企業戦略や市場分析などをするためのフレームワークは、自分自身に当てはめることで、転職・キャリアアップに役立つフレームワークにもなり得ます。
本記事では、転職・キャリアアップに役立つフレームワークを紹介します。
「転職したいけれど、いまいちどのような仕事がやりたいかわからない」「自分の強みってなんだろう」などと悩んでいる方は、ぜひ参考にして下さい。
この記事の目次
フレームワークが転職やキャリアップの際に使える理由
企業の事業戦略やサービス戦略などの分析に使われるフレームワークを、自分にあてはめて考えることで、自分自身の棚卸しができます。
そうすることで、転職活動の際「なぜこの会社に入りたいのか」「入社して何をしたいのか」「自分のスキルをどのように活かしたいのか」などが明確になります。
自分をどう売り込むのかを具体的かつ戦略的に考えて実行に移すためにも、フレームワークは役立つのです。
具体的な効果
具体的な効果としては、おもに以下のようなことが挙げられます。
・客観的に現状を捉えられる
・経験やスキル、自分の強みがはっきりとわかる
・やるべき課題が見える
・自分の達成したいことが明確になる
など、転職活動を行う際に把握しておかなければならない部分を、フレームワークを活用することで深く掘り下げられるのです。
転職時に使えるフレームワーク5選
転職やキャリアップを考える際、以下で紹介するフレームワークを自分に当てはめることで、応募書類の作成や面接時に役立ちます。
1つずつ見ていきましょう。
3C分析
3C分析とは、自社の現在置かれている業界環境整理に有効なフレームワークです。
3つのCは、
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
を意味しています。
ではここで、この3つのCを自分に当てはめるとして考えてみましょう。例えばあなたがWebデザイナーへの転職を考えているとします。
そうすると、Customer(市場・顧客)は「志望する業界・企業」に置き換えられるため、WEB制作会社や広告代理店などが当てはまるでしょう。
Competitor(競合)は同じくWebデザイナーへの転職を考えている、「自分よりも実績を持った他の候補者」となり、Company(自社)は「自分自身」として位置づけられます。
そこで考えるのは、実績を持っている他者を想定した時に、どうしたら自分が採用されるのかといったポイントです。
そのポイントを見つけるためには、今までの経験を棚卸しして、自分の経験や強みを洗い出す必要があります。
そして、自己分析ができたら、その自分の経験や強みをどう面接官にアプローチすればより効果的なのかを考え、実行に移しましょう。
このように、3C分析を自分に当てはめることで、客観的に現在の自分が置かれている立場が明確に見えてくるのです。
4P分析
4P分析は、
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(販売促進)
の4つの視点から市場分析を行うことで、課題や強みが分かり、戦略に基づいた具体的施策を考えられます。
この4P分析も先程の3C分析と同様に考えてみましょう。(製品)は「自分自身」であり(流通)は「働きたい場所」と考えられます。
そして、(販売促進)では「自分をどのようにアピールして売り込むか」を考え、(価格)は「希望年収」を当てはめて下さい。
そして、その働きたいところで仕事をするためには、自分をどうアピールして、その結果どのくらいの給与が欲しいのかを考えるプロセスです。
この4P分析は、戦略立案の段階で機能する3C分析よりも、実行プランにより近い段階で利用されることが多いので、3C分析を考えた後に活用するとよいでしょう。
Will Can Must
Will Can Mustのフレームワークは、
- Will(やりたいこと)
- Can(できること)
- Must(やらなければならないこと)
の3つを円型で図式化します。
その3つの円が重なる箇所がベストな仕事と考えられるのです。このフレームワークも転職活動にあてはめられます。
1つずつ見ていくと、まず(やりたいこと)では、「自分は何がやりたいのか」「どのような人物になってどんな人生を歩みたいのか」を明確にします。
(できること)では「何ができるのか」「どのようなスキルを持っているのか」を見つめ直して考えましょう。
そして(やらなければいけないこと)では「やりたいことを実現するために取らないといけない行動」を設定します。
その3つが明確となっていれば、特に面接の際に役立つでしょう。よくある例として以下のような質問が挙げられます。
- これから弊社で実現したいことは?(Will)
- なぜ前の会社を退職したのですか?(Will)
- 過去に頑張ってきたことはなんですか?(Can)
- 現時点で弊社では何ができますか?(Can)
- 弊社で実現したいことのために、何をしなければいけないと考えていますか?(Must)
このように、Will Can Mustを使って自分の考えをまとめておくと、焦らずに対応ができ、採用担当者にも好印象を与えられるため、転職活動も有利に働くのです。
Why How What
Why How Whatは「ゴールデンサークル」とも呼ばれ、上記で解説したWill Can Mustよりも、定性的な部分のフレームワークと考えられるでしょう。
1つずつ見ていくと、
- Why(なぜやるのか)
- How(どうやってやるのか
- What(何をやるのか)
といったように考えられます。
まず(なぜやるのか)では「なぜそれを成し遂げたいのか」「世の中のどのようなことを解決したいのか」など目的の深堀りをしていきます。
そして(どうやってやるのか)では、「それをどのような手法を用いて実現するのか」という戦略の部分を明確にしましょう。
最後に(何をやるのか)では「実際にどういったことを行うのか」の戦術を立てます。
このWhy How Whatで大切なポイントは、Whyの部分です。人は(何をやるのか)ではなく(なぜやるのか)の理由に心を動かされます。
転職活動でも同じです。この(なぜやるのか)の部分をよく考えて相手に伝えられれば、面接が上手くいく可能性は格段にアップするでしょう。
ビジネスシステム
ビジネスシステムとは、事業を各機能別に分解して、自社の課題や特徴を洗い出せるフレームワークです。
このフレームワークも自分に当てはめることで、転職活動を行う際に気を付けなければいけない改善点や、強化しなければならない点が洗い出せます。
上記の図のようなステップとなっているので、自分に当てはめて見ていきましょう。
1.研究開発→自分の経験やスキルの棚卸し
2.商品開発→自分にできる仕事・転職してやりたい仕事の分析
3.マーケティング→経験やスキル、自分の強みが活かせる企業・業界の分析
4.営業企画・プロモーション→履歴書や職務経歴書などの作成
5.営業→希望する企業に応募し面接を受ける
6.受注活動→条件のすり合わせ
7.顧客サービス→入社後にやるべきことの準備
問題が生じているステップを発見できれば、それ以前のステップの見直しが必要であることが明確にわかります。
たとえば、ステップ5の段階にある面接で、うまく自分の経験を話せなかった場合、ステップ1の部分を見直すべきなのは明白です。
改善点がありそうならば、第三者の意見を取り入れて、今までとは違ったアプローチで試してみるのもよいでしょう。
フレームワークは転職時に自分を分析するツールとしても役立つ
このように、フレームワークは実務的な仕事だけでなく、個人の分析をする際にも役立ちます。
以下のような悩みを抱える人は、フレームワークを活用して自分自身をコンサルティングしましょう。
・自己PRが苦手
・志望動機が上手く伝えられない
・仕事でやりたいことがわからない
・今自分がキャリアのためにやるべきことはなんだろう
転職やキャリアアップを考えている方は、ぜひ1度、本記事で紹介したフレームワークを活用してみて下さい。
次の記事では、フレームワークが上手く使えない原因と使いこなすためのポイントを紹介。以下からぜひご覧下さい。
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