「非エンジニアのプログラミング教育」が現場にどのような変化をもたらしたのか、大阪を代表するITベンチャーakippaに聞いてみた。
更新: 2020.03.24
営業会社から一変、駐車場のシェアサービスで累計12億円の資金調達を成功し大阪を代表するITベンチャーへと生まれ変わったakippaが今年、非エンジニアを対象にテックキャンプ研修を導入した背景をお伺いしました。
金谷元気さん
akippa株式会社 代表取締役社長
1984年12月生まれ。大阪大学 経済学研究科 非常勤講師。高校卒業後より4年間、サッカー地域リーグやJリーグの練習生としてプレー。引退後に2年間上場企業にて営業を経験し、2009年2月に24歳で1人暮らしをしていたワンルームの部屋で会社設立。2014年より空いている月極駐車場や個人宅の駐車場を、15分単位で貸借りできるシェアサービス「akippa」を運営。DeNA、グロービス、トリドール、朝日放送、三菱UFJキャピタルなどから総額12億円以上の資金調達を実施している。2014年12月には日本最高峰のベンチャープレゼンイベントであるIVS 2014 Fall Launch Padで優勝。
杉村大輔さん
akippa株式会社 経営企画室 室長
1980年2月生まれ、静岡県出身。公認会計士。大手監査法人で幅広い業界を経験後、取締役管理部長として、非上場会社を東証1部上場企業へ牽引。2016年にakippa入社後、経営戦略、人事戦略を中心に活動。
営業力×テクノロジーでどこにも負けない会社へ
ーーakippaの事業について教えて下さい。
金谷:akippaは、全国にある月極駐車場の契約されていないスペースや個人宅の使っていない駐車場を15分単位で一般の人に貸しだすことができます。
特徴は3つありまして、コインパーキングより「簡単」「便利」「安い」です。それぞれ説明しますと、インターネット上で決済できるので現地でお金を支払う作業が必要なく、簡単に駐車することができるから「簡単」。
また、すべての駐車場が10日前から予約することができ、駐車場に空きがないということで困ることがなくなるから「便利」。
そして極め付けは、利用価格がコインパーキングの半額ほどであることです。渋谷や六本木でも1日1500円程度で駐車することができるので「安い」。以上の3点が、akippaのサービスの最大の強みだと考えています。
ーーakippaはいつからスタートしたのでしょうか?
金谷:akippaは2014年4月からスタートしておりますが、会社としては7年やっています。
1番最初は携帯電話の販売代理店としてスタートし、その後に始めたのが求人広告の営業です。社員の98%が営業マンのザ・営業会社としてやっていました。なのでakippaをスタートした当初はエンジニア0人からのスタートでした。
ーー営業会社からIT会社へ切り替える際に不安はありませんでしたか?
金谷:特にありませんでしたね。なぜなら今はインターネットの世界とリアルの世界がどんどん近づいているからです。
だから、営業の強い会社がテクノロジーも駆使できるとなれば絶対に負けないと考えました。
営業会社からテクノロジーの会社にしていくために「我々はインターネット企業だ」と言い続け、エンジニアやデザイナーの採用に特に注力しました。
杉村大輔氏
エンジニアとの言語の壁をなくす
ーー研修を導入していただいた狙いはなんでしょうか?
杉村:1つ目は組織力の向上、2つ目は個人能力の向上です。
1つ目の組織力の向上は、元々営業会社なのでプログラミングを理解している者が少なく、エンジニアとはスムーズなコミュニケーションを図れませんでした。
エンジニアの思考に寄り添うことができれば会社としては非常に生産性が上がると感じ、非エンジニアの従業員に研修を受けてもらいました。
2つ目の個人能力の向上は、非エンジニアからすると自分にある程度の基礎知識がないとなかなかエンジニアに提案できていませんでした。
研修を受けることによってプログラミングの基礎知識をつけ、エンジニアにもアイディアや改善点などを提案できるようになり、個人の能力向上に繋がりました。
ーー導入していただいて変化はありましたか?
杉村:先日研修を終えたばかりですが、すでに社内ナレッジの内容に対して「もっとこうしたほうがエンジニアにも伝わる内容になりますよ」というエンジニアの思いを汲み取った形で積極的に意見をくれるようになりました。
これは研修導入するまではなかったことなので大変良い傾向だと思っております。
ーー貴社の開発言語はPHPですが、なぜRubyでも研修を導入していただけたのでしょうか?
杉村:今回の研修はプログラミングの全体像を理解してもらうことが目的です。PHPにこだわる必要はなく、むしろ初学者にわかりやすいRubyで導入をいたしました。
akippa社員集合写真
エンジニア思考を身につけたakippaの今後の展望について
ーー今後の人材育成についてなにか施策はありますか?
杉村:会社として成長させていくために、知識レベルを統一してコミュニケーションの質をUPさせたいです。
今までは営業としては非常に強い組織でした。その営業マンがプログラミングの知識をもつことで営業の現場で役に立たせることができます。
商品の改善についてお客様と話をしている営業マンがニーズを吸い上げ、プログラミングの知識があることでエンジニアに負荷をかけることなく良質な提案ができる環境をつくりたいです。
そのために様々な教育をやっていきたいと考えております。
ーー最後にakippaの展望について聞かせてください。
金谷:時価総額1兆円を目指しています。インターネット企業でいうと時価総額1兆円はヤフー・楽天・
そのようなサービスにするために、どこでも500m歩けばakippaの駐車場があるという環境をつくり、どこのコインパーキングのブランドよりもakippaの駐車場が多いというのを目指します。
また1兆円規模のサービスに共通している点は、海外でも少しずつ勝ち始めているというところです。akippaの場合はまだもう少し先ですが、欧米やアジアなどに目を向けており、海外展開も本気で取り組んでいきます。
ーー金谷さん、杉村さん貴重なお話ありがとうございました!
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