Strength:主力となるプロダクトやサービス・優れた人材・コアコンピタンス
Weakness:競合よりも劣るサービスやプロダクト・抱えている問題点・自社の短所
Opportunity:属する業界のポジティブな市場の動向・顧客のプラスな印象
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更新: 2020.01.09
この記事では、事業戦略を策定するためのフレームワークをプロセスに合わせて解説。また、戦略を考える上でベースとなるプロセスや基礎知識についても理解できます。
この記事の目次
事業戦略を策定するために覚えておきたい「ポーターの基本戦略」をはじめとする基礎知識について解説します。
事業の戦略を策定する上で、ベースとなるのがポーターの3つの基本戦略です。
ポーターの基本戦略は市場における競争優位性をどのように獲得するかという戦略立案に役立ちます。
基本戦略にはコストリーダーシップ戦略・差別化戦略・集中戦略の3つがあります。
業界全体を対象とした幅広い顧客をターゲットとして、競合他社よりも低価格でプロダクトやサービスを提供して競争優位性を獲得する戦略です。
いかに低コストでモノづくりやサービスづくりを行うかがポイントとなります。
業界全体を対象とした幅広い顧客をターゲットとして、競合企業にはない独自の強みを生かして差別化をはかり、競争優位性を獲得する戦略です。
コストリーダーシップ戦略を取る企業に対抗する上で効果的。より品質の高いプロダクトやサービスを提供する必要があります。
業界の特定の市場や顧客に対象を絞り込み、経営資源を集中させて競争優位性を獲得する戦略です。
特定のターゲットに絞り込み、その上で低コスト化か差別化のどちらかを選択します。
戦略を考える上で役立つフレームワークを特性によって5つに分類します。
戦略に関するフレームワークの数は多いです。状況に合わせて適したものを選ぶのも簡単ではないでしょう。それを選ぶためのフレームワークが戦略パレットです。
戦略の特性は以下の5つに分類します。
・CLASSICAL(古典的):予測できるが変えることが困難
・ADAPTIVE(適応的):予測できず変えることが困難
・VISIONARY(洞察的):予測ができて変えられる
・SHAPING(成形的):予測はできないが変えられる
・RENEWAL(復興的):リソースの制約がかかる
このような特性に合わせてフレームワークを分類すると、数あるフレームワークの中から状況に合ったものを選択できるでしょう。
事業戦略を考える時には、理解・判断・行動と結びつけることも重要なポイント。
事実だけでなく、それを引き起こしている要因についても「理解」します。これは、今の状況だけでなく、将来的にどのようになるかまで考える必要があります。
「判断」は、社会の変化や内部の変化といった不確定な要素も考えて、強みを生かして競争で優位を獲得できるものを選びます。
人はもちろん、組織も不完全な生きもののようなもの。そのため、最高の選択ではなく、最善の選択ができることを目指しましょう。
「理解」「判断」の結果を形にするのが「行動」です。行動のクオリティが2つのステップの結果を左右します。スタートアップや黎明期にある産業の場合には、この行動が特に重要となるでしょう。
理解のステップに適しているフレームワークは、以下の通りです。
・SWOT分析
・ファイブフォース分析
判断のステップに適したフレームワークは、以下の通りです。
・ポーターの基本戦略
・アクションマトリックス
行動については、企業の経営手法が参考になります。どのように理解と判断を行動に結びつけるかを学びたい場合には、成功している企業の経営手法を学びましょう。
戦略基本方針を考えるためのフレームワークとして最適なSWOT分析と3C分析について解説します。
ポーターの基本戦略と合わせて、戦略策定の基礎として必ず覚えておきましょう。
SWOT分析は会社の強み・弱みなどを把握し、事業における新たなアプローチを発見する上で役立つ定番のフレームワークです。
SWOT分析はStrength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(驚異)という4つの項目に分けて分析を行います。
戦略策定を目的とする場合には、以下の点に着目するとよいでしょう。
Strength:主力となるプロダクトやサービス・優れた人材・コアコンピタンス
Weakness:競合よりも劣るサービスやプロダクト・抱えている問題点・自社の短所
Opportunity:属する業界のポジティブな市場の動向・顧客のプラスな印象
Threat:属する業界のネガティブな市場の動向・顧客のマイナスな印象
3C分析は、自社が置かれている状況を把握し、これから何を目指すべきかを明確にできるフレームワークです。
3CはCustomer(顧客)・Competitor(競合)・Comapany(自社)の3つの項目に分けて分析を行います。それぞれの分析項目において着眼するポイントは以下のとおりです。
Customer:市場における顧客の動向
Copetitor:競合他社が生み出すサービスやプロダクト・競合他社の実績や達成手段とその過程
Company:顧客の動向と競合他社の情報を踏まえた自社の市場におけるポジション
3C分析はSWOT分析と組み合わせて使うと、さらに正確で効果的な分析が可能です。
外部環境の分析に役立つフレームワークについて解説します。
マクロ環境の把握は、戦略を策定する上でまず取り組むべきことです。
・Politics(政治的要因)
・Economy(経済的要因)
・Society(社会的要因)
・Technology(技術的要因)
・Enviromental(環境的要因)
・Legal(法律的要因)
たとえば、どれだけ素晴らしい機能を持ったプロダクトだったとしても、市場の動向にフィットしていないければユーザーからは選ばれません。
また、最新のテクノロジーを理解しなければ、自社の強みとしていたサービスが陳腐化することも考えられます。
PEST分析のさらに進化させたフレームワーク。もともとは環境的要因は社会的要因、法律的要因は政治的要因の中に含まれていました。
しかし、この2つの要因は現代においてはビジネスへの影響力が大きくなっているため、PESTEL分析では別の項目として扱います。
それにより、PESTEL分析を使うと、PEST分析よりもさらに深く外部環境の分析を行うことが可能です。
マイケル・ポーターが提唱した業界分析のフレームワークが、ファイブフォース分析です。ファイブフォース分析を行うことで、脅威によって収益性が下がることを防げます。
その他に、自社の課題や強みの洗い出しや競争優位性の獲得にも役立つこともメリットと言えるでしょう。
下記のの5つの脅威となる要因から分析を行います。
売り手の交渉力:市場の経済規模の変化・供給企業の数・供給企業とのパワーバランス・供給企業に変更にかかるコスト
買い手の交渉力:市場の経済規模の変化・販売チャネル・価格設定・顧客とのパワーバランス
既存競合企業との敵対:競合している企業の数・ブランド力・企業体力・業界の成長性
新規参入企業の脅威:市場の経済規模・ブランド力・技術のレベル・自社への影響力
代替品の脅威:自社製品との違い・価格や特徴・代替品へスイッチするコスト
5つの要因の中で、少しわかりづらいのは売り手と買い手についてでしょう。
売り手とはサプライヤーを指します。製品を作る時に必要となる原材料などを購入する取引先となる供給業者です。サプライヤーの交渉力が高まれば仕入れ価格が上がり、利益が低くなります。
買い手とは、自社のサービスやプロダクトを実際に購入する顧客を指します。顧客の交渉力が高くなると、自社が希望する価格よりも安く売らなければならず、利益が低くなります。
内部環境の分析に役立つフレームワークについて解説します。
ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデル全体の理解に役立つフレームワークです。
ビジネスモデルを9つの要素に分けて、それぞれがどのように関連しているか視覚的に理解します。9つの要素と考える際のポイントは以下の通りです。
CS(顧客セグメント):誰に販売するか・性別・年齢・ニーズ
CR(顧客との関係):顧客とどのように関係性を持つか・継続的か一時的か・接客なのかセルフサービスなのか
CH(チャネル):プロダクトやサービスをどのような経路で提供するか・どのように宣伝するか
VP(提供価値):顧客にどのような価値を提供するか・UX(ユーザーエクスペリエンス)
KA(キーアクティビティ):ビジネスモデルの実現に必要な活動は何か・事業内容
KR(キーリソース):ビジネスモデルの実現のために必要な資源は何か・従業員・強み・資金源
KP(キーパートナー):ビジネスモデルの実現のために必要なビジネスパートナーはどこか?
CS(コスト構造):ビジネスモデルにおいてどのようなコストが発生するか・どのくらいのコストがかかるか
RS(収入の流れ):誰から収入を得るか・どのくらいのお金を払ってもらうか
左側が自社に近く、右側が顧客・市場に近い要素という構造を持っています。
実際にビジネスモデルキャンバスを作る時には、9つの要素がありますので、書きやすい部分から埋めていくとよいでしょう。
もし作成の手順で迷った場合には、ビジネスモデルの軸となるVP・CS・KAから考えることをおすすめします。
VRIO分析は、3C分析のCompany(自社)の項目を深堀りした内部環境の分析に役立つフレームワークです。
人・モノ・金・情報・組織といった、経営資源の市場における競争優位性を把握できます。
VRIO分析を行う場合は、上述の3C分析の実施が必要。その上でVRIO分析では、以下の4つの要素に分けて分析を行います。
Value(経済価値):自社の経営資源に経済価値があるか
Rarity(希少性):他社が所有していない経営資源は何か
Inimitability(模倣困難性):他社がマネできない経営資源は何か
Organization(組織):経営資源を組織として活用できているか
VRIO分析を行う基本は、経済価値・希少性・模倣困難性・組織の順番に分析を行います。それぞれの項目がクリアできれば、持続的に競争優位に事業を展開できるでしょう。
VRIO分析は自社のコアコンピタンスの理解にも役立ちます。さらに、資源ベース理論やダイナミックケイパビリティについても理解すると、さらにVRIO分析によって整理された情報を活用できるでしょう。
競争優位の源泉を決める上で役立つフレームワークと考え方について解説します。
コアコンピタンス分析は、自社の事業の核となる競合他社にマネできない強みを分析するためのフレームワークです。
コアコンピタンスは顧客への提供価値を行う能力について、商品力・企画力・営業力などの項目に着目して分析を行います。
コアコンピタンスの分析については、以下の記事で詳しく紹介しています。
TECH::NOTE関連記事:コアコンピタンスとは?ケイパビリティとの違いや見極める方法・事例も紹介
プロダクトライフサイクルは、プロダクトやサービスが市場に出て、売れなくなってなくなるまでの需要の変化を示したプロセスを理解するための考え方です。
プロダクトライフサイクルは以下の4つのサイクルで表すことが一般的です。
導入期:製品が登場した時期。売上・利益ともに低い。顧客の認知拡大が重要。
成長期:売上・利益が飛躍的に高まる時期。製品改良とそれに伴う訴求を行う必要がある。
飽和期:売上の成長が止まる時期。コモディティ化に対して、差別化や低コストか求められる。
衰退期:売上・利益ともに下がる時期。リニューアルや撤退の見極めを行う。
顧客層の変化を捉えるためのイノベーター理論やキャズム理論について理解すると、プロダクトライフサイクルをさらに効果的にビジネスに生かせるでしょう。
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事業の再構築を検討する際に役立つ「バリューポートフォリオ」について解説します。
バリューポートフォリオを使うと、企業のビジョンと利益の整合性を取ることができます。
ビジョンとの整合性とROI(投資利益率)を軸にして考えるフレームワークです。
ビジョンとの整合性は、企業のビジョンにマッチしているかについて考える経営者の視点。ROIは投資に対して利益がどのくらい出ているかを考える株主の視点と言えます。
その2つを軸に、バリューポートフォリオでは事業を4つにカテゴライズして分析していくのです。
本命事業:ビジョンとの整合性とROIがともに高い事業。株主・経営者にとっても魅力的な成長させたい事業。
課題事業:ビジョンとの整合性が高く、ROIが低い事業。経営者として取り組みたい事業。株主にとっては魅力が低い。
機会事業:ビジョンとの整合性が低く、ROIが高い事業。株主にとっては好ましい。続けすぎるとビジョンや従業員の意識にブレが出る。
見切り事業:ビジョンとの整合性とROIがともに低い事業。顧客への責任をしっかりと果たして、撤退を行う。
バリューポートフォリオを用いる上で大切なことは、課題事業と機会事業をいかに本命事業へと変えていくかを考えることです。
戦略を策定するための基本となる3つのプロセスについて解説します。
自社が置かれている状況がわかれば、課題の洗い出しにもつながるでしょう。
外部環境の分析の次は、強みや弱みなど自社の内部環境の分析を行いましょう。
外部環境の分析だけでは、戦略を策定する上では不十分。外部と内部の両方を踏まえてアプローチを考えることで、ブレのない効果的な戦略の策定が可能となるのです。
市場における競争において、自社が優位に立つための源泉となるものを決定します。競合他社に対する分析を行って市場の動向を予測し、自社の強みや弱みを踏まえて源泉を見極める必要があるでしょう。
その源泉となる事業に経営資源を分配して、競合優位性を獲得してポジションを築きます。
そして、現代のビジネスにおいて、イノベーションは差別化とコスト優位と同じくらい大切です。インパクトのあるイノベーションによる事業の創出も重要となります。
課題事業はどのように利益を上げるか、機会事業はいかにビジョンとマッチさせるかを検討する必要があります。
次の記事では、チームや個人の目標設定に活用できるフレームワークについて紹介。以下からぜひご覧下さい。
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