IT業界と一口にいっても、プログラマーやシステムエンジニアといった有名な職業以外にも、様々な役割を担う職業が存在しています。
IT業界の職業にはそれぞれどんな役割があるのか、どんな特性が必要なのか、どのような性格の方が向いているのかご紹介します。
また、すでに就職している方も、今後のキャリアプランを考えるうえで参考になる部分が多いと思います。
IT業界に興味のある方は是非、今後の就職活動等に役立ててみてください。
独立や企業を視野に入れている方も必読の記事です。
エンジニアとはどんな職業?
IT業界には多くの職業があります。エンジニアがどのようなものなのか把握しましょう。
エンジニアとは、情報技術に関わる技術者のことです。専門性が高い分野が歩い一方、新卒者向けなどには、業種の区分なく「ITエンジニア」として企業側が募集をかけることが多いです。
どのような役職があるのか?
では実際にエンジニアにはどのような役職があるのでしょうか。
プログラマー・システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・ネットワークエンジニア・テスター・セールスエンジニアの順にみていきましょう。
プログラマー
プログラマーとは、システム開発をする工程で、「下流工程」を担当します。
システムエンジニア(SE)による設計書により、実際に開発をしていきます。
開発工程にはシステム開発には1クライアントからの要求を分析、2要件定義3基本設計4詳細設計5プログラミングとテストの6つのステップがあります。
その中で、下流工程であるプログラミングとテストをプログラマーは行います。
システムエンジニア
システムエンジニアとは、システム開発をする工程で「上流工程」を担当する職業です。
システムエンジニアはクライアントと接することが主になります。
プログラマーが担当しない、クライアントの要件を分析したり、どんなシステムが必要なのかを決める要件定義、システムの基本設計、詳細設計である上流工程を担当します。
ただプログラムを組むのではなく、クライアントと接することが多いため、高いコミュニケーション能力が求められます。
システムエンジニアはプログラマーを経てなることができます。
キャリアプランとしては20代前半はプログラマーとして働き、20代後半からシステムエンジニアになることが多いです。
30代にもなると上級システムエンジニアとなり、順調にキャリアアップができれば、30代後半にはコンサルティング業務をこなせるようになります。
プロジェクトマネージャー(PG)
プロジェクトマネージャー(PM)とは、簡単に言うとエンジニアのリーダー的存在のことです。
期限までにシステム開発が終わるよう、チームをまとめる役割を持ちます。
必要な人材や資産を予想して確保し、それらを運用しなくてはいけません。
プロダクトマネージャーには試験もあります。
対象者は、情報・組み込みシステムの開発チームの責任者としての役割を果たせる人で、試験には、プログラミングだけではなく、経営マネジメントやサービスマネジメントなど、経営知識も必要になります。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとはネットワークインフラを管理する職業のことです。
ネットワークインフラとは、情報システムが動くよう、ソフトを導入・設置・設定し、機能する環境のことです。
クライアントからどのようなネットワークを求めているか聞き出し、提案書を作成する業務、作成した設計書通りにどの機器を設置するかというネットワークを構築する業務、回線や機器の交換などネットワークの運用管理をする業務などが主です。
テスター
テスターとは、開発したプログラムがきちんと動くかチェックする役割を持っています。
システムが上手く動かないバグを見つけ、問題を明らかにし、そのミスをSEやプログラマーが修正します。
そのために、キーボードとマウス操作を組み合わせてみたり、マウスポインタを必要以上に動かしたり、システムを利用するさまざまな場面を想定し、普段は行わないようなPC操作を行ったりします。
その操作によってバグが発見されたら、「どのような操作をしたときに」、「どのような不具合があったのか」を詳細に報告する必要があります。
セールスエンジニア
セールスエンジニアとは、製品やサービスに対して専門知識を持ち合わせている販売員のことです。
顧客の技術的な観点からの質問にも対応できるため、単なる営業職とは大きく違っています。
その製品について専門知識を介してメリットデメリットを伝えるため、顧客が製品を購入後も、購入前抱いていた商品イメージのギャップを減らすことが可能で、クレームを減らすことが出来、営業職と技術職の両方の役割を果たしていると言えます。
近年は、専門技術が必要となる商品が多いことから、サービスエンジニアのニーズが高まってきています。
どのような人に向いているのか
では、上記で説明したそれぞれの職は、どのような人に向いていて、どのような能力が必要なのでしょうか。
職業ごとに解説していきます。
プログラマー(PG)
プログラマーに求められることは注意力です。
タイプミス一つでプログラムが正常に動かなくなる場合があルため、開発をする際には、細心の注意が必要です。
また、身なりをきちんとする、身の回りの整理整頓をするなど、一見職務に関係のなさそうなことでも、几帳面な性格が求められる職業と言えるでしょう。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアに求められる能力はコミュニケーション能力です。
知識が全くないような文系の方もクライアントになることがあるでしょう。
クライアントがすべてシステムエンジニアと同等の知識を持っていない場合、自分が知っている専門知識ばかり話していては、クライアントも話そうという意欲がなくなってしまいます。
専門知識が必要なのはもちろんですが、人と関わることが好きな方、相手が考えているひとを引き出すことが好きな方が、システムエンジニアに向いていると言えるでしょう。
プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーに求められる能力は、マーケティング能力があること、顧客ニーズをするヒアリング能力です。
競合他社とのシステム・サービスと自社を比較し、最も市場需要にあった製品を開発する能力が求められます。
また、顧客と会話し、求めていることを引き出すヒアリング能力も必要です。
設計書を作成する前に、ニーズが聞き出せていなければ、相手が求めている水準の同等のものを作ることはできません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアに必要な能力は、コミュニケーション能力と自分の専門分野に興味を持つことです。
ネットワークエンジニアも、人に会う仕事です。
最終的に、自社の製品・サービスを買っていただかなくてはいけないので、顧客が困っていることや必要としている潜在的なニーズを聞き出すために、良好な関係を築くことが大切になっていきます。
また、他の専門分野を担当する上司や同僚とのコミュニケーションをうまくとらなければ、社内調整もうまく行かなくなります。
一度ネットワークインフラを整備したからといって、顧客はずっとその機器を利用していくわけではありません。
新しい情報や技術に興味を持ち、日々勉強していかなければいけません。
テスター
テスターに求められる能力は、根気強さです。
何回も同じ操作・テストを行うため、単純作業が苦手な方には向かないでしょう。
逆に、単純作業・同じ作業が苦にならない方にとっては馴染みやすい職となるでしょう。
セールスエンジニア
セールスエンジニアに求められる能力はコミュニケーション能力と専門知識・専門技術です。
技術者としての側面も持つ一方、販売員でもあるため、顧客と良い関係を築くためにもコミュニケーション能力は必須と言えます。
単に自分が売りたい商品の良い所だけを伝えるのではなく、デメリットも伝えるべきです。
また、競合他社のメリットデメリットを踏まえて、自社製品の強みを言って初めて、顧客を納得させることが出来るため、他の企業の製品との違いを知っておく必要があります。
全体の職を通してみると、ほとんどコミュニケーション能力が必要とされていることが分かりました。
どのような職についても、顧客やチームメンバーとのコミュニケーションが大切であると言えます。
エンジニアの待遇
実際にエンジニアはどのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか。実際に見ていきましょう。
給料
これは平成27年の結果ですが、情報通信業であるエンジニアの給料は、3位です。
1位がインフラ2位が金融保険業界となっていますが、専門性が求められることから、エンジニアもかなり高い水準であることが分かります。
平均年収は591万円で、平均月収は40万円となっています。
労働時間と年間休暇
エンジニアの平均残業時間は、月に30~40程度とされてます。
しかし、職場によっては残業時間はまちまちで一概にはいえません。
IT業界の全体の年間休日有給休暇含は、通常休日が115.2日、夏期休暇が3.8日、年末年始休暇が5日、有給休暇(実所得)が10.7日となっており、全体では2位となっています。
1位はメーカーで、通常休暇が113日となっています。
エンジニアのキャリアパス
エンジニアになるためにはどのような知識が必要なのか、またその後のキャリアプランは何かに注目してみましょう。
どのような学歴が必要か
基本的に学歴は重要ではありません。
新卒で入社する際には多かれ少なかれ学歴は関係しますが、入社後は自分の努力次第でキャリアアップできます。
理系出身でさらに情報系大学院まで出ていればその分給料は高くなりますが、IT業界に入ること自体の垣根はそれほど高くありません。
取得しておきたい資格
IT業界は広いため、就職する際に有利な資格と言えるものはありません。
なぜなら、それぞれの分野ごとに求められる能力が違ってくるからです。
それでも、持っておけば間違いないという基本的な資格をいくつかご紹介します。
ITパスポート
ITパスポートは、ITを活用する社会人・学生が備えるべき基礎知識を証明する国家資格です。業務にITを活用したいと考えている方が対象で、エンジニアでなくとも備えておくべきIT知識の有無が問われる試験です。
基本情報技術者
ITパスポートの上位資格の国家資格です。ITの基礎知識だけでなく、ソフトウェアの設計・開発・運用スキルが問われます。ITパスポートと比較し、試験の難易度は上がります。 ただし、一定のテクノロジースキルや開発経験があれば取得は容易になります。企業の採用試験などで、基本情報技術者の資格が必須とされている例はそこまで多くありません。
応用技術者
基本情報技術者の上位資格に当たる国家資格です。資格保有者は高度IT人材に位置づけられ、転職市場での価値が非常に高まります。合格者の平均年齢は29歳です。20代半ば~30代で資格取得に成功すると、理想的でしょう。
文系でもなれるのか
文系出身でもエンジニアになることは可能です。
近年では理系出身でなくてもIT業界に入る人が増えており、新卒採用では、文理不問で募集をかけている企業も多くあります。
理論的思考ができる方であれば問題なくIT業界に入れますし、表や図を見て判断することが得意な方なら向いていると言えます。
また、クライアントや顧客と話す機会の多いエンジニアであれば、文系の方が有利に働くこともあります。
知識がない文系の方に寄り添ってコミュニケーションが取れれば、文系であることが不利になることはありません。
エンジニアの就職・転職の仕方
エンジニアが転職をする際には何から始めていけばいいのでしょうか。
これは転職を始める際全般に言えることですが、まずは自分のキャリアを見直し、自己分析をしましょう。
ポートフォリオを作成すれば、転職先企業に分かりやすく自分をアピールすることが出来ます。
また、レバテックキャリア・ワークポート・マイナビエージェント(IT)・パソナテック・DODA・アデコ(IT転職支援)・type転職エージェントなどのエンジニア向け転職サイトを活用しましょう。
エンジニアの独立・起業
エンジニアが独立・起業する際にはどのような方法があるのでしょうか。
1つ目はフリーランスです。
最も現実的で、始めやすい方法で、注から開発・企画までをすべて一人で請け負います。
2つ目は中小企業経営です。
独立も起業も魅力的ですが、どちらの場合でも気をつけるべきことは、需要がない製品を作らないことです。
自分が作りたいサービスのみに焦点を当てていると、ユーザーがおらず収益がないという状況に陥ってしまいます。
市場調査を怠らず、営業やマーケティングにも力を抜かないようにすることが大切です。
まとめ
いかがでしたか。
IT業界と一口にっても、専門分野の違いによって様々な職種がありますね。
自分の適性が分からなくても文系であっても、興味があれば挑戦してみる姿勢が大切です。
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