このページを見ているということは、あなたはIT業界に少なからず興味があるはずです。
今現在の仕事でもITを活用すれば、なんとなくでも改善できるはずと思っている方は多いです。
しかしそう思うと同時に、「IT業界に全く触れたことがないので何から始めていいのかわからない」、「今の自分のスキルにはどんなITが合うのかがわからない」という方が多いです。そこで、IT業界を研究したいと思っている方に、IT業界の構造・地図やその動向、さらにはセミナー情報まで詳しく紹介します。
この記事を読むことで、IT業界をより深く理解することができ、現状の仕事やIT業界への転職の際に役立てることができます。出典:PEXELS
この記事の目次
IT業界の分類と地図
出典:PEXELS
IT業界は幅広く、実にさまざまな分野で活用されています。
ここでは、主にどのような分野で使われているかをご紹介します。
ITの定義
ITとは「インフォメーション・テクノロジー:Information Technology」の頭文字をとった略称のことです。
インフォメーション・テクノロジーを直訳すると”情報技術”と読みますが、これはコンピューターやネットワークといった情報処理関連技術の総称のことです。
ちなみに、1990年代後半の米国においてはITはコンピューターと通信に関連した技術を用いて従来の事業概念を大きく突き崩すような、つまりビジネスモデル自体を変えるほどの大きな衝撃とインパクトをもたらしました。
2000年前後にはインターネットの普及が進み、人々の認識や産業全体の構造にも変化を与え、IT革命とも呼ばれたほどです。
ITはソフトウェア技術とハードウェア技術に大きく分けることができます。
そしてIT業界の中ではこのソフトウェア技術とハードウェア技術が組み合わされることによって、通信インフラ業界、インターネットサービス業界、クラウドサービス業界などで活用されています。
そこで、次はソフトウェアとハードウェアについてご説明します。
ソフトウェア
ソフトウェアと聞いてすぐに思い浮かぶのはパソコンソフトやゲームソフトなどのソフトと呼ばれるものだと思います。
ですが実際には、コンピューターを動作させる命令や処理手順のまとまり(コンピュータプログラム)を意味し、それ自体は形を持たないプログラムなどをソフトウェアと呼びます。
後述しますが、ソフトウェアはその役割によりハードウェアの制御や利用者への基本的な操作手段の提供などを行うオペレーティングシステム(OS:Operating System、基本ソフトとも呼ばれる)と、特定の機能や目的のために作られたアプリケーションソフト(application software、応用ソフトとも)に大別されます。
広義には、プログラムを含まず、特定の形式のデータのみをまとめたものを「音楽ソフト」「映像ソフト」のように呼ぶこともあります。
ソフトウェアを主事業としている企業には、カメラやビデオなどの映像機器、またプリンターや複写機をはじめとした事務機器を扱うcanonやWindowsやOfficeでおなじみのMicrosoft、データベースを扱っているOracleなどがあります。
ハードウェア
上記のソフトウェアに対し、ハードウェアとはシステムの構成要素のうち回路や装置、機器、設備、施設などの物理的な実体を伴うもののことを指します。
コンピューターの場合は、処理装置や記憶装置、入出力装置、電子基盤、ケーブル類、筐体などの部品や部材、およびその総体として物理的実体としてのコンピューターのことをハードウェアと呼びます。
コンピューター以外では、施設や劇場などの建物、またはその設備、機器などのことをハードウェアと呼ぶこともあります。
ハードウェアを主事業としている企業には、テレビやビデオを扱うSONYやその他にもサーバーやストレージを扱うパナソニックが有名です。
海外勢ではMacやiPhoneを扱うApple、スマホのGalaxyシリーズを扱う韓国のSamsungが有名です。
通信インフラ業界
通信インフラとは、通信回線や通信機器、またはそれらを扱う施設などのことを指します。
一般的にインフラと聞くと、人々が行き来する道路や橋などの社会基盤を指します。
正式にはインフラストラクチャーと呼び、インフラは「下」を、ストラクチャーは「構造」を意味します。
つまり人や物が行き来する下支えのことを指しているわけです。
これに対し、目には見えない電波などを人々がやり取りするための下支えとなるのが、通信回線や通信機器、施設などの通信インフラです。
具体的には、電気通信や無線通信により遠隔地間でデータや音声のやり取りを行うために設置、運用される設備や機器、施設などを表します。
典型的には地中や電柱などに張り巡らされた電話回線(メタル回線)網や光ファイバー回線網、携帯電話基地局、通信会社の拠点施設、集線装置や交換機などが含まれます。
これらは交通量の変化に合わせて道路を整備するのと同様に、情報通信量の増大に合わせて、より高速で大容量の通信インフラが整備されます。
日本企業では携帯電話会社のSoftbank、KDDI、docomoがよく知られています。
インターネットサービス業界
インターネットサービスには、企業向けのB2Bと一般消費者向けのB2Cの2種類があります。
企業向けのB2Bは、企業のホームページ制作やネットワークの構築、インターネット広告の作成などのことです。
ネットワーク構築とは、企業などにおいて多数のパソコンを使用する場合にそれぞれのパソコンや社内サーバーを回線網で繋ぎ、効率的に運用できるように企業内の回線網を構築することです。
一方で一般消費者向けのB2Cには、オンラインショッピングやポータルサイトの運営、ブログなどの個人情報発信サイトの作成支援などがあります。
インターネットサービス企業には、オンラインショッピングサイトを展開しているyahooやAmazon、インターネット広告の作成を行うサイバーエージェントなどがあります。
クラウドサービス業界
従来は利用者の物理的に近いところ(社内サーバーや個人のパソコン)でソフトウェアなどを利用していましたが、クラウドサービスではネットワークを経由して雲の中(利用者がどこにあるのかわからないところ)にあるソフトウェアなどを使うことができます。
クラウドサービスでは、仮想化技術と呼ばれる技術が使われます。
これはあるソフトウェアを使うことにより、実際に存在する1台のコンピューター上に何台もの仮装のコンピューターがあるかのような働きをさせることができる技術です。
また、クラウドサービスはSaaS、PaaS、IaaSの3つに分類されます。
SaaSはSoftware as a Serviceの略称で、インターネット経由での電子メール、グループウェア、顧客管理、財務会計などのソフトウェア機能の提供を行うサービスです。
PaaSはPlatform as a Serviceの略称で、インターネット経由での仮想化されたアプリケーションサーバーやデータベースなどアプリケーション実行用のプラットフォーム機能の提供を行うサービスです。
IaaSはInfrastructure as a Serviceの略称で、インターネット経由でデスクトップ仮想化や共有ディスクなど、ハードウェアやインフラ機能の提供を行うサービスです。
クラウドサービスではAmazonのAWS、GoogleのGoogleメールが有名です。
2017年のIT業界の動向
出典:PEXELS
ITはムーアの法則に従い、その技術が発展するスピードはとても速いです。
ここでは、2017年のIT業界がどのような現状なのか、今後どうなるかを簡単にご説明します。
IT業界の現状
業界規模:6兆4,178億円
労働者数:119,378人
平均年齢:37.7歳
平均勤続年数:10.0年
平均年収:587万円
業界動向サーチの業界の規模におけるランキングには100以上の業界があります。その中でもIT業界は39位にランクインしていることからその規模の大きさがわかります。
また、IT業界と関わりの深い通信業界、携帯電話業界はそれぞれ9位、23位に位置しています。この他にはIT業界が関連する業界は多く、このことからIT業界は日本の産業、果ては世界の産業に多大な影響を与えていることがわかります。
IT業界のこれから
IT業界は今後さらに規模が大きくなると予想されます。
まず、人材面からご説明します。次のグラフを見てください。
出典:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果
人材不足数(人)が2030年に向けて、大きく増加していくことがわかります。
その数値は中位シナリオで見ても2017年の約22万人から2030年には約58万人にまで増えています。
実に3倍弱の伸び率です。
ここで重要になるのは、2017年現在ですでに不足していることです。
つまり、IT人材にはすでに需要があり、この需要はこれからさらに高まることが予想できます。
ですから、今からでもITの知識を身につけておくことは将来的に考えても、大きなプラスになると考えることは容易に想像できると思います。
次に技術面です。
2016年に知られるようになった新たなIT技術として、loTやAIが挙げられます。
loTとは「モノのインターネット:Internet of Things」を意味し、一見インターネットに繋がるとは思えない日常のさまざまな「モノ」がインターネットに繋がる技術のことです。
これにより自動認識や遠隔計測などが行われるようになり、日常の生活をより一層便利にする概念を指します。
AIは「人工知能:Artificial Intelligence」のことで、本来は人がいないと考えることのできないようなことを人がいないコンピューター上で人工的に実現させようとする技術です。
既に株取引などで実用化されている場面も見られます。
2016年はこの他にもFin TechやVRといった技術が注目を集めました。
今後はM2M(Machine to Machine)と呼ばれる機械と機械がネットワークを使うことで情報をやりとりし、制御・動作を行う技術が注目を集めることになりそうです。
代表的なIT企業
出典:PEXELS
ここでは日本の代表的なIT企業をいくつかご紹介します。
あなたがご存知の企業ばかりで、かつその中でもこれからさらに海外展開を広げていこうと考えている企業ばかりです。
楽天
楽天は日本発のインターネット・サービス企業で、Eコマースをはじめ、FinTech、デジタルコンテンツ、通信など、多岐にわたる分野で70以上のサービスを提供しています。
これら様々なサービスを、楽天会員を中心としたメンバーシップを軸に有機的に結びつけ、他にはない独自の「楽天エコシステム」を形成しています。
イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントするという想いのもと、世界の人々に喜びと楽しさを届ける「グローバル イノベーション カンパニー」であり続けます。引用:楽天株式会社
代表的なサービスには「楽天市場」や「楽天トラベル」があります。
2016年11月に世界的に有名なサッカークラブであるFCバルセロナと大型スポンサー契約を結びました。
これまでも海外展開に力を入れていたようですが、これからさらに本腰を入れようとしていることが読み取れます。
LINE
MISSION
私たちのミッションは、世界中の人と人、
人と情報・サービスとの距離を縮めることです。
引用:LINE株式会社
言わずと知れた「LINE」をサービスとして展開するIT企業です。
その他にはクラウドAIプラットフォームの「Clova」や「LINE GAME」、「NAVERまとめ」を主に展開しています。
2016年にはニューヨークと東京の証券市場に同時上場を行いました。これは世界でも初めてのケースであり、非常に話題を呼びました。上記の楽天と同様にこれからさらに海外展開に力を入れていくことでしょう。
サイバーエージェント
Vision
21世紀を代表する会社を創る
引用:サイバーエージェント
2016年はインターネットテレビ局「AbemaTV」を開局し、そのダウンロードが2016年度中に1,000万ダウンロードを記録しています。
また、同年にシンガポールと韓国に現地法人を設立しており、楽天・LINEと同様に海外進出を進めています。
SoftBank
経営理念:情報革命で人々を幸せに
ビジョン:世界の人々から最も必要とされる企業グループ
バリュー(価値観・行動指針):努力って、楽しい。
2012年に米国Sprint Nextel Corporation(現 Sprint Corporation)を買収、2016年には英国ARM Holdingsを買収しています。
また2000年にはまだ知名度の低かった中国Alibaba Groupに出資しており、昨年その株を売却、売却益は出資額に対し4000倍とも言われています。
ちなみにこの取引で得た利益は先述の英国ARM Holdingsの買収に回されているようです。
このことからソフトバンクグループはITバブルと呼ばれた2000年頃から視野を世界に向けていることは明らかです。
IT技術が発展し、国境の壁が壊れていく今後においてはさらにその勢いを増すのではないかと思われます。
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IT業界に触れる
出典:PEXELS
ITはそこに人がいなくても触れることはできますが、IT業界に触れるとなるとそこには必ず人が介在します。
ここではIT業界に触れたことのない方のために、IT業界の中の方と関わるきっかけを簡単にご説明します。
就活Webセミナー
従来の就活は企業の説明会会場まで足を運んだり、大勢の企業が参加する合同説明会のような大会場で行われていましたが、近年では自宅からでもWebを通して参加できるセミナーが行われています。
例えば、株式会社アカリクはWeb上でIT業界を目指す方のための就活スタートアップセミナーを行なっています。
通常の説明会と同様に事前予約は必要ですが、時間帯は18:00~19:00に予定されており、日中は忙しい人でも参加しやすい時間帯に設定されているようです。
また、株式会社マイナビでは、マイナビTVの中でさまざまな企業の担当者が自社の業界について語るセミナー等が行われています。
もちろんその中にはIT関連のものもあります。
この他に株式会社DISCOが運営するキャリタス就活でもキャリタスWebセミナーと称してさまざまな企業のセミナーが行われています。
キャリタスWebセミナーでは過去に行われたセミナーが動画として残されているので、後からでも観ることができるのが特徴です。
企業によっては、自社サイトの中でどんなWebセミナーに参加するかを公開している企業もあります。
IT業界研究カフェ
株式会社アクティブワークスでは、個人事業主・中小企業・これから起業を目指す方を対象に、IT活用セミナー おおさきITカフェと題してIT活用の無料相談を月に一度のペースで定期的に受け付けています。
ここではこれからITを学びたい人も歓迎されているので、気軽に参加できるようになっています。
IT業界に関する就活セミナー・Webセミナー・フォーラムの検索方法
ITを使えば、情報は簡単に手に入ります。しかし、これは逆に情報が溢れすぎていることも示しています。
ここでは良質なセミナー情報等を検索できるWebサイトをご紹介します。
dots.
出典:TECH PLAY
TECH PLAYはスキルアップにつながる良質なイベント情報を提供しているサービスです。
勉強会、講演会、交流会、セミナー等のさまざまなイベント情報を集約して提供しています。
また、最前線で活躍している企業・エンジニアからさまざまな知識やノウハウなどを学び、仕事に活かせる良質な技術共有イベントも数多く開催されています。
connpass
出典:commpass
commpassはエンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォームです。
IT勉強会に特化されていて、注目のカテゴリにはプログラミング言語のPythonやJava、クラウドやデータ解析といったワードが挙げられています。
ATND
出典:ATND
ATNDは幅広い分野で勉強会やセミナー、イベントなどを探せるサービスです。
その中にはもちろんWebやITに関するものもあります。単発ものから継続的なものがあり、その規模も大小さまざまです。
Doorkeeper
出典:Doorkeeper
DoorkeeperもATNDと同様に幅広く勉強会やセミナーが行われているサイトです。
ストアカ
出典:ストアカ
ストアカはストリートアカデミー株式会社が運営するサービスです。
全国で44,000人以上が参加しており、誰もが自分のスキルを活用して教室やワークショップを開催できるまなびのマーケットとなっています。
内容にはITやビジネスの分野からフィットネスなどのあらゆる分野で個人・法人を問わずにユニークな学びが提供されており、オープンで透明性の高い実名制のコミュニティで安心して学ぶことができます。
IT業界で使えるプログラミング言語
出典:PEXELS
プログラミング言語の種類は実に200種類以上とも言われています。
しかしこの200という数字の中には主要ではないものも含まれています。
IT業界に関わりたいのであれば主要なプログラミング言語を知っていれば便利な部分もあるので、以下記事では主要なプログラミング言語をいくつかご紹介しています。
まとめ
ここまでIT業界にこれから入っていくあなたのために、ITの定義から業界の種類・動向・セミナー情報・プログラミング言語について簡単にまとめました。
いかがでしたでしょうか?
IT技術の重要度がこれからの社会の中で大きく増してくることが感じられたかと思います。
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