「プログラミングの勉強を始めてみよう」と考えている方は多いのではないでしょうか。
最近はオンラインの学習サイトも増加傾向。土日やゴールデンウィークなどの長期休暇を使って、独学を始めるのは比較的簡単です。しかし独学をスタートしてみたけれど、挫折してしまった…という人が多いのもプログラミングの世界の現実です。
今回はプログラミング学習の挫折にありがちな原因と、その解決策を紹介します。
この記事の目次
独学でのプログラミング学習で挫折する確率
プログラミングの学習を独学で始めた方のうち、実に8割以上の方が挫折するといわれています。
しかも、その半数以上が3か月以内に挫折しているというのですから、独学によるプログラミング学習が、決して平坦な道のりではないことがおわかりいただけるかと思います。
なお、挫折してしまう理由は人それぞれであり、一様ではありません。
独学でのプログラミング習得に挑戦しようとする場合、どのような障壁があるのかについては、後述します。
参考元:PRTIMES
プログラミング学習に挫折してしまう原因
何から学べばいいのか、よく分からない
「プログラミング言語の○○を覚えて、××のようなアプリを作りたい」
「IT企業の○○に入社して、サーバーサイドエンジニアの仕事をしたいので、××という言語を身につけたい」
プログラミングを学ぶ前から、上のような明確な学習目標や勉強プランを持っている人はごくごく少数派ではないでしょうか。
「なんとなくプログラミングって面白そう」
「これといった目標はないけれど、とりあえず学んでみようと思った」
このようにプログラミングを学ぶ目的やゴールが明確ではない状態で、学習本を手に取ったり、オンライン学習サイトに登録する方は非常に多いです。こうした方が直面しがちな、大きな問題が「教材とのミスマッチ」です。
街の書店やECサイトには、無数のプログラミング入門書が並びます。
アプリの作り方を解説した本もたくさん出ています。
しかし、一口に「初心者向けのプログラミング本」と言っても、学ぶ内容や分野、プログラミング言語によってレベルや難易度は異なります。
レベルが高めのプログラミング言語の入門書を買ってしまったら、いざ独学をしてみようと書籍を読み進めても「何が書いてあるのか分からない」「環境構築ができない」といったことになりがちなのです。
未経験者が、プログラミングを効率的に学ぶには「教材選び」と「すぐに質問・相談できる環境」が大事です。
特に「すぐに質問・相談できること」は非常に大事です。すぐ質問できるようにオンラインの質問・相談サイトに登録したり、教室学習が可能なスクールに通うと良いでしょう。
未経験からの独学も不可能ではありませんが、質問・相談できる相手がいない中で学ぶのは効率が悪く、挫折の原因になります。
プログラミング出来るのってカッケーよなー出来るようになりてぇなー俺もなー
って思って「猫でもわかるプログラミング」買って勉強したけど挫折した
俺の知能猫以下説— むあ (@muxa0493) April 16, 2018
手を動かさずに、テキストばかりを読み進めてしまう
一般的な読書や勉強では、インプットが重視されます。
しかし、プログラミング学習の場合は少し事情が違います。インプットは重要ですが、インプットだけでは意味がありません。プログラミング学習で自分のレベルを上げるには何よりも「アウトプット」が大事です。
プログラミングを学ぶには環境構築を行い、まずは簡単なもので構わないのでコードを書き、実行結果を確認するという地道な繰り返しによって、少しずつスキルがつき、レベルが上がっていきます。
もちろん、本を読んだり、ウェブでプログラミング関係の記事を読むなどして情報収集をするのはとても大切なことです。エンジニアの友人がいたら、話を聞くのもいいでしょう。
また今の時代は、プログラミングやサービス開発を無料で学べるウェブサイトも多いです。
しかし、本や学習サイトを読んで満足するだけではプログラミングスキルは身につかないのも事実です。インプットだけでは、自分のレベルは上がりません。ある意味ではプログラミングは、隙間時間での独学には不向きとも言えます。
しっかりとパソコンの前に座り、まとまった時間を確保した上で勉強する必要があるのです。
プログラミング学習で挫折する人
①環境設定が大変、分からない
②何から始めてどこまでやればいいか分からない
③分からないことを聞ける人がいない、調べ方が分からない
④参考書を買って満足、読んで満足
⑤本を開いてプログラミングがやりにくい!
⑥隙間時間でのやり方がわからない pic.twitter.com/vmcKz3JFnl— 高嶺 瀧 (@taki__minemine) 2018年4月13日
どれだけレベルが上がったのかが分からず、モチベーションが続かない
プログラミング学習で、多くの人が一番最初に学ぶのはプログラミング言語の文法です。
特定の文字列を表示させる方法や、if文、while文、for文などのルールや配列の処理を学びます。文法を覚える前からいきなりサービスを作り始める、ということはまずありません。
どんなプログラマーも、最初は基本を学ぶことからスタートします。
if文などのルールは、プログラミングの「基礎の基礎」です。RubyやPython、PHPやJavaなどプログラミング言語には様々な種類が存在しますが、プログラミングのベースの考え方には共通の箇所が多いです。
プログラミングがどのようにサービスに活用されるのかがわからない
ただし、この「基礎の基礎」を身につける障壁がそれなりに高いのも事実。何故なら、if文やwhile文の意味合いこそ理解できても「それがどうサービス開発に活用されるのか、いまいちよく分からない」という状態になりやすいからです。
プログラミングは「言語」だけでは、サービス開発やアプリ開発への活用が難しいです。
言語と合わせて、フレームワークやライブラリ、統合開発環境(IDE)の活用の方法についても知っておく必要があります。
たとえばRubyであれば、Webアプリケーション開発にはRuby on Railsというフレームワークを使用するのがスタンダードです。
PythonであればDjango、PHPであればLaravelが人気のフレームワークです。
多くの場合、アプリケーション開発には言語の勉強に加えて、フレームワークの学習も別途必要です。この「学ぶ内容の多さ」に圧倒されてしまう人は、特に未経験者には少なくありません。
言語まではある程度順調に独学できても、フレームワークの学習を始める段階で息切れし、モチベーションが低下。独学が思うように進まなくなってしまう人も、中にはいるのではないでしょうか。
学習コストの高さが、挫折の原因となるのです。
エラーがどうしても解決できず、やむなく挫折する
どのようなサービスを作りたいかが明確で、学ぶ言語もフレームワークも設定済み。パソコンでの環境構築も無事に終え、高いモチベーションを持って順調に独学している人でもぶつかる大きな壁。
それが「エラー」です。
プログラミングにはエラーがつきものです。
初心者でも単純なタイプミスに基づくシンタックスエラーであれば、すぐに原因を突き止めてエラーを解決できるでしょう。
一方で原因の特定から解決までのレベルが、初心者にとっては高めのエラーも存在します。一例としてはライブラリの依存関係に基づくエラーや、SQL関係のエラーなどです。
エラーメッセージは英語で表示されます。エラーが発生した際には、英語のメッセージを読み解いて「なぜエラーが発生しているのか」を理解。その上で、解決策を見つけなくてはいけません。
多くの場合、エラーメッセージを元にGoogleで検索。各言語の公式ドキュメントや国内外のブロガーの投稿を参照することとなります。
このように検索を行っても、エラーが自力では解決できないというケースもあります。
友人や知人にエンジニアが居れば、パソコンの画面を見せながら質問や相談をして、解決方法を聞くこともできます。ですが、本当に個人で独学している場合には「どうにもならない」という場合もあるはずです。
このような事態になると、一気に気持ちが萎えてしまうのではないでしょうか。自分よりも詳しいエンジニアに相談ができれば解決できた可能性が大きい分、これは非常にもったいない「挫折」です。
近くに質問できる人がいない
学習を進める過程で、不明点や疑問点が出てきた場合に、頼れる相手がいないという問題も看過できません。
プログラミングは、言語の種類が多種多様であるうえに、一つのプログラムを作るにもさまざまな方法があります。
このように、なにかと複雑なプログラミング学習ですから、障害や不明点に直面してしまうと、そこから先に進めず、学習全体が停滞してしまいます。
自己解決できたとしても、頼れる人間が近くにいる場合と比べて、はるかに多くの時間を空費することとなり、効率的ではありません。
自力で困難を乗り越えるといえば聞こえは良いですが、孤立無援な状態が続くようだと、ストレスが蓄積して、モチベーションの低下も招きかねないのです。
プログラミング学習で挫折しないためにできること
では、プログラミング学習を完遂させるためには、どのように取り組めばよいのでしょうか。
ここからは、プログラミング学習の成功の秘訣を5つ紹介します。
➀目的を明確化する
学習を始める際は、「なぜプログラミングを学ぼうと思っているのか」という、そもそもの目的をはっきりとさせておきましょう。
日々の学習に追われ、目の前の作業に終始するだけでは、意欲を保ちづらくなります。
「このようなサービスを作りたい」「転職に必要な資格を取得する!」などの、自身の心が燃える目標を常に明確化しておくことが重要なのです。
目的から逆算して、今やるべきタスクに落とし込むことで、同じ作業であってもモチベーション高く取り組むことができるものです。
もし、漫然と日々の勉強を進めているのであれば、一度原点に立ち返って、自身の目標を明確化してみることをおすすめします。
②全体像を把握する
続いて、目的や目標を達成するために必要な全行程を、可視化しておきましょう。
“現在地とゴールの差”もわからぬまま、闇雲に学習を進めることは苦痛以外のなにものでもありません。
全体像を把握したうえで、月単位や週単位までタスクを細分化し、マイルストーンを設定しておきたいところです。
小さなステップを達成することで、自分が着実にゴールに近づいているという実感がもてるので、モチベーション維持にもつながります。
③無理のない学習プランを立てる
先述したように、プログラミング学習にあたっては、目的や目標から逆算して、学習計画を立てることとなります。
この際、早く結果を出そうと、無理な計画を立ててしまうのは禁物です。
なんとか短期間でプログラミングをマスターしようと意気込んでいる方も多いかもしれませんが、一朝一夕でどうにかなるものではありません。
現実的でないプランを立てると、結局達成できない可能性が高まるだけではなく、達成できなかった際に、自分を責めるなどしてモチベーションの低下にもつながります。
さらに、無理な学習スケジュールで睡眠時間や休憩が削られたがゆえにパフォーマンスが下がり、加えて健康を害するなどすれば、まさに本末転倒です。
少なくとも初めのうちは、継続できる現実的な学習プランを立て、慣れてきたらそれに応じて難易度やボリュームを上げていくのがコツです。
こうすれば、一つ達成するごとにやる気が生まれ、スムーズに学習のサイクルを回していくことができます。
④質問できる環境に身を置く
プログラミングの学習に際しては、信頼できる相手の存在が不可欠です。
先述したように、何か困難に直面したとき、自力で解決するのは簡単ではありませんし、効率的ともいえません。
ゴールまでの最短ルートを目指すうえでも、気軽に質問できる環境を整えておくというのは最優先事項といっても差し支えないでしょう。
プログラミングスクールなどに通っていればいうことはありませんが、そうでなくとも、SNSなどでやりとりできる環境を構築しておきたいところです。
⑤自分に合う学習方法を決める
ご自身に合った学習方法を見つけ、実践することも意識してみてください。
プログラミングをマスターするための学習方法、アプローチは人それぞれです。
参考書をベースにするのが合っているのか、学習専用のプラットフォームを利用するのが合っているのか、自身の適不適を把握したうえで、もっとも良いものを選択しましょう。
その上で、一度決めた学習方法を一定期間続けることが重要です。
あれこれ目移りして、つまみ食いしているようでは、一つの技能を習得することさえままなりません。
ご自身に合った学習方法を見つけ、その方法に則って勉強を進めることが大切です。
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独学でも挫折しないプログラミング学習の方法
ポイントを押さえて学習を進めれば、独学であっても、挫折せずにプログラミングをマスターできる確率が上がります。
ここからは、独学でも挫折しにくい、プログラミング学習のステップをお伝えします。
ステップ①学習の範囲を定める
まずは、最終的な目標に対して、何をどの順番で学ぶのかを明確化しましょう。
当然、定めた目標によって学習すべき内容やその順序は違ってきます。
たとえば、ご自身の目的が、Webアプリ開発なのかゲーム開発なのか、あるいはシステム開発なのかなどにより、求められるプログラミングスキルも異なります。
必要となるスキルを調べ上げたうえで、どのような方法で進めるのかという点についても、学習をスタートする前にはっきりとさせておきたいところです。
ステップ②基礎を軽く学ぶ
前項で、必要であると判断した学習範囲のなかで、基礎的なものを一通り学習しましょう。
全体像をつかむために、大枠を学ぶイメージです。
一例として、Webアプリ制作を目指すのであれば、下記の基礎学習に着手しましょう。
基礎学習の一例
- フロントエンド言語(HTML、CSS、JavaScriptなど)
- サーバーサイト言語(Ruby、PHP、Javaなど)
- SQL
- UNIXコマンド
以上のように、学習範囲のなかでも基礎的なものから始めて、次のステップにつなげていきます。
ステップ③簡単なものを実際に作る
次に、前のステップで学んだ基礎知識を活用して、簡単なアプリ、プログラムを試作してみましょう。
早い段階で実際に“もの”を作ることで、プログラムの背景にある理論を、実戦形式でより深く理解することができます。
さらには、現在の学習がどう活きてくるのかといった、具体的なイメージが湧きやすくなります。
これにより、単調な各作業をこなすことだけにとらわれずに、全体を俯瞰的に捉えることができるようになるのです。
ステップ④作ったものをカスタマイズする
単純なアプリやプログラム製作の作業に慣れてきたら、続いてそれらにプラスアルファの機能を追加してみましょう。
仮に、タスク管理アプリを制作したとします。
それらをユーザー目線で実際に使ってみれば、「保存機能が欲しい」「リマインド機能も必要だ」などといったアイディアが湧き上がってくるものです。
このようなユーザビリティを高められる機能を追加して、カスタマイズしていくのです。
自身のアイディアをどのように実装していくのかを考える過程で、プログラミングの応用力が鍛えられ、より実戦的なスキルを身につけられます。
その際、助っ人としてAIを活用してみるのも手です。
理論に問題がないかどうかを確認する際や、答えが出なかった場合などに、心強い味方となってくれます。
ただし、AIの活用はあくまで補助の範囲にとどめておきましょう。
プログラミングの独学・学習にはパソコン選びも重要
プログラミングに欠かせないのが、パソコンです。
Macでの環境構築や設定を行うことを前提にした参考書を買ったのに、あなたが使っているパソコンがWindowsだったとします。すると環境構築が思うように進められず、書籍代を無駄にするかもしれません。
逆もしかりです。Windowsのパソコンは、VR開発やMicrosoft HoloLens(マイクロソフトホロレンズ)向けのアプリ開発ではスタンダードです。
もちろん、Macのパソコンでもそれらの開発ができないわけではありません。しかし、初心者のうちはそれぞれの分野で「スタンダード」とされる環境を整えておくことも重要です。
困った時に参照・活用できるリファレンスは多いに越したことはありません。そしてリファレンスはそれぞれの分野で一般的に使われるパソコンを想定して書かれることが多いからです。
パソコン選びに困っているなら、MacBookを買うのがおすすめ
開発環境を整えるにあたって「今からパソコンを買わなくてはいけないが、パソコン選びの基準がわからず困っている」という方は、MacBookを買うのがおすすめです。
Mac OSにはRubyやPythonといったWebアプリケーション開発や人工知能開発などの分野で主流のプログラミング言語が、あらかじめインストールされています。
もちろん各言語の最新バージョンを使うには、アップデートをする必要があります。しかし簡単な開発であれば、パソコンを買ってすぐに始められるのです。学習用途には最適な端末と言えるでしょう。
IT企業でも、エンジニア、プログラマーの開発環境をMacに統一しているケースは多いです。Macの操作性に慣れておくと、仕事にも役立ちます。
プログラミング学習は、スマホで完結させるべきではない
最近は「プロゲート」をはじめとする、プログラミング学習をスマホで進められるアプリが次々登場しています。
複雑な環境構築や設定が不要で、アプリをインストールすればすぐに学習が始められ、アプリ上でコードを実行する事もできるのが魅力です。
ただし、本格的なプログラミングを学ぶには「スマホだけで学ぶ」のは得策ではありません。
開発環境の構築が不要ということは、環境のカスタマイズの自由度も下がるということです。
自分の好みにあったエディタを導入したり、開発を進める中で気になったライブラリがあったらすぐに導入する。得た知識を元に、簡単なオリジナルアプリの開発にチャレンジするといった用途にはスマホは向きません。
またiPadなどタブレット端末を中心に、プログラミングの本格的な開発ができるアプリも登場しつつはあります。しかし、まだまだスマホやタブレットでの開発は黎明期です。
基本的にはプログラミング関係のスマホアプリは、基礎知識の学習向けという色が強いです。
あくまでメインの学習はパソコンで進めつつ、隙間時間や寝る前の学習にスマホを活用するのがおすすめです。
【スキルレベル別】プログラミング学習にかかる時間
「1000時間の法則」という言葉があります。1000時間とは、その分野に関する事柄が得意になるまでにかかる学習時間の目安です。
【分野に精通するレベル】1万時間
1000時間の法則と並んで、よく語られるのが「1万時間の法則」です。
1万時間の法則とは、マルコム・グラッドウェル氏が著作「天才! 成功する人々の法則」で紹介したルールです。
マルコム・グラッドウェル氏は同書で、天才と呼ばれる人々はその分野に関する1万時間の練習を積んでいると主張。世界的に大きな話題となりました。
1万時間とは、毎日3時間の独学や訓練を10年続けることに相当します。毎日欠かさず3時間、10年間の独学は大人、子供を問わず非常にレベルが高いことです。ハードルが大きいです。
そこで1万時間の法則をベースとしつつ、新たに唱えられているルールが1000時間の法則です。
【分野が得意になるレベル】1,000時間
1000時間の法則を、特に子供の学習向けのアドバイスとして提唱しているのはPhilip Guo氏。カリフォルニア大学サンディエゴ校で認知科学の助教授を務めるほか、コンピュータサイエンスやエンジニアリングも教えています。
Philip Guo氏は自身のウェブサイトで、このように述べます。訳文は拙訳です。
I don’t want to pressure you to become an expert at anything, but I do want you to become good at something, which I think requires far less time and dedication. So here is my 1,000-hour rule, a much gentler version of the 10,000-hour rule:
(あなた方が何らかのエキスパートになるために、プレッシャーを感じることを私は望みません。でも私は、あなた方に何かに長けた存在ではあって欲しいと願います。そのために必要なのは、より少ない所要時間と献身です。そこで私は、はるかに易しい1万時間ルールとして「1000時間ルール」を用意しました)
得意であることが大切な理由
“特定の何かに秀でている”ということは、これからのキャリアを考えるうえで非常に大切な要素です。
あたりまえではありますが、自身が本業とする分野に精通していることは、ビジネスにおいて大前提となります。
そして、市場価値の高いビジネスパーソンになるためには、さらに“掛け算”の考え方も重要になってきます。
たとえば、マーケターが、マーケティングに精通していることは当然でしょう。
しかし、マーケティングに詳しい人間は市場に溢れているわけですから、そのなかで競争に打ち勝っていくことは、決して容易ではありません。
では、もしそのマーケターが“プログラミングも得意である”マーケターであったならどうでしょうか?
ここに“マーケター×プログラミング”というスキルの掛け算が生まれ、その市場価値は一気に高まります。
もちろん、マーケターを生業とする傍ら、プログラミングの専門家となるべく、一から学習していくのは簡単ではないでしょう。
ですが、決して非現実的なことではありません。
Philip Guo氏によると、人は「その領域を得意分野にする」のに、おおよそ1,000時間を要するそうです。
言い換えれば、1,000時間という時間コストを投下しさえすれば、ほかよりもその対象に秀でた存在になれるということです。
1日に3時間のプログラミング学習を継続して、約1年かかる計算になりますが、これにより享受できるメリットは計り知れません。
プログラミングに精通した人材になるうえでは、この“1000時間ルール”の考え方をベースに、自分にやれそうかどうか、計画の参考にしてみるとよいでしょう。
プログラミング学習は挫折しやすい
プログラミング学習を、そのまま1000時間ルールに当てはめて考えるとハードルの高さはより浮き彫りになります。その理由は、プログラミングには挫折ポイントが沢山あるからです。
プログラミングは読書だけでは知識が定着せず、必ず手を動かすことが必要です。毎日仕事で、まとまった独学する時間を確保し続けるのは難しい、という人も多いでしょう。
どんな人でも、新しいことを学ぶには時には息抜きも必要です。普段の仕事疲れを癒し、時には友人と遊ぶ時間だって取りたい、という人も多いでしょう。それはある意味当たり前のことです。
また1日3時間学習し続けると、必ず難解なエラーにも遭遇します。エラーの発生も、挫折を招きます。学習を続けること自体が、ある意味では大変です。
教材選びや環境構築など、そもそものプログラミング学習の難しさ。
学習範囲の広さ。挫折する要因の多さに加え、学習に要する時間やコストの大きさ。こうした要素を並べて考えると、プログラミング学習から脱落してしまう人が多いのも無理がないことです。サービスを作るのにたどり着くのは、以外と大変なのです。
学習コストの割に、知識が定着しなかった方は「プログラミング学習は無駄である」と感じてしまうかもしれません。
またプログラミングを学ぶことの意味を自分の中で十分に検討しないまま、なんとなく独学を始めた方も「学習コストの割に、成果が見合わない」「プログラミング学習は無駄だ」と感じる可能性はあります。
プログラミングの独学は不可能なのか?
プログラミングを学ぶ方の多くは、一度は独学にチャレンジしているのではないでしょうか。挫折を味わった方も多いはずです。プログラミングを独学で学ぶことのハードルは、それくらい高いのです。
では、プログラミングの独学は不可能なのでしょうか?
結論から言えば、学ぶモチベーションの維持さえできれば「不可能」ではありません。「自分は一人でもプログラミングを学び続ける自信がある」という方は、独学に向いている可能性が十分にあります。
自分で、自分のモチベーションを高め続けていけるでしょう。
一方、独学にそれほどこだわりがないのであればスクールに通うことも検討すべきです。
プログラミングを仕事にしたいと考えている方も、スクールに通うのがおすすめです。
プログラミングを趣味ではなく、仕事にする場合「正確なプログラミングの知識」は不可欠です。自分の好きなアプリを、好きなように作るために知識を得るなら独学は非常に良い選択肢です。
一方でプロのエンジニアとして、エラーやバグの無いビジネス用途に耐えるアプリを作るのを目指すなら、スクールで網羅的にプログラミングを学び、抜け目なく様々な知識を吸収しておく方が確実です。
モチベーションを維持するためにやるべきこと
物事を継続するには、モチベーションの維持が欠かせません。
ここでは、プログラミング学習における安定したモチベーションを維持するための秘訣を3つお伝えします。
学習しなくてはならない状況を作る
仕事や課題、資格取得のためにプログラミングの学習が必須であるという状況に身を置くことは非常に有効です。
「プログラミングができるようになりたい」というざっくりとした目標のもと、漫然と学習を続けているとモチベーションも下がりがちになります。
学習すべき内容が明確であり、なおかつ期限や求められるレベルが決まっていることで“適度なプレッシャー”がかかり、学習にもメリハリがつくものです。
“実践”を繰り返す
参考書に沿ってインプットを行うだけではなく、実利的な内容でアウトプットする機会も定期的に設ける必要があります。
具体的には、“理論を学んだら、それに基づいてWebサイトやアプリを制作してみる”というサイクルを繰り返すことがおすすめです。
製作物が想定通りに動作しない場合は、再び座学に立ち返りましょう。
こうすることで、理解が不十分な箇所を洗い出しつつ、学んだことを確実に定着させられます。
なお、アウトプットを実践する際は、ぜひゲーム感覚で臨んでみてください。
“うまく動作したのか”“失敗した原因は何か”“次はどのように対策するか”などを遊び感覚で考えることで、意義を見失わずに、楽しみながら学習を進められます。
実践を繰り返すことは、“学習している内容がどう活きるのか見えない”ことによるモチベーション低下を防ぎつつ、理論をより深く理解するうえでの助けとなるのです。
SNSで情報を交換する
自分の世界だけに籠り、学習を進めるのはおすすめできません。
SNSや有志のサイトを積極的に活用しつつ、志を同じくする仲間と、プログラミングに関する情報交換を行ってみてください。
疑問点や悩みを気軽に質問、相談し合えるので、不明点の解消はもちろん、適度なコミュニケーションが学習にプラスの効果をもたらしてくれることでしょう。
今、プログラミングを学ぶべき理由
続いては、“今、プログラミングを学ぶべき理由”をお伝えします。
①エンジニアは売り手市場だから
転職市場は、空前のエンジニア売り手市場といえます。
背景には、IT業界全体が抱える深刻な人手不足があります。
IT業界全体が急成長を遂げている一方で、人材供給はこれに追いつかず、必要とされる数をまったく確保できていないのが現状です。
そのためエンジニアのニーズは高く、当面は引き続きの売り手市場が予想されます。
②優位性につながるから
本記事のトピックでもある「プログラミングは挫折しやすい」という課題ですが、それは言い換えれば、マスターさえできれば、それだけで優位性を獲得できるということです。
先述の通り、IT業界全体を取り巻く深刻な人材不足の昨今、プログラマーのビジネス、市場における優位性は非常に高いものになりつつあります。
③経営や起業でも役に立つスキルだから
プログラミングスキルひとつで、計り知れない価値を提供できるプログラマーという職種は、企業でも重宝されており、求める企業は引きも切りません。
各企業で生産性向上のための取り組みが推し進められるなか、DX化やAIの導入など、企業経営における重要な意思決定の場に介在できる機会も今後増えてくる見込みです。
一定以上のスキルや実績を有していれば、独立して案件を獲得していくことも現実的でしょう。
このように、キャリアを考えるうえでもプログラミングスキルは強力な武器となり得るのです。
プログラミング学習の挫折を乗り越えるための、3つの解決策。
プログラミングの挫折の原因と、その解決法を紹介していきます。
何から学べばいいか分からないなら「スクールに行く」
未経験からプログラミングを学ぶには、何より重要なのが教材選びです。
プログラミング言語はどれを学ぶべきなのか。どのフレームワークを学習すべきなのか。どの教材を選ぶべきなのか。環境構築はどのようにすればいいのか。
いずれもプログラミング未経験者が直面しがちな、大きな疑問です。
「これから学習を始めよう!」という時に壁にぶつかってしまうと、学習意欲が萎える原因になります。言語選びも環境構築も非常に重要ですが、その点には時間を掛けすぎず、できる限りスムーズに学習を始めることも大事なことです。
何から学べばいいのか分からなかったり、自分では言語や教材を選べないのであればスクールに行くのも手です。プログラミングスクールには充実した教材が存在します。
環境構築などで詰まった時にはサポートも受けられます。教室には他の受講生もいます。友人を作る場にもなります。
自分のレベルにあった適切な学習プランも組めるため、学習意欲を継続しやすいのもスクールに通う大きなメリットです。
エラーが解決できないなら「すぐ質問・相談できる環境に身を置く」
プログラミングを学ぶと、必ずエラーに直面します。自力では解決できないような、非常に難しいエラーに直面することもあるでしょう。
困難なエラーにぶつかった時に、大事なのは「自力で解決しようとしすぎない」ことです。
もちろんエラーの原因を、自分で考えるのはスキルアップのために重要です。
しかし、悩みすぎて学習が進まない状態になってしまうのはナンセンスです。特に未経験から、プログラミングスキルを身につけるという段階では「悩むより、手を動かす」のが先決です。
分からない点は「自分よりもプログラミングに詳しい人」に質問・相談し、すぐにエラーを解決。一通り、アプリケーション開発の流れを体感することをお勧めします。
もし個人で勉強しており、周りに詳しい人がいないのであれば「詳しい人がいる場所」に足を運びましょう。IT勉強会に出席したり、教室学習が可能なプログラミングスクールに通うと良いでしょう。
またteratailに代表される、エンジニア専用のQ&Aプラットフォームに登録。15分考えてもエラーの原因がわからなかったら、すぐに質問や相談をするのもおすすめです。
モチベーションが続かないなら「友達を作る」「勉強会に行く」
どんなに良い教材を選び、スムーズに環境構築を行い、コードを書き進めたとしても「モチベーションが続かない・・・」という状態になることはあります。気分の上がり下がりは、どんな人にもあるものです。
学習効率を最大化するには、最終的にはやる気も非常に大事です。
プログラミング学習のモチベーションを保ち、自分のやる気を高めるには、意識的に刺激を受けるのが効果的です。
例えば、友人に「プログラミングを始めようとしている人」がいたら、一緒のタイミングで学習を始め、定期的に進捗を共有し合うのがおすすめです。進捗を報告し合い、成果物を見せ合うことで良い意味での競争心が生まれます。
IT勉強会に出席するのも、おすすめです。
IT勉強会の検索に便利なウェブサイトが「connpass」です。connpassはIT勉強会の支援プラットフォームで、全国各地で開催される勉強会を掲載。イベントへの申し込みもconnpass上で完結できます。
ディープラーニングやブロックチェーンなど最新のIT技術に関する勉強会から、HTML・CSSの基本から扱う初心者向けのイベントまで幅広く掲載されています。
自分のレベルにあった勉強会に出席することで、同じ志を持って、一緒にプログラミングを学んでいける友人が見つかることでしょう。
まとめ
プログラミングは、多くの人が習得にチャレンジしながらも挫折しているのが現実です。
その大きな理由には「教材選びの失敗」「言語選びの失敗」「エラーを解決できない環境」などが挙げられます。
こうした問題は、独学で発生しやすいものです。
プログラミングを学ぶのは、決して「時間の無駄」ではありません。 教材選びに困っているなら、思い切ってスクールに通う。
モチベーションの維持が心配なら、友人と一緒に学んだり、勉強会に行ってみる。こうした工夫を通じて、挫折を未然に防げます。
挫折しやすいポイントを事前に把握。しっかりと対策を練ることで、プログラミング学習を着実に進め、スキルを身につけましょう!
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