です。
ですが受給には条件があります。雇用保険に加入し、一定期間給与から保険料が支払われていた人でなければ、支給対象とはなりません。
また、失業保険は会社を辞めたからといって、自動的に支給されるものではありませんので注意してください。
失業保険の受給には、ハローワークでの手続きが必要です。もし、自分が受給条件を満たしているかどうか分からない場合は、職員に申し出て確認してもらいましょう。
迷った場合には受付に相談
求職と失業保険では、窓口が異なります。人も多く混乱しやすいので、迷った場合は受付に相談しましょう。
目的を伝えれば、どこで何をすればよいか教えてくれます。ハローワークに初めて行く場合には、恥ずがしがらずに受付の人に相談することがポイントです。
ハローワークに行く時に必要な持ち物について
ハローワークに行く時には、どのような持ち物が必要なのでしょうか。
求職の場合と失業保険の場合でまとめてみます。
仕事探しの場合は筆記用具程度でOK
仕事探しのためにハローワークに初めて行く場合は、筆記用具とメモ帳程度しか必要ありません。
もし履歴書の書き方について指導を乞いたい場合は、履歴書を持って行くと良いでしょう。
雇用保険の基本手当の手続きを行う時に必要なもの
雇用保険の手続きに必要なものはたくさんあるので、きちんと準備してから出かけるようにしましょう。
ハローワークインターネットサービスから抜粋します。
- 雇用保険被保険者離職票
- 個人番号確認書類(いずれか1種類)
マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書) - 身元(実在)確認書類((1)のうちいずれか1種類((1)の書類をお持ちでない方は、(2)のうち異なる2種類(コピー不可))
(1)運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)など
(2)公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など - 写真(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳又はキャッシュカード(一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可能です。)
ハローワークに初めて行く時の服装について
初めてハローワークに行く時には、スーツを着ていくべきなのか悩む方もいらっしゃるでしょう。
ハローワークへ行く場合は、普段着でかまいません。求人を紹介していただいて、その場でいきなり面接をするわけではありません。
服装で悩まずに気軽にハローワークに足を運びましょう。
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ハローワークで初めて仕事探しをする時は
それでは、ハローワークで仕事探しをする時の手順をわかりやすく解説していきます。
仲介や様々な相談を担当する職員は、とても親切ですので、分からないことや不安があれば何でも質問しましょう。
仕事の検索を行う
前述の通り、求職活動をを始めるにあたって、まず求職申込みが必要です。
- 「求職申込書」に、就職先の条件(職種や賃金)等を記入
- 求職申込みを受理した後「ハローワークカード」を配布(相談や希望求人の紹介の際に使用するのでハローワークに来るときは必ず持参すること)
このハローワークカードには有効期間があります。
求職活動の有効期限は、原則として受理した日の翌々月の末日までとなります。例えば、1月20日に求職申込みを受付した場合、翌々月である3月の末日(3月31日)まで有効になります。
ハローワークカードを受け取ったら、ハローワーク内の端末で、希望条件に合った求人を検索して閲覧することができます。この閲覧サービスは、自宅でもネットで見ることができます。
忙しくてハローワークに行けない人でも求人情報をチェックできるメリットがありますが、実はハローワーク以外の場所で閲覧できる情報には、多少制限があるのです。
ですので、ハローワークの利用初心者は、直接行ってみることをおすすめします。
窓口で詳しい情報を聞く
もし気になる求人があったらそれをプリントアウトして、ハローワーク職員のもとへ向かいましょう。窓口でその仕事の詳しい内容を確認します。
もしも、その仕事に応募したいという場合には、職員がその場で求人元の企業に電話をして面接を取り付けてくれる場合もあります。
その場合、履歴書を含め必要書類を希望就職先へ郵送するのですが、不安な場合には応募書類の作成のサポートが受けられます。
志望動機やカバーレターの書き方などを事細かに教えてもらえます。自分のアピールポイントが分からない場合も、職員が一緒に考えてくれるので、心を開いて何でも相談しましょう。
ハローワークは応募書類送付にあたってビジネスマナーを習えたり、あなたが社会人として飛躍する知識を得ることができる場でもあります。
ハローワーク経由で企業に問い合わせる場合は、職員が採用担当者に電話をかけてくれます。
自分で電話をかける必要がないので、就職・転職活動が初めての人にとってはメリットと言えるでしょう。
紹介状をもらう
ハローワークは、あなたの希望する就職先に連絡をとった後、その企業に対して「紹介状」を作成します。
ハローワークが取り付けた面接には、その「紹介状」を持参することになっています。
職業相談で自分に合った仕事を一緒に探す
求人案件は、自分で探すだけでなく、希望を伝えて職員と一緒に探すことも可能です。
あなたの希望状況を聞いたうえで、職員は端末上にある就職先の候補を提案してくれます。
この時、企業の募集要項に記載されたスキルや経験の条件と、あなたのものが合致しないこともあります。
しかし、その場合、その求人に応募できるように職員が採用担当者に働きかけてくれます。
就職・転職に役立つ応募書類の書き方や面接対策のサポートを受けられる
前述の通り、ハローワークの窓口は、さまざまな相談に対応してくれます。
応募書類の志望動機や希望条件は、書き方によっては違って受け取られてしまうことも。
ですので、書類の記載方法や面接の受け方など、あなたが就職にあたって不安に感じている点は気軽に相談しましょう。
また、そもそも自分にどんな仕事が合うのか分からない、何がしたいのか決められない、といった基本的な就職に関する不安にも対応してくれます。
是非リラックスして何でも相談しましょう。
基本手当の受給手続きの流れ
最後に失業保険受給手続きの流れを、わかりやすく解説します。
ハローワークを初めて利用する場合、失業保険を受給するにあたって「会社都合」「自己都合」など初めて聞くと思われる言葉に困惑することもあるでしょう。
そういった言葉も含め、詳しく解説します。
1. 受給要件について
基本手当が支給される条件とは、どんなものでしょうか。
ハローワークインターネットサービスによれば、次のような人が支給対象です。
ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
ただし、離職日前の2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あることが受給の条件です。
(特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合も可)
ですので、下記の状態にあるときは、残念ながら基本手当を受給できません。
- 病気やけがのため、すぐには就職できないとき
- 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
- 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
- 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
2.退職する
前職の会社から、離職票を受け取ります。これは、3枚複写の離職証明書の3枚目にあたります。
3.ハローワークで求職の申し込み
住居地を管轄しているハローワークで、まず「求職申込み」をおこないます。この時「離職票」を提出します。
雇用保険には受給可能有効期間があり「離職日の翌日から1年間」です。注意しましょう。
離職理由によっては、申請が遅れたため途中で打ち切りにあうことも。
例を挙げましょう。所定給付期間が150日の人の場合、約5か月間にわたり雇用保険が給付されることになります。
しかし、失業保険の申請を離職日の翌日から9か月間しなかった場合、給付期間はあと3カ月しか残っておらず、途中で打ち切りとなってしまうのです。
4.受給資格の決定
受給資格が確認された後、受給説明会の日時が知らされます。
この時「雇用保険受給資格者のしおり」が渡されます。
「自己都合退職」と「会社都合退職」
自己都合退職 | 会社都合退職 | |
国民健康保険税 | 通常納付 | 最長2年間軽減 |
失業給付金給付制限 | あり | なし |
失業給付金最大支給額 | 約118万円 | 約260万円 |
失業給付金支給日数 | 90~150日 | 90~330日 |
失業給付金 最短支給開始日 |
3か月7日後 | 7日後 |
受給資格が決定されると、受給期間が開始します。
しかし、手当の内容は「自己都合退職」「会社都合退職」のどちらによるかで内容がずいぶん違ってきます。
この二つの退職の違いを具体的に説明します。
自己都合退職
退職の大多数は自己都合退職。結婚、病気、介護、転居などの理由のほかキャリア・待遇アップを求めて転職する場合も含まれる会社都合退職
次のような、自分の意志に反し退職を余儀なくされるケース。
経営破たんや業績悪化によるリストラ、退職勧奨や希望退職に応じた場合、勤務地移転に伴い通勤困難となった場合、ハラスメント被害
注意すべきは、問題を起こして解雇されるケースは「自己都合退職」になってしまうことです。
両者の待遇の違いの例を挙げましょう。
前年度の所得をベースに課税される国民健康保険は、失業中で無収入の場合、大きな負担となります。
しかし離職理由が会社都合退職の場合は、国民健康保険の支払いは大きく軽減されるのです。
雇用保険受給資格者証を役所の窓口に持って行けば国民健康保険料が30/100になるよ!(東京都新宿区の場合)
この届出をおこなう場合、必要書類と申請期限がありますので、支払い軽減の資格を失効しないうちに早めに役所に相談しましょう。
5.受給説明会
受給説明会では、雇用保険制度の説明があり「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。
ハローワークインターネットサービスによると、受給説明会については”指定の日時に開催されますので、必ず出席してください”とあります。
受給説明会の参加日は、求職申し込みと失業保険の手続き完了後1〜3週間後に日時指定されます。
注意すべきは、受給説明会に参加しないと失業手当の給付を受けることができない点です。都合が悪くなった場合は日程変更が可能ですので、必ず出席しましょう。
6.求職活動を行う
求職期間中は、4週間ごとに「認定日」が巡ってきます。
この認定日に、「失業認定報告書」に求職活動実績を記入して報告しなくてはいけません。
求職活動実績の報告ですが、初回認定日だけは受給説明会(雇用保険説明会)参加と書けばOKです。
しかし、2回目以降は必要な求職活動の回数を指定されます。
初回認定日 | 2回目 | 3回目以降 | |
3か月の給付制限なし | 1回以上 | 2回以上 | 2回以上 |
3か月の給付制限あり | 1回以上 | 3回以上
(初回認定分含む) |
2回以上 |
求職活動の内容ですが、何でも認定されるわけではありません。東京ハローワークQ&Aから、認定のボーダーラインについて抜粋します。
失業の認定における求職活動の実績となるもの
- 求人への応募(応募書類の送付、面接)
- ハローワークへの求職申込、ハローワークが実施する職業相談、職業紹介等
- 許可・届出のある民間事業者等(民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体)が実施する職業相談、職業紹介、求職活動方法等を指導するセミナー等
- 公的機関(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方公共団体、求人情報提供会社、新聞社)が実施する職業相談、個別相談ができる企業説明会等
- 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験受験
求職活動実績にならないもの
- 単なるハローワーク、新聞、インターネット等での求人情報の閲覧
- 単なる知人への紹介依頼
- インターネット等による民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体の行う無料職業紹介事業への単なる登録
7.失業の認定
受給資格は、受給要件を満たしていることを確認した上で失業状態が認定されます。
原則として、4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行います。
「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出してください。
このとき、「会社都合」「自己都合」といった離職理由についても判定されますが、判定結果に異議がある場合もあるかもしれません。
例えば、事業主からの退職勧奨が退職理由であるにも関わらず、自己都合退職と記載されているケースなどです。
その場合は相談すれば、ハローワークが事実関係を調査し、再度離職理由を判定します。
8.基本手当の受給
失業の認定が受けられると、基本手当(雇用保険)の給付が始まります。離職理由などによって、受給開始日は変わります。
ハローワークは初めてでも気軽に利用できる
求職活動でハローワークを利用する際には、本記事で解説した内容を活かしてください。求職活動は、検索端末や職員のヘルプを十分に活用することが成功のカギです。
また失業手当の受給では、離職理由により受給の諸条件が異なる点や、求職活動実績の認定条件などに留意しましょう。国民健康保険料の軽減申請の期限にも注意が必要です。
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