テクノロジー
2018年版!VAIO(バイオ)パソコンおすすめ機。SONY時代の歴史も紹介

VAIO株式会社が出しているノートパソコン「VAIO」をご存知ですか?

もともとはSONY(ソニー)が開発・販売し、衝撃的なデビューを果たして、世の中に大きなインパクトを与えた機種でした。

そのオーディオビジュアル性能には世界的評価があり、スティーブ・ジョブズはVAIOにmacOSを搭載することを計画していたほどでした。

日本発祥の世界的パソコンブランド「VAIO」。その歴史から最新機種までを紹介します。

2018年6月4日追記:VAIOのアジア市場への再参入、Nexstgo社との提携。VAIOのカスタマーサポートの品質の高さについて追記しました。

VAIO(バイオ)とは

「VAIO(バイオ)」は、パソコンが好きな人なら一度は聞いたことがあるブランド名でしょう。少し年齢が上の人であれば、初代VAIO発売当時の衝撃を覚えている人も多いのではないでしょうか。

現在はVAIO株式会社が製造・販売を行うVAIOですが、もともとはAV機器に強いSONY(ソニー)が製造していました。AV機能に強いパソコンとして誕生したブランドが、VAIOだったのです。

B5薄型ノートである「PCG-505」以降、VAIOはおしゃれ・高性能(ハイスペック)なモバイルパソコンシリーズとして、世界的ブランドを確立していきます。

パーソナルコンピュータのシリーズブランド

当初はSONYが開発し、販売を行っていたVAIOシリーズ。いくつかのエポックメイキングな機種を発表し、その存在感を誇示してきました。

「銀パソ」という名とともに薄型モバイルパソコン(PC)というジャンルを確立したVAIO PCG-505。

「持ち運べるメインマシン」というコンセプトで、格好良いデザインと高性能を両立させて勝負したVAIO PCG-Z1。

世界最小・最軽量という道を突き進んだVAIO Uシリーズ。

そして軽量小型ながら、キーボードサイズにもこだわったVAIO type P。

とにかく「大人が熱狂するガジェット」として最先端のモデルを世に出し続けてきました。

1996年から2014年までSONY(ソニー)が販売

そんなVAIOの初代は1996年に、まずアメリカで発売されました。

日本での発売は1997年7月です。

最初に市場に投入されたのはミニタワー型の「PCV-T700MR」と、A4ノート型の「PCG-707」「PCG-705」でした。音楽や動画、ビデオなどに強いSONYが「パソコン(PC)での動画編集が一般化するに違いない」と考えて送り出した、ビデオや音楽に強みを持つパソコン(PC)だったのです。

OSはWindows。Windows 95の登場以降、急速に拡大したパソコン(PC)市場の波をつかんだVAIO。B5ノート型の「VAIO PCG-505」以降、モバイルノートパソコンというジャンルを確立。格好良い軽量のパソコンとしてブランド化されていき、店舗でも一際目立つカラーリング・デザインで人気を呼びます。

SONYは1996年から2014年まで、ノートパソコンを中心にVAIOの開発と販売を続けました。

2014年からVAIO社に事業を移管

ところが、2000年代後半からのVAIOシリーズは苦戦の連続でした。特に2009年から新興国向けに低価格のネットブックを投入した事から、収益が一気に悪化しました。

そもそも一般向けのパソコンは他のメーカーから、安い機種が数多く販売されました。コンピュータ業界の巨人IBMですらLenovoにパソコン部門を売却したことも、これと無関係ではありません。SONY(ソニー)本体もテレビ部門をはじめ、大きな赤字を抱えるに至り、不採算部門とされたパソコン事業を切り離す事になったのです。

当初は他のパソコンメーカーへの売却を目指していましたがうまくいかず、結局、パソコン部門を独立させ、VAIO株式会社の設立に至ります。

VAIO株式会社はVAIOを一般向けパソコンの域から、法人利用へと拡大。新たな需要を作り出しています。

2018年6月4日追記:香港Nexstgo社と提携。アジア市場に再参入決定!

そんなVAIO(バイオ)は、2018年6月4日にアジア市場への再参入を急遽発表しました。

香港のNexstgo社と提携し、香港、マカオ、マレーシア、シンガポール、台湾にてVAIO PCの販売を行うことを決定。米国や中国、ブラジルなどの地域ですでに海外展開を行っているVAIO。海外での販売地域は今回の提携で、合計12地域となります。

VAIOはアジア市場への再参入の理由について「アジア地域でもVAIOブランドへの期待値が高」いことをあげています。VAIOブランドの歴史と人気の高さが、今回の再参入の決め手になったようです。

SONYからVAIO(バイオ)が独立・その後

SONYから独立したVAIO株式会社は、それまでの方針を転換します。一般向けが中心だったSONY時代と異なり、企業向け・ビジネス向けのパソコンを中心に据えたのです。

独立当初は苦しい局面もありましたが、その後はビジネス向けパソコンブランドとして堅調な成長を遂げ、業績回復に成功しました。

不採算事業として売却された後、V字回復を果たす

全盛期には年間860万台を販売していたVAIOですが、独立初年度には20億円もの赤字を出します。

VAIO株式会社はこの業績を受けて、一般向けのパソコン(PC)に注力していた事業方針を転換。EMS(電子機器の受託生産)やB to B向けのビジネス用パソコン(PC)製造を通じて、2年目には黒字転換を成し遂げます。

B to B向けのパソコンを中心に、堅実な製品作りを行う

SONY時代は一般向けが中心だったVAIOですが、独立後は高性能を売りに、B to Bで企業向け・ビジネス向けパソコンを中心に作っています。

今は一般向けは3割程度しかありませんが、やはり始めたころは「ソニーってBtoBやってるの?」と驚かれました。それで、会社が独立し、方針が変わったことを伝えていったんです。軽くて丈夫で、インターフェースも充実しているということでヒットに結びつきました。

–引用元:ソニーが売却したVAIO、「V字回復」のワケ VAIO株式会社大田社長インタビュー

VAIO(バイオ)の特徴・VAIOブランドの秘訣

では、これまでも簡単に紹介してきましたが、VAIOの特徴は一体なんでしょう。

時代を超えて継承されるVAIOブランドの秘訣は、大きく2つです。

圧倒的なオーディオビジュアルへのこだわり

何と言ってもビデオやスピーカーなど映像とサウンド、ビデオへのこだわりが強いSONYが開発したVAIO。オーディオとビジュアルに対するこだわりと機能の質の高さは半端ではありません。

VAIOは「Video Audio Integrated Operation」の略

そもそもVAIOというのは「Video Audio Integrated Operation」の略です。

VAIOのロゴは「VA」の部分は「波」を意識して「アナログ」を、「IO」の部分は「1」と「0」でデジタルを意識して作られたものです。

製品名自体にアナログとデジタル、オーディオとビジュアルを統合させるという意味を込めたものなのです。

音響・サウンド・ビデオに強みを持つハードウェア・家電機器を作るソニー。

ソニーだからこそ誕生したVAIOは、他社の追随を許さないトップブランドシリーズでした。

薄さ、軽さ、美しいデザイン

VAIO(バイオ)のもう一つの特徴は、そのデザイン性でしょう。

VAIO(バイオ)の「薄型で、軽く、美しいデザイン」という特徴・機能・液晶の美しさなどを決定付けたのは、PCG-505です。その後、他のパソコン(PC)メーカーと比較すると、SONY(ソニー)らしい美しいデザインが目を惹いていました。

マグネシウム合金を活用したデザインやエンボス感のあるロゴなど、スペックの高い、様々な工夫を凝らし続けてきました。こうしたソニーらしい細部へのこだわり・高機能・スペックの素晴らしさがVAIO(バイオ)の人気の秘訣でした。

この流れはスマートフォン開発にも活かされています。

初のVAIOフォンとなったAndroid搭載機種は不評でしたが、ビジネスユーザー向けにWindows10 Mobileを搭載した「VAIO Phone Biz」は、VAIOらしいデザインで一定の評価を獲得。

VAIO SIMフリースマートフォン VAIO Phone A シルバー(Android OS 搭載モデル) VPA0511S

その後、Androidを搭載した「VAIO Phone A」を発表。VAIOのスマートフォンとしてはもっとも高い人気を得る機種となりました。

スティーブ・ジョブズはVAIOへのmacOS搭載を画策

VAIO(バイオ)は、Apple社の社長(CEO)であるスティーブ・ジョブズを動かします。

1990年代、AppleはmacOSを他社にもライセンス。日本ではPioneerがmacOS搭載パソコン(PC)を開発・販売していました。しかしスティーブ・ジョブズがCEOに復帰した1997年以降、AppleはmacOSライセンスを取りやめ。1998年末までにmacOS互換機の発売を中止し、apple純正のパソコン(PC)以外にはmacOSを搭載しない方針を固めました。

そんなステーィブ・ジョブズは、実は無類のSONY(ソニー)好きという一面を持っていました。スティーブ・ジョブズは、スペックの高さとデザインの美しさを持ち合わせたVAIOに惹かれた一人だったのです。

ジョブズは、2001年にmacOSをインストールしたVAIOをデモ用に開発。macOS搭載版のVAIO(バイオ)の発売を、本気で考えていたと言われています。

しかし、もともとVAIO(バイオ)はMicrosoftのWindowsに最適化されたパソコン(PC)ということもあり、VAIO開発チームからはmacOS搭載に反対の声が上がります。

残念ながらSONYとの間で合意に至る事ができず、macOS版VAIOは実現しませんでした。

もしもmacOS搭載のVAIO(バイオ)が実現していたら、VAIOはMacBookと並ぶmacOS搭載ノートパソコンとして2000年代に世界に名を馳せていたかもしれません。

SONY時代のVAIO(バイオ)の代表的なモデル

それでは、まずSONY時代の代表的なモデルを紹介していきましょう。とにかくエポックメイキングな機種を紹介していきたいと思います。

VAIO PCG-505(バイオノート505)

それまでA4サイズだったVAIO。PCG-505(バイオノート505)は、初めてB5サイズで登場した製品モデルです。大変薄くて軽く「真のモバイルパソコンが来た!」という、大きな衝撃とともにデビューしました。

発売年は1997年。OSはWindows 95。ボディにはマグネシウム合金を採用し、重量1.35kg、薄さ23.9mmを実現。ソフトMIDIシンセサイザーやオーディオ&ビジュアルプレーヤーも搭載するなど、VAIOの音楽・映像(ビデオ)・画像へのこだわりが発揮された端末です。

当時主流の軽量ノートパソコンは、重量が2kg近くありました。この重さはものすごく軽く感じるものでした。2018年現在主流のノートパソコンでも、重量はPCG-505と同程度というケースもあります。当時として、PCG-505の重量は非常にハイスペックだったのです。

開発時はチーム全体が一緒になって厚みを少しでも薄くし、スペックを高めるべく、ミリ単位で部品サイズを調整したと言われています。

またそれまでは黒かねずみ色だったノートパソコンに、マグネシウム合金の色である「銀」という新しい色を持ち込んだことで「銀パソ」という言葉を生み出しました。

VAIO PCG-Z1(バイオノートZ)

画像出典:VAIO公式ウェブサイト

2003年に発売された「最高スペックのノートパソコン」を目指した機種です。

VAIOシリーズにおいて「Z」が商品名に入る端末は、VAIOシリーズの最高スペック機種を意味します。メモリ性能の高さはもちろん、デザイン性も強く意識。また厚さへのこだわりも貫いています。

「持ち運べるメインマシン」というコンセプトで、性能と利便性を損なわない範囲で可能な限り薄型・軽量化していました。

最薄部の厚さ23.4mm、重さ2.1kgでありながら、メモリも当時の初心者向けパソコンの2~4倍のものを搭載するなど、上級者向けを意識したものでした。

またそれに加え「持ち運ぶ」というのは「他人に見せる」ことであると考えて、デザインにもこだわり、ブラックとシルバーのツートンカラーを採用し、サイドのカーブなどが際立つデザインを採用していました。

バッテリー性能の高さも白眉です。本体付属のバッテリーは最大7時間。別売りのバッテリーを利用すると、13.5時間に及ぶ稼働が可能でした。このバッテリー稼働時間は2018年現在のノートパソコンと比べても、全く見劣りしません。

VAIO type P

ジーンズをはいた女性が、VAIOをお尻のポケットに入れて歩くというCMで衝撃的なデビューを果たした機種です。

発売年は2009年。薄型で横幅は十分なキーピッチを確保しながらも奥行きを小さくし、ポケットに突っ込めるサイズを実現していました。まさに「最強のモバイルパソコン」と言えるでしょう。

OSはWindows Vista(一部はWindows XP)を搭載し、重量は588g。数あるモバイルパソコンの中でも、圧倒的な軽量化を実現しています。端末のサイズと奥行き、キーピッチの広さと重量の兼ね合いが絶妙で、今日でも中古市場で高い人気を誇る端末です。

CPUにはAtom Z520が採用されていて、何と、ギリギリWindows10を動作させる事ができます。

ちなみに筆者もVAIO type Pを持っていたユーザーなので、Windows 10のインストールを試してみました。実際にはあまりにも動作が遅くて、使いものになりませんでした。

Tatsuya T. Yamada Tatsuya T. Yamada
天文学・宇宙物理学の研究を行い、一般向けの講演会や解説書も書いていた。現在は、1991年から行っている「パソコンを使った教育」を本業とし、eラーニングソフト・コンテンツを開発している。教育ビッグデータ、教育へのAI活用の専門家。日本天文学会、教育システム情報学会、宇宙作家クラブ会員。
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