あなたはエンジニアという職業に興味はありますか?
近年プログラミング教育に関する様々なオンラインサービスやスタートアップが登場し、政府も2020年から義務教育課程でのプログラミング教育の導入を決定しました。
ITエンジニアになることで、あなたの未来が大きく変わるかもしれません。
今回はITエンジニアの給与面にスポットをあて、職業としてのエンジニアについて調べてみました。
※なおこの記事ではIT系エンジニアのことをエンジニアと呼ばせていただきます。
この記事の目次
1.年収について
1-1 エンジニアの平均年収
平成27年に国税庁によって行われた「民間給与実態統計調査」によると、 エンジニアの平均年収は575万円となっています。そして、労働者の年間平均年収は420万円となっています。
もちろん、一概には比較はできないですがエンジニアの給与は統計上において 平均を155万円上回っています。
1-2 情報通信業の年収ランキング(*他業種との比較)
平成27年に厚生労働省によって発表された、民間給与実態統計調査によると産業別にみた年収ランキングです。 情報通信業の平均給与はインフラ業界、金融、保険業界に次いで3位にランクインしています。
出典: 厚生労働省 民間給与実態統計調査
1-3 エンジニアの年収ランキング(*各種エンジニア比較)
エンジニアと一言に言ってもその種類は多岐にわたります。ここではその中でも代表的なものを何種類か取り上げ、紹介していきます。
1位 通信インフラ設計・構築
出典:ジョブセンスリンク
平均年収 640万円
インフラエンジニアは目的に応じた通信環境設備を構築し、整備管理をする技術者のことを指します。
通信環境設備とだけ聞くとイメージがしづらいかもしれませんが、ここでの通信環境とはインターネット、そしてネットから膨大な情報を受信し処理するWebサーバーを指すことが殆どです。
2位 コンサルタント
平均年収 629万円
ITコンサルタントの仕事は、経営戦略に基づくIT戦略の立案や、企画やマネジメントなど、コンサルティングのプロジェクトによって多岐に亘ります。エンジニアとしてキャリアを積まれた方がITコンサルタントに転職するケースが多い様です。
3位 研究、特許
平均年収 625万円
情報技術分野の研究者をいいます。情報技術の研究領域は多岐に渡り、情報と計算の理論的基礎、及びそのコンピュータ上への実装と応用に関する研究分野です。
4位 システム開発(Web・オープン系)
平均年収 532万円
web系エンジニアとは皆さんが普段閲覧しているwebサイトのシステムを構築、管理するエンジニアのことです。
オープン系エンジニアとはいろいろなメーカーのハードウェアやソフトウェアを組み合わせたシステムを構築、管理するエンジニアのことです。
5位 社内情報システム、MIS
平均年収 526万円
文字通り企業の情報を取り扱うシステムの構築、運用を行うエンジニアのことです。
MISとは、マネジメントインフォメーションシステム(経営情報システム)の略語で、経営判断に資する情報が適時的確に適任者の元へ提供される情報システムのことです。
1-4 エンジニアの年収(年齢別)
次に年齢別のエンジニアの年収の差を見ていきましょう。
20代後半:4,950,000円
30代前半:5,260,000円
30代後半:6,360,000円
40代前半:7,120,000円
引用:Tech総研
年齢を重ねるごとに年収が上がるのは他の業種でも言えることですが 年代を追うごとに平均年収が100万〜200万弱上がっています。
年齢を重ねていく中で様々な経験から高度なスキルを身につけ、自らの市場価値を高めていき、その技術と経験を次世代の育成に役立て、社会を還元していくことができます。
確かな技術を磨き続ければ、他の業種のように年齢を重ねるごとに自らの市場価値が下がっていくということはありません。
1-5 技術レベルによって差が出やすいエンジニアの年収
年齢でも年収の差は出ますが、確かな技術を持っていれば若くても年収1000万円を超えているエンジニアの方はたくさんいます。
エンジニアは特に、技術レベルの差によって給与面でも大きく差が出ます。
他業種に比べるとエンジニアの年収格差は比較的大きいです。
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構のホームページによるとエンジニアの技能レベルは7つのレベルによって分類できるとされています。以下URLですので、ご覧ください。
平均年収を超えるエンジニアになるにはおおむね レベル3の技術レベルが必要とされています。
レベル3の定義は『要求された作業を全て独力で遂行できる程の応用的知識・技能を持っているレベル。』とされています。
2.エンジニアの需要
これまではエンジニアの給与面について見てきました。
もしかしたらエンジニアという職業に興味をもっていただいた方もいるかもしれません。ここでは国内のエンジニアの就職状況を見ていきましょう
2-1 日本の企業におけるエンジニア不足の現状
IT人材が足りていないとはよく聞きますが IT人材市場の現状は実際どうなっているのでしょうか。
2016年6月10日 経済産業省が発表した『IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果』を元に、IT業界を取り巻く現実を探っていきたいと思います。
まずは、現在のエンジニア人口を見ていきましょう。
日本のITエンジニアの人口推移
2009年度調査:77.1万人
2010年度調査:76.6万人
2011年度調査:77.8万人
2012年度調査:79.6万人
2013年度調査:81.9万人
2014年度調査:84.1万人
年を重ねるごとにエンジニア人口は増加し、増加率も大きくなっています。
にもかかわらずエンジニア不足は解消されそうにありません。
今後、産業界での大型のIT関連投資や情報セキュリティのニーズの増大、ビッグデータやIoTをはじめとした新しい技術の発展等により、IT業界はますます拡大し、高度化していくことは間違いありません。それに伴い人材の需要はますます大きくなっていくでしょう。
しかし、現状は業界の成長に対して人材の供給が圧倒的に間に合っていません。
実際にデータを見ていきましょう。経済産業省が行ったIT関連産業の産業人口に関する将来推移(マクロ推計)によると2015年時点で17万人のIT人材が不足しています。
以下は経済産業省が公表したIT人材の不足規模に関する予測のグラフです。
出典:経済産業省
上のグラフからも分かるように今後、人材の需要と供給のギャップは増大化し2030年には41万人から79万人の人材不足が懸念されています。
2-2 なぜエンジニアは不足しているのか
世界はITの力によって急速に発展を遂げています。
今最も熱い分野であるといっても過言ではないIT業界で人材不足が今後ますます深刻化していくと予想されるのは何故なのか、原因を探ってみました。
(1)人材供給が間に合わない。IT業界の急速な発展と拡大
現在AR, VR ,ioTやAIなどの分野が脚光を浴び、急速に発展しています。これらの技術は今後様々な業界で導入され、エンジニアの需要がますます拡大していくと予想されます。
(2) IT業界は変化が激しい
IT業界ではほんの数年前まで最先端であった技術が数年の間に廃れてしまうといったことがよく起こり得ます。この業界で生き抜くには常に新しい情報や技術を積極的に受け入れる姿勢が必要になります。
新しい技術の習熟には時間がかかるため、企業側が求める技術とエンジニアの技術がなかなか合致せずエンジニア不足が起きているのも要因の一つと言えそうです。
3. IT業界人材の高齢化
いくらIT業界が他の業界と比べて新しい業界だといっても、ITバブルが起きたのが今からおよそ20年前です。
ゲームやwebの分野では比較的若いエンジニアが多いですが、基幹システムを構築していたエンジニアの高齢化が進み人材が不足しています。
2-3 日本政府の対策
経産省はIT人材の育成や確保に向けて、女性やシニア、外国人の方が活躍できる環境作りや個々のスキルアップ支援の強化、処遇やキャリアなどの改善による魅力アップ、情報セキュリティ、先端分野、起業家などの重点的な育成強化に取り組むべきとしています。
具体的な対策として、経産省はコンピューターソフトウェア協会の会員企業約35社や日本語学校の業界団体とともに留学生の受け入れを支援する協議会を立ち上げ、インドなどからの大卒IT人材の留学や就職の斡旋を支援しています。
2-4 エンジニアの転職
次に、エンジニア業界での人の動きを見てみましょう。
以下は厚生労働省によって行われた各業界における離職率と入職率の割合です。
緑色が離職率、白色が入職率です。
出典:厚生労働省
情報通信業の離職率は複合サービス事業に次いで2番目に低いです。
また、入職率が離職率を上回っている点を考慮するとエンジニアを含めたIT業界の人気の高さが分かります。
エンジニアはIT業界内での転職が活発です。
エンジニアの経験を活かしてプロダクトマネージャーになったり経営者になったりする方も多いです。
自らの技術力を武器に、多様なキャリア選択ができるのもエンジニアの魅力の1つですね。
エンジニアへの転職に関しては、以下の記事にまとめておりますので、是非ご参照ください。
3.世界のエンジニア事情
3-1 世界のIT業界の現状
世界の情報サービス市場は、世界情報サービス産業機構(WITSA)の「Digital Planet」 によると、2013年の世界ICT市場は4兆6800億ドルに達しています。
引用:IT JOBGATE
国別のシェアは、欧州25.4%、アメリカ26.9%、中国11.8%、日本8.8%となっています。加えて、IT後進国であったアジアの成長が顕著であることも読み取れますね。
今後、技術の向上や新たな分野の開拓によって、世界市場の新陳代謝もますます向上し、今の最新のサービスや技術はすぐに廃れていくでしょう。こうした変化を受け入れ、柔軟に対応していくことが国レベルでも個人レベルでも重要になっていきます。
プログラミングは世界共通言語です。エンジニアとして個々の技術レベルを磨いていけば、グローバルに働くことも可能です。
出典:世界のIT産業
*ICT(情報通信技術)産業とは コンピューターやネットワークに関する技術・産業・設備・サービスなどの総称です。
4.最後に
いかがでしょうか。
ここで示した情報は一部ですし、データやグラフはあくまで統計的な調査に基づいた結果でしかありません。
しかし世界や日本においても、エンジニアが求められているのは間違いないようです。なにより、自分で世界を動かすシステムを構築していける、とてもエキサイティングな業界です。
情報社会である今の世界を作ってきたのはエンジニアといっても過言ではありません。
これからの未来、世界のエンジニアはどのようにこの世界を書き換えていくのでしょうか。あなたもエンジニアになってその一員になってみてはいかがですか?
この動画はIT大国アメリカで活躍するIT業界の著名人がプログラミングの必要性を訴えた動画です。
海外就職の参考として、以下の記事にまとめておりますので、是非ご参照ください。
稼げる職業「エンジニア」の年収について徹底比較&調査してみたはじめての転職、何から始めればいいか分からないなら
「そろそろ転職したいけれど、失敗はしたくない……」そんな方へ、テックキャンプでは読むだけでIT転職が有利になる限定資料を無料プレゼント中!
例えばこのような疑問はありませんか。
・未経験OKの求人へ応募するのは危ない?
・IT業界転職における“35歳限界説”は本当?
・手に職をつけて収入を安定させられる職種は?
資料では、転職でよくある疑問について丁寧に解説します。IT業界だけでなく、転職を考えている全ての方におすすめです。
「自分がIT業界に向いているかどうか」など、IT転職に興味がある方は無料カウンセリングにもお気軽にお申し込みください。