パソコンやスマホを選ぶときに重要なのがハードのスペック。
なかでもメモリは重要な役割を担っています。
本記事ではメモリの中でもDRAMについて以下のポイントで解説しています。
- DRAMとは
- DRAMの仕組みと特徴
- DRAMとSRAM・フラッシュメモリの違い
ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
DRAMとは
DRAMはDynamic Random Access Memoryの略称で、いわゆる「パソコンのメモリ」です。
この章ではDRAMについて解説します。
DRAMは半導体メモリの一種で揮発性メモリに分類される
DRAMは半導体メモリ(以下メモリ)の一種で、読み方は「ディーラム」です。
メモリには揮発性・不揮発性がありDRAMは揮発性メモリに分類されます。
揮発性メモリは通電しているときだけデータの記録ができるメモリで、おもにパソコンのメインメモリとして使用されます。
ちなみに不揮発性メモリは電源を供給しなくてもデータを保持できるメモリ。ROMやHDDなどが代表的な不揮発性メモリです。
DRAMは何に使われる?仕組み・特徴・動作原理
DRAMのおもな特徴と動作原理は以下の通りです。
- 単純な構造なので価格を抑えられる
- おもに主記憶装置として使われる
- 動作は書き込みと読み出し
順番に解説します。
単純な構造なので価格を抑えられる
DRAMのメモリセル(最小の回路構成)は、1つのトランジスタ(電気の流れをコントロールする部品)と1つのキャパシタ(電気を充放電できる装置)という単純な構造です。
そのため高集積化が容易で、コストを抑えられるというメリットがあります。
DRAMはおもに主記憶装置として使われる
DRAMはおもにパソコンの主記憶装置として使われています。
主記憶装置はメインメモリとも呼ばれ、CPUとHDD・SSDの間でデータを受け渡す役割を担っています。
メインメモリが無かった場合、CPUの速度にHDD・SSDが追いつけず処理が遅くなってしまいます。
そこで処理の速いメインメモリが予めデータを蓄え、CPUへデータを受け渡しているというわけです。
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DRAMの動作原理
DRAMの動作には書き込み動作と読み出し動作があります。
書き込み動作
書き込み動作について解説します。
- メモリセルに[1]を書き込む場合…ワード線の電圧を上げた状態でビット線の電圧を上げ、トランジスタを通してキャパシタを充電するトランジスタを通して、ピット線からキャパシタの充電・電荷の蓄積がされ[1]が書き込まれる。すでに書き込まれている場合は変化しない
- [0]を書き込む場合…ワード線の電圧を上げた状態でビット線の電圧を0Vにし、トランジスタを通してキャパシタに蓄積された電荷を放電する
読み出し動作
読み出し動作について解説します。
- ワード線を[H]にし、ビット線に電流が流れビット線の電位を瞬間的に上げる。これを検出回路で検査し[1]を判別する。
- [0]の場合ビット線に電流が流れず電位が変わらないので[0]と判別できる。
DRAMとSRAM・フラッシュメモリとの違い
DRAMとSRAM・フラッシュメモリとの違いを解説します。
DRAMはリフレッシュが必要・SRAMはリフレッシュ不要
DRAMとSRAMの大きな違いはリフレッシュが必要かどうかです。
リフレッシュとは、情報を保持するために定期的に情報を読み出し再度書き込む動作で、データを電荷として蓄積しているDRAMでは必要な動作になります。
一方SRAMはフリップフロップ回路(1ビットの情報を一時的に保持できる回路)での電流の流れ方でデータを保持しているため、リフレッシュの必要はありません。
DRAMとフラッシュメモリとの違い
フラッシュメモリはROM(Read Only Memory)の一種でもあり、電気が流れていなくてもデータを保持できます。
また、フラッシュメモリはNAND型とNOR型の2種類に分けられ、以下のような特徴を持っています。
- NAND型…大容量化が簡単で消費電力が少ない為、SSD・SDカード・USBメモリなど、おもにデータ記憶用ストレージに用いられる
- NOR型…信頼性が高い為、おもにルーターなどのプログラムデータの保存に用いられる
DRAMの規格
DRAMには以下のような複数の規格があります。
- SDRAM(Synchronous DRAM)
- DDR SDRAM
- DDR2 SDRAM
- DDR4 SDRAM
※DDR…Double Data Rateの略で、電圧の上昇・下降両方のタイミングで信号を伝送できる
このうち現在主流なのはDDR4 SDRAMですが、今後は2020年7月に登場したDDR5の普及が見込まれています。
おもなDRAMメーカーとシェア
DRAMを製造しているおもなメーカーとシェアについて解説します。
サムスンが4割強のシェア
世界のDRAM市場のシェア率は以下の通りです(2020年第1四半期)。
- サムスン…40%超
- SKハイニックス…30%
- マイクロン・テクノロジー…20%超
DRAM市場は以上の3社で95%のシェアを占めている寡占状態にあるといえます。
主要DRAMメーカー
主要なDRAMメーカーは以下の通りです。
- 株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ
- アミドテクノロジー
- ウィンボンド・エレクトロニクス
- サムスン電子株式会社
- Alliance Memory
- Chiplus Semiconductor Corp.
- ELITE SEMICONDUCTOR MEMORY TECHNOLOGY INC
- Etron
- Fidelix
- I’M Intelligent Memory
- Integrated Silicon Solution Inc.
- Jeju Semiconductor
- LAPIS Semiconductor Co., Ltd.
- Micron Technology, Inc.
- ProMOS Technologies Inc.
- Renesas Electronics Corporation.
- SK hynix
- Zentel
DRAMを知ってパソコン選びに役立てよう
本記事はDRAMとは何か・DRAMの仕組み・DRAMとSRAMやフラッシュメモリとの違いについて解説しました。
DRAMはCPUの近くに位置する重要なパーツです。
パソコンを選ぶ際はHDDやSSDだけでなく、メインメモリであるDRAMにも注目して製品を判断してみてはいかがでしょうか。
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